世界の「主要商品・サービスシェア調査」結果
中国勢、成長品目で躍進
日本経済新聞社は3日に発表した2015年の世界の「主要商品・サービスシェア調査」結果を公表した。
対象55品目のうち、ソニーのカメラ用センサーや東レの炭素繊維など、市場をリードする先端部品や素材など11品目で日本企業が首位だったが、監視カメラや太陽電池など市場が急拡大している分野で、中国勢の躍進が目立った結果になっている。やはり、中国は日本にとって侮れない地位になってきている。
日本勢で、目立つのは、スマートフォン(スマホ)の写真・動画撮影などに使われる「CMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサー」でソニーが4割超のシェア。 市場規模が13%増と大きく伸びた炭素繊維では東レが独走。リチウムイオン電池の中核部品であるセパレーターは旭化成と東レが合わせて7割のシェアを握る。電池の完成品市場は前年比5.6%増と拡大基調が続く。2位につけるパナソニックが電気自動車向けの販売を伸ばしており、1位の韓国・サムスンSDIとの差を縮めつつあるという。
自動車ではトヨタ自動車が僅差で1位。ただ、シェアを伸ばした米ゼネラル・モーターズ(GM)との差は0.1ポイント差。このほか産業用ロボット、白色発光ダイオード(LED)、タイヤ、マイコン、中小型液晶パネル、レンズ交換式カメラ、デジタルカメラで首位。
調査対象55品目のうち32品目で市場規模が拡大し、そのうち51%増と最も伸び率が高かった監視カメラでは中国のハイクビジョンが市場の3割を握ったほか、新興国を中心に需要が拡大している太陽電池や風力発電機も中国企業がトップを占め、2ケタ増の急成長を遂げた10品目のうち日本勢がトップとなったのは炭素繊維だけという。
今後とも日本が、首位の分野の技術を維持できるのか、中国勢の勢いは侮れない。
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