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渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

天の理 ~赤色の退色~

2022年03月29日 | open


ポール・モッティ作のザンボッティ
モデル。


ビリヤードキューの真っ赤なハギ
のべニアはかなり色が綺麗だ。
真紅。
しかし、年月とともに赤色は退色
してしまう。
これは天の理だからしかたない。
赤色は紫外線を吸収しやすく、
紫外線によって原子の結合が崩さ
れて分子が破壊されるので赤色は
退色が進む。これはもう止めようが
ない。退色を遅れさせることは人間
にはできるが、赤色の退色を完全
阻止することは不可能だ。

どれくらい退色するか。

これはA・Bがポール・モッティの
オリジナルリングで、右のCが
新規製作のコピーリングだ。
A・Bが製作されてからほんの
5年程でこんなに赤色べニアが
退色して薄くなる。
さらに時間が経つともっと色が
ピンクぽくなり、そしていつか
は全く赤色に見えない色になっ
てしまう。
紫外線カットのコーティングか
何か施さないと退色を遅らせる
事はできない。
それをやったとしても、赤色の
退色を人類が完全阻止させる事
は今のところできない。
この先もできないだろう。

赤色は鮮やかだけど、やがて
消えていく色なんです。
それでもビリヤードのキュー
に赤色というのは映えるんだよ
なぁ。
ギターでもプラムのような色
のギターは何ともいい感じだ
しさ。

出し過ぎたローズヒップの
ハーブティーみたいな色の
ギブソン。いいね~。



ちょいと果実色のギブソン。
いいね~。


このキューも、とても美しいの

だが、製作から10年以上経つと
赤部分が退色して確実に色が
薄くなる。

桜色ぽくなって、やがては完全
に色抜けしてしまう。
太陽光で地球が照らされている

限り、これは避けられない。


これはサイトカタログの赤べニア

のショーンだ。鮮やかで美しい。
これが新品状態。



だが、時間と共にこのように退色
してしまう。


もはや透けている感すらある。
赤色塗料はどんなものでもこれを
避けられない。赤の運命。

虎ノ門横丁

2022年03月29日 | open


虎ノ門横丁

ぶひゃひゃひゃ。
虎ノ門は13年間務めたおらのシマだ。
ヤサはハマからジュクに移ったが、

仕事のシマはこのあたり。
ビル名もナントカ虎の門ビルだった。
ビルっていってもビルヂングね(笑)
今はその建物はもう無い。


ここ、当時あったらたぶん職場の
同僚とここで毎日のように呑ん
いただろうなぁ。ちげえねえぞ、
それ。

虎ノ門はただのビジネスビルだけ
だったから、どうしても田村町や
新橋駅周辺や銀座に歩って呑みに
行って
たけどさ。
角打ちなんて、ほんとに新橋では
モノホンの角打ちができた。
立ち飲み屋じゃないよ。
酒屋の角っちょでやるのが本物の
角打ちだぜ。言い方はカクウチ
だけどさ。


虎ノ門のレポートブログ発見。
勝手に紹介するだす。

🌸この時期は桜ばっかりもてはやされて🌸 - あたって☆くだけろ( marisaxmarisa )

🌸この時期は桜ばっかりもてはやされて🌸 - あたって☆くだけろ( marisaxmarisa )

虎ノ門ヒルズの3階にある虎ノ門横丁まで行って来ました虎ノ門蒸留所に入ったらマトリョーシカに出逢った〜〜〜〜ぁトラですか〜???日曜日の夜なのに結構混んでいます。ど...

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銘木 ~ココボロのキュー~

2022年03月29日 | open


ティム・スクラグスさんが作った
ザンボッティ・モデル。
ココボロの赤目の風合いを活かして
綺麗な色あいにまとめている。
しびれる。とにかくしびれる。
画像を観ているだけでしびれる。
実に美しい。

ティム・スクラグスさんも引退して
しまったし、ポール・モッティさん
も引退してしまった。
TADさんなんてお隠れになってしまっ
た。
こうしたクラシック・タイプを作る
職人さんがどんどんいなくなって
きている。
四剣の本ハギはごまかしが利かない。
バリー・ザンボはもっと頑張って
ピシャリと剣先を左右対称に合わ
せてほしい。

それと、最近のキューで寂しいのは、
オールドスタイルのエンドキャップ
のデルリンなどを使わない事だ。
エンド樹脂があってもウイリー・
ホッペスタイルのように極端に
短かったりする。
そして何よりもサウス・ウエスト
風味のデザインが人気のようだ。
私などは古い人間(気づくとそう
なっちまった)なので、やはり
バラブシュカタイプのお尻が好き
だ。
もっと好きなのはウエイトバラン
サーを使わないためにロングサイズ
にしたTADの純白デルリンエンド
だけど。
あれは好みが分かれるのだろうが、
TADはあれでないとTADぽくない。


銘木 ココボロ

2022年03月29日 | open

鋼も好きだが木も好きである。

ブラジリアン・ローズウッド
(ハカランダ)が絶滅の危機
となり、ワシントン条約で

輸出規制がされて久しい。
代用材としては中米に多い
ココボロが多用されるように
なったが、それも2017年から
厳しい既製品となった。


ココボロは別名サザンアメリ
カンローズウッドとも呼ばれる。

なんだか名前がかっこいい。
木目は非常にハカランダに似て
いる。


ココボロの家具。


ココボロは家具やギターやナイフの
ハンドルなどに使われる。


私が所有するカスタムナイフ。
カスタム肥後守というのらしい。


下の個体が私のナイフ。ハンドル材
は下がココボロ、上がカリン。
正式名称は OHTA Friction Folder
いう。隙のない物凄く丁寧な仕上げだ。
太田公明さんはスリップジョイント
において味のある秀逸なナイフを
作るナイフメーカーだ。

さらにココボロはビリヤードのキュー
にも多用されてきた歴史がある。
たぶん、これもハカランダの代用だ
ろう。


見た目はハカランダとソックリなの
だが、同じマメ科でどうちがうのか
少し調べてみた。

-------------------------------------------------------------------------------
「色調はまったく異なり」とあるが、
出来上がった製品を見ていると
違いがよく判らないのが結構ある。
ほんの少しココボロのほうが赤味
がかるのだが、それも空気に触れ
ている時間によっても異なってき
たりもするし。サイケデリックな
木目というのはブラジリアン・
ローズウッドなどの場合でも結構
あったりする。


ココボロは20メートル以上の高木になる
点や原木の風合いもハカランダによく
似ていると私は思う。
厳密にはココボロもローズウッドの仲間
であるし。ローズウッドの中の一種。

ココボロの原木。

こちらはハカランダ。ブラジルの並木道。
(北半球では冬の時期)


ハカランダの街路樹。秋(北半球では春)。
ハカランダといっても、これはマメ科の
いわゆるブラジリアン・ローズウッドで
はない。(後述)


街路樹のハカランダは秋に日本の
春の桜のように濃い藤色の花を咲
かせる。




ところが、ココボロは遠目から
見るとハカランダに似ているが・・・
実際の木は重要な点でハカランダ
とは異なる。

(ココボロ)

それは街路樹のハカランダ(ブラジ
リアン・ローズウッドではない別種)
はリンドウのような花びらで紫色だ
が、ローズウッド(マメ科)のココ
ボロの花は白いのだ。
1月から3月の季節にかけて咲く。


しかし、木材にするとブラジリアン・
ローズウッドとココボロは同じロー
ズウッドの仲間であるだけに、ほと
んど違いを見分けるのが困難になる。

私の「ハカランダ=ブラジリアン・
ローズウッド」のギター。


マーティンD-40 ココボロ製。


木目の風合いはそっくりだ。
光線の関係で画像ではココボロの
ほうがドギツク感じるが、ココ
ボロのギターをハカランダ=ブラ
ジリアン・ローズウッド製だと
言われて現物を見ても区別が
つかないのではなかろうか。
ただし、ハカランダをギターに
使うと、歯切れのよい音の粒が
はっきりと分離した音質であり、
それが共鳴するといわゆる
「ドンシャリ」系の音となる。
ココボロでははたしてどうで
あろうか。(ココボロ製のギター
というのは実際に私は弾いた事
がない)


※解説
ギター材として珍重されるハカラ
ンダ(=ジャカランダ)は上に
掲げた街路樹の紫の花の
ハカラ
ンダとは異なる種。

ブラジリアン・ローズウッドの
正式名称は「Dalbergia nigra」と
いうマメ科の
植物で、ツルサイ
カチ属に属する。
ギター材で珍重されている材は
全てが
「Dalbergia ○○」と付く
ツルサイカチ属の木である。
上の
画像の紫色の花を咲かせる
南米で一般的に呼ばれるハカラ
ンダ(スペイン語読み)とは別な
ハカランダになる。

つまり、「Jacaranda
」(スペイン
語発音でハカランダ。英語発音
でジャカランダ
)
呼ばれている
木の種類には「Bragilian Rose wood」
という別名があるが、南米街路樹
ハカランダとギター材のハカ
ランダ=ブラジリアン・
ローズ
ウッドという2種があって、どちら
も同じ名称で一括されて呼称され
いるらしい。
ただし、ギター材としてのハカ
ランダは学名がDalbergia nigraと
いう種で、
街路樹の紫色のハカ
ランダではない、という事は事実。

Jacaranda(Dalbergia nigraのほう)
の花は白い。



そして、樹木はこんな感じ。
















ギター用のハカランダ(Dalbergia nigra)
は、花が紫ではなく白いのである。

ココボロと同じく白い。マメ科だ。

紫の花のハカランダは、ギター材
に使われる学名Daibergia nigraと
同じ通称がハカランダという名称
であっても
学名は Jacaranda Juss.
というジャカランダ属で、ノウセン
カズラ科に属する。

さらにややこしいのは、マメ科
ジャカランダ (jacaranda) と総称
されるが、うち1種キリモドキ

Jacaranda minosifolia を意味する
事もあり、マメ科のブラジリアン・
ローズウッドも
ジャカランダと
呼ばれることがあるのでこの属と
混同される事もある。
紫の花のハカランダはタルコ (tarco)
 とも呼ぶ場合もある。
ハカランダではなくタルコで呼称

したほうがよいと思うが、すでに
定着した俗称なので変更不能。
ファイル:Jacarandatree.jpg


私のハカランダのオリジナル・
カスタムキュー。世界にこれ一本。
家具材に用いられている材の流用で、
「ブラジリアン・ローズウッド」と
あったから多分 Dalbergia nigra
で確実だろう。削りの時の独特の
芳香は物凄いものがあった。
エンドキャップはTAD風ロングの
純白のデルリン。


ココボロのカスタムキュー。

これも光線の関係でココボロの
ほうがドギツク見えるが、実際
に現物を見たらなかなか区別は
つかない。

ココボロで作った原木の木目の
風合いを残したベンチなどは
ブラジリアン・ローズウッドに
ソックリだ。

(ココボロ)


(ブラジリアン・ローズウッド)

ブランズウィックのビリヤード台の
外周って、ココボロかな?
あるいはローズの突き板か。



ただ、もうひとつハカランダと
ココボロの違いがある。
ココボロは生息数が多く地域も
数カ国にわたっているが、ブラ
ジリアン・ローズウッド=ハカ
ランダはブラジルだけにしか生息
しておらず、そのブラジルの中
でもバーイア州の東の森からリオ
デジャネイロ市までにしか生えて
いない。
しかも、年々伐採されて農地や
住宅地になってきているから、
もう絶滅寸前まで行った。
ニシン獲り過ぎていなくなりま
した、あれからニシンはどこへ
行ったやら、の類なのである。
結果、ワシントン条約で国際取引
規制対象になった。

そして、10年前に私は危惧して
いた。2000年以降2010年程まで、
やたらとココボロの製品が増えて
きていたのだ。
ココボロ自体の生息数はハカラ
ンダと比べ物にならないくらい
多いとはいえ、後先考えずに伐採
しまくっていたら、やがてブラジ
リアン・ローズウッドや黒檀と
同じ運命になると私は思っていた。

そして2017年、ついにココボロ
までもがたとえ完成品の製品で
あろうとも輸出禁止となった。
輸出や輸入のためには学術研究
や文化事業として楽器の使用の
為等でないと各国政府が許可を
出さない定めとなった。
ココボロももう簡単には入手でき
なくなってしまった。


銘木

2022年03月29日 | open



このオールドキューの本ハギと
スリーブの銘木はローズ系では
なく、もしかするとヨーロピアン・
ウォールナット(クルミ)なの
ではなかろうか。




いや、それにしては赤い。
ハギのプロングから下のスリーブ

まで一本通しなので同じ材だ。
光線の加減ではっきりするが、着色
ではない赤みを帯びた銘木だ。


やはりローズウッドだろう。


ウォールナットはクルミ科クルミ属
の銘木で、世界三大銘木の一つと
されている。
世界三大銘木は、頂点がチーク
(クマヅヅラ科)でインド、タイ、
ミャンマー原産。その中でもミャ
ンマー産が最高級といわれる。
次にウォールナットとマホガニー
が並ぶが、ヨーロピアン・ウォール
ナットとキューバン・マホガニー
最高木材となっている。
特にキューバ産マホガニーは1946年
にキューバが輸出を禁止し、現在の
南米産のマホガニーはすべての種が
SITES-AⅡの規制対象となっている。

ウォールナットはヨーロッパ全域、
トルコ、中東、中国にまで生息して
いるが、日本ではオニグルミの木
が知られている。
実として食せる物が成るのはクルミ
の木のうちでもほんのわずかの種
だけで、他は材木として使われて
来た歴史がある。

イングリッシュ・ウォールナット



地球の北半球の温帯地域全域に
あるウォールナット(クルミ)
は高さが8~20メートル程の
広葉樹で、とりわけ西欧では
1660年から1720年にかけて
イギリスがウォールナットの
優れた家具を作り、ウォール
ナットの時代と呼ばれる文化
を作った。

特にヨーロピアン・ウォール
ナットと呼ばれるものは高品質
な木材で、今でも高級家具や
高級フローリングに使われて
いる。


最近、アフリカン・ウォールナット
と呼ばれる建材が普及してきたが、
それはセンダン科の別種だ。


ウォールナット(クルミ)は非常に
優れた木材だ。チーク、マホガニー
と並ぶ世界三大銘木だけある。
マホガニーのギターはとても甘く
メロウな音がするが、クルミの
ギターというのは聞いたことが
ない。たぶん加工しにくいのか。
チークの家具は桜の家具と並んで
非常に落ち着きがあって心地よい。

ビリヤードのキューでの楽しみの
一つに、撞球性能のみだけでなく、
その木材の風合いを楽しんだり、
育った原産地や育成の状況に
思いを馳せる楽しみ方もある。
残念ながら、工業化学素材製品
にはそれが一切存在しない。
カーボンシャフトというのはそれ。

座る事だけが目的のパイプ椅子
のようなもの。
折り畳みパイプ椅子に心を寄せて

愛でる人を私は知らない。


客船

2022年03月29日 | open

しかし、豪華客船てのは凄いすね。
劇場は1600席。
先日観た映画の上映館の何倍やねん
てな感じ。

そもそも、船の建物が18階建てだ(笑


帝国劇場と丸ビルが海を走っている
ようなもん。


そして、なぜかしらねど、プールが
やたらある。








もう、プールだらけ。
ここにもプールあるし(笑


地球のでかいプールに浮かぶプール
を備えた船。
ゆったりと世界の海を行く。
いいね〜。


原田知世

2022年03月29日 | open





原田さんて綺麗に年を重ねてるよ
なあ。
デビュー作『時をかける少女』を
渋谷の映画館で観た時には、あま
りの可愛さに驚いた。


美少女=弓道の道を拓いた人(笑


かわゆかったのす。
54歳になった今でもお綺麗ですが。




ダーツ

2022年03月29日 | open


大昔の1980年代。
雨後の筍のように街に増えた「プール
バー」なる店ではダーツも置いていた。
ビリヤードの台空き待ちで客がやる
ためだ。ダーツがメインではない。
そして、オンラインダーツなどは無い
ので、樹脂穴に差し込むダーツでは
なく、木に刺さる本物のダーツだっ
た。
世界大会もそれで行なわれていた。
極めて静かで、紳士的な競技だった。

今は、電源をオンするとデロデロリン
と音が出る。
そしてやたらと機械が喋り、大音声
を発する。
で、やっている連中は、ワー!とか
ギャー!とか大騒ぎしてやっている。

ダーツオンリーの店、ダーツコーナー
のみでそれをやるのは構わない。
だが、隣りに玉台があって撞球をし
ている者からしたら堪らない。
真剣勝負のショットでテイクバック
に入った時に、ダーツをやってる
連中がウギャー!!と集団で大騒ぎ
をするのだ。
これ、アミューズメントだけでなく、
玉屋でもそうだ。

最低すね。
隔離された所でやるべき。
ダーツ側にしても、投げる瞬間に
ビリヤードのハードブレイクの破裂
音がしたら嫌でしょうに。
ビリヤードと今のダーツは共存でき
ません。同一の場には。
撞球者の友人が言っていた。
「経営苦しいのは分かるけど、玉屋
にダーツ置く店は、どうかと思うよ」
と。
御意、と感じた。
玉屋にダーツ置いてる店は玉屋とし
ては最低だと思う。
ジャスト・イン・プール。
それが玉屋だ。
ひどいのになると、玉台無くして
ダーツだけの店に鞍替えしたりし
てたりする店も結構ある。
最初からビリヤードなどやるつも
りはない。目先の儲けに目が眩ん
でいるだけ。少なくとも経営者は
撞球人ではない。

バカが馬鹿騒ぎせずに、プレーヤー
が静かにやっていてもダメだ。オン
ラインダーツは、自動音声が大音量
でやかましく鳴るから。
音声カットもできるのだろうが、そ
れをやる人は見た事ない。
昔の静かなる緊張感溢れるダーツの
対戦は、現代の巷間の電気機械式の
ダーツでは見る事ができない。
ダーツの全米選手権とか面白かった
けどね、観ていても。なんというか、
アーチェリーや弓道の試合みたいで。
あるいは競技射撃。
今は何だかバカ騒ぎ。

プール

2022年03月29日 | open



これこそがプール。
THE プールである。
Corey Deuel Highlight Video


プールの試合 ~いつから玉転がしになったのか~

2022年03月29日 | open

1995: FINALS - Efren REYES vs. Earl STRICKLAND
- The SANDS REGENCY OPEN XXI
(feat. Efren's "Z-Shot")


最近のポケットビリヤードの試合
動画は
ほとんど見ない。
誰もがトン突きで金太郎飴。誰が
誰だ
かわかりゃしない同じ突っつ
き方。

そして全員がトン突きで転がし玉
だ。
玉を撞いていない。突っつい
て手玉を
転がして的玉も転がして、
玉ッ転がし
でビリヤードみたいな
似たような事をやっている。
中華八玉あたりはほぼ全部それ。
米国式穴貯玉も今やる人はほぼ

それ。
第一、観ていて全くちっとも一つ
面白くないのだ。
プロスポーツなのか?と思う。
野球でもサッカーでも、スーパー
スター
たちのミラクルプレーが
あるから子ども
たちも含めて多く
のファンが食いつくの
だろうに。
まるでコツコツと銀行員か公務員
ような転がし玉での玉つつき。
観ていて面白いわきゃない。
つまんない競技になったもんだ。
観戦競技としては実に面白くない。
また、試合するにしても、トン
突き
転がし玉のようなのとは御免
こうむり
たい。個人的には。それ
撞球じゃないから。穴入れゲート

ボールみたい。

多くのビリヤードみたいな事を
やって
いる人たちが日本のプロ
も含めて大きな
勘違いをしている。
玉を入れればそれが偉いのか?
それで観客を呼ぶプロ競技が成立
するとでも思っているのか。
入れ数は昔よりも多いかも知れ
ない。

だが、実につまらぬ金太郎飴の
右へ倣えのトン突き玉転がしだ。

昔のプレーヤーのプレー動画を
よく
観ている。
圧倒的にそちらのほうが技を駆使
しての真剣勝負で、観ていて面白
からだ。
トン突き転がし玉でいくら試合に
勝ったとしても、そんなのは観て
いてちっともつまらない。
これはガチ。
勝ったか負けたかだけに焦点が

行く展開だとスポーツは極限に
つまらなくなる。

勝ち負けだけならジャンケンだ。
ジャンケンの名勝負なんてのは
世の中ないでしょ?
しかし、心得違いをしている人間

が非常に多い。
プロ試験などは簡単なのだが、

多くが転がし玉のボウラードスタ
イルのままプロ登録して、転がし
入れ試合をしようとする。
観客の存在などは抜きね。勝ち
負けだけ。特に女子に転がし屋が
多いが、男もほぼそれになってき
ている。女でキューを利かせて
切って来る選手は数える程しか

いない。大抵は角度を合わせて
トンと突っついて
玉当てして
転がして穴に入れる。
それだけ。
技術的に非常に浅い。穴入れの

確率が高いだけだ。多くの球筋
の撞き方さえも知らない。
非常にプレースタイルが薄っぺら
になったし、スペクテイター・
ポーツとしてはお寒い限りだ。

まあ、このままだと、衰退する
でしょうね。
ビリ玉界は。
こういうの多いなぁ。
バイクのロードレースも80年代と
今ではてんで面白さが違うし。
今は国内戦はどんぐりの背比べ。
MotoGPでもてんで面白くない。
野球とサッカーが今でも熱いのは、
基本的にプレースタイルの根本が
昔から変わらないからでしょうね。
野球とサッカーとかの進化は、根本
を変えずに本筋を磨く事で進行し
ている。それが力になっている。
地に足が着いている。

ウインタースポーツもそうだ。
ビリヤードのポケットなんて、
映像解説してる奴も何がクロス
バックだっつーの。切り返しと
言えよ。
しょもない上から目線の洋行帰り
の「指導者」とやらが広めたのか
やたら横文字を使い出してさ。
取って付けたように、ついここ
最近から。どいつもこいつも。
中身は一緒だっつーの。
流行にすぐ乗る軽佻浮薄。くっそ
ださい。
どうもね、上っ面だけなぞる輩が
最近多くてね。
薄い。

1995年、伝説の試合。




メイプル

2022年03月29日 | open


メイプルである。
ビリヤードのキューに使われる主材だ。
ボウリングのレーンやピンもメイプル。
うちの庭にもでかいメイプルがあるが、
多分サトウカエデではないだろう。
ただ父母は「アメリカカエデ」と呼ん
でいた。

カナダの国旗にある葉っぱが通称カナ
ディアン・メイプルであり、シロップ
も採れるサトウカエデだ。

カナダはメイプルが美しい国だ。




建材やビリヤードのキューに使うメイ
プルの原木は屋久杉のような大木だっ
たが、それらは枯渇しかけている。
中規模の原木ももうごくわずか(情報
ではもう伐採し尽くして、すでに枯渇
したとの情報もある)らしい。

カナダはツルッパゲ状態にあり、深刻
な問題となっている。











 



ビリヤードの世界では、良質な
材料のメイプルが入手しにくく
なったから環境問題に対応する
為にも積極的にハイテク貼り合わ
せシャフトを作っているという説
もある。
しかし、やや疑義も残る。

日本の極商業主義的ビリヤード業界
が環境に配慮した活動などするわけ
がないからだ。

国内大手メーカーのMezzの社長や
カスタムコンダクターのシミシゲの
社長たちがワシントン条約で禁止さ
れている象牙を「高級感を出した
かった」とのことで密輸して逮捕
されているくらいだ。遵法精神が
欠落している商業資本に環境保全
意識などあるわけがない。
材料枯渇も遠因にはあるが、単に
「儲ける手段として」「儲かるから」
シャフトをハイテク化していると
私は睨んでいる。
そして、今は「どんどん新製品」の
定理でカーボンシャフトを投入して
来た。「最新物が最良製品」という
まやかしキャンペーンで。

ただ、象牙と同じように、良質な
天然素材の枯渇自体は現実的に進行
している深刻な問題だ。
これは環境問題という側面とは別に、
「実用品の枯渇」という面からも
深刻である。
Jossキューのダン・ジェーンズは
「象牙に近づける物を人間は作れる
だろうが象牙を超える物は作れない」
というようなことを言っている。
(正確には「象牙を超える物は存在
しない」だったように記憶している)
これはモーターサイクルのレーシング
ウエアが21世紀に入った現在も
革を超える素材が発明されていない
事にも通じる事柄のように感じる。
人間はしょせん人間なので、人造物
が天然の物に近づくことはできても、
超えることはできない面がいくつも
存在するように思える。天然の物は
人間本体も含めて神が作ったのだから、
神を超えられない人間は、天然物を
超える物は造れないように私には思
える。
ただ、象牙に関しては見た目も質性
も極めて近い物がごく最近開発され
つつあるので、ピアノの鍵盤やビリ
ヤード用品に「実用品」として今後
普及して行くことが期待される。
ビリヤードのキューに限っていえば、
象牙に近似の実用的製品ができたな
らば、象牙をあえて使う必要はひと
つもないと私自身は思う。
高級品志向で象牙を私は愛用して
いるのではなく、打感とサウンド
に魅了されているから私は象牙を
使うのである。代替物が登場した
ならゾウさんの牙は使わなくても
よい。

キューのタップで積層タップが
増えてきているのは、良質な厚み
を持った一枚革に加工できる牛が
極度に減って来たからだ。これは
確実にそう。25~30年程前のような

厚みがとれるまでの水牛がいないの
だ。確かに少数はまだいる。だが、
必要な供給量を満たすだけの革に
するための皮が採れないのである。
だから豚皮を加工して何枚も接着剤
で貼り重ねてタップとしている。
その豚皮でさえ、良質な物が枯渇し
たのでメーカーは已む無くバージョ
ンを変えざるを得なかったりして
いる現実がある。


キューも刀も材料が大切なんだよ
なぁ。

キューのシャフト用のメイプルに
限っていえば、赤木と呼ばれるロッ
クメイプルは柔らかい水分含有量
の多い芯に近い部分を使用してい
る。それを適切に乾燥させる。
乾燥させ過ぎてもダメで、水分の
放出と吸い込みが釣り合う状態に
する。
締まって硬くなるまで年月をかけ
て乾燥させる方法と途中から人工
的に強制乾燥(多くの方法がある)
をさせる二種に大別される。

まず、樹齢400~500年程のメイプル
を伐採し、伐採原木段階で何年か
乾燥させる。
さらに製材して何十年かまた寝かす。
さらに材料用に製材して寝かす。
ここでは大体10~20年ほど寝かす。
そしてキューに加工するために削っ
て、また寝かす。
寝かしながら削るので、完成品の
シャフトになるまでは、材料卸し
の丸棒の段階から10ヵ月ほどかかる。
良質なシャフトは原木の時間を加味
すると、「戦国時代に生まれた木」
を使っていることになる。いや、
これほんとに。
「今自分が使っているこのキュー
のシャフトは戦国時代の木だ」と
気づくと、なかなか感慨深いもの
がある。

私の持ちシャフトには細いシャフト
本体に年輪が38個もあるシャフトが
あるが、勿論樹齢は38年ではない。
大木の一部の部分に年輪が38あった
だけのことだ。木はシャフトの太さ
ではない。

ただし、年輪の詰まり具合はシャフト
の性能とはあまり関係がないようだ。
これは経験上知悉するに至っている。

ザンボッティなども節のあるシャフト
や丸い杢のあるシャフトを使って高
性能を引きだしているし、やはりシー
ズニング(乾燥)と手のかけようで
シャフトは活きてくるものだと思う。


ノーマルソリッドシャフトには、貼り
合わせ構造のハイテクシャフトには
みられないひとつの特徴がある。

それは、製品化され完成品として
出荷されたシャフトでも、撞き込む
ことにより確実に「育つ」ことだ。

これは建築や木工の世界でいうとこ
ろの「木が動く」ということと密接
な関係にあると思う。

「シャフトが締まる」とも言う。
手ですり減ったわけではない。
(多少はすり減るが)

水分含有量との関係かもしれないが、
シャフトの目がだんだん手垢で汚れ
てくる頃になると、シャフトの動体
特性が漸次的ではなく一気に向上する
のだ。
面白いことに、段階的に向上するの
ではなく、階段を上がるようにポン
と突然向上する。

このシャフトが育つという現象は、
ノーマルソリッドシャフトを使用
してきた撞球人ならば誰でも気づ
いている現象だろう。


ところが貼り合わせハイテクシャ
フトにはこれが極度に少ない。
木を使っているので「皆無」とまで
はいかないが、最初から最後まで
ほぼ同じ特性を示す。
また一本木の中をくり抜いて芯材
を入れているハイテクシャフトも、
ネルソナイトというスタビライザー
で固めてあるので木が育たない。
ネルソナイト自体は木造建築などの
保護の観点からは否定すべき物でも
ないが、要は固め薬品なので、長い
年月の自然乾燥でシーズニングした
無垢木の製材製品には木本来が持つ
能力の現出においてはやはり圧倒的
に劣る。
曲がり防止のために十分な乾燥を
経ないでネルソナイトを使ったキュー
シャフトは、即席シャフトとして
すぐに使えるが、木本来の動体能力
においては良質無垢木よりも劣る。
そのためには本体の内部に何らか
の加工をしないとシャフトとして
の性能を発揮しない。ただの硬い
棒のような感じになってしまうから
だ。そして、不思議とハイテク合板
シャフトは経年変化でやたら曲がる。

ただし、ハイテクシャフトは「同じ
機種ならほぼ同じ特性」を人為的に
付与させることには成功している。

これはある意味プレー上は「有効」
なことであるが、別な角度から見る
と「決まった物以上にはならない」
ということにもなる。

ただし、木製品なのでハイテクシャ
フトといえども当たり外れは必ず
ある。それがノーマルシャフトより
も幅が狭いというだけのことだ。


ボブ・ランデの1980年代初期の作。
極めて良質なソリッドシャフト。


このシャフトも材質がすごく良い。
上ヨシムラ。下TADコハラ。1995年製。



ときどきシャフトで虎目が出ている
個体があるが、あれは美的に面白い
と思う。
そのうち手垢で汚れて木目など見え
なくなるが。

私も虎目シャフトを数本持っている。
ただ、前述したように、シャフトの
木目と性能はあまり関係がないようだ。

それでも職人さんたちが削っている
と、昔のシャフト材の赤木は硬い
チーズのような削り味で、新しい
白いメイプルはシャリシャリして
いてまるでかき氷のようだ、と言う。
これはよく実際に生で耳にする。

キュー職人さんは赤木の方が木と
しては良いと大抵言う。

こうしたことは古い人には常識だっ
たらしく、何年か前出張で日本海
方面に行った際に、晩に撞球場に
行った時に私のシャフトを見せたら、
お年を召したマスターは私の1986年
淡路亭シャフトを見て即座に「お、
これはいい木を使っとるじゃないか」
と言った。

分かる人には即分かるようだ。

森の息吹を感じながらグリーンの
テーブルの前で玉を撞く。至高なり。


そうしたビリヤードというものは、
大自然の恵みを受けて育った木と
いう存在の恩恵を受けて、人間が
伐採して製材し
て、長い時間を
かけてようやく一本のキュー
になる。
良材を使ったキューの木は、日本
の時代でいうならば戦国時代に生
まれた木だ。それを使っている。

その木と共に立って玉を撞く。
それは、まるでバンブーロッドを
手にして森に入り、人は森の住人
たちにとっては異邦人であるのに
せめて鱒たちと遊んでほしいと
願って川の中に立つフライフィッ
シングをする「フライマン」と呼
ばれる人たちの行動に似ている。

フライフィッシングでは、流れ行く
川の中の石の更に下には、神の言葉
がある。
そして、私たち人間は教えられる。
「静寂なる事を学べ」と。