J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

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ラグビーの日本へ15

2017-07-06 00:01:45 | スポーツ文化・その他

 リスペクト(事例紹介)コラムです。
 今日はラグビーです。当ブログもあれやこれやです。昔からですが。「特定の1チームの事だけ毎日考えてればいい」という価値観とはちょっと違います。昔からですが。そんな中、日経新聞にちょっとショッキングな記事が載りました。エディーHCからずっと懸念としている部分です。以下、抜粋して紹介。
   
【ラグビー日本、根本から強化見直すべきとき『19年W杯8強」実現へ不可欠』:日経】
〔強豪国との差開いたとの懸念拭えず〕
 今年の日本代表は、昨年より力の落ちる相手に昨年より悪い内容で負けたことになり、2015年W杯の後、強豪国との差は開いてしまったのでは。大きな変化はタックルなどで地面に倒れてから立ち上がるまでの速さ。今回のアイルランド戦では連続攻撃で寝て起きてのテンポが遅い。ラグビーは、立ち上がるまでのスピード、グラウンドに立っている人数の数が勝負のキモになる。
 試合終盤の運動量を増やすために必要な力は、心肺機能などの持久力だけではなく、筋肉量や、1対1のコンタクトプレーの技術も密接に関係。毎回の肉弾戦で受け身になるほどダメージが体に蓄積し、試合の終盤で脚が止まりやすくなるから。持久力や筋力アップといった総合的な体づくり(ストレングス・アンド・コンディショニング=S&C)は現代のラグビーでは欠かせない要素であり、この分野の成功が、15年W杯の躍進の大きな要因。
〔S&Cでの戦略的な強化足りぬ〕
 ジョーンズHC時代は、S&Cに徹底的に注力。各ポジションでW杯に必要な持久力や筋力の数値を提示。試合の2日前まで高い負荷の鍛錬を課して鍛錬。実績豊富な専門家も多数招き、選手の体調管理、トレーニング量の調整のためのアプリまで企業と共同開発。W杯までの4年間で各選手は筋肉量を数キロ増やしながら、持久力も向上。相反する2つの能力を高めるという難しい作業に成功。
 現在の日本代表が肉弾戦で負ける回数が増え、立ち上がる速度が遅いのは、S&Cでの戦略的な強化が足りないことが主因。サンウルブズのスーパーラグビーへの参戦により、国内のシーズンが過密化し、トレーニングの時間を長く取りづらくなったのは事実だが、S&Cは根本的に不足。S&Cについて、体づくりを選手に委ねることで、量が足りないだけでなく、方向性の誤りが心配される例も発生。
 15年W杯当時と今で、選手の体はどれくらい違ってしまったのか。「選手の体重は15年から平均3キロくらい落ちた」と日本協会15人制男子強化委員長のコメント。そもそも、細かい比較すらできていない可能性が存在。
 ジョーンズHC時代の筋力、体力や疲労度などの詳細なデータは残っているが、現コーチ陣からそれらを活用する要求がなければ、実効性のある体づくりの戦略を立てることなど不可能。
 今回の日本代表は、約10人を負傷で欠場しており、S&Cの軽視が影響していると指摘。「サンウルブズで毎週けが人が出るのも、フィジカルやコンタクトプレーの技術を鍛える時間が足りず、スーパーラグビーの基準に達していないから。本当は2~3カ月、体を鍛える期間がないといけないのに」と嘆く声も。今季のサンウルブズは試合終盤に逆転を許したり、突き放されたりする展開が昨年より増加。精神的な要素だけが原因ではなく、身体能力の低迷が一因にあるのではないかと懸念。
〔成果の筆頭は若手の台頭〕
 成果の筆頭は、19年W杯で戦えそうな若手の台頭。松橋選手、庭井選手、徳永選手、野口選手の今後を期待。課題であるスクラムの修正力も発揮。ジョセフHCの指導力にもラインアウトのシステムは高評価。
〔気がかりな指導の「狭さ」〕
 総合的には強化の方向性への不安は存在。特に気になるのは、S&Cへの軽視に代表される指導の「狭さ」。コーチの陣容についても、特に外国人コーチはジョセフHCが連れてきた仲間ばかりで実績は乏しい。4カ国から各分野の専門家を集めたジョーンズ前HCと比べると見劣り。
 ジョーンズ前HCは日本人の持久力と敏しょう性を生かすためにと戦術について説明があったが、ジョセフHCは日本代表がキックを多用すべき理論的な根拠を明確な説明無し。ジョーンズ前HCはトップリーグの各企業を集め、代表と同じS&Cのメニューを要求し、大学ラグビーの改革にまで注目し、W杯で勝つためには自分の役割を限定せず。
 リーチ・マイケル主将は当時の成功要因を見直す必要性について、「日本の強さは低さとスピードとアジリティー(敏しょう性)にあるので、全員が理解してやらないといけない」とコメント。その一つが肉弾戦の際の低い姿勢。ジョーンズ前HCは総合格闘家を毎月のように招き、体の動かし方の指導を任せた。結果的に、W杯での日本は最も低いプレーができるチームに変貌したが、その後は弱体化。現状ではコーチ陣だけに頼れないので、S&Cも選手自身がもっと主体的に進めるべきだが、選手任せの危険性も存在。
 スーパーラグビーへ参戦により、本来ならば前回W杯からの1年半で強豪国との差をある程度、詰められているはず。選手は高いレベルでの試合を格段に多く積めるようになり、若手の成長はその収穫だが、その努力を、日本代表の力に結晶させられているとは言いがたい状況。W杯の8強という目標と現在地を照らし合わせて、現状の路線では日本ラグビー協会は根本から見直すべき。
 仮にジョセフHCの続投でも、HCの目の行き届かぬ点を周囲が補完することは必須。選手だけに任せていいはずがなく、本来はラグビー協会の強化委員会の責任。少なくともS&Cについては、実績のある担当者を増やすとともに、サンウルブズと連携した戦略を強化委員会が主導権をもって進めるべき。
〔強化委員会に危機感は?】
 ただ、当の強化委員会に危機感があるのかどうか。S&Cの問題一つをとっても多くの関係者から不安の声が漏れていたのに、薫田委員長はアイルランド戦の後も「検討している」というコメントのみ。すぐに効果が出る分野ではないだけに、今、手を打たないと完全に手遅れ。そもそも、強化委員会の機能の拡充論もあり、昨年から多くの協会幹部が口にしているのみ。W杯までの時間はどんどん減るのに、問題は見過ごしたまま。日本代表の苦戦の根は、協会のマネジメントの問題に行きつくのではないか。まずは協会が動かなければ、選手の努力は水泡と化し、19年W杯の8強もさらに遠のく。
日経新聞該当記事:http://www.nikkei.com/article/DGXMZO18207220Y7A620C1000000/

 新たにS&Cというキーワードが出てきましたね。これらの話は当ブログでもポストエディーでずっと気にかけてきた部分です。胸の中にくすぶっていたこの2年間の心配が、この記事で一気に吐き出された印象です。続いてスポニチの記事。以下、抜粋して紹介。

【ラグビー日本代表、消えたレガシー 19年W杯へ今すべきこととは:スポニチ】
 レガシー(遺産)は消滅。レガシーエディー・ジョーンズ前HCが、在任期間中の代表スタッフや選手とともに築き上げたラグビー。世界一のフィットネス、ボール保持を徹底した連続攻撃、膝下に突き刺さる低いタックル、反則をしないディシプリン(規律)の高さ、などなど。そのどれもが完全に消滅。 本人不在のジョーンズ前HC退任発表会見で、日本協会坂本専務理事は後任の人選について「エディーさんがつくってくれたラグビーを継承できないと意味がない」とコメントしたが、後任のジョセフHCは、エディーのラグビーを継承しているとは言えず、戦術は大きく変貌。
 タックルも海外の大きな選手が嫌がった低さは消失。代表合宿での練習量は大きく減り、基礎体力や技術のビルドアップよりも、戦術の落とし込み中心の練習に変換。ヘッドスタートと呼ばれた午前6時からのウエートトレーニングは一切行われず、「継承」という後任選びの大前提は反故にされて断絶状態。W杯まで残り2年2カ月あまりで残された時間は短い。ジョセフHCにはも前体制の成功事例を取り入れるなど、柔軟さが必要。

 例えばジョーンズ前HCは、合宿中は完全管理型と言える体制を実施。そこまで管理するのかと言いたくなるが、4年間のそうした小さな積み重ねが、'15年W杯で選手の一体感を生み出し、最も反則数が少ないチームになった一方で、現体制ではそんな厳しいルールはなくなり、緩さがを危惧される始末。リーチ・マイケル主将は、ジョセフHCとのやりとりで「目標を決めるのは選手。選手の決めた目標に向かってコーチングをするのがコーチの仕事」と言われる。この考えは正しく、ジョーンズ前HCですら、「選手を育てるのは自分の役割ではない」と言い切ったが、現状の日本ラグビー界にはそのシステムが整っていないことを悟り、自分の目の届くところで徹底的に鍛錬。
 ジョセフHCもまずは協会任せ、選手任せをやめたらどうだろうか。この秋には再び世界の強豪と対戦。惨敗続きなら解任についての議論される可能性があるため、その前に、手を尽くせることはたくさんあるはずと締めくくっています。
スポニチ該当記事:http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2017/07/05/kiji/20170705s00044000017000c.html

 本当に不安です。再来年のW杯は大丈夫なのでしょうか。エディーHCが辞める時に、日本協会の体質を嫌った経緯があります。また、厳しい練習に音を上げた選手が辞任を臨んだという情報も聞いた事がありますが、すべて日本ラグビー界の甘さではないでしょうか。あれくらいの指導者であれくらいの練習をしたから世界を驚かせたと思いますが、現在の日本代表は当時のチームには程遠い実力なのでしょう。今からでもいいから、もう一度三顧の礼でエディーさんを呼び戻したらどうでしょうあ。
 あと、S&Cの話が出ていましたが、見方を変えればかつてのサッカー日本代表のコンディション調整の失敗にもリンクしてくるのでは。サッカー日本代表はジーコとザックの時にコンディション調整を失敗して惨敗しましたが、ラグビーもW杯本番で同じ結果を出せないかも。そして「結果は出なかったが、自分達らしさは出せた」とかそういう言い訳が出そうですね。
ラグビー関連⑮:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20160625
  〃     ⑭:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20160611
  〃     ⑬:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20160512
  〃     ⑫:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20160626
  〃     ⑪:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20160507
  〃     http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20151224
  〃     ⑨:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20151028
  〃     ⑧:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20151013
  〃     ⑦:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20151008
  〃     ⑥:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20151004
  〃     ⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150924
  〃     ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150921 
  〃     ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150829 
  〃     ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20141130 
  〃     ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20070623

コメント
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