四国遍路の旅記録 二巡目 第1回 その3

平成18年10月20日     「おへんろさーん、がんばれ・・」


行程:
寄井の旅館を出て、建治寺、別格2番札所童学寺、第13番札所大日寺まで。

歩行距離:25.7k(地図上の札所、お寺間の距離を示す。この日は相当迷った。実際の歩行距離は30kをこえていたでしょう。)

宿泊:名西旅館


県道207号を行く。やたらとセイダカアワダチソウが目立つのだ。

やっと見つけた建治寺への下り道。

建治寺

建治寺行場

建治寺より鮎喰川を展望する。


建治寺から童学寺に向う。遍路道の始まり。

7:00 宿を出る。Oさんは既に早出。ISさんは、バスで13番札所に行く。バス停前で握手して別れる。「いい出会いがありますように」

実は、昨夜の宿は手配遅れで、そこしか無かったのですが、ここに泊まった以上、予定の建治寺へは通常の北側からのルートではなく、国道438号、鬼籠野(オロノ)から県道21号、207号を経て南側から上るルートが好都合だと、へんろ地図を眺めながら思いました。実はこれが誤りだったのだが・・。

県道207号は、人も車も殆ど通りません。道の両側は、セイダカアワダチソウの黄色に占められています。昔からの秋の花、コスモスは今やその地位をこの黄色の花に譲ってしまったようです。
路傍の地蔵堂に手を合わせるおばあさんにお会いしました。「あーら、おへんろさん・・」とにっこり。しばしの立ち話。心が癒される会話です。

「道しるべ」 建治寺への道

県道207号の大桜トンネル前を左折、神山森林公園の標識を目印に進む。地図では一本道のように見えますが、森林公園の整備に伴うものでしょう、縦横に新道があります。建治寺の標示は皆無と言ってよい。おまけに通りがかりの誰に聞いても、「コンチジー?、ワシは知らんなー」
右往左往し、やっと公園の管理の人を見付ける。「右行って、左行って、上がって、下がって・・・」。うーん、憶えられんなー。
とにかく前進、公園の一角から見当を付けて山を下ります。おっ、仏のご加護か、公園の草取り・清掃のおばさん連がいます。軽の車もあります。「おへんろさん、ざーんねんです、行き過ぎでーす・・」、「車で連れてってあげようか・・」、「ああ、ここからは車じゃ行けないんだった・・」、ヨレヨレ遍路は、赤くなったり、青くなったり。
「頼む、地図書いておくんなせー」。おばさんの書いた地図を手に、「おへんろさーん、がんばれー」の合唱を背に下った山を再び登ります。
やっと唯一の建治寺の標識を発見。廃道のような急坂を下り、やっと寺に辿り着く。地図上3.6kを実に2時間半以上掛けたことになりました。

寺より県道21号への道。門前の駐車場からの車道をしばらく行き、子持地蔵を左折、遍路道へ。(へんろ地図H280の地点) やや荒れているが、楽にH210地点に至る。私は、別格2番に行くため、ここから車道を下って、行者野橋を渡りました。



建治寺の納経所で納経をお願いすると、若い女性がちょっと馴れぬ動作で書いてくださる。隣には若い男性もいます。辰濃和男さんの本「歩き遍路」でも紹介されているが、ここで修行をする若い人は多いという。何か独特の雰囲気を持ったお寺なのです。よく、不思議も起こるという。私は出会わない。もっとも、こうやって迷い迷いながらもお参りできたのも、何かのお力のお陰であるかもしれませんが。


別格2番童学寺、「いろは四十八文字」はこの寺で創作されたといわれる。

「道しるべ」 童学寺への道

新童学寺トンネルを抜け、へんろ地図には、斜め左折する遍路道が記されています。舗装道でロープが張ってあります。
「ロープを越えて進む」とのアドバイスを何処かで見たことがあります。しかし、その先は行き止まり、道は発見できず。仕方なく戻り、1k近くの遠回りだが、正規の参道を行きます。
寺からの帰りは、ロープの所に出られるのではないかと寺前を直進。大きなお宅の敷地内。きれいな奥様が出てこられて「あーら、以前はこの上の山道が通れたのですが・・、この竹薮を抜けてください」。奥様の指令よろしく竹薮を右左、ロープに繋がる道に出ました。
この道、どうも真っ当な遍路が通る道では無さそうですぞ。

鮎喰川 、もう夕暮れ、鷺の姿が見える。

第13番大日寺

大日寺向いの一宮神社

広い鮎喰川を眺めながら大日寺への道を行く。秋の日は短い。もう暮色だ、川面に鷺が見えます。

16:25 13番大日寺に到着。納経所の高齢の女性から「ごくろうさま・・、今日のお宿は決まっているの・・」と労いのことばをいただく。心暖まる。ありがたい。

宿の女将は名物女将です。話好きで面倒見がいい。同宿は、中年の女性二人連れ、団塊の世代の男性、バイクの40代男性、車遍路の夫婦二組でした。どうもワシはどうしようもない頑固爺遍路に見られたらしい。夕食は盛り上がり、また話が絡み合う。

お参りした札所・霊場

番外 大滝山 建治寺(こんちじ)
本尊:金剛蔵王大権現
開基:役の行者小角
宗派:真言宗東寺派
役の行者小角の開山による古刹。後、空海も久しく荒修行したという。
現在も修行に訪れる者が、絶えない。独特の雰囲気をもった寺である。

別格二番札所 東明山 童学寺
本尊:薬師如来
開基:行基菩薩
宗派:真言宗善通寺派
飛鳥時代の古刹である。空海が十六歳の折、逗留し学問に親しんだと伝える。
日本の民衆教育の最初である「いろは歌」47文字を創作されたと伝えられている。

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