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喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

佐世保での再会と最後の別れ

2010-05-05 | ブログ
 5月4日の祖父金太郎の66回忌、祖母ミチエの7回忌には、
30名をこす多くの地縁・血縁のある方々に集まっていただきました。

 そんな中に、戦死した祖父金太郎のことをよく知っている、
浅野愛明(よしとし)さんがいました。
 愛明さんは現在86歳で、金太郎とは7歳年下の甥にあたります。
2人はまるで兄弟のように育ち、お互いにたいへん慕っていたようです。
 祖父金太郎に関する話を、初めて聞かせていただきました。

 祖父金太郎は、家族と最後の別れをし、三崎から別府行きの繁久丸に乗りこみました。
別府に着いてからの行き先は、長崎県佐世保にある海軍駐屯地。

 18歳になった浅野愛明さんは、佐世保海軍工廠に勤労青年として働いていたそうです。
事前に金太郎から手紙をもらい、佐世保に入隊する期日を知らされていました。
愛明さんは、一目でも会いたいと思い、
到着時刻や入隊する門などを聞き回り、細かく情報収集していました。

 そして愛明さんが待ち受ける中、200名をこす軍人さんたちが行進しながらやって来ました。
門は2カ所あり、もしまちがっていれば会うことはできません。
 愛明さんは、大勢の中から必死で金太郎をさがしたそうです。
そしてついにその中に、金太郎の姿を見つけたのです。
兄弟のように育った2人が、ふるさと平礒から遠く離れた佐世保の地で再会を果たしたのです。
許された時間は、たったの5分。
いったいどんなことを話したのでしょう。
 
 この再会が、最後の別れとなりました。

 愛明さんは、その時のことを心の底から懐かしむように話してくれました。
また一つ、祖父金太郎の姿が感じられました。

 写真は、旅順の駐屯地で撮ったもののようです。
写真の裏に、とてもきれいな字で書かれていました。

                  岬人(はなんちゅう)

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