四国遍路の旅記録 二順目 第1回 その2

平成18年10月18日     青い青い吉野川の流れ

行程
安楽寺を出て、第7番札所十楽寺、第8番札所熊谷寺、第9番札所法輪寺、第10番札所切幡寺、第11番札所藤井寺まで。

歩行距離:20.9k(札所より宿の距離は含んでいない。)

宿泊:さくら旅館(鴨島)

第7番十楽寺。納経所、宿坊など大改築工事中。

熊谷寺仁王門。去年の春は桜がきれいだったなー。思い出す。 

第8番熊谷寺山門と遍路さん。

第9番法輪寺。


第10番切幡寺。333段の石段、 意地で荷物を背負って上る。

吉野川潜水橋。手前の橋、水はない

吉野川潜水橋

吉野川

吉野川。何と美しい水か。

吉野川の水。遍路の影を映す。


吉野川潜水橋。川島橋。この上の休憩所でゆっくり休む。

藤井寺山門。

第11番藤井寺。

第7番、第8番と、私が門前を出ると、昨夜同宿のTさんが門前に。私がちょっと早く回っているようです。手を挙げて挨拶。
第8番熊谷寺の立派な山門。去年の春は、桜がきれいでした。桜とともに、お会いした人のことを思い出します。懐かしいが会う術はない。遍路は大体、一期一会なのですから・・。
熊谷寺のご本尊、十一面観世音菩薩は、年一回のご開帳。金色輝く菩薩にお会いできました。
第9番法輪寺では、神奈川から来た若い女性の遍路と話す。27番から逆打ちで回っている。ここも11番→9番→10番→8番と変則に回るという。地図で確認すると、なるほどこの方が近いのかもしれない。
足は相当速い。10番までの間、姿を100~200m前方に追う。

第10番切幡寺の333段の石段を上ってぐったりとしていると、本堂前に若い女性が二人います。先ほどの神奈川の女性ともう一人。昨晩の宿坊でちらっと見掛けた人。この人が神奈川から来ているISさん。同県、それも隣町ということですっかり打ち解けて話している様子。ISさんとは、この後も会い、翌日は、焼山寺の山道を殆ど同行することになります。とても素直な飾らない性格の人、私にとっては、娘いや孫に近い歳。まーいいじゃござんせんか。遍路仲間。

吉野川の水は、青く何とも美しい。川を渡る潜水橋、車1台が通る巾しかありません。車はかなり頻繁、歩行者は遍路以外はまずいない。遍路にとってここは結構危険な橋なのです。水の流れに見とれて油断しててはなりません。
昨年は、ここで写真のお接待をいただいたところ。思わずカメラを持ったSさんの姿を探しました。人影はありません。

13:30、11番藤井寺に着く。ここは、札所では珍しい臨済宗のお寺で、地味な独特の雰囲気を持っています。今日はもうこの先には行けません。時間が余裕があり、ゆっくりお参りします。
私は、昨日まで今日は高越寺の山登りと色気を捨てきれないでいたので、宿の手配が遅れた。この近くの宿は既にいっぱい。
昨年も泊まった、鴨島駅前の旅館に予約。いい宿だがここから3kぐらい距離があるのが難。
時間を持て余し、ベンチに座っていると、ISさんがやってくる。スクーターのおっさんが、近くの宿まで案内してやると門前で待っていると言う。
私は前回、女性を案内して金をとるあくどいおっさんに会っているので、ちょっと心配。一緒に門前に出て、おっさんとちょっと話をします。まあ、悪い人でもなさそうだ。大丈夫だろう。
(吉野川の畔で、写真のご接待をいただいたSさんのこと、そして、女性を案内する怪しいおっさんのこと、平成17年3月31日の遍路日記に記したこと。)



平成18年10月19日     若い遍路仲間とともに

行程
第11番藤井寺を出て長戸庵、柳水庵、一本杉庵を経て第12番札所焼山寺、その先 、寄井の旅館まで。

歩行距離:22.1k(地図上の距離を示す。)

宿泊:桜屋旅館(寄井)


藤井寺を出る。すぐ急坂の登りが始まる。

長戸庵

 
長戸庵付近の尾根より吉野川を望む。

 
柳水庵近くの杉林の道

柳水庵近くの尾根道

 
柳水庵に新しく出来た小屋。水がおいしい。

一本
杉庵(淨蓮庵)の大師像


 
一本杉庵(淨蓮庵)の大師像と大杉

 
左右内(そうち)の集落。春は梅がいっぱいだったなー。

焼山寺山門

 第12番焼山寺

 
杖杉庵、遍路の元祖と言われる衛門三郎と大師の像。

今日は、88札所巡礼中、最大の難所といわれる焼山寺越えです。700mクラスの山を3回登り降りします。
前回は、大休憩を繰り返し7時間を要しました。今回はどのくらいで行けるか。登りは肺の具合も試されます。
6:50 藤井寺を出発。1時間後3.3k先の長戸庵で休憩していると、Tさん、ISさん、それに滋賀のYさんがやってきます。いずれも、昨夜、藤井寺付近の宿に泊まった仲間。
9:05 3.4k先の柳水庵に到着。ここで、6時頃藤井寺を出たという千葉のOさん(30代)が合流。
9:23 柳水庵を出て、2.2k先の一本杉庵を目指す。ここの登りはきつい。私の肺は爆発寸前となり、足の肉刺に悩むISさんにも先行してもらう。独り山道に座って、静かに山の空気を吸っていると、穏やかな気持ちになります。何か、力を戴いたような気がした。10:13 一本杉庵のお大師さんが迎えてくださる。同行の連中も皆待っています。
ここより1.6k山を下り、左右内の村へ。川のほとりで、旅館でお接待いただいたお握りの昼食。包み紙に書かれた女将のメッセージにほろり。
最後の急坂2.5kを登ります。12:35 焼山寺の山門をくぐる。5時間45分でした。まずまず標準的な所要時間。私の肺でよく歩けた。一本杉庵前で力を戴いたためかもしれません。思わず、合掌、南無大師遍照金剛。

ここより山を下り、9.2k先の宿まで歩きます。同宿のISさん、Oさんと一緒です。
鮎喰川沿いの神山の町が見えてくる。15:30桜屋旅館に到着。
Oさんは、転職の間の期間、2ヶ月でゆっくり四国を回るという。クリクリの頭がよく似合う、どう見ても若いお坊さんという風貌なのです。ISさんは、独特の性格のいい娘さん。食事の後、足の指を見てくださいという。指がもげるんじゃないかと心配だという。「大丈夫、肉刺になりかけ、水を抜いて、テープまいときゃ大丈夫・・」、「あーよかった」

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