J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

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クラブ経営について72

2017-07-19 00:01:16 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクト(事例紹介)コラムです。
 現在、J1で首位争いをしている鹿島さん。昨日、セレッソさんが歯が立たなかったザ・リーガのセビージャと今度試合をしますが、あのポゼッションサッカーとどう戦うのか楽しみです。申し訳ないですが、試合を観ていても一方的な試合で、いくらJ1首位と言っても、相手になっていない状態でした。鹿島さんはどうか。
 そんな鹿島さんですが、先日の日経新聞朝刊の「フットボールの熱源」に「地域潤すハコモノ」というタイトルで鹿島さんの話題が出ていました。まあ、面白い内容でした。以下、抜粋して紹介。
   
【J1鹿島ニューヨーク事務所開設:日経新聞】
 J1鹿島は米MLSが進めるデジタルマーケティングの先進事例の調査・強化・事業両面での情報収集のため、ニューヨーク事務所を開設。先月、米プロスポーツ関係者と対話を重ねてきた鈴木取締役事業部長は日本との発想の違いに刺激を受けたとか。
 「彼らはスタジアムやアリーナなどハコものを作り、スポーツに限らず様々なエンターテイメントを開催し、ハコの稼働率を高めて収益を上げ、ハコそのものの付加価値、投資価値をアップ。サッカーはそのためのコンテンツの一つ」と鈴木部長のコメント。ハコで収益を上げ、トータルの稼ぎをコンテンツである各チームに配分するという考え。
 現在、22クラブで編成するMLSは拡大を続け、'20年には28クラブにする構想。参画に手を挙げる都市が後を絶たず、「彼らはまずハコを作って、チームは後から作ればいいという考え。主はハコであり、チームは従の関係」と鈴木部長のコメント。
 J1鹿島はホームスタジアムの指定管理者となり、スポーツジムやスポーツクリニックを設けて、試合開催日以外の関連事業を拡大。米プロスポーツの手法に触れた鈴木事業部長は「将来、ビジネス部門が事業会社として独立し、そこがコンテンツの一つであるアントラーズを支える形に構造が変わる日が来る可能性を認識」とコメント。
 ハコものビジネスは何をもたらすのかと言えば、地域を活性化し、地域の価値を上げ、住民の生活を豊かにする。米スポーツはビジネスを前面に押し出しているが、結局地域に貢献。「地域のために」という発想からスタートしたJリーグと執着点は同じになるところが興味深い。そこに気付くとビジネスの発想と進め方が替わってくるのではないかと締めくくっています。

 つい先日、Jリーグの中のアメリカ志向の勢力が衰えたようなニュースが流れました。当ブログは一貫してヨーロッパ志向。お手本はゴールドプランを実施し、今や世界一の収入額を誇るブンデスリーガです。アメリカのスポーツ興業スタイルはサッカーの分野では日本には合わないと思っています。
 このハコありきという発想もアメリカっぽいですね。ただ、作るだけでなく、ファン・サポーター目線でも考えないと、日韓W杯の負の遺産として有名な宮城スタジアムのようなハコものになってしまいますよ。それにしても難しいですね。ビジネスと地域密着と相反するような2つの要素があります。ビジネスばかり強くすれば「商業主義」になるし、地域密着ばかり強くすれば、かつての岐阜さんのような経営危機が発生します。どこで見たか忘れましたが、商業主義に走れば、確かに経営数値もいいし、来場者数も多いまま安定する事でしょう。しかし、それでは地域活性化に貢献できず、価値も上がらず、地域住民は豊かにならないので、結局は100年続かずに消えていくと個人的に思っています。
 その点、鹿島さんはしっかりされていると思います。企業チームでありながら、茨城の地方都市で地域の宝となる地域に根付いた素晴らしいクラブになっています。文句なく100年続くクラブでしょう。
 鹿島さんはスタジアムの指定管理者になって、スポーツジムを設けていると書かれてありましたが、クラブ公式HPを見ると、サッカー以外の異競技をしっかり実施されています。以下、抜粋して紹介。
   
【ボルダリング講習会】
 カシマウェルネスプラザでボルダリング講習会を実施。受講者の方のレベルに応じて、ボルダリングをやったことのないビギナー、少し経験したことのある中級者、もっと上を目指したい上級者の3クラスに分けて開催。各クラスとも1時間30分を予定しており、外岩も登ってしまう小野智氏を特別講師に招聘。小野氏は国内で数多くのボルダリングウォールの設計に携わっており、カシマウェルネスプラザに導入されたウォールも小野氏の設計。各クラス定員は15名、参加費は一般が2,500円、ウェルネス会員は2,300円。
〔ボルダリング講習会概要〕
・日 時: 5月21日(日)
       初級者クラス:11:00〜12:30、中級者クラス:13:00〜14:30、上級者クラス:15:30〜17:00
・内 容: 初級者クラス:座学(ホールドの種類など主にクライミング用語を学習)&実技指導
       中級者クラス:座学(クライミングの動きなど主にクライミング用語を学習)&実技指導
       上級者クラス:座学(クライミングについての質疑応答)&実技指導
・定 員: 各クラス15名(子どもは見学のみで同伴可。子ども参加する場合は参加費支払が必要)
・参加費: 一般 2,500円、ウェルネス会員 2,300円
カシマウェルネスプラザ公式サイト:http://www.so-net.ne.jp/antlers/wellness/

 単に施設内にそういう講座がある、そういう設備があるとして終わっているのではなく、鹿島さんのは立派なスポーツ文化を形成しています。よく「Jクラブはサッカーだけやってればええんじゃ」という声を一昔前に、古い価値観として耳にしていましたが、もはやそういう価値観のJクラブはほとんどないのでは。こちらの記事に紹介していますが、今やJクラブはサッカー以外の異競技も手掛けるのは当たり前で、ファン・サポーターと地域に対する義務です。できていないところは・・・申し訳ありませんが、将来しんどいかなと。読者の地元クラブはいかがでしょうか?
J1鹿島関連⑰:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170707
  〃     ⑯:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170104
  〃     ⑮:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20161205
  〃     ⑭:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20160701
  〃     ⑬:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20160111
  〃     ⑫:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20151106
  〃     ⑪:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150807
  〃     ⑩:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140714
  〃     ⑨:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140705
  〃     ⑧:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140503
  〃     ⑦:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140130
  〃     ⑥:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130506
  〃     ⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20111005
  〃     ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20110528
  〃     ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20101128
  〃     ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20100122
  〃     ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090301

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