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主に自分の身の回りのことと担当講義に関する話題。時々,寒いギャグ。

<読書感想文1013>数学的センス

2010-12-31 00:54:55 | 
野崎昭弘,数学的センス,たのしいすうがく1,日本評論社,1987.



笑える数学の本があるなんて,想像できるだろうか。

本書の筆致は実に軽快でユーモアに溢れている。
というか,ユーモアだらけで,溢れかえってしまっている。
ちょっとふざけすぎではないかといういたずらについて読んだときは思わずふきだしてしまった。

本書の噂を聞いたのは,確か高校生のときである。
高校時代の非常に優秀な友人が読んで(たぶん,funny ではなく,interesting の意味で)面白かった,と語っていたような思い出がある。
そのときは,たぶん手にとってすらみなかったような気がする。
いや,手にとってはみたものの,当時の僕には難しすぎて読むのを断念したのだったっけ。

今読んでも,随所に漂う現代数学の薫りの全てをきっちりと理解できている気は全然しないのであるが,そういったことを抜きにして,本書は全体的に刺激的で非常に面白い。著者も大いに楽しみながら書いたに違いなく,電車の中で読みながら,僕の顔はニヤニヤし通しだった。

この本は,数学の苦手な人にこそ手にとってみてほしい。
少し小難しい数学の理論も出てくるが,そういうところを理解しようなどと思いつめず,面白そうなところだけを堪能すればよい。
そんな風に大らかに本書を読むことができれば,読み終わった頃には,それまでとは違う数学との付き合い方,あるいは数学との新しい『距離感』を会得しているかもしれない。

僕はこの本から,教育者として,あるいは研究者として非常にさまざまなことを教わった。学んだことが多すぎて,ここにいちいち書くことはしない(ダレダ,読んだのがだいぶ前で内容をほとんど忘れてしまっただけではないかと言っているのは。ごもっとも!)。

あと,著者があちこちで引用している本は著者のお気に入りで,そちらもぜひ読んでみて欲しいと「本書を3倍楽しむ法」というまえがきがあるので,それらもぜひ読んでみたいと思っている。



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これが今年最後の読書感想文になる。
おそらく,これまで読書感想文を書いてきた本以外に,少なくとも一冊,

石井茂,ハイゼンベルクの顕微鏡,日経BP

という本を今年の初めに読んだはずなのだが,どこにもこれといって記録が残っておらず,記憶は定かでない。

いずれにせよ,目標の22冊には遠く及ばなかった。来年の目標は,実現可能な目標にするなら15冊あたりが妥当であろうか。
少し欲張って20冊にしてもよいのだが,実現の可能性の薄い目標を立てても不毛なだけなので,ほどほどにしておこう。
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