goo blog サービス終了のお知らせ 

渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

テネシー

2022年03月05日 | open
 
 今頃 国のテネシーあたり
 刈り入れ時さと 片言まじりで
 バルコニーから 覗くあんたは
 ブロンドさえも 色褪せていた
 
私は柳ジョージさんの歌よりも
この曲を作ったご本人のこの
歌い方が一番好きだ。
物凄くいい。
この名曲は柳ジョージさん自身
が持ち歌として歌い、多くの人
がカバーしているが、作曲者本人
のこのオリジナルの歌い方が私
には一番ハートにズドンと来る。
いい。とにかく果てしなくいい。
夜には部屋で何度も何度も聴いて
いる。
「うたう」ってこういうのだ。
青い瞳のステラ 1962年夏・・・
柳ジョージ&レイニーウッド
 

理想形

2022年03月05日 | open



自分が作りたいキューの理想形。
ブランズウィックのタイトリスト
コンバージョンタイプ。
ハギのべニアの色も、伝統的な
タイトリストカラーの四剣。
リングもファンシーリングでは
なく、シンプルな黒樹脂一択。
ジョイントはパイロッテッド。

だがしかし。
実は、バット部分がパイロッ
テッドの溝えぐりがありの構造
で、それにフラットフェイスの
シャフトを連結すると、独特の
抜けの撞き味があるのは知られ
ていないのか、わざわざそれを
試す人は少ないようだ。
別目的で作られた構造の物同士
を試しにジョイントさせたら
思わぬ面白さが出るのだが、
たぶん、それを目的として別構造
体をわざわざそのために作るの
は外れの場合無駄足になるから
だろう。

別目的構造体自体のコンバー
ジョン。
これ、実は面白い結果が出ます。
ほんのわずかなバットジョイント
内部に凹の溝があるだけで、そこ
にフラットジョイントのシャフト
を繋ぐと、振動収束性が高まるの。
結果、余計な動きが減少してより
ソリッド感を出しつつ、不必要な
不正振動によるズレが減少します。
これまではいかにジョイントを
強固に連結するかがキューの主軸
でしたが、ハイテクシャフトの
先角のように、あえてジョイント
部に空洞を設けることで、軽量化
による振幅量を軽減させる。
軽量化は樹脂カラー採用という
方向ではないので、ソリッド感も
残しつつ、打感はぼやけない。
でも、それをやっているキュー
ビルダーやメーカーはいません(笑)。
そんな酔狂は、たまたま試したら
あら不思議、こりゃ面白い、てな
事で、わざわざそれで作ったり、
いろいろなシャフトを着けて
コンバージョン路線を試してる
おバカなおいらくらいなものかと。
既存の固定意識を壊すと、案外
面白い物が出来ます。
中空ジョイント。面白い撞き味
になります。


DIYチェア

2022年03月05日 | open



ここは、とあるビリヤード場。
このアイアンハイチェア、自作
だってさ。
なんだかすげーす。


これが正しいプールホールの姿。
国内でこのような北米スタイル
の店は見たことがない。
カワサキ乗りのマスターの鉄製
自作ハイチェアが泣かせる。
次はアームレスト付のスペクテイ
ターチェアを作るんだって。
つまり、ビリヤード用の国内には
無い椅子。やるね~。
こんなのを作ってほしい。


アームレストは木だとベター。
レスト部分のみはこんな感じか。

よい店です。




友人と撞く。
玉撞き楽しからずや。


音の不思議

2022年03月05日 | open
 
穴あきではない尻ゴムのほうが
打球の際に高音を発するという
不思議これあり。
物事は試してみないと分からない。
このキューの尻ゴムはこのタイプ
で確定。
パーツ交換的な面でのリペアの
第一歩。
 
でも、やはり5年使っているこれが
一番撞いていて気持ちいいやと、
後半の8時間はこればかり使う事に
なっていた。
軽く撞くとキュイーンという抜け
ような澄んだ音がするキュー。
強めに撞くとクォンと高い木琴音
を奏でる。
材木のブランクの状態で私が入手
してから
削っては寝かし、寝かし
ては削り、私も材料も
よく30年間
辛抱した(笑
自分にとっては性能も十二分に
満足の斬球剣ができた。
ただのカエデの棒だけど。

ベスト・オブ・ベスト。
カナディアンペイプルのハード
ロックメイプル、カーリー/バー
ズアイ/キルト/タイガーの原木
は、種別毎に選別されて、ビリ
ヤードのキューや野球のバット
やスケートボード、家具やフロ
ーリングの用途に使われる。
カナダ国有林だけでなく、私有林
さえも伐採や輸出には厳格なカ
ナダ国家の規制で厳格に管理され
ており、乱獲や不法輸出を防止す
る対策が実行されている。
「世界一住みやすい国」の一つで
あるカナダは、他の多くの木材
産出国が国際密輸組織の餌食に
されているのとは違い、極めて
厳格、公正に自然環境保護の観点
から適正に伐採と輸出が行なわれ
ているのが特徴だ。カナダは林業
先進国といえる。






















 


ベスト・オブ・ベスト。
最近世間で大流行の黒い化学素材
のキューと対極にある古い伝統的
製法で作った白い一刀。斬球剣。
本ハギのプロング=剣はないの
ですが(笑)。


にえづき匂い深く映りあり。
地斑(じふ)も景色を彩る。


あやしうほどものぐるほしけれ。



リングのコピー ~キューのリペア~ (2013年10月19日記事編集再掲) 

2022年03月05日 | open

けさ8時半過ぎ、リペアに出して
いたキューが届いた。

オリジナルに合わせて86-9Sハカ
ランダ・カスタムの
シャフト・
リング新規製作を9月初めに依頼
していた。


完璧な仕事である。
茶系ベークライトの新品ロット
は現在は黄土色に
近いものになっ
ており、古いタッド荒ネジなどで
使われた濃い
茶色のリペアなどで
は問題が生じることが多い。
アダムなどのキューで使われて
いた茶ベークもミルクコーヒー色
になってしまったし、ジャッドや
ジョシーのキューもすべて淡い色
のベークになってしまっている。

ビリヤードキュー素材としてメー
カーからリリースされているベー
ライト自体は経年年化で濃色化
するのだが、新品状態で昔の濃い
色番は廃版になったので、現行の
新品はかなり薄い茶色のため、
古いキューと合わせのリングを
新たに製作する際には
色合わせ
に苦労する。

今回の業者さんは、色合わせも
行なってくれた。仕事に問題は
皆無だ。
素晴らしい。リングは色を合わ
せたベークライト、スロット部分
はブビンガ(アフリカン・ローズ
ウッド)が合いそうだ、との提案
をくれて、それを用いて作って
くれた。


中央が今回発注した新規リング。
(プロテクタはTADコハラさん
が作った実物オリジナル18山)

上のシャフトは淡路亭製1987年
シャフト。リングはアダムオリ
ジナル。

下のバットのリングはオリジナル
状態(8年前2005年に1度リペア)。
今回製作してもらった新規シャ
フトリングは、ま
るきり新品状態
という感じではなく、バットリン
グの経年状態と合わせてわざわざ
製作
してくれている。職人技の
センスがとても良い。どうしま
すか?との事前の相談もあり、いろ
いろ提案してくださった。仕事に
おいて信頼ができる。
大阪の業者さん。

ただ、新規出荷では仕方ないの
だろうが、リング塗装ではシャ
フト
部分とのクリア塗装の境目が
一直線になっている。これはやむを

得ない。
プロも一般的プレーヤーもこの状態
のまま使用している方々が
非常に
多いが、私はこれは好まない。

なぜならば、キューを使っている
とシャフトが汚れて、このクリア
境目がまるでテニス部の女子の
日に焼けたソックス痕みたいに

なってしまうからだ。
好みの問題だが、この状態のまま
というのは、機械的に過ぎて、
私は躍動感もぬくもりも感じない。
なぜかしら私の周囲には私と同じ
感覚で、ランダムなニスはがしを
好むプレーヤーが多い。

いつものように境目の部分をラン
ダムな山と谷を形作るべく、日本
刀の不規則な互の目(ぐのめ)の
刃文の
ように、細かくちぎったサン
ドペーパーを親指の腹に乗せて小刻
みにこすって刀の
仕上げ研ぎの
「刃取り」をするがごとく境目を
ぼやかした。


それにしても上側の淡路亭の赤木
シャフトは木の質がとてもよい。

見た目も日本刀でいうならば地
部分の肌が「小板目詰む」と
いう
感じだ。
幾重にも織り重なるような板目の
杢が
画像からも見て取れる。
TADとショーンを除けば、私が
持っている
シャフトの中で一番
良好な動体性能を示すシャフトで
ある。
以前日本海方面に出張に行った
その夜、宿泊先の街の玉屋でこの
シャフトを出したら、古い撞球師
の人が「お、これはいいシャフト
じゃないか」と見てすぐに言った。
見る人が見れば分かるようだ。
あるプロも試し撞きしてみて、この
淡路亭の古い赤木シャフトを絶賛
していた。


なかなかいい感じ。境目が判ら
ないでしょ?

これが使い込むと、ふんわりと
雲のような上下もこもこに見える

ようになって来るのです。
まるで日本刀の刃文のように。



シャフトのみでコンクリの床に
自重落下させてみる。

スキューンと良い音がする。
リング接着に隙はなし。

バットと繋いで手玉を撞いてみた。
透き通る音がする。
完璧だ。
職人さんに感謝する。
納期はかかったが、確かな仕事を
してくれれば大満足だ。

上手だなぁ。この人。
感謝に堪えない。ありがたい。

メインの差料の一刀がやっと
戻ってきた。
現在主として愛用しているのは
正体不明の本ハギ安キュー(当た
りシャフトで性能は申し分ない)
だが、このベースがアダム86-9S
の全バラ再構築再製作のキューは
ノーマル時には私が所有した2本目
の思い出深いキューだ。
購入は1986年。長い付き合いで
ある。
ハードブレイクでシャフトを折っ
たのもこのキューだし、マッセや
ジャンプを覚えたのもこのキュー
だった。(ジャンプキューがこの
世に存在しない頃、このキューで
グランドマッセの構えから手玉
単独ジャンプを私はやっていた)
参加者77名の試合で、気づいた
ら勝ち上がり、準決勝まで行った
のもこのキューだった。優勝商品
はグアムペア旅行だった。
私が同伴した年上の女性は長い
試合途中で眠そうにしていたが、
準々決勝前あたりからシャキーン
と起きて「グアム!グアム!」と
言いながら目が爛々と光っていた。
残念ながら優勝はできなかった。
私が得た3位の賞品は、この私の
差料の普段使いのキューよりも
ずっと高価なキューだった(笑)。
嗚呼、バブルな浮世よ、今遥か。