J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

岡山トップスポーツファミリー(ファジアーノ等)、スポーツ文化情報リスペクトブログ(共同運営)。

ラグビーの日本へ9

2015-10-28 00:04:03 | スポーツ文化・その他

 事例紹介コラムです。
 先日放送されたFOOT×BRAINで「エディーJAPANから学ぶ、奇跡ではなく必然の勝ち方」というタイトルで、ラグビーのエディージャパンとエディーHCの特集がありました。去年の放送でエディーHCが出演しており、今回このタイミングでエディーHCの言葉を検証したいという事で再編集して放送されました。以下、抜粋して紹介。

 サッカー日本代表は更にスキルアップが必要。今回、ラグビー日本代表に注目。エディー・ジョーンズHCからの言葉を紐解き、世界との戦い方をのや学び、日本サッカー躍進のヒントを探る。過去7大会で1勝21敗2分が今大会3勝1敗という好成績。ベスト8入りしたら、ラグビー界だけでなく、日本のスポーツ界全体が変わる。
 なぜ、ラグビー弱小国の日本が強くなれたのか。弱点の克服からスタートという事で、キーワードは「フィジカル」。今までフィジカルがフィットしていない。世界で戦えるフィジカルを徹底的に鍛え上げた。サッカーW杯において、トップ10のチームと、日本の選手達を比べると、フィジカルの差がかなり大きい。あれだけ高いレベルの試合になると、非常にコンタクトが増えるので、肉体的に強いという事が重要。以下の日本独特のトレーニングを行って、世界と戦えるフィジカルを作り上げた。
     
①「S&C Strength Conditioning」=筋力トレーニングと合わせてスピードの強化。
 筋力を付けても日本人の持ち味のスピードが落ちないように、並行して両方の強化を図った。その結果、代表期間中にどの選手も体が大きくなったが、スピードは落ちていない。世界と戦うためのフィジカルの強化につながっている。スピードを落とさず、フィジカルを世界と対等にするまで鍛えあげた結果、強豪たちと互角の戦いができるようになった。小柄であってもフィジカルを強くする事は可能。メッシがその象徴。
     
②「ヘッドスタート」=朝5時に起きてトレーニング。
 選手達にメンタル面も強化するために取り入れた方法。ライバルが寝ている間にトレーニングするという発想で、1日に2回、3回練習する事も可能。集中力という観点から、短時間で非常に強度の高い練習を心掛けた。エディーHCになあってから、練習のテンポが上昇。
 そのトレーニングが実り、2014年6月の試合で、強豪イタリアに初勝利。まさか、以前の試合で惨敗し、その10年後にスクラムでイタリアに勝てる日が来ると思っていなかった。今までやった事の無かった独特の練習をやっており、1日3部、4部練習を繰り返し、圧倒的な練習量で世界との差を埋めていった。しかも、強度の高いトレーニングを選手達に要求し続けた。
 ラグビー国際試合で、選手1人の平均走行距離は1分間約80mだが、日本代表の練習時は1分間に約100~120m走るようなトレーニングを実施。普段から試合以上のスピードを心掛ける事によって、いざという時の体の動きや意識決定がより迅速になっていくと考えている。その効果は試合ごとに徐々に表れて行ったとか。最初の年は30~40分くらいしかゲームで強度を維持できなかったが、現在は1試合を通して強度・スキル・意志決定全て維持できるようになっていった。
 なぜ、短期間で日本代表は強くなれたのか。それは日本のスポーツ、選手全体に言えることだが、非常にコーチのやりがいがある選手達だと思う。他の国の選手に、朝5時からの練習を要求しても上手くいかない。日本人はこれを受け入れてやってくれる。これは大きな強み。それにより、日本らしいスタイル「ジャパンウェイ」を確立し急成長。
   
③「選手の経験値」
 W杯で勝つチームには共通の特徴がある。どの国もスタメン15人の代表キャップ数が合計650試合あるが、エディーHCが日本に来た時は合計100試合程度。毎年積み上げて、2014年に450試合を達成。W杯の時には600試合くらいまで引き上げると言っていたが、2015年W杯南」アフリカ戦スタメンの代表キャップ数を合計すると603を達成し、そういう経験値が歴史的勝利に結びついた。
 W杯では経験値が無いと勝つ事ができない。これはサッカーもラグビーも同じで、試合だけでなく、メディアやスポンサーなど周辺のプレッシャーが全然違う。こういうものに対応しながら、ゲームに集中するためには、ハイレベルな経験値が重要になる。

④「監督の経験値」
 監督の経験値は非常に重要。自分が経験していない限り、何をすべきかわからないから。自分が経験していない限り、何をすべきかわからない。最初の監督よりも2回目の時の方が良くなった。なので今回のW杯は更に良くなると思っていた。
「名将エディー・ジョーンズから学ぶ世界との戦い方 指導法」
 指導する時は選手に質問を投げかける形を取っている。例えば、プレーを失敗した時に、「ダメだ」ではなく、「どこに問題があったと思う?」という質問をする。それを選手自信が考えて言葉にする事で、思考力を養う。日本人の特徴である「言われた事をやる」という傾向をやめさせたいと思っている。試合中に意思決定するのは選手達だから。監督の指示に頼りすぎると、即座に判断ができなくなってしまう。

 そして、エディーHCから学ぶ世界との戦い方ということで、いろいろとエディーさん自身の持論が最後に述べられました。ネット情報ではもう4年やる気だったのだが、選手がきつい練習を嫌がって、「エディーHCとやるのはもうしんどい」と何人も口にして、それに立腹したエディーさんが退任会見を行ったという情報もありました。2年後第2次政権で復活というのもありました。とにかく、「まぐれ」と言われないように、いい監督のもとでSRと日本W杯を戦ってほしいと思います。
   
「名将エディー・ジョーンズから学ぶ世界との戦い方① 若年層の指導法」
 子ども達にはテクニックよりもスキルを教えるべき。日本のスポーツ全体に言えることだが、子ども達に対して、コーチはテクニック重視で教えてしまっている。どうやってボールを蹴るのか、その完成度を求めている。ラグビーもサッカーもそういう点では同じだが、実際のゲームとトレーニングでやっている事は違うし、ゲームの中でも同じ状況は無い。テクニックの完璧度ではなく、総合的なスキルを教えるべき。
 日本人:テクニック=スキルと思っている傾向にある。具体的にはスキルのあるパスは、いつ・どこに・どのようなパスを出すのかしっかり状況判断のできたパスになる。テクニックのあるパスは、狙ったコースへ正確に出せるパス。この2つは根本的に違う。
 テクニック=正確な技術 / スキル=状況に応じた判断力
 日本人は子どもの頃から、スキルの方を磨かないといけないと指摘。
 数年前にスポルティング・リスボンに行った時、4才くらいの子どもがディフェンダー相手にドリブルの練習をしていた。これはスキルのあるドリブル練習と言える。

「名将エディー・ジョーンズから学ぶ世界との戦い方② 日本スポーツ界に提言」
 日本のスポーツ界の問題点は、国内で勝つ事に主眼が置かれがちな点。これに慣れてしまうと、国際レベルに対する意識が薄くなる。例えば、Jリーグで素晴らしいプレーをしていても、世界ではドログバのような非常にフィジカルの強い相手と対面しなければならない。Jリーグでプレーしておても、世界を意識してプレーする必要がある。
 
 という内容でした。サッカー日本代表および日本協会も学ばなければならない部分が多々ありますね。ジーコジャパンとザックジャパンは直前合宿でハードなフィジカルトレーニングを実施して、その後のクールダウンに失敗して、W杯本番でバテバテの状態で望み。惨敗しました。それに対してエディージャパンは3部練、4部練をしながら上手くクールダウンできたと聞いています。そこが違いなのではないでしょうか。確かに日本代表は海外組が多く、移動の関係で国内組と一緒に練習する時間が限られている条件はありますが、その一言で片付けていいのでしょうか。個人的には、エディーさんに臨時フィジカルコーチになってもらうのが一番いいと思っています。
ラグビー関連⑧:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20151013
  〃     ⑦:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20151008
  〃     ⑥:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20151004
  〃     ⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150924
  〃     ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150921 
  〃     ③:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150829 
  〃     ②:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20141130 
  〃     ①:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20070623

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