自動車の運転が苦手な人が,対向車に注意しなければならない右折を避け,左折だけで乗り切るという話を聞いたことがある。
そのようなことは理論上は可能である。ただし,この世の道路が方眼紙のようにきれいな格子状であると理想化して考えることにする。
0. 交差点で右折したいとする。
1. まず1ブロック先まで直進し,一つ先の交差点で左折する。
2. 左折した後に1ブロック分だけ直進してぶつかる最初の交差点で左折する。(この段階で,初めにいた道に平行な,1ブロック離れたところにある道を初めとは逆向きに進んでいることになる。)
3. また1ブロック直進したら左折する。
4. そのまま1ブロック進むと最初にいた交差点に,初めの状態からみて左手から侵入することになるので,そのまま直進すれば右折して入りたかった道に進むことができる。
右折の際は直進する対向車との事故が起きやすいので,右折運転を禁止し,直進か左折のみを許すことにするのは事故防止の観点に立てば理に適っている。
応用編として U ターンについて考えよう。
片側一車線の道路では幅が狭く,U ターンしづらいが,片側二車線以上あればまあなんとかなる。
通常は急角度で右折して進行方向を180度反転するが,左折だけで同じ結果を出すにはどうしたらよいだろうか。
先ほどみたように,左折を二回繰り返せば進行方向が反転する。しかし,もといた道から離れた別の道を走行することになってしまう。
そこで,上に述べた 4 の操作に引き続いて次のように走行する。
5. もといた交差点を右折したことになるが,そのまま1ブロック直進し,左折する。
6. 1ブロック進み,左折する。
7. さらに1ブロック進むと元の道路に戻るので,もう一度左折すれば走行の向きが逆転したことになる。
右折を許せば,U ターンは時計回りに90度の右折を小回りに2回繰り返すことになるが,
1回の右折=3回の遠回りな左折
であるから,3回の遠回りな左折を2度,つまり合計6回左折することで U ターンすることができるわけである。
ここに述べたことは現実の一般道では実現が楽ではない夢物語のように思えるが,実際に実現するにはどうしたらよいかと考えて,ふと,高速道路のインターチェンジがまさにこの方法を利用しているのだと気が付いた。
高速道路では,車線が中央分離帯に近づくにつれ,つまり,右側の車線になるほど速い車が走るという傾向がある。
したがって,右折する際はカーブをするわけなので減速するし,中央分離帯をまたいで右折するわけだから,対向車も中央分離帯側を走る速い車がくるわけだから,車を停止させる信号が基本的に存在しない高速道路では一般道の交差点のようなわけにはいかない。また,中央分離帯側の車線を右折レーンにすると走行車線を左側に変更しなければならず,車線変更を余儀なくされる車が増え,やはり事故や渋滞の原因となる。
このように高速道路では右折は実質的に無理なので,左端から道を枝分かれさせてぐるーっと左回りに進んでから結果的に右折したのと同じ向きに進行方向を変えるという方法がとられる。
地図でインターチェンジのぐるっと回った路線を見て不思議に思っていたが,ようやくその理由が腑に落ちてうれしかった。そこで調子に乗って U ターン用の立体交差を作ればいいのではと考えたが,一旦料金を徴収することにしないとキセルが発生してしまうので,単純に一度高速を降りて一般道で U ターンしてから高速に入りなおすという現行の方法でいいことに気が付いた。
なお,ついでに高速道路のカーブの曲線についてさらに想いを馳せ,最終的には Frenet-Serret の公式の意義にまで考えが及んだが,だんだんわけがわからなくなってきたので考察をここで切り上げることにする。
そのようなことは理論上は可能である。ただし,この世の道路が方眼紙のようにきれいな格子状であると理想化して考えることにする。
0. 交差点で右折したいとする。
1. まず1ブロック先まで直進し,一つ先の交差点で左折する。
2. 左折した後に1ブロック分だけ直進してぶつかる最初の交差点で左折する。(この段階で,初めにいた道に平行な,1ブロック離れたところにある道を初めとは逆向きに進んでいることになる。)
3. また1ブロック直進したら左折する。
4. そのまま1ブロック進むと最初にいた交差点に,初めの状態からみて左手から侵入することになるので,そのまま直進すれば右折して入りたかった道に進むことができる。
右折の際は直進する対向車との事故が起きやすいので,右折運転を禁止し,直進か左折のみを許すことにするのは事故防止の観点に立てば理に適っている。
応用編として U ターンについて考えよう。
片側一車線の道路では幅が狭く,U ターンしづらいが,片側二車線以上あればまあなんとかなる。
通常は急角度で右折して進行方向を180度反転するが,左折だけで同じ結果を出すにはどうしたらよいだろうか。
先ほどみたように,左折を二回繰り返せば進行方向が反転する。しかし,もといた道から離れた別の道を走行することになってしまう。
そこで,上に述べた 4 の操作に引き続いて次のように走行する。
5. もといた交差点を右折したことになるが,そのまま1ブロック直進し,左折する。
6. 1ブロック進み,左折する。
7. さらに1ブロック進むと元の道路に戻るので,もう一度左折すれば走行の向きが逆転したことになる。
右折を許せば,U ターンは時計回りに90度の右折を小回りに2回繰り返すことになるが,
1回の右折=3回の遠回りな左折
であるから,3回の遠回りな左折を2度,つまり合計6回左折することで U ターンすることができるわけである。
ここに述べたことは現実の一般道では実現が楽ではない夢物語のように思えるが,実際に実現するにはどうしたらよいかと考えて,ふと,高速道路のインターチェンジがまさにこの方法を利用しているのだと気が付いた。
高速道路では,車線が中央分離帯に近づくにつれ,つまり,右側の車線になるほど速い車が走るという傾向がある。
したがって,右折する際はカーブをするわけなので減速するし,中央分離帯をまたいで右折するわけだから,対向車も中央分離帯側を走る速い車がくるわけだから,車を停止させる信号が基本的に存在しない高速道路では一般道の交差点のようなわけにはいかない。また,中央分離帯側の車線を右折レーンにすると走行車線を左側に変更しなければならず,車線変更を余儀なくされる車が増え,やはり事故や渋滞の原因となる。
このように高速道路では右折は実質的に無理なので,左端から道を枝分かれさせてぐるーっと左回りに進んでから結果的に右折したのと同じ向きに進行方向を変えるという方法がとられる。
地図でインターチェンジのぐるっと回った路線を見て不思議に思っていたが,ようやくその理由が腑に落ちてうれしかった。そこで調子に乗って U ターン用の立体交差を作ればいいのではと考えたが,一旦料金を徴収することにしないとキセルが発生してしまうので,単純に一度高速を降りて一般道で U ターンしてから高速に入りなおすという現行の方法でいいことに気が付いた。
なお,ついでに高速道路のカーブの曲線についてさらに想いを馳せ,最終的には Frenet-Serret の公式の意義にまで考えが及んだが,だんだんわけがわからなくなってきたので考察をここで切り上げることにする。