何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

龍泉寺の馬頭観音石仏

2020年08月17日 | 石仏巡り

【名古屋・守山区】名古屋城の守り神である「尾張四観音」の一つの龍泉寺の境内に、馬頭観音石仏など多くの石仏が鎮座している。 龍泉寺は平安時代以前の創建で、伝教(最澄)・弘法(空海)両大師の開基ともされている古刹。
本尊は馬頭観音菩薩で、江戸中期に編纂された古文書「龍泉寺記」に、馬頭観音菩薩を本尊として祀っている縁起が記されている。 江戸初期建立の仁王門の門前と堂宇境内に、赤い前垂れや一部帽子を被った多くの石仏が鎮座している。
堂宇境内の石仏は殆ど馬頭観音で、門前には馬頭観音以外の地藏菩薩などの尊像が鎮座して参詣者を迎えている。 馬頭観音菩薩が本尊だからだとは思わないが、門前の石仏を拝観していて、つい馬頭観音以外の尊像はみな門前に追いやられたのではと勘ぐってしまった。
仁王門脇の築地塀の堂宇側に鎮座する多くの馬頭観音石仏を拝観する。 宝冠に馬頭を頂き、忿怒面を持つ多くの馬頭観音石仏がまとまって鎮座している光景は壮観だ。 奈良時代以降信仰されている馬頭観音の像容は不定だが、本来的な4面2臂像では、中央1面が菩薩面、左右2面が忿怒面、そして頂上(宝冠)面に馬頭をいただくという異様なお姿の観音様だが、ユニークな像容に惹かれて楽しく拝観できる....合掌。

△門前右側の門柱傍に佇む石仏群

△門柱傍に鎮座する前垂れをした7体の石仏群....丸彫りの地蔵尊石仏3体と4体の舟光背型石仏

△舟光背型十一面観音菩薩像(と思う)/舟光背型石仏....仏法のシンボルとされる輪宝を背負った石仏は尊名不詳

△7体の石仏が鎮座...2つの石造覆屋に各2体の石仏,「卍四国第十七番札所」と刻まれた標石の右側に地蔵尊像を含めた3体の石仏

△「八十八番」と刻まれた台座に鎮座する尊名不明の2体の石仏/「阿波國第十七番」と刻まれた台座に鎮座する尊名不明の2体の石仏

△江戸時代建立の仁王門の脇の築地塀傍に前垂れをして鎮座する石仏群

△石仏は殆ど馬頭観音像で、角柱に「馬頭観音菩薩」と彫られた文字塔や丸彫りの地藏尊像も鎮座

△馬頭観音は六道のうちの畜生界を済度するとされ、馬頭は諸悪魔を下す力を象徴し、煩悩を排除する功徳を持つ菩薩、また馬の守護神とされる/馬頭観音は怒りが強いほど衆生を救済する力が大きい

△馬頭観音の像容は不定だが、観音菩薩三十三化身の中で唯一忿怒の相、髪の毛を逆立て、額に第3の眼があり、牙があるとされる

△馬頭観音の4面2臂像では、中央1面が菩薩面、左右2面が忿怒面(柔和相と忿怒相)....3面いずれも忿怒相もある)、そして宝冠に馬頭をいただく

△前垂れで見えないが、一般に胸前の二手を合掌にして明王馬口印を結ぶ....2臂~8臂に法輪・弓・矢・数珠・宝剣・矛・宝棒・斧・健・羂索などを持つ

△東門の参道脇に鎮座する2基の舟光背型地蔵菩薩石像....右の地藏石仏は元禄四年(1691)の造立
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 龍泉寺-(2) (名古屋) | トップ | 知立神社-(1) (知立) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

石仏巡り」カテゴリの最新記事