リペアマンの千葉のバディ藤田
さんが廃業の時にくれた吊るし
塗装専用のデルリン®︎のジョ
イントジグをバットに着けて
梱包用のナイロン紐で吊るす。
そして、紐をよじってから放し、
クルクルと回しながらクリア
塗装。手持ちでもよい。
現在一回目の塗りの乾き待ち中。
塗る前はペーパー均しをする。
足つけの為、ポリッシュ程まで
には番手は上げない。#1000
まで。
しかし、ティッシュ磨きはする。
下地は大切で、最終的には#4000
で研磨してからケミカルに入る。
クリアを吹くと浮き上がるベニア
の色。
一番外のベニアの色は緑だった?
何だかベニア接着剤の染みた色と
も取れるのだけど。今までは見え
なかった色が浮かんできた。

やはり、緑ベニアが半世紀以上で
褪色したのか、あるいは接着剤か。
これは乾き後に完全に磨き落とし
て、また塗る事にする。
リングのとこにも緑の線が浮き上
がった箇所出現。
塗装はウレタンではないので市販
キューのような鏡面にはならない。
あくまで、木部保護の役目だけ
のクリアだ。木の振動を殺した
くない為にそれを使っている。
仕上げは磨いてもこんな程度。
TADはラッカーなのに鏡のように
光っているのは、あれは塗りが
上手いからだろう。
ただし、ラッカー経年変化で黄化
する。古いアコースティックギター
のように。
ただ、木材の振動阻害が最小限な
ので、古くから弦楽器には用いら
れて来た。
ビリヤードのキューのクリアにつ
いては、メーカーによりショーン
のようにガチガチに固める系と
TADのように経年変化で黄化しよ
うが楽器のように振動阻害最小限
狙い系とに大別できる。
市販キューはウレタン塗りで、ま
るで鏡のような光沢を見せる商品
として販売されている。
保護皮膜の実用性と美観としては
ウレタンは他を寄せ付けないが、
木に充分な動きをさせる目的の塗
膜としてはラッカー系の薄い重ね
塗りに分がある。
ただし、ウレタンの上からは
塗れない。揮発力が高く塗り
面を破壊する。
ニ液硬化のウレタンだとこういう
光沢が出る。
塗装はむつかしす。
アクリルもラッカーもウレタン
も本職のようには巧くは塗装
できない。ノヨウナモノでし
かない。
吹き付け塗装であれ、手塗りであ
れ、本職の塗師(ぬし)は匠だか
ら。本職には敵わない。
漆塗りなんて、素人だとまず無理
だし。湿度管理も含めて。
塗りの世界はとても深い。