トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

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泣けました「マイ・ドッグ・スキップ」

2008-09-09 20:29:29 | 映画
 透析の時に観るDVDは選ばなくてはいけない。前に「イル・ポスティーノ」を観ていて涙が出てきてしまったから。でも、今日の「マイ・ドッグ・スキップ」も不覚にも涙が止まらなかった。子供と動物が出る映画は、ヒット狙いが多い。ましてや回想ものとなると要注意だ。涙腺を刺激する可能性が高くなる。

 犬を飼った時の一番の悲しみは、お別れの時だ。我が家でも、今年、愛犬が天国に旅立った。映画の中で、犬の一年は人間の七年にあたると言っていた。

 ジェイ・ラッセル監督の1999年の作品。原作は、ウィリー・モリスの自伝的小説だ。1940年代のミシッシピー州の小さな町ヤズーを舞台にした作品で、第2次大戦下の様子や人種差別といった背景が丁寧に描かれている。

 ウィリー少年は、運動も苦手で同級生にいじめられてばかりいる孤独な少年だった。9歳の誕生日には友達も来ない。その時、母親から子犬をプレゼントしてもらう。ジャック・ラッセル・テリアのスキップだった。スキップのおかげで、いじめっ子とも仲間になれたし、憧れの女の子がガールフレンドになった。

 戦時下では、犬も軍用犬とした募集された。ウィリーがスキップを連れて行ってテストを受けさせるシーンは愛らしかった。日本では、供出された犬が食用や毛皮にされた悲しい歴史がある。

 でも、野球の試合の時にスキップをはじめて殴ってしまった。行方不明になるスキップ。スキップは、墓地で密造酒の買人に殺されかけ、生死の淵をさまよう。

 青年になったウィリーは、奨学金を得てオクスフォード大学に留学する。その出発の日の、年老いたスピッツの姿は悲しかった。やがて、イギリスにスキップの死の知らせが届く。両親は、スキップをウィリーの着ていた野球のジャケットに包んで庭のニレの木の下に埋めたという。でも、ウィリーはスキップを自分の心に中に埋めた。

 

My dog Skip - the movie



OLD FRIENDS


傷つく発達障害の子供たち

2008-09-09 02:14:32 | 障害
 NHK教育テレビの「ハートをつなごう」の4月30日の番組の再放送を録画で観た。発達障害を持つ2人のちょっとした旅を取り上げていた。新学期、新しい友達の出来る時期、高1の鈴木君と中3の澤田君2人の、大宮市にある鉄道博物館への旅を通して、友情をいうものを考える番組だった。鈴木君は、視空間や状況の認知の力が弱い。話し出したら止まらなくなる。中学生になってから、友達が家に来なくなった。本人には、脈絡のある話をしている気持ちがあるのだが、同級生にしてみればしゃべりだすと止まらない上、関係のない事に話の内容が変わっていくことについて行けない。澤田君は、字を書くことと全身運動が不器用である。3歳の時に病気で1か月も眠り続け、目覚めた時は記憶を失っていた。同級生からは、とろいとか怠け者と言われてきた。その為、自分でもそう思うようになってしまい「自分が信じられない」と思いこんでいる。

 鈴木君は、相手の気持ちを思いやる事が出来るのか、澤田君には自分の思いを相手にちゃんと伝えることができるのかが、今回の旅の目的であった。2人にとって共通の趣味の「鉄道」を通して友情が育めるかも興味が持たれた。

 日帰りの旅の当日、鈴木君は遅刻してきた。理由が、来る途中で地下鉄銀座線が遅れたことの情報収集をしていたからだという。すでに、自分のこだわりから約束の時間を無視している。目的地の鉄道博物館に着いても、鈴木君はマイペースで澤田君の事を忘れてしまいがち。でも、澤田君は鈴木君に暴走していることを伝えられた。鈴木君も自覚はしていても制御しにくい性格を修正しようとしている。2人に友情が芽生えたようだ。番組の最後で、鈴木君が自分を電車に、澤田君を運転手に例えていた、脱線しそうになる電車である自分をを軌道修正しようとする運転手の澤田君。さすが、成長している。2人を通して、成長の可能性と人間関係の構築の可能性を考えさせてくれる番組だった。

 二人とも、学校では同級生にはなかなか理解されなかった。発達障害について、周りがもっと理解できるような態勢が求められている。

 佐々木正美監修の「アスペルガー症候群・高機能自閉症の子どもを育てる 家庭編」(講談社)を読む。「ハートをつなごう」では、ずっと発達障害を取り上げてきたが、まだ、障害を理解していなかったので読んでみた。イラストが多用されていて、読みやすかった。

 自閉症・アスペルガー症候群の特性が3つあげられていた。
①コミュニケーション 人の気持ちを思いやりながら、言葉や身振りでやり取りが出来ない、独り言を繰り返す、両親と目を合わせない等
②社会性 場の空気に合わせられない、来客に文句を言う、親戚の家で自分勝手な行動をとる等
③想像力 自分の決まりを守りたがる、想像力に乏しい、家具の配置や道順を変えるだけで怒る等

 家族にも誤解されやすい特性のせいで、わがままだと非難されることが多く、そのたびに子供の心は傷ついていく。まずは、身近な環境の家庭が安心感を持てる場所であるように、本書は、色々な対応の仕方を提示する。

 外国の人を自分の家でもてなすような感覚で行われるべきなのですね。テレビで、以前にアスペルガーの大人の人が、自分たちは違う世界に住んでいるんだと発言していましたが、その認識が大切なんですね。本書はTEACCHのプログラムの理念で対応方法を提示しています。適切な養育を受けられなかった子供の中には、二次障害として、反社会的行為や非社会的の行為を起こしてしまう子供がいます。時々、報道される犯罪には、アスペルガー症候群の子供が関わったものもあります。しかし、アスペルガー症候群と非行・犯罪行為の因果関係を否定する例があります。アメリカ・ノースカロライナ州では、障害に関する適切な理解と支援を受けた人の中には、非行やひきこもりは一人もいないそうです。子どもを傷つけることなく、発達を保証する社会をつくるためにも、本書を多くの人が読むことを希望します。