とうとう4月も終り、明日からは5月に突入ですね。世に言うゴールデンウイークに既に入っているのですが、昨日の雨は結構ヒドかったです。それが今日は東日本の方へ移動したので、こちら西日本は概ね晴れでしたよ。だから昨日の雨に洗われた柿の若葉のナント眩しいこと!このまましばらくはいい日和が続くとうれしいのですが…残念ながら連休後半は雨が降るという予報。まあ、今のところは連休に出かける予定は全くないからいいわと思ったのですが…
しかし、急にお婆ちゃんが先日の旅行で買った服をどこかへ着て行きたいのに…と残念そうに言いだし、早々に衣装合せなどをしたりされると…これじゃあどこかへ連れていかなくっちゃね…と、主人と話していますが。さて、どうしたものでしょう…人出の多い所や歩かないといけないところはダメだし…ウ~ン、悩んじゃいますよ。
さて今日は、先日の句会の兼題が〝虻(あぶ)〟でしたので、その時に初めて知った言葉のことでも書きましょうか。
その句会に出た句は〈虻光る煉瓦の山の駄屋の跡〉。この「駄屋」という言葉…私は見たことがなかったので、一瞬〝下駄屋さんのことかな?〟なんて思いましたが、煉瓦だもの…これ何?と、念のために辞書を引いてみました。
すると、『精選版 日本国語大辞典』には〝中世の大和で、塩の運送・仲介業者〟とあるではありませんか。でも何だかこの句の意味にはそぐわないような…。そこで、今度は『広辞苑』で引いてみますと、〝(中国地方で)厩舎(うまや)〟と。この意味だったらよく分かります。しかし、それなら〝馬屋〟と書けばいいものを…なんで?と作者に聞くと、子供の頃辺りの農家ではどこでも牛を飼っていて、その小屋を〝だや〟と言っていたのだと。
この作者が言うには、〝馬屋(まや)も考えたが、それは馬を飼っている小屋で、ここは牛小屋。でも、それでは字余りになって入らないので…〟と。ナルホド!みんなあれこれとよく考えて努力していますね。感心、感心!
私はこの〝駄〟という語にちょっと興味が湧きました。だってこの字ですぐに思いつくのは、無駄とか駄目とか、または駄作、駄句、駄馬などのマイナスイメージばかりですもの。それ以外なら下駄や足駄、雪駄などの履き物。
結局〝駄〟という字は、〝馬に荷をのせて送ること。また、のせた荷物〟や〝荷物を運ぶための馬〟などという意味でした。そうすると〝屋〟は建物ですから、その意味が使われた場所によって違ったんですね。中世の大和、今でいえば奈良県あたりでは要するに馬で荷を運ぶ運送業者の家。中国地方では馬(牛)を飼っておく小屋に使ったということ。ナルホドですね。
私は元々九州人ですから〝馬小屋〟とか〝厩(うまや)〟しか知りません。運送屋さんは何と言ってたんでしょうか。たしか〝馬借(ばしゃく)〟という語を聞いたことがあるような…?
俳句をしていると、言葉を知らないから…と誰もがよく言います。標準語だけでなく古語や方言などもいれると、知っているものは万分の一…いや、いや、そんなものじゃあないですよね。調べだしたらきりがありませんし、調べても分からない言葉は五万と…いやもっと…無限大かも。その点今はインターネットという便利なものがあってホントに助かります。昔…といっても、せいぜい2、30年前のことですけど、広辞苑じゃ足りず重たい漢和辞典まで引っ張り出して、エンヤコラと探したもんです。それが今や、今や、あっという間ですから。
それでも追いつきません。本当にきりがないんですもの。時間がもっともっとほしい!そのうちきっと時間切れになるでしょう…というより先に頭が回らなくなるかも…などと不安になったりします。だったら今のうちにもっと頑張らんと!
今日の写真は…かなりボケてますが、〝おてんぽの花〟です。この〝おてんぽ〟というのはこちらの方言で、母は〝かんからの葉〟と言っていました。地方によっては他にもいろんな言い方があるようですが、本当は「菝葜(サルトリイバラ)」というんですよ。ところが、俳句では「山帰来(サンキライ)」として詠まれています。実は「山帰来」は本来日本にはない植物なんですけどね…似てるので間違われたのでしょうか。
この葉を見ると、母がいつも5月5日の〝子供の日〟に作ってくれた〝柏餅〟を思い出します。裏山に行ってこれを採ってくるのが子どもたちの役目。そこで若い葉を採ると蒸したときに餅がはがれにくいと、古すぎる葉は固すぎるなどと言われて、ちょうど手ごろな葉を探すのも楽しい想い出です。ああ、もう一度母のあの〝柏餅〟が食べた~い!(+_;)