何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

鑁阿寺-(4) (足利)

2022年01月07日 | 寺社巡り-栃木

【栃木・足利市】本堂は関東地方における禅宗様を基調とした建築の貴重な古例として、国宝に指定されている。 また、袴腰鐘楼と経堂は国指定の重要文化財。 その他、県指定有形文化財の建造物として多宝塔、太鼓橋、御霊屋、仁王門、東門・西門がある。

●大酉堂の東隣りに大黒堂が建つが、どうみても御堂というより校倉造りの収蔵庫だ。 調べたら、宝物を他へ移したので大黒天を祀ったようだ。 大黒堂の右隣りに分福観音菩薩立像が鎮座し、その前にたくさんの文字庚申塔そして最前列に五輪塔群が並んでいる。 観音像傍にあるひときわ大きな舟形の石碑は、元禄四年(1691)の造立で、五輪塔四方の梵字の「(東)発心門」(空・風・火・水・地)が刻まれている。
石造物群の東隣に妻入の御堂の蛭子堂が建つ。 安産の神様・蛭子女尊を祀るので、格子窓にかわいい「涎掛け」が幾つか下がっている。 蛭子堂から北門へ。 残念ながら北門は改修中で、防護ネットに覆われていて全容が見えない。 北門は鑁阿寺の塔頭の山門を移築した袖塀のある薬医門で、簡素だが剛健な武家屋敷の西門と違って、寺門らしい味わいのある造りだ。
本堂の右後方に鎮座する出世稲荷大権現を参拝してから本坊に。 細い5本の筋が入った築地塀と「解脱林」の扁額を掲げた門を構えた本坊は、板壁の身舎の東側妻面に付け足したように切妻屋根をだして白壁の建物を設け、全体に桟瓦葺の裳腰をつけた珍しい造りだ。 本坊の後、西門と同じ造りの東門を拝観し、境内に戻って楼門を通って足利駅に向かった。

△寄棟造本瓦葺の大黒堂....室町時代の永享四年(1432)、公文書奉行による創建で、宝暦二年(1752)の再修....元来、宝物の収蔵庫だったが、他お御堂へ移された後鑁阿寺伝来の大黒天を祀った

△大黒堂は角材を井桁に組んで外壁とした校倉造り、側面に小さな窓がある/軒廻りは一軒疎垂木、扉は八双金具を取り付けた板戸

△大黒堂の東隣に鎮座する観音立像、像前に多くの文字庚申塔群そして最前列に五輪塔群が並んでいる

△観音菩薩像が五輪塔と自然石に庚申の文字を刻んだ庚申塔群を見守っている

△分福観音菩薩立像....右の手の平に乗せているのは宝珠か日輪と思う/元禄四年(1691)造立の石碑....五輪塔四方の梵字の「(東)発心門」(空・風・火・水・地)が刻まれている

△切妻造桟瓦葺で妻入の蛭子堂....創建年代は不詳で本尊は栗のいがを手に持つ蛭子女像を祀る....時姫堂とも称し、義兼の妻・北条時子(源頼朝の妻の北条政子の妹)を祀り、時子の法名から智願寺殿ともいう

△妻に桟瓦葺の向拝と切目縁を設け、正面三間はいずれも横木数が少ない格子窓/「安産守護 蛭子女尊」とあり、中央間の格子窓に沢山の涎掛けが取り付けられている

△正面三間奥行三間で、軒廻りは一軒疎垂木、組物はない....小壁は全て横羽目板、側面は入口の板製引戸を除いて横羽目板

△訪問時改修中だった北門(薬医門)....江戸後期の弘化二年(1845)の建立で、鑁阿寺の十二支院の筆頭塔頭の千手院の山門を移築したもの

△切妻造桟瓦葺の北門(NETから拝借)....桟瓦葺で板壁の袖塀を設けている

△両本柱を渡した横木の上の組物間の空間が閉じられ、足利氏の家紋「足利二つ引両」と七五桐の紋が配されている

△二軒繁垂木で、垂木を支える丸桁の位置で天井を設けている/板扉には八双金具と四隅に散らし金具を施している

△本堂の背面....向拝屋根があり、中央間一間が桟唐戸で両脇間は全て縦羽目板

△本堂の右後方に鎮座する多くの縦長の朱色の明神鳥居と石造り神明鳥居を構えた稲荷堂

△切妻造銅板葺の稲荷堂....格子戸の上に「出世稲荷大権現」の扁額が掲げられている

△社頭に神明鳥居と石燈籠が立ち、社殿を守護する赤い前垂れをした神使の狐像が鎮座

△稲荷堂脇に立つ「當山鎮守七社 出世稲荷大権現」と刻まれた石柱/社頭に立つ石燈籠と前垂れをして鎮座する神使の狐像....左は鞠を踏む玉取りの狛犬で、鞠は富・財産・吉祥の象徴/右は子を踏む子取りの狛犬で、子連れは子孫繁栄の意味

△境内の北東に袖塀を備えた門と築地塀に囲まれて建つ本坊

△切妻造銅板葺の門は薬医門....扉は不思議な意匠を入れた桟唐戸、格子窓を入れた袖塀がある....扁額は「解脱林」だろうか?

△唐破風銅板葺の玄関....足利氏の家紋「足利二つ引両」を入れた獅子口、兎毛通は大きく精緻な鳳凰の彫刻....玄関先に大きな急須が置かれている

△切妻造桟瓦葺の本坊....板壁の身舎の東側妻に付け足したように切妻屋根をだして白壁の建物を設け、全体に桟瓦葺の裳腰をつけている

△案内板に表記されていない切妻造桟瓦葺の建物....窓がないので宝物を収蔵する御堂か?

△切妻造本瓦葺の東門....足利義兼による建立で西門と同じ構造の門

△丸柱の本柱と角柱の控柱   柱下と礎石の間に設けられた木造の礎

△本堂脇の境内に佇む板碑型石塔と宝塔....宝塔の塔身に蓮の花と月輪に虚空蔵「タラーク」の梵字が彫られている/小さな溝(?)に架かる擬宝珠高欄付き石橋
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