サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

異端女優/沖山秀子(女優)/65歳

2011年03月28日 | 毎日がメメント・モリ

女優、沖山秀子さん死去 黒澤明監督作などに出演


産経新聞 3月26日(土)16時46分配信

 

 沖山秀子さん(おきやま・ひでこ、本名・近野秀子=ちかの・ひでこ=女優、歌手)21日、不整脈のため死去、65歳。告別式は近親者で済ませた。喪主は夫、和文(かずふみ)さん。

 映画「神々の深き欲望」(今村昌平監督)でデビュー。「どですかでん」(黒澤明監督)や「陽炎座」(鈴木清順監督)などに出演したほか、ジャズ歌手としても活躍した。

『神々の深き欲望』は少し遅れて高校3年生の時に見た。
それまで、まあ高校生の見るような娯楽映画が中心だったから、この映画にはぶったまげた。
南海から突如として出現したような沖山秀子。
全く知らない女優さんだったが、いままでスクリーンで見てきた日本の女優さんとはまったく異なっていた。
映画も、嵐寛寿郎や三国連太郎の濃い演技で、だけど沖山秀子の獣のような存在はただものではなかった。
彼女が奄美の出身であること、1年ぐらい監督に騙されるように孤島に連れて来られた役者たちは、毎日監督と沖山秀子のSEXを見せ付けられたこと、沖山秀子はほとんど裸体で撮影中もすごしたこと・・・こんなことはあとになって噂のように知ることになる。
小沢昭一や中上健次も彼女の崇拝者であったが、その後も破天荒の個性派女優としていくつかの作品に出演した。
けれども、僕にとっては、その後はジャズシンガーとしての彼女の方が印象に残っている。
ビリー・ホリディは何人もの日本の歌手が歌ったが、沖山秀子が一番だと思う。
また「ダンチョネ節」などは日本のブルースだと驚嘆した。
スキャンダルも多かったが、日本の女優史でみればもっとも異端の人であったかもしれない。
今夜は久しぶりに彼女の「サマータイム」を聞くことにしよう・・・合掌!


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