ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

アンドロサエマム

2018年06月13日 | 俳句

 今日もまたいいお天気…早速洗濯です。でも夕べから朝にかけてヒンヤリしていて、午前中長袖を着てちょどよかったので、そのまま健康体操に行きました。そうしたら今度は暑くなって大変。だって昼間の気温は28度ですものね。

 体操が済んで先日の子宮癌検診の結果を聞きに病院へ。開口一番〝異常なし〟ですって!ああ、よかった。

 それほど体調が悪いわけでもなかったので、あまり心配はしてはいませんでしたが…でも、不正出血があったということは何かがあったと考えても不思議ではないでしょう。だって、自覚症状があったのにコワイからと言って一日延ばしにしていて、手遅れになったという話よく聞きますから。

 私は、何らかの異常を感じた場合、もしそれが癌の兆しであったのなら、本当にアリガタイことだと思います。知らずにどんどん進行していく方がコワイですからね。

 以前私の知人にいましたね。自分の体調不良を医学書で調べてみると、ある癌の症状に非常に似ていて、もし本当にそうだったらと、怖くて何も手に付かないという。〝早く病院へ行って検査してもらったら〟と勧めても、聞き入れようとしませんでした。かなり後で聞いてみると、何もなかったんですって。でももし癌だったとしたら…考えただけでゾーッとしませんか?

 確かに診断されることは怖いことですが、でも引き延ばしたからといって、何一ついいことはありませんよね。もし癌だとしたら一日でも早く治療にかかれるし、そうでなかったとしたらそのストレスから完全に解放されますもの。どっちにしてもプラス、プラス!

 私は今回何もありませんでしたが、もし癌ですと言われたとしても、きっと早く見つかってよかった!と思うでしょう。そう気付く兆候を与えてくださった神様(もしかしたら母かも?)に感謝します。いつもそのように考えますので、私は何度も命拾いをしたのかも知れません。神様、仏様、それにご先祖様、感謝、感謝です!それで、ついでに乳癌検査もして貰いました。その結果はまた後日ですって。

 この花は「ヒペリカム・アンドロサエマム」、オトギリソウ科オトギリソウ属の半常緑小低木。「キンシバイ」や「ビヨウヤナギ」と同じ仲間です。花よりもこのカワイイ実が好きで、貰ってきて挿木したものです。

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今日の兼題は〝青嵐〟

2018年06月12日 | 俳句

 今日は朝から日が差して、天気予報も午前中は曇るが、概ねよい天気であるとのこと。早速溜まっている洗濯です。やれるときにやっておかないと…、午後は句会ですから。

 昼から出掛けるのに車に乗ると、ハンドルが熱くて持てないほどになっていました。もうすっかり日差しは夏ですものね。

 今日の俳句教室は会員がどんどん減って、先月ついに5人になっていたところです。余りにも淋しいので、何とか増やさなくては…ということで、声を掛けましたら、今月から3人、来月はもう1人増えて、9人になります。ウレシイ!それも全員男性なんですよ!いいでしょう。というわけで、今日は欠席1人の、7人の句会となりました。

 兼題は「青嵐」で、夏の季語。青葉のころに吹き渡るやや強い南風。「せいらん」と音読すると「晴嵐」と紛らわしいため、「あおあらし」と読む慣わしになっています。

  大楠の枝から枝へ青あらし     種田山頭火

 この句は、山口県下関市豊浦町川棚にある〝クスの森〟で、山頭火が昭和7年6月14日に詠んだもの。その〝クスの森〟が今枯死しかけてピンチだと先日テレビや新聞で報道していました。次は毎日新聞より…

 樹齢1000年以上といわれる山口県下関市豊浦町川棚地区の国指定天然記念物「川棚のクスの森」が危機にひんしている。枯れた枝葉が目立ち、樹木医の診断で根腐れを起こしていることが分かった。近年はパワースポットとして注目され年間約7万人が全国から訪れており、地元の観光ボランティア団体は再生に向け募金活動を始める予定だ。

 「川棚のクスの森」は1本のクスノキだが縦横に伸びた枝葉は高さ約27メートル、幅は東西約58メートル、南北約53メートルに及び「森」の名がつけられている。一度土に埋もれた枝が地表に出る「飛び枝」などによる枝ぶりの美しさは日本一と賞され、この地を訪れた種田山頭火も「大楠(おおくす)の 枝から枝へ 青あらし」の句を詠んだ。

 異変が表れたのは7月中旬。8月に県樹木医会が調査したところ酸素不足で一部の根が腐り、9本に分かれた幹のうち2本は枯死状態に近いことが判明。調査した同市の樹木医は「小雨や高温など悪条件が重なった」と話す。緊急措置として土壌に酸素を送り込む装置が設置された。クスノキ周辺はかつて雑草が茂り荒れていたが地元住民が1978年に「クスの森を守る会」を結成。市に働きかけて遊歩道などが整備され観光スポットとなった。ガイド時に樹木の状況を説明し、9月中旬から募金活動を始めることにしている。

 私が初めてこの〝クスの森〟を観に行ったのはもう何十年も前のこと。何本もの巨大な樹がうねって、まさに森を成しているように見えましたが、これが1本だけと聞いてビックリ!観光名所は期待していくとガッカリさせられることが多いのですが、ここは噂に違わぬ見事さに圧倒されて、それから会う人会う人に〝一見の価値ありよ〟と宣伝していました。それが二,三年前に久し振り行ってみると…エエッ、こんなに小さかったかしらと驚きでした。以前のような鬱蒼とした感じが全くなくなり、周りがキレイに整備されて見通しも良く、枝などもかなり切られて、樹の勢いもイマイチでしたね。あの頃からどんどん弱っていったのかも…。今回の様子を写真などで見ましたが、ホントに哀れな…カワイソウになりました。

 写真は「烏柄杓(カラスビシャク)」で、夏の季語です。サトイモ科の多年草。漢名は半夏で、時候の季語「半夏生」は、この草が生える時季をいいます。(またまた写真ボケてますね。ゴメンナサイ!)

  わたくしに烏柄杓はまかせておいて  飯島晴子

 

  

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金糸梅(キンシバイ)

2018年06月11日 | 俳句

 このところすっかり梅雨らしくなりました。昨日は晴れてはいましたが、やはり空が重たい感じで、蒸し暑い1日。

 今朝は早くからしっかりと雨が降っていたのに、夕方には日が差して来たりして…ナントモ変りやすいお天気!

 昨夜から今日にかけて新幹線の殺傷事件のニュースばかり…迂闊に乗り物にも乗れない恐ろしい時代になったんでしょうか。ひと昔はバスジャックなどの無差別殺人が騒がれていましたが、このところは〝殺してみたかったから〟など、普通では考えられないような無差別殺人事件が増えたような気がします。理由もなく災難に巻き込まれた方々を思うと、全く言葉も出ません。特に今回の女性を助けようとしたために命を落された38才の男性、本人は勿論のことそのご家族のことを思うと、何といっていいか分かりません。さぞさぞ悔しいことでしょう。こんなありふれた言葉しか書けなくて…ホントにもどかしい!

 ただ心からご冥福をお祈りするばかりです。どうぞ安らかに…合掌!

 ところで、先日の句会の兼題は、夏の季語「冷奴」でした。〈年金日薬味盛られし冷奴〉という句が出ました。

 私は〝面白い!〟と思ってすぐに採ったのですが、他の誰も採っていませんでした。ナンデ~?

 「どうして採らなかったの?」と聞くと「なんで年金日に薬味を盛るのか分からんし…」「そりゃ年金貰って来るからでしょう」「給料なら分かるけど年金は振り込みでは?」「これはその年金が振り込まれた日を待って銀行に引出しに行くのよ。そして帰ったら薬味がたっぷりの冷奴が待っていたのよ」「エエッ、ご馳走じゃなくて…」「そりゃ慎ましい年金暮らしだもん…せめて薬味だけでもたっぷりと…、ほら、そう考えると面白いでしょう?」と、こんな調子で意見が続きました。当の作者(男性)はただ黙って笑っていましたが…。本当はどうだったんでしょうね。

 そうなんです。お年寄り(自分もだけど…笑)は、支給日には銀行へ出掛ける人が多いんです。だから山口銀行などはその日に年金を引出しに行くとプレゼントがあるんですよ。それを楽しみに行く人も…。

 写真は「金糸梅」で、夏の季語。中国原産のオトギリソウ科の半落葉性低木。観賞用に庭園などでよく栽植されます。

 

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第21回「俳句甲子園」防府大会

2018年06月10日 | 俳句

 今日は朝から、第21回「俳句甲子園」防府大会の審査員を務めるため防府へ出かけました。

 昨年経験して大体の要領は分かっていますので、それほど緊張はしませんでしたが、やはり疲れました。だって昨日は午後と夜の2回句会があったんですよ。連続はこたえます!もう年なんですね~。

 今年の防府大会の出場校は、5校の7チーム。私は第二会場の三試合の審査でしたので、昨年よりは少なくて楽でした。

 山口県立徳山高校・高森高校B・熊毛南高校Aの3校総当りのリーグ戦です。

 高森高校Bは1,2年生チームで初めての挑戦のようでしたが、後の2校は3年生が多くさすが場慣れしていました。そういえば昨年見た記憶のある生徒もいましたね。

 結果は、チーム戦では徳山高校の圧倒的な勝利でしたが、最優秀句は、熊毛南高校Aの川野愛里紗さんの次の句でした。

   切りすぎの前髪朝を鳴く蛙

 兼題は「蛙」、論戦では「朝を鳴く蛙」の個所で盛り上がった句。なぜ「朝の蛙鳴く」とせず体言(名詞)で止めたのかとか、「朝に鳴く蛙」ではなくあえて「を」の助詞を使った理由は?など、大人顔負けの指摘が出て、感心! 高校生たちもよく勉強していますよ。

 最優秀句を決める時、私もこの句を推した一人ですが、つい昔のことを思い出してしまいました。

 あれはまだ娘が幼稚園の頃でしたが、いつもは私が切っていた髪を主人が代わりに切ってやったんですって。私が家に帰った時すぐに娘が出て来ないのでどうしたのかと…見れば前髪がとても短くなっておでこがしっかり見えていました。

 「あら、可愛くなったわねえ~」と言った途端、わあ~わあと泣き出してしまいました。「もう、幼稚園に行かれん~」と言って。後で主人に聞くと、「真っ直ぐにならんかったので、何回も揃えるうちに…」だと。

 仕上がって鏡を見に行った途端に娘の顔が変ったんですって。後髪の方は見えないけど前髪って一番気になるでしょう?鏡見る度すぐに見えるから。こんな年からそうだったんですから、高校生なら何をかいわんや…でしょうね。

 この句の場合はきっと自分で切ったのではないかと思いますが、朝登校する時、鏡を見て〝ああ~イヤだ!〟と悔やんでいるとき蛙の声が…。蛙は夕方から夜にかけて良く鳴きますが、今朝は朝から…〝雨にでもなるのかしら…〟という思いもあったかも。とにかくこの憂鬱な気分を「朝を鳴く」に込めたんだろうと評価しました。だからやはりここは「を」が効いています。「朝に」だったらやや説明的になり、作者の鬱屈した気分までは代弁しきれないでしょうから。

 まあ、第一会場の方もありますし…さらに全国大会はまだまだ先のことですから、高校生の皆さん頑張って下さいね。

 写真は防府大会第二会場優勝校徳山高校と最優秀句作者の川野さんです。受賞の挨拶に徳山高校が、自分たちは3年生で後がいないから今年が最後かも…と淋しいことを言っていました。もし本当なら名門徳山高校が消えることになってとても残念なこと。是非なんとか後輩を育ててまた出場して下さいね!応援しています。

 

 

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フタマタイチゲ

2018年06月09日 | 俳句

   夕べブログ書こうと思いながらも、締切の俳句があったのでそれを考えていると…つい寝てしまいました。

 最近は夜になると頭が働かなくなって、すぐ睡眠モードになってしまいます。それで朝早く目が覚めるのですが、やっぱり朝は頭の回転が違いますね。

 先日ブログで、「ふるさと」の歌詞を〝うさぎ美味し~〟と、意味が分らずに歌っていたという話を紹介しましたが、それを読んだ先輩からメールが来ました。その内容を主人に話すと…エエッ、そういう意味やったんか~と、ビックリ!その時の二人の会話…

 「『埴生の宿』の歌知ってる?」(私はうろ覚えで…歌詞が出てこない)「知ってるよ。」「じゃあ歌って…」(歌い出す)「はにゅう~のやど~もわが~や~ど、」「その続きは?」「確か…たまのよそ~いうら~やまじ~、じゃったかな?」「それ意味分かる?」「う~ん、〝たまのよそい〟は分からんじゃったが、〝裏山路〟は分かったよ」「わあ!あなたも…あれは〝羨まない〟という意味なんよ!」と。もうお分かりですね。ホントにこの歳にして知る!ですよ。ビックリポンでしょう。

 他にも、「仰げば尊し」の、「思えばいと疾し」を「思えば愛おし」とか、「赤とんぼ」の「負われてみたのはいつの日か」を「追われて見たのは…」という意味で歌っていましたと書いてありました。

 みなさんも思い当たることがありませんか?私はあの国歌「…ちよに~やちよにさざれ~いしの~」の、「さざれ石」を俳句を始めてやっと知ったんですから。私たちの子供の頃って素直だったと思いません?意味なんか分らなくっても教えられた通りに歌って、何も疑問を感じなかったような…。いい時代だったのでしょうね。

 他の方のブログを拝見していて、これは成る程‼と思ったことがありますので、紹介させていただきます。お許しを!

  飯田龍太がこんなことを書いていました…。
 「作品の推敲とは、事実を追い求めることではなく、事実を選択して作品の真実に近づくことです」と。
 芭蕉の句を例に 

      (初案)  象潟の雨や西施が合歓(ねむ)の花
  (推敲句) 象潟や雨に西施がねぶの花
 初案の方が表現はなめらかですが、比喩に比重がかかりすぎて内容を弱めています。これに対し、成案の「象潟や」の上句の切れは、大景を素手でとらえ、そこに合歓の花の華麗を鮮やかに現じた力強さがあります。芭蕉推敲の手法を証(あかし)する句のひとつといえます。…」
  

 一口に推敲と言いますが、一文字や切れの場所によってもがらりと変る俳句、もう出来上がったと思わずにあれこれ深く考えてみることが肝心ですね。名人だってそうなんですから…。

 写真は「フタマタイチゲ」です。先日のゴテチャのお宅で、「これ一輪草?」「いや、二輪草かも…」と、いろいろ話が出ましたが、奥さんから教えていただきました。

 「フタマタイチゲ」は北国の湿った草原に咲く多年草。一見、掌のように深く裂けた葉と名前の通り葉腋から花茎が二股になって出る点が大きな特徴。季語としては「一輪草」の中に「一花草(いちげそう)」として、晩春にありますが、私の知っている「白山一花」は、高山植物なので晩夏。要するに一輪草や二輪草の仲間だと言うこと。

 ここは北国でも高山でもないのに、よく手入れされるからでしょう、見事に咲いていました。奥さんへ拍手!

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きらら浜自然観察公園

2018年06月07日 | 俳句

 今日は、午前中曇午後晴れマークで、気温29度とやや暑い日でした。

 久し振りに何んにも予定のない日でしたので、京都から実家の方に戻っているという友人と会う約束をしました。他の俳句仲間も誘って4人で、阿知須にある山口県立〝きらら浜自然観察公園〟へ出掛けました。ここは3月の吟行会で紹介したことがありますが、今回は夏鳥の「オオヨシキリ」が目当てです。

  葭切のをちの鋭声や朝ぐもり  水原秋櫻子

  一本の芦よりひびく行々子   滝沢伊代次

 公園の中に入ると、早速鶯の声が出迎えてくれました。すると池の葦の中から〝ギョギョシ ギョギョシ〟としきりに声が…。「いる、いるわよ」と、皆で探すのですが、声はすれども姿は見えず…です。双眼鏡で見てあれは鳰の浮巣かしら?などと話していると、館長さんとレンジャーの方が出てこられて、お話が聞けました。

 鳰の浮巣が三つあるのを教えて貰い、今巣作り中が一つと…双眼鏡を覗くと2羽が仲良く水草を咥えて来ては巣を作ろうとしているところが見れました。他に居残りのヒドリガモ、ヨシガモやカワウ、アオサギなどが少し。そのうち館長さんがフィールドスコープを出してきて、しっかりと見せてくださいましたので、最高でした。特にヨシガモの印象的な〝ナポレオンハット〟とソングポストで啼く、お目当てのオオヨシキリの赤い口が見られたので大満足!

 館内に入ると、今「野鳥写真展」があって、100枚からなる見事な写真がズラリと…圧巻ですよ。でも10日までですって。また、鳥の巣の展示も面白かったのですが、特に模型(?)の〝鳰の浮巣〟、その深さにはビックリでした。

 その後美味しいランチを食べて、お喋りをして、今日は俳句は作りませんでしたが、とても有意義な一日で、感謝、感謝です!

 野鳥の写真は私には無理ですので、撮れるものだけにしました。上からきらら浜の葭原2枚、ベニシジミ、ベニイトトンボ、オカトラノオ、ハマダイコンです。ベニイトトンボは絶滅危惧種とか…。キイトトンボやチョウトンボもいましたが、残念ながら撮れませんでした。ゴメンナサイ!

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チリアヤメ

2018年06月06日 | 俳句

 夕べはかなり降っていましたが、朝になると止んだり降ったり…でもこぬか雨のようなものでしたが。

 午後から健康体操へ、その後リハビリに行き先ほど帰ってきました。

 昨日は俳句教室で、兼題は「緑蔭」でした。夏の日差しのなか、緑の木立の陰をいいます。よく似た季語に「木下闇」がありますが、これは「闇」の語によりどこか鬱蒼として昼でも暗いところを連想させます。しかし、「緑蔭」は木々の枝を洩れる日の斑がちらちらと美しく、涼しさをも感じさせ、色も鮮やかに見えますし、語感も明るい季語ですね。

 今回の高点句は〈緑蔭や空弁当の忘れ物〉でした。しかし、点は入りましたが問題ありの句で、いろいろ意見が出ましたね。「空弁当とは弁当殻のことみたい…だとすると、忘れたんじゃなくわざと置いて行ったのでは?」「そうすると公衆マナーに反するわよね~」作者も反論します。「コンビニなどで売ってる弁当じゃなく、ハンカチに包んだ弁当箱だったんです」と。「だったら勘違いされないためにも弁当箱とすべきでしょうね。」と私。〈緑蔭や弁当箱の忘れ物〉でOK、食べたか食べてないかは読者の想像に委せるのです。

 このように、作者は食べ終わった弁当ということが頭から離れず、「空」という語しか浮かばなかったのでしょう。こういうことってよくありませんか?言われてみればその通り…どうしてこんな簡単な語が思いつかなかったのだろうという経験。

 〈緑蔭やボランティアの声通り〉という句もありました。「この句、中七が字足らずね…。それより問題なのは、何のボランティアか分からないことよ」と言うと、「名所などを説明して案内するボランティアの人です」と作者。

 まあ緑蔭があればそこで何かをしているのは分かりますが、最近はいろんなボランティアがありますし…。そこで「史跡ガイド」とか言ったらいいよと言うと、誰かが「市民ガイド」という言い方もありますと、貴重な意見が出ました。〝三人寄れば文殊の知恵〟ですね。

 写真は〝ゴテチャ〟のお宅で見つけた花。「チリアヤメ」と言います。私は以前常盤公園の探鳥会で教えて貰い知っていましたが、みんなは初めて見てとても感動していました。

 チリアヤメは、芝生の中などで散らばるように点々と可憐な花を咲かせ、小さいながらも鮮やかな濃いブルーの色がよく目立ちます。花は朝開いて夕方にはしぼむ一日花ですが、次々と咲き続けます。草姿が小さいわりに花は大きく、花径は3cmくらい、3枚の丸みのある花弁(外花被)が広がり、プロペラのように見えます。日本へは大正4~5年に入ったといわれ、関東地方以西の平野部では野生化している場所もあり、条件がよいとこぼれダネで自然にふえます。アヤメ科で原産地はチリ・アルゼンチン。だからチリアヤメというのでしょう。

 奥さんに聞くと、ご主人が種を貰いばらまいて植えたんですって。カワイイでしょう?知らなかったら踏んでしまうところでした。アブナイ、アブナイ!(大きさが分かるようにペットボトルを置きました) 

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ゴテチャの花

2018年06月05日 | 俳句

 今日は天気予報通り朝は曇でしたが昼前から雨になりました。明日も降るようです。先日の2日間はとても天気に恵まれて、これが一日でもずれていたら…と思うと、本当にシアワセでした!

 昨日、ホテルのチェックアウトが11時でしたので、その後〝ゴテチャ〟を見て帰ろうということになりました。

 皆さん〝ゴテチャ〟って知ってますか?お花の名前なんですが、生前母がこの花が好きで毎年植えていましたので、実家に行った時いつも貰って帰っていました。でも母から聞いた名前は〝ボテジャコ〟…変な名前なので本当は違うんじゃないの?と聞いても、そう教えて貰ったと言い張っていましたね。そしたら宇部市の新聞に母の言っていた花…それがゴテチャとして写真と一緒に紹介されたんです。毎年見頃になると新聞に出るので、その度に見に行きたいと思いながらも、場所がよく分からずそのままに。

 それが、今年も紹介され、その切抜きを持って来た人がいましたので、それではみんなで〝見に行こう〟ということになったのです。

 新聞の見出しは「休耕田一面、花のじゅうたん」とあって「休耕田10アールでゴテチャが見頃を迎えている。赤、紫、薄いピンクの花がじゅうたんのように咲きそろい、人気を呼んでいる。…」と。ゴテチャはアメリカ西部原産のアカバナ科クラーキア属の一年草。切花にしても水揚げがよく長持ちするという。そういえば、母は供花にいいからと種を貰って植え、その後は毎年自分で種を採り植えていたっけ…。これを見るとつい母を思い出してしまいます。

 ここは個人のお宅なんですが、8年ほど前から植えるようになって、それが評判になり、花期には毎年市内外から多くの人が訪れるほどになったと。最近では、周南市や広島県内からも見学者が来るそうな。

 近くで聞くと、すぐに教えてくれました。みんな一斉に〝わあ~キレイ!〟それ以外の言葉が見つかりません。見るとゴテチャの奥にはズラーッと菖蒲田が広がっていて、それがどこまでも…、まさに〝ここは桃源郷やね~〟と。本当にそう思いました。花菖蒲はまだ咲き始めたばかりのようで、これが満開になると、先日の物見山公園や常盤公園の菖蒲園とは比べものにならないでしょうね。また見に来よっと!

 厚かましくどんどん奥まで入って見ていると、奥さんが出てこられて、いろいろな話を聞かせてもらいました。それは、またね。

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花菖蒲

2018年06月04日 | 俳句

 俳句仲間のご厚意でホテルの宿泊券が手に入り、昨日から1泊の〝俳句合宿〟のようなものに出掛けていました。

 参加したのは有志10名。遠出ではありませんので気が楽ですし、気心の知れた人ばかりなので楽しさの方が優先したミニ旅行かな?

 でも〝行きはよいよい帰りはコワイ…〟かもよ~。

 昼12時、山陽小野田市の「物見山公園」駐車場に集合。ここには菖蒲園があり、そろそろ見頃では…ということでまず最初の見学です。

 ウーン、まあまあかな~。以前来た時より少し花が少ないような…まだ今からどんどん咲くという感じでした。でも湖があって人も少なく気持ちの良い環境です。誰かがアラ!オタマジャクシが…ミズスマシ、蜷も…とワイワイいいながら花菖蒲を観賞、湖の周りも一周して戻りました。お天気はよかったのですが、風が止むとちょっと汗ばむような蒸し暑い気候です。

 たくさんの句材や季語を拾って、次は今夜の宿所「ナチュラルグリーンパークホテル」に荷物を預けて、「江汐公園」の散策です。

 ここは今まで何度も吟行に来ていますので、勝手知ったるわが家のようなもの…1時間余りのウオーキングコースをぶらぶらと。

 今日もたくさんの新しい句材に出会いました。「コモチマンネングサ」や「キキョウソウ」などは、どこででも見ていた草ですが、初めて名前を知りました。ああ、「ウマゴヤシ」も。今までクローバー(シロツメグサ)のことを「ウマゴヤシ」と句に詠んでいましたが、本物は全く違うんですね。ビックリしました。写真は順に、コモチマンネングサ・キキョウソウ(ボケていましたので転載)・ニワゼキショウ・ビヨウヤナギです。

 また、黄色のたんぽぽのような花…みんなから名前を聞かれるんですが、以前調べたことがあるので〝コウゾリナじゃあないかしら?〟と言うと、 すぐネットで調べてくれる仲間がいて〝似てるけど違うみたい…〟ということで分からずじまいでした。

 家に帰って調べてみると〝ブタナ〟でした。前にも調べて憶えたのに…すぐに忘れます。困ったものですよ。別名〝タンポポモドキ〟といい、キク科エゾコウゾリナ属の多年草。ヨーロッパ産で、日本では外来種(帰化植物)として各地に分布するとありました。それがホテルの庭一面に咲いていてとてもキレイ!(もう忘れないようにしよう!)写真は、ブタナ。

 ここ「江汐公園」は、パンフを見ると「青空の写し鏡のような江汐湖を中心に、森林浴や桜・つつじ・あじさいなどの季節の花々が楽しめる自然の恵み溢れる公園」ですと。あの「森の気吹=フィトンチッド」も紹介されていましたよ。写真は、カシワバアジサイ。

 ちょうど紫陽花園が見頃になっていて、そこの四阿でみな休憩をして句をひねっています。「先生、今日は何句ですか?」「まず、五句ね」「エエッ、先ず…ということは後があるんですか?」「そうよ。それは後のオタノシミ…ね」と、こんな調子で、4時にホテルへ戻りました。部屋に入って、食事は6時からでしたので、それまで早速句会です。

 投句した5句の短冊を回して、それぞれ50句の句稿作りから。今回は時間的に余裕がありますので10句の互選をしました。全員の選句発表が済んだところで一区切りして夕食へ。今夜は泊まりなので心おきな~くビールで乾杯と…。お料理も美味しいし、もう満足で云うことありませ~ん。

 ちょっと微酔いのいい気分、このままで…というわけにはいきませんよ。さあ、いよいよ勉強会、頑張りましょう!

 9時半までみっちり俳句と取組みました。その後、江汐の森林が一望できる「天然温泉・源泉放流かけ流し」へ。無色透明なアルカリ性源泉は、ツルツルとした感触が特徴です。疲れたアタマを癒やして、さあ、2回戦ですよ~!

 みな戦々恐々です。今度は兼題「紫陽花」1句、詠込み「脚・食・健・苦」のそれぞれで4句の計5句投句。締切時間は…といいかけたら、皆が明日の朝までにしましょうよ~と。じゃあ明朝6時投句ね~ということで、それぞれの部屋に戻って句作です。

 翌朝6時、夕べは寝られんかったよお~と言いながらも、全員無事投句。お見事です!8時の朝食時間まで…昨日の要領で句会、スムーズにいきます。互選と選評の途中で朝食へ、それから戻って続きを。

 最後は、得点発表と表彰…といっても高点者にささやかなお菓子を。でも嬉しそう!最後に今回の感想を述べて閉会です。

 殆どの人が初めての経験なので、とても苦しかったけどいい刺激になったし、また勉強もでき楽しい経験でしたとのこと。お疲れ様でした。

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繍線菊(シモツケ)

2018年06月02日 | 俳句

 今日も良いお天気、明日もおおむね晴れとか…梅雨はいったいどこに行ったんでしょうか。ナンテ言ってたら明後日ぐらいから雨のようです。まだ始まったばかりなのでこれから先どうなるのかは分かりませんが、この調子でいくともしかしたら今年の梅雨は〝空梅雨〟? でも本当にそうなったらこれは大変! 雨というのは降らなくても心配、また降りすぎても困る…本当に厄介な梅雨の時期ですね。

 「空梅雨」も季語ですが、次のような句がありました。

  百姓に泣けとばかりに梅雨旱   石塚友二

 名前しか知りませんが、石塚友二は「馬醉木」の大先輩です。石田波郷が馬酔木同人を辞退して、俳誌「鶴」を創刊した時、その創刊同人として一緒に馬酔木を辞めました。年は波郷より7歳上でしたが、いつも彼の片腕として働き、遺志を継いで「鶴」を守った人なんですよ。

 次のWikipediaの人物紹介を参考にして下さい。 

 石塚友二(いしづか ともじ・1906年~1986年79歳で没)は、新潟県出身の俳人・小説家・編集者。俳誌「鶴」の二代目主宰。本名は友次。農業学校を出て家業の農業に従事したのち、1924年に叔父を頼って上京。横浜で働いたのち、1932年まで神田の東京堂書店に勤める。この間、横光利一に師事したほか、多くの文人と交わる。1935年、沙羅書店を設立、横光利一の『日輪』『覚書』、水原秋櫻子の『葛飾』復刻版、石橋辰之助の『山行』、石田波郷の『石田波郷句集』などを刊行する。

 俳句は当初秋桜子の「馬醉木」に投句。1937年、石田波郷を主宰として「鶴」を創刊、発行編集者となり、のちに波郷が応召された際には代選も務めた。1941年結婚。1942年、自身の結婚を題材とした短編小説「松風」(『文學界』1942年2月号)が第15回芥川賞候補となる。同作で1943年池谷信三郎賞受賞。1944年5月、空襲を受け新潟に疎開。9月、川端康成に勧められ鎌倉文庫に入社、上京。鎌倉稲村ケ崎に仮寓する。戦後復刊した「鶴」では毎号に随筆「日遣番匠(ひやりばんしょう)」を掲載、1969年に波郷が没してより同主宰を継承した。日々の生活を題材とし、私小説的な世界がそのまま俳句となるような句境を開いた。

 とにかくこのところの異常気象は予測のつかないところがありますので、油断は禁物です。被害が何も出ないことをただ祈るのみ。でも〝備えあれば憂いなし〟ですから、常に防災意識は持っていないといけませんね。

 写真は「シモツケ」で夏の季語。漢字で書くと「繍線菊」、読みにくい季語の一つです。山野の日当たりのよい土地に自生するバラ科の落葉低木。最初の発見地が下野(しもつけ・現在の栃木県)であったことに由来する名前だそうです。「下野草」というのも夏の季語で、これは多年草です。花はよく似ていますが、葉が全く違うので見分けがつきます。「シモツケ」は長卵形で先が次第に尖っているが、「シモツケソウ」は掌状に5~7に深裂して八つ手のような葉です。

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山法師

2018年06月01日 | 俳句

 とうとう6月になりました。梅雨入りの発表があった割には雨が降らず、最高気温も25度で、昨日も今日も気持ちの良い洗濯日和でした。

 毎月の原稿や投句などは全て月末で手が切れますので、いつも月初めの第1週目はホッとしてのんびりできます。とはいっても第一火曜日には俳句教室がありますが…。でもやっぱり気分的には月始めの方が余裕があって好きですね。

 私の大好きな花の一つ…「山法師」は晩夏の季語なんですが、もう殆ど終わりに近いです。地球温暖化で年々早く咲くようになったのでしょう。これは山法師に限ったことではありませんが…。

  東京を三日離れて山法師   鈴木真砂女

 山法師はミズキ科の落葉高木で山野に自生し、小枝の先に白い花びらのように見える苞に囲まれた頭状花序をつけます。山桑ともいい、庭木や街路樹としてもよく植えられていますので、初夏らしい清々しい色合いはよく目につきますね。

 真砂女さんも喧噪な東京を離れて三日、やっと山法師の花をゆっくり眺めたのでしょう。もちろん東京でもどこかには咲いていたに違いありませんが、小料理屋を営む忙しい日々の暮らしの中ではその余裕がなかったのかも知れません。都会を離れ日常の多忙な暮しから解放された時、あの真っ白な山法師の花が彼女の疲れた心をきっと浄化したことでしょう。そのためには「三日」という長さが必要だったし、「離れて」にもぐっと実感が籠るというものですね。

 ところで、わが家の山法師、この写真見て下さい。主人がバッサリと剪ってしまったんですが、それも仕方のないことなんです。

 確かもう15年にはなるでしょうか、ある苗木市で1メートルぐらいになっていた木を買ったんです。もちろん〝山法師〟と言ってですよ。そして、次かその次かの年に初めて花を付け、大喜びをしました。すると、それっきりで花を付けなくなったんです。山法師の育て方などをいろいろ調べたりして、きっとそのうちに咲くだろう、一度は咲いたんだから…と何年も待ちました。しかし、二度と花を付けることはありませんでした。今ではもう諦めましたが…この木を見るたびに騙されたのかと思うと、とても悔しいです。木がカワイソウ!悪いことした訳じゃあないのに恨まれて。

 このように買ったその年か次の年までは花が咲くのに、次から咲かなくなる…という思いを何度したことでしょう。「梅花空木」もそうでした。一度は咲いたから偽物ではないと思うんですがね~。どういうことでしょうか?植木屋さん不信になって、もう最近は買わなくなりました。写真は他所のお宅の山法師です。

 

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