何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

富貴寺の大堂

2018年08月29日 | 最古・唯一などの遺構

【大分・豊後高田市】九州に現存する最古の木造建造物で、九州唯一の国宝和様建造物。
平安時代後期(12世紀頃)の建築とされる。 奈良時代の養老二年(718)、宇佐八幡神の化身とされる仁聞菩薩により開創されたとされる富貴寺に建つ大堂で、平安時代に盛行した「阿弥陀堂」の典型的な遺構。 九州に残る平安期作の和様建築として、また、六郷山の寺院群の最盛期を忍ばせる遺構として歴史的価値が高い。
石段の上に聳える榧と銀杏の巨木の間の奥の静寂に包まれた境内に大堂(阿弥陀堂)が佇んでいる。 主屋は正面三間、側面四間だが屋根は宝形造りで、奈良でも見られない見事な行基瓦が葺かれている。 瓦当を見ると、蓮華座に乗る仏像(阿弥陀仏か)の文様が軒丸瓦に彫られている。
正面は全て板唐戸、側面は二間板唐戸で二間横羽目板で窓がない。 軒廻りは二軒平行垂木、柱上に舟肘木が乗り、中備なし。 建物の周囲には、石塊を帯状に並列したシッカリした造りの雨落溝が設けられている。
露盤宝珠からゆるやかな曲線を描いて流れる行基瓦葺屋根の阿弥陀堂....約900年もの時が流れる静謐な空間にひっそりと建っている姿は優雅で美しい。

露盤宝珠を乗せた宝形造行基瓦葺の大堂(阿弥陀堂・国宝)....平安時代後期(12世紀頃)の建築で、屋根は古い様式の行基瓦で葺いている

正面三間、側面四間の宝形造り....正面三間と側面左右の手前二間と背面の中央一間に両開の板唐戸....建物の周囲に雨落溝が設けられている

周りの柱は全て方柱で、幅広く面取(大面取)が施されている....軒丸瓦に蓮華座に乗る仏像(阿弥陀仏か)の文様がある
 
軒廻りは二軒平行垂木、柱上に舟肘木が乗る、中備なし....周囲に切目縁を廻らす/隅降棟と稚児棟の先に鳥衾を乗せた鬼瓦....屋根の変遷は瓦葺→草葺(安土桃山時代)→瓦葺(明治四十五年)→行基瓦葺(昭和三十九年)

背面は中央間に板戸、脇間に横羽目板

堂内には藤原時代末期作の像高86cmの阿弥陀如来坐像が鎮座、内陣後壁に阿弥陀浄土変相図、四壁に五十仏、四天柱に胎蔵界曼荼羅の中心部の尊像が描かれている
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