鎌ヶ谷市初富の路上で2013年、捜査対象の男性(54)にけがをさせたとして、特別公務員暴行陵虐致傷罪で付審判決定を受けた新潟県警警部補の佐藤文彦被告(39)に千葉地裁(岡部豪裁判長)は29日、「暴行は認められるが、正当防衛だった」として無罪判決を言い渡した。検察官役の指定弁護士による求刑は懲役2年だった。
判決によると、ヤミ金事件の内偵捜査中だった13年12月17日午後1時25分ごろ、男性に不審者として問い詰められた部下を逃がそうとして男性ともみ合った際、男性が転倒して右のすねを骨折した。弁護側は「男性のけがは自ら転倒してことによるものだ」と無罪を主張していた。
岡部裁判長は、佐藤被告が男性に衣類をつかまれたままの状態で体を反転させる暴行を加えたことを認めた上で「男性が被告人の腕や衣類を執拗(しつよう)につかんだのは違法。暴行はやむを得ず、正当防衛が認められる」と述べた。
指定弁護士は「判決内容を精査し対応を検討する」とコメント。被告の弁護人は「暴行が認められたのは不満だが、無罪だったことは評価したい」と話、新潟県警の担当者は「適切な判断がされたと考える」とした。
付審判は捜査機関などによる犯罪が恣意(しい)的に不起訴となるのを防ぐための制度。最高裁によると、1951年以降、他に21件の付審判決定があり、いずれも判決が確定している。
2018年6月30日 千葉日報
判決によると、ヤミ金事件の内偵捜査中だった13年12月17日午後1時25分ごろ、男性に不審者として問い詰められた部下を逃がそうとして男性ともみ合った際、男性が転倒して右のすねを骨折した。弁護側は「男性のけがは自ら転倒してことによるものだ」と無罪を主張していた。
岡部裁判長は、佐藤被告が男性に衣類をつかまれたままの状態で体を反転させる暴行を加えたことを認めた上で「男性が被告人の腕や衣類を執拗(しつよう)につかんだのは違法。暴行はやむを得ず、正当防衛が認められる」と述べた。
指定弁護士は「判決内容を精査し対応を検討する」とコメント。被告の弁護人は「暴行が認められたのは不満だが、無罪だったことは評価したい」と話、新潟県警の担当者は「適切な判断がされたと考える」とした。
付審判は捜査機関などによる犯罪が恣意(しい)的に不起訴となるのを防ぐための制度。最高裁によると、1951年以降、他に21件の付審判決定があり、いずれも判決が確定している。
2018年6月30日 千葉日報