地震 雷 火事 親父の諺どおり、爺の親父も怖い存在だったが、近所の評判は誠に良く、周りからいいお父さんだねと言われても、子供心に納得できない気持ちだったかと。
SLの機関士だった親父、狭い運転室の中で、夏は高温、冬は厳寒、激しい振動の中での長い乗務時間は重労働だったであろう、夜勤明けは、寝ていた記憶しかない。
親父に遊んでもらった覚えはない、一緒にいたのは、ゲンコツを貰いながら夏休み帳や冬休み帳の整理のときだけ、定年になった５５歳から７４歳で人生を閉じるまでの親父は好きだったが。
晩年の親父がおふくろと並んで長野県野尻湖湖畔で撮った写真が位牌の傍に飾ってある、親子とは言え今の爺とそっくりの顔、性格は似ているところもある。
故郷を守っている爺ちゃん、婆ちゃん、そろそろお盆疲れも回復した頃では、これから年末までの大型連休が始まる、新しい英気を養って、暮れには元気で孫たちを迎えよう。
孫が来るとなれば、婆ちゃんは食べさせる段取りで精いっぱい、爺ちゃんも念入りな部屋の掃除、寝具の準備、お盆玉と言うお小遣いの用意やら、迎える準備に頭と体とお金を使う。
今年の我が家は、１０年ぶりに次男夫婦が大学生になった二人の孫と一緒に帰省、来る者も迎える者も日頃の雑用から解放するために、６人で近くの温泉旅館で一夜をのんびりと過ごす。
普段は家族４人一緒の行動は殆どないので家族団らんの場になっだろうし、爺と婆の体力の負担も軽減されたし、食べたり 飲んだり 湯につかったり，お喋りしたり、結果は全て良し。
このところ、ワンちゃんの朝の散歩は日が昇る前5時ごろ、出会うのは同年代と思われる年寄りが多い、穏やかな表情の方、堅い表情の方、歩行器や杖を利用されている方等々。
先日は90歳になる婆ちゃんに、数日後には９６歳になる爺ちゃんに出会って、しばらく立ち話、お医者様にも介護士にも世話になっていないと言う御両人、心身に確かな余裕が伺える。
よく出会う何時も堅い表情の婆ちゃん、毎日一時間の散歩だそうで、この頃になって、漸くおはようの声に反応するし、自らおはようと声をかけて来るようになって嬉しい。
聞けば、腰痛で気分がすぐれない毎日だと言う、健康状態に限らず、大なり小なりの困りごとや心配ごとで、気が滅入っている時に笑顔を求めるのは酷だが、声を出すのも心の健康法かと。
順天堂大の小林教授の著書「ゆっくり動くと人生が変わる」の中に、話す、歩く、食べる・・様々な日常動作のペースを落して、ゆっくり動くだけで人生が良い方向に変わると言う。
それぞれ医学的に臨床現場で確認されており、着実に成果を上げているとも言う、早口、早足、早食の爺、現在のところ全て該当しないが、毎日が忙しい身でもなし、心掛けて見ようかと。
小林教授自らが実感しているイチオシは「ゆっくり話す」ことだと言う、さっそく家内との会話で試みているが、長いこと喋ってきたペースを変えるのは、そう簡単ではない。
「せまい日本そんなに急いでどこへ行く」、昭和４８年に総理大臣賞を受賞した交通標語である、余生はゆっくり気分で過ごしたいと、せっかちな爺も減速に努めているこの頃。
パソコンは、人間で言うと頭はいいが体が弱い機器で、お医者様のお世話になることが多い、時には往診してもらったり、入院することも、保険が無いので治療費も高くつく。
以前は、本屋で立ち読みしたり、買い求めては、病の原因を調べたり治療したりしたものだが、今ではネット検索で殆どの治療方法が理解できるので本屋とは長いことご無沙汰中。
他人のパソコンに細菌を撒いて、情報を盗んだり、壊したり、いじめたりして楽しんでいる者が多く、自衛のためとは言え、頭に刻み込まれたパスワードの変更を余儀なくされたり。
パソコンと出会って14年経った今も、主治医に受診しながら健康を維持しているパソコンから、最新の情報は世間ばなしや夫婦の会話のネタになったり、遊び相手になってもらったり。
