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酒の感想ばかり

江戸忍法帖

2007-07-13 01:14:42 | 読書

江戸忍法帖 山田風太郎忍法帖(8) (講談社文庫) 江戸忍法帖 山田風太郎忍法帖(8) (講談社文庫)
価格:¥ 700(税込)
発売日:1999-05-14

こちらも昔角川文庫版で買ったものです。

江戸忍法帖、読んだ記憶がある。

でも内容が全く記憶にありません。多少覚えのある箇所が出てくるかと思ったのですが、ついに最後まで出てきませんでした。

もしかして本当は読んでなかったのかも知れません。まあいずれにしても完全に白紙の状態で読むことができて良かったです。

主人公は将軍のご落胤で、本来なら次期将軍となる若者です。しかし、それを快く思わない筋から甲賀七忍を使い暗殺されようとするわけです。しかしこの若者は剣の達人で、とはいえさすが忍者が相手となると苦戦をするわけです。将軍になることなど全く興味が無く、どこかひっそりと暮らしている方が良く、無気力な主人公。という設定で、主人公が忍者でないと言うところで、その当時はあまり興味を持たなかったのかも知れません。

今読んだらやはり、かなり面白かったです。

甲賀忍法帖に続く、忍法帖の長編第2弾ということだからでしょうか、風太郎忍法帖に特徴的なエロティックな話はほとんど出てきません。そして、主人公も無気力とはいえ、途中から奮起しだしますし、正義感があり、ストーリー的にも悪を倒す、復讐劇であり、政治的野心に純粋な心で立ち向かっていく。3人の様々な立場の女性との関係など、極めてクセのない正統な話になっています。ではありますが、ちゃんと風太郎らしく荒唐無稽な忍法が無尽に出てきて単純にはならない。そして結末にちょっと涙が出そうになります。

おもしろい作品でした。

Photo_10

右側が主人公の葵悠太郎だと思うのですが、「色白で背が高く優しそうな顔」と描写されてますがちょっとイメージが違いますね。主人公でなく、その家来の方かもしれませんか・・

前半の方で敵の忍者と戦う場面かも知れません。