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いじめ例示

2013年05月19日 | 時事
犯罪に当たるいじめを例示 文科省、学校の対応促す狙い
文科省から、いじめに当たる行為の具体例が出た模様です。

持論を展開する前にとりあえず引用します。
○同級生の腹を繰り返し殴ったり蹴ったりする(暴行)
○プロレスと称して押さえつけたり投げたりする(同)
○学校に来たら危害を加えると脅す。同様のメールを送る(脅迫)
○校内や地域の壁、掲示板、インターネット上に実名を挙げて、「万引きをしていた」「気持ち悪い」などと悪口を書く(名誉毀損(きそん)、侮辱)
○顔を殴打し、あごの骨を折るけがを負わせる(傷害)
○断れば危害を加えると脅し、汚物を口に入れさせる(強要)
○断れば危害を加えると脅し、性器を触る(強制わいせつ)
○断れば危害を加えると脅し、現金などを巻きあげる(恐喝)
○教科書などの所持品を盗む(窃盗)
○自転車を故意に破損させる(器物損壊など)
○携帯電話で児童・生徒の性器の写真を撮り、インターネット上で掲載する(児童ポルノ提供など)


率直な感想として、余りにも具体的過ぎないかな、と思いましたが、事態はこれほど深刻なのだ、ということを伝えるためでしょう。問題点としては「など」という表現がほとんどない所で、例えば「プロレスと称して」というのは柔道ならOKなのか、というように、逃げ道がいくつもできてしまう恐れがありますね。まあ、そこは教師側の判断で膨らませていけば良いということでしょう。この例示は、そのまま刑法に定められている罰則とリンクしているところにその凄さがあります。例えば一番上の暴行罪とは、「傷害罪(十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金)」に至らない程度、つまり殴ったり蹴ったりしたが傷が残らなかった時の罪で、「二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」と定められているわけです。今回の例示と同時に、指導して改善が認められない場合は警察と協力して対応していくことまで言及しており、若年であることを考慮しても、これらの行為は犯罪に当たるのだという意識をしっかりと植えつけていく構えのようです。

本来であれば、学校は社会生活とは切り離して考えるべきで、例え相手を怪我させても即逮捕・裁判・刑務所という発想には極めて至り難い場所のはずです。学校という場所では「悪いことをしたら素直に謝る」で大抵の罪は帳消しになりますし、「何をしてはいけないのか」を失敗から学ぶ場所であるべきなのです。だから何か問題が起きても必要以上に犯人探しをすることもしませんし、過ちを犯した生徒のために教師には懲戒権が認められています。
しかし、現代はネットなどの普及によって子どもも大人も同レベルの情報媒体にさらされることとなり、精神的に幼く道理も分かっていないままに知識を並べ身勝手な論理を組み立てたり、意訳された権利を行使しようとしたり、また悪意ある大人の餌食にされたりと、様々な問題が生じています。そういう変化する社会で、いかに「生きる力」を磨いていくか、もう抜け出せないような環境に、被害者としてでなく加害者としても陥らせてしまう前に、教師や周りの大人達が気付いて助け出してあげられる社会にしていくべきだと思います。今回の文科省の行動は対処療法であり、罰をことさら強調するだけのような気がしてなりません。そうでなく、何故いけないのか、どうして行けばよいのかを考えられる漢方薬のような指導を、小中学校から繰り返し行っていく必要があるのではないでしょうか。

まあ実際には、毒も薬も両方必要といったところなのでしょうか。