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【埼玉・所沢市】本堂に向かって右手に、築地塀で囲まれた本坊と大きなアーチ形屋根だけの建造物が並んで建つ。 アーチ形屋根の建造物は、法要殿前に設けられた駐車場のようだが、古刹にはまったく不似合いだ。 「山口観音金乗院本坊」の聯が掲げらられた門をくぐると、左右に小石を敷きつめた枯山水のような庭がある。
本堂の右側を奥に進むと、本堂後方に雛壇式の大きな墓所があり、多くの地蔵菩薩像が整然と鎮座、雛壇最上には樹林を背にして白いドーム屋根の南方仏教系の御堂がある。 更に進むと、樹林の中に燦燦と日を浴びている大日堂が建ち、堂前には「弘法大師の閼伽水」といわれる湧き水が湧いていて、赤子を抱く観音様が傍で閼伽水を護っている。 大日堂左手の奥之院への参道の脇に、石造り仏龕の中に鎮座する八体の干支の守護仏が鎮座....自分の守護仏である虚空蔵菩薩に合掌して先に進む。
守護仏の先に、奥之院への石段があり、石段下の真ん中に基礎に精緻な龍の彫刻を施した石燈籠が立つ。 石段の手摺りには、頭を下にした龍像を這わせていて、まるで奥之院から降りてくる下り龍が参詣者を迎えているようだ。
長い階を上っていくと、左上に朱塗りの五重塔が現れる。 境内の一番高い所に鎮座する奥之院八角五重塔は、中国風の塔容で、中国の古刹巡りで観た塔を思い起こさせる。 五重塔の傍に、入口に「西国三十三番札所 元禄三年開基」と刻まれた「仏国窟」があり、窟内に入ると、片側に浮き彫りされた諸仏の石仏がひっそりと鎮座。 反対側には諸仏と向かい合うように小さな修行僧像がたくさん並んでいるが、弘法大師空海だろう。
ひんやりした「仏国窟」を抜けると牌坊のような朱塗りの大きな門が立ち、門前は狭山湖と多摩湖の間を走る一般道だ。 奥ノ院は通常、境内の一番奥深い所に鎮座しているものだが、一般道に面し、しかも門を構えている奥之院は珍しいかも。
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昭和五十四年(1979)建立の法要殿....元禄二年(1689)建立の通夜堂の跡地に建てられた....手前右の石燈籠は宝暦十一年(1761)の造立で増上寺から移築
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本堂右手の2本の定規筋が入った築地塀に囲まれた本坊....入母屋造桟瓦葺で妻入(と思う)、大棟に鳥衾付き鬼瓦が乗る
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唐破風の本坊玄関....屋根に「輪違い」の紋を入れた鬼板、兎毛通は変形の猪目懸魚、妻飾は虹梁大瓶束、水引虹梁上に掘り窪めた中に花の彫刻を施した大きな板蟇股が乗る
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小石を敷き詰めた本坊の前庭
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石や石燈籠を配した前庭は枯山水のようだ 錆びた鉄製のような雪見燈籠
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本堂後方の龍が這う塀で囲まれた雛壇式墓所は水子霊場....舟光背型地蔵石仏の墓石群がずらりと鎮座、上部の白いドーム屋根の建物は玉佛堂
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雛壇式墓所右手の木立の参道を進むと大日堂が建つ
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宝形造銅板葺の大日堂....平成十一年(1999)の建立で、本尊大日如来像を祀る
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観音菩薩像が鎮座している所の湧水は、弘仁年間(810~824)から「弘法大師の閼伽水」といわれる
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大日堂境内に大日堂を向いて鎮座する八体守護仏....舟形に掘り窪めた中に諸仏が鎮座
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干支の守護仏....12支の方向に8体の佛が鎮座.....一番手前は子年(北)の千手観音菩薩
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大日堂境内から奥之院への石段....両側に下に頭がある下り龍のような手摺りを設けている/石段下に佇む大きな石燈籠....基礎に大きな龍像、中台に十二支、火袋に獅子像を施している
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大日堂境内から奥之院への石段....両側に頭を下にした奥之院からの下り龍のような手摺りがある
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龍の手摺り越しに眺めた八角五重塔
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鉄筋コンクリート製の奥之院五重塔....平成十一年(1999)落慶(開基は嘉永元年(1848))
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高さ2メートルの基壇上に建つ中国風の奥之院五重塔........塔内に千躰の観音菩薩像を安置されていて千体観音堂とも称す/五重塔前の中国風の常香炉は本堂前のものと酷似
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五重塔の脇にある仏国窟....石造入口枠に「西国三十三番札所 元禄三年開基」の刻、手前に立つ「四国八十八ヶ所霊場 昭和五十年開基」の標石
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仏国窟の中に鎮座する浮き彫りの諸石仏と沢山の小さな空海修行像(と思う)が対面している
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宝珠光背型如意輪観音菩薩像2体と千手観音菩薩像
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仏国窟の出口から見上げた五重塔....最上重の屋根の軒廻りは二軒繁垂木
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奥之院に建つ牌坊のような棟門造りの朱塗りの門....門前の石燈籠は宝暦十一年(1761)の造立
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貫の中央に釈迦像が鎮座する奥之院の門越しに眺めた五重塔/初重から四重は屋根と組高欄付き縁が一体化、各軸部に板唐戸と盲連子の窓が交互に設けられている
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