担当授業のこととか,なんかそういった話題。

主に自分の身の回りのことと担当講義に関する話題。時々,寒いギャグ。

ビジネス書に学ぶ学習法。

2012-04-17 01:26:49 | 学習法
『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』というタイトルの本があるそうな。

その本の写真を見ると,帯に「目標は実現しましたか?」という類の,耳に痛い問いかけが並んでいる。

その本の趣旨から話は逸れるが,「それをやって,本当に~ができるようになったのか」と自問自答するのは,非常に大切なことである。

何で聞いたかは忘れたが,日本人が外国人に「英語は苦手で・・・」といつもの決まり文句を言ったら,「英語を話せるようになるために,あなたはどんな努力をしたんですか?」と言われたという話を聞いたことがあり,身のすくむ心地がした。

僕は,一体,これまでの人生で,苦手なことを克服するために,何か真剣に取り組んだことがあっただろうか?

そういう厳しさというか,真摯さというのは僕がもっとも苦手とするところであるが,そういう問いかけは,無視したり忘れてしまうにはインパクトがありすぎた。

そこで,僕は,新学期に自分の授業に出てくれている学生を励ますつもりで,そういう問いかけをするように心がけている。

あなたは,苦手だと思っている数学に,真剣に向き合い,苦手を克服しようと試みたことはありますか?


また,単に勉強しろ,勉強しろと発破をかけるだけではほとんど意味がないとも思っている。

もっと突っ込んで,「効率のよい勉強の仕方」というものを意識してほしいとお願いしている。

何か新しいことを習得するには,それなりの時間と労力を必要とするだろうが,ただ漫然と時間を浪費してしまってはもったいない。

できるだけ,「これをこうしたらこうなれるはず」という戦略を立てて取り組んでもらいたいのである。

問題に取り組むにしても,その問題から何をつかみとればよいのか,自分なりにトレーニングの意義を少しでいいから考えて取り組めば,何も考えずに取り組むより,はるかに多くのことを学び取れるのではないだろうか。

大事なのは,意識改革というか,物事の捉え方を転換することである。

意識改革というのは,人にそうしろと強制されてできるようなものではない。必要性をはっきり自覚して,だんだんとそういう考え方を受け入れ,自発的にいろいろと試みるようになるのを待つほかはない。

だから,僕の目指す意識改革を実現するための即効性のある方法はないだろう。できることといえば,ことあるごとにここに書いたようなことを話して,自分の学生を刺激し続けて行くことだけである。


なお,誤解しないでほしいのは,別に何事に対しても戦略的であれといいたいわけではないことである。
自分の好きなことだったら,ただその「好き」という思いを燃料にして,思う存分,好きなようにその好きなことに熱中してくれればそれでよいと思う。

ここで書いた処方箋は,苦手意識があるが,やらないわけにはいけないことにどう取り組むか,というような状況に向けた話である。また,一所懸命やっているつもりなのに,ちっとも成果が上がらないというときに,それまでのやり方を見直すときに意識してチェックしてほしいようなことでもある。

まあ,ここで述べたことは心構えに関する抽象的な事柄であって,具体的な実践方法とは異なるので,具体的なやり方は個々人で工夫してもらうしかない。

できれば,そういう模索や試行錯誤すらも楽しんで取り組んでもらいたいところである。

いやいややっても身につかないが,あえて楽しもうと気持ちを切り替えるだけで,不思議と効果が上がるかもしれない。

何か,「これは楽しめそうかな」というとっかかりを自分で探す,あるいは自分で決めてしまうとよいかもしれない。それが何で楽しいのか,人に説明できなくてもかまわない。
他の誰もがつまらないと思っていることであっても,自分にとってなぜか楽しいのであれば,それで十分である。
人と楽しさを共有できないのは寂しいことではあるが,そういうこともあるのだと割り切って,自分の感性を大事にするしかないというのが僕の考えである。
自分の感性を大事にできるのは,他ならぬ自分だけしかないのだから。

そうやって,少しずつ自信をつけていけば,いろいろと楽しめるようになっていくのではないかと思う。

もちろん,うまく行かないこともあるだろう。
そういうときは気持ちが落ち込むだろうが,何がしか気分転換を経た後,また新たなスタートを切ればよい。
「自分はたくましくなろう」と思い込んで,再び前を向いて取り組んで行きたいものである。

おそらく,もっとも苦しいのはつまずきながら前に進もうとしているときではなくて,何もしないで立ち止まっているときである。

とにかく,何かに手を付けてみる。「動く」,あるいは「動かす」,「動かそうとする」ことである。
実際にそうやって動き始めるのがなかなかできない人もいるだろう。僕もそういうタイプの人間である。
だから実際に動き始めるということがどれほど難しいかもよく知っている。

けれども,実際に動き始めることが大事なことに変わりはない。やはり自分を信じて(無理やり信じ込んで)やっていくしかない。

一旦決意して,実際に作業に取り掛かってみると,心の重荷がとれて気が軽くなる。それは間違いない。
なるべくなら気分良く生きて行きたいものである。
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