正接関数 tan についてくだらないことを考えたのだが,その副産物として次のような発見があった。
高校数学の等式や不等式の証明を扱う単元でよく取り上げられる,Lagrange の恒等式の名で知られる次の有名な等式がある。
(ad+bc)2+(ac-bd)2=(a2+b2)(c2+d2).
これは実は三角関数の加法定理と三平方の定理を組み合わせて導けることに気が付いた。
sin(x+y)=sin(x)cos(y)+cos(x)sin(y),
cos(x+y)=cos(x)cos(y)-sin(x)sin(y)
の両辺を2乗したもの同士を足し合わせれば
1={sin(x)cos(y)+cos(x)sin(y)}2+{cos(x)cos(y)-sin(x)sin(y)}2
となる。この右辺は Lagrange の恒等式の左辺とよく似た形をしている。
あとは,
s=√(a2+b2),
t=√(c2+d2)
とおき,実数 x, y を用いて
a=s*cos(x),
b=s*sin(x),
c=t*cos(y),
d=t*sin(y)
が成り立つように選び,先ほどの 1=... の式の両辺に s2t2 をかければ始めに述べた恒等式が得られる。
「式の証明」と「三角関数」とが思いがけないところで結びつくのは面白いことだと思うのだが,残念ながらこの観点からは Lagrange の恒等式の 2x2 変数版を導くことだけに留まり,3x3 変数版や,ひいては nxn 変数版へと拡張するのは無理そうである。
それはともかく,昨日思いついたくだらないネタに自分なりのオチがつけられたので,気が済んだ。
高校数学の等式や不等式の証明を扱う単元でよく取り上げられる,Lagrange の恒等式の名で知られる次の有名な等式がある。
(ad+bc)2+(ac-bd)2=(a2+b2)(c2+d2).
これは実は三角関数の加法定理と三平方の定理を組み合わせて導けることに気が付いた。
sin(x+y)=sin(x)cos(y)+cos(x)sin(y),
cos(x+y)=cos(x)cos(y)-sin(x)sin(y)
の両辺を2乗したもの同士を足し合わせれば
1={sin(x)cos(y)+cos(x)sin(y)}2+{cos(x)cos(y)-sin(x)sin(y)}2
となる。この右辺は Lagrange の恒等式の左辺とよく似た形をしている。
あとは,
s=√(a2+b2),
t=√(c2+d2)
とおき,実数 x, y を用いて
a=s*cos(x),
b=s*sin(x),
c=t*cos(y),
d=t*sin(y)
が成り立つように選び,先ほどの 1=... の式の両辺に s2t2 をかければ始めに述べた恒等式が得られる。
「式の証明」と「三角関数」とが思いがけないところで結びつくのは面白いことだと思うのだが,残念ながらこの観点からは Lagrange の恒等式の 2x2 変数版を導くことだけに留まり,3x3 変数版や,ひいては nxn 変数版へと拡張するのは無理そうである。
それはともかく,昨日思いついたくだらないネタに自分なりのオチがつけられたので,気が済んだ。