何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

萬徳寺-(2) (稲沢)

2021年01月26日 | 寺社巡り-愛知

【愛知・稲沢市】鎌倉時代の建長六年(1254)、常円上人によって再興された。 江戸時代に入ると、尾張国真言宗の本山として、豊臣秀吉以来五十三石の寺領を持ち、53以上の末寺を有した大寺院だった。 境内には室町期建立の多宝塔と鎮守堂(いずれも国指定重要文化財)が建ち、特に鎮守堂は室町時代享禄三年(1530)の建立で、建築年が明らかな建造物として貴重な遺構。 境内には約700本の牡丹が植栽されていて、「ぼたん寺」として知られている。

◆境内の西側には四月下旬に花が咲きそろう牡丹園があり、その中に室町期建立の多宝塔と鎮守堂が建つが、訪問時はちょうど修築中で、いずれも工事用テントにすっぽり覆われていて拝観できずだった。
ネットに投稿されている修築前の多宝塔と鎮守堂の写真をみると、檜皮葺の多宝塔は優美で風格を感じさせる。 同じく檜皮葺で一間社流造の鎮守堂は、身舎を前後に分けて前半部を吹き放しとした構造で珍しく、興味をそそる。 牡丹園の北側、本堂の左手に帽子を被り前垂れをした六地蔵尊像が並んで鎮座、その左後方に宝形造りの地蔵堂が日を浴びて南面で建つ。
本堂前の境内に鐘楼があり、鐘楼と並んで台座上の蓮華座に柳の枝と宝珠を持つ楊柳観音像が鎮座している。 鐘楼と楊柳観音像の間から後方に建つ小棟造りの観音堂に....堂前には「南無如意輪観世音菩薩」と揮毫された古びた回向柱がひっそりと立つ。
楊柳観音像の左手に「四国八十八個所入口」と彫られた標石が立ち、鬱蒼と茂った木立の中に大正十二年造営の四国八十八所霊場がある。 木漏れ日が射し込む霊場に踏み入ると、大小の岩がゴロゴロしている中に多くの石仏が鎮座。 しかし、傾いた御堂や倒れた石造物などが散見され、少し荒れている感じなので、手入れが行き届いていないように見えた。

△鐘楼越しに眺めた工事用テントに覆われた多宝塔と鎮守堂、右奥は地蔵堂

△本堂に向かって左手に建つ地蔵堂

△地蔵堂への参道に鎮座する帽子を被り前垂れをした六地蔵石像

△卍が入った露盤宝珠を乗せた宝形造桟瓦葺の地蔵堂....堂前に数体の坐像・立像の地蔵石仏/地蔵堂脇に本堂を向いて鎮座する石仏は如来像や弘法大師像など

△地蔵堂の正面は腰高格子戸

△改修されたいずれも重要文化財の多宝塔と八幡大神を勧請した鎮守堂(NETより拝借)

△檜皮葺の多宝塔....室町時代(建立年不詳)創建....優美で風格があり、塔内に木造大日如来坐像を安置(いずれもNETより拝借)

△改修後の一間社流造檜皮葺の鎮守堂(NETより拝借)....室町時代享禄三年(1530)の創建

△改修前の鎮守堂(NETより拝借)....身舎を前後に二分し、前半分を吹き放しとした特殊な構造

△本堂前の西側に楊柳観音像と鐘楼、その後方に観音堂が建つ....左の木立の中に四国八十八個所がある

△入母屋造本瓦葺の鐘楼....大棟や降棟た稚児棟の各端に「萬」を入れた獅子口を乗せている....二軒繁垂木で組物は出組

△昭和二十三年(1948)鋳造の梵鐘....「南無遍照金剛」を配している/円光を背負い右手に柳の枝を持って大きな蓮華座に鎮座する楊柳観音坐像....昭和六十二年(1987)の造立

△楊柳観音坐像越しに眺めた観音堂

△寄棟造桟瓦葺の観音堂

△軒廻りは一軒疎垂木で組物は舟肘木....堂前に回向柱と昭和三年(1928)造立の石燈籠が立つ

△観音堂前に置かれた手水鉢は明治三年(1870)の造立/観音堂前に立つ「南無如意輪観世音菩薩」と揮毫された回向柱

△四国八十八個所入口....創立大正十二年(1923)とある/大日如来坐像と弘法大師空海の石像

△昭和十一年(1936)建立の入母屋造桟瓦葺の御堂/御堂内に鎮座する2体の石仏は前垂れで尊名分からず

△四国八十八個所に鎮座する薬師如来、地蔵菩薩、弘法大師など各尊石像群

△本堂に向かって右側に連なる庫裡等の建造物

△切妻造桟瓦葺の建物の妻に設けられた唐破風銅板葺の玄関
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