ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

兼題は〝茸(きのこ)〟

2020年10月30日 | 俳句

 昨日の夕方出かけたとき、見るとまだ明るい東の空にもう大きな白い月が…ああ、そうだ!今夜は「十三夜」の月だったわ…と。家に戻ったのが7時頃。車を降りて、写真でも撮ろうかと見上げると、なんとお月様は?…ウルウルと滲んでまるで〝おぼろ月〟のようでした。だから写真はパス…

 俳誌への原稿もやっと書き上げて送ったし、…あら、まだ自分の今月の投句が残っていたわ!指導している皆さんの句はみんな済んでるので、既に投句されているでしょう。だというのにいつも自分のは最後…それでちょくちょく忘れてご迷惑を掛けてしまうこともあるんです。申し訳ありまっせ~ん。

 今月最後の教室の兼題は〝茸〟でした。この季語は説明不要とは思うのですが、最近はスーパーで年中売っていますので、季語と思わない方もいらっしゃるでしょうかね。

 〝茸〟とは、晩秋、山林の湿地、生きた木の根や幹、または朽木などに生える菌類の総称です。松茸をはじめシイタケ、シメジ、ナメコ、マイタケなど、たくさんの種類がありますが、最近では食用のものを殆どが培養して人工的に栽培していますので、勘違いするのでしょう。しかし、季語としては、自然に生えているものとして詠んでいます。

 文語では茸のことを〝たけ〟とか〝くさびら〟とかいうのですが、私たちは〝なば〟と言っていました。ところが、辞書を見てみると〝中国・九州地方できのこのこと〟ですって。知らなかった!方言だったんですね。

  傘さしてまつすぐ通るきのこ山         桂信子

 これは、第7句集『草樹』(1986年刊)に収められている句です。作者桂信子氏はこの時もう70才過ぎ。氏については俳句を始めてから名前だけを知りましたので、詳しいことは何も知りません。それで、『桂信子全句集』を手がけられたふらんす堂さんの紹介文をご紹介しますね。

 戦後俳句を代表する女性俳人・桂信子の作品五二一八句を収録。昭和の激動期より、90歳でその生涯を終えるまで俳句をつくり続けた桂信子の作品の全貌をとらえる。自らを律することに厳しく、鷹のごとき激しさをその内奥に秘めた信子の作品は、女性ならではの瑞々しい抒情性と清高の気品を湛えている。

 また、この『草樹』を出版したころに、信子氏が「作句信条」として書かれたもの…
 「俳句は平明でなければならぬと思っています。しかし単なる平明な表現がよいと言う意味ではありません。平明な表現のなかにたたえられた滋味、それを感じさせる奥行きのふかい句をつくりたいものと思っています。
 『表現は平明に、内容は深く』ということなのですが、ほんとうによい俳句は口ではちょっと説明出来ないのではないでしょうか。会得するより致し方ありません。いい作品はおのずから光を発するものです」と。
 これらを読んでも分かるように、よい俳句は説明できないんだと…。

 でも、氏の言う「表現は平明に、内容は深く」ということから上掲の句を見てみますと、〈まつすぐ通る〉ところに作者の言わんとするものがあるような気がします。まさにこの姿勢は桂信子氏そのものでしょうか。雨の降るきのこ山を…茸などには目もくれずただひたすら前だけを見て通り過ぎていく姿…。皆さんだったら何を感じますか?読む人それぞれに沸き起こる感情があると思います…いうならばそれが俳句なのです。

 昔よく言われました。〝説明しないと分からないようなのはいい俳句ではないよ!〟と。その通りです。だから何も言いませんので何かを是非心に感じてください。それだけでいいんです。読む人は…

 でも詠む人はそういうわけにはいきませんよ…だから難しいんです!あれ、私何言ってるんでしょう。アハハハ…

 句会での最高点句は〈検査値はともかく今日のきのこ飯〉でした。きのこ飯ではちょっと物足りないのでは?というと、なんと作者は…主人でした。そういえば、前日医大に行って、検査値が少し上がっているから気をつけるようにと言われたんだとか。季語変えるといいよ…と言うと、〝兼題だったから…〟と。ハイ…(笑)

 今年は山口県では松茸が豊作で例年の半額だと、ニュースで流れたので、翌日すぐに買いに行った人がいて…どうだった?と聞くと、売切れだったと。(笑) その松茸の産地は宇部から2時間ぐらいはかかるところなんですよ。本当にみんな熱心。句会もそういうわけでとても盛り上がりました。お疲れ様!

 写真は、我が家の〝紅葉〟。台風で葉がやられてしまってチリチリになっていたのが、新しい芽を出してその若葉が紅葉し始めたんです。みんな自分の役割を忘れずに必死で生きようとしているんですね。花や木にはいつも教えられることばかりです。

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兼題は〝後の月〟

2020年10月28日 | 俳句

 昨日の天候もまあまあ…10月の終り頃というのは、このように朝夕の冷え込みを繰り返しながら冬への準備を徐々に進めてゆきます。そんな秋の最後を飾って、昼間は紅葉が美しく照りかがやき…というのが相場なんでしょうが、こちらではそういうわけにはいかないのです。全てがあの台風10号の置き土産…。でも総合的にいえば、今年は台風の数が少なかったし、大きな被害も一部を除いてはない年だったからよかったでしょう。

 しかし、あの10号の塩害は酷いものでしたから、今年の紅葉や黄葉は殆ど諦めています。が、その分北海道や東北、信州の方々のブログで愉しませて貰っています。今年はコロナ自粛のためにどこへも行けずじまいでしたので、居ながらにしての観光かな…アリガタイものです。私もブログを始めて、いろんな分野でのいろんな方々の発信を拝見して、随分賢く?なったような…(笑)いつも拝見させて頂いているブロガー様、感謝です!

 さて、昨日の句会の兼題は〝後の月〟でした。晩秋の季語で、「十三夜」とか「名残の月」、また枝豆や栗を供えるので「栗名月」「豆名月」などともいい、陰暦9月13日の夜、またはその夜の月のことです。中秋の名月に対しての「後の月」ということなんです。

 名月と同じようにこの日も月見をしますが、秋も深まって冷えてくる頃だし、少し欠けているということで十五夜のような華やかさはありません。しかし、その欠けたところで侘び・寂びを愛でるというのが、日本独特の美意識なのです。

 今年(2020年)の「後の月」は、10月29日。だとすると昨日の夜、帰りに見上げた月は半月でしたが、11夜月ということになりますね。とても澄んでキレイなお月様でした。ちなみに満月は31日ですよ。  

  皿小鉢洗つて伏せて十三夜           鈴木真砂女

  あげ底の酒の徳利や後の月             

 2句ともに鈴木真砂女氏の作。1995年出版の句集『都鳥』に収められている句ですから、きっとこの〈皿小鉢〉も〈酒の徳利〉も銀座の小料理屋「卯波」で使用したものでしょう。

 十三夜の月は、十五夜よりも出るのが少し早いし、〈皿小鉢洗つて伏せて〉というと、もうかなり夜更けの時間かもしれません。お客が一段落したときなのか、それとももう店じまいの片付けが終わって、ホッとしたときの中天の月かも。どちらにしても、ああ、やっと1日が終ったと…いやこの月も今度見るのは来年かと、感慨深く眺めている月…。しみじみしてきますでしょう。

 落語にも出てきますが、〈月月に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月〉という、 読み人知らずの有名な和歌がありますよね。満月は毎月毎月あるでしょうが、やはり〝名月〟や〝後の月〟などというのは1年に一度だけですもの。そして、その思いは桜にも通じる思いでしょう。つまり、昔から日本人の感性の出所は、月や花…ほら〝雪月花〟といういうように…。

 そういう前句のしみじみとした情感に引き替え、後句にはちょっと苦笑してしまいます。せっかくいい月夜で、一杯呑みに来てくれたお客さんに対して…〈あげ底の徳利〉とは。このあげ底の徳利は飲み屋などでは儲けの常套手段のようですが、それにしても…。真砂女女将はどう思っていたのでしょうか。〝儲けさせてもらって申し訳ないわね〟ぐらいの気持ちなのかな?それともあげ底ぐらいでちょうどいいのよ、目一杯飲まずに早くお帰りなさい。お月様がほらこんなにキレイなんだからと…客のためを思って?でも、お金はきっちり貰うんでしょうから…やっぱりこれはあり得ないかも…。どなたかまたよい解釈があれば教えて下さい。よく居酒屋などに行かれる方などはお分かりになるのでは…(笑)

 ところで、この日の句に〈収獲を終へて今年も秋の声〉というのがありました。そこで、皆さんちょっと頭の体操!一緒に考えてみて下さい。

 私が先ず〝これは何の収獲を終えたのかしら?〟と聞きました。すると〝そりゃあ、葡萄でしょ!〟とみんなが言いました。〝それならこれではおかしくない?〟と…。

 私も句会のみんなも、作者のHさんが葡萄を作っているということを知っています。だって、前回の句会でみんな美味しい葡萄を頂いたんですもの。でも敢て、〝もし何も知らない人がこの句を見て思うのは何でしょう?〟と聞きますと、誰もが???〝何か気がつかない?〟といっても…??? 

 さあ、これを読んで下さっている皆さんは何か気がつきましたか? 以前私が〝思い込み〟ということを書きましたが、そう、それなんですよ。人というものは、一旦思い込むと全く違う見方をしようとはしません。この場合もそうだったんです。

 この句は今年の〈収獲〉をやっと終えたという安堵感を詠んだものですが、よく見て下さい。まあ、季語がどうかと思われた方がいらっしゃるかも知れませんが、そこは初心者ですから…ね。

 問題は「獲」の字なんです。この字は、狩りをして鳥や獣など、また漁をして魚などを得ること。だから、猪などの狩が終わったのか、または魚の収獲期が終わって一段落したのかと思うのではありませんか。要するに、作者は猟師さんか漁師さんだろうということになるのです。もし農家の稲や芋とか、または葡萄などの取り入れだったら「穫」を使うべきでしょう。そうすれば、農作物などを刈り入れることだと分かるのですから。

 言われて見れば、な~んだ!というちょっとしたミスなんです。でも、作者のことを誰も知らない俳句大会などに投句したとしたらきっと間違って解釈されますよ。選者は当然表現された言葉によってその句の情景や心情を理解し、鑑賞しようとしますからね。

 俳句は17文字しかないので、ちょっとした助詞の使い方でも意味がガラッと変わることがありますし、用いる文字によっても大きく違うということを心して詠まねばなりません。特に漢字は意味の発信力がとても強いので、誤字などは絶対に避けないと、大損をしてしまいます。くれぐれも細心の注意を怠りなく!頑張って下さいね。では、また。オヤスミナサイ!

 写真は、み~んな季節外れの草花…やっぱり雑草は逞しいですね。秋の終りの日差しの中でこんなに生き生きと咲いていました。上から、「蒲公英(たんぽぽ)」は春の、「都草(みやこぐさ)」「酢漿草(かたばみ)」「紫酢漿草」は夏の季語なんですよ。もうすぐ冬だというのに…寒くないのかしら!

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吟行―船木宿を歩こう―その2

2020年10月25日 | 俳句

 今日も気持ちの良い秋晴れです。でも、宇部市の最高気温は21度、最低は10度と。やっぱりお日様のある間はいいんですが、日が沈むと途端に冷えます。それで、主人がついに炬燵布団を掛けようと言いだし…〝ダメ、ダメ、まだ我慢よ!〟と、誘惑に負けそうなこころをグイと引き留め…。炬燵が入ったらどうなるか、目に見えていますものね。

 明日、明後日は、また俳句教室ですからその準備をしておかなくては…。でもその前に、吟行会のその2を仕上げておきましょう。頑張りますので、よろしく!

 「瑞松庵」を後にして、次の目的地は「たましげ琴製作所」です。申し込めば無料で快く見学させてもらえますし、丁寧な説明や実演などもしていただけます。ここも私はもう何回目でしょうか。

 この(有)たましげ琴製作所は、明治27年、初代・玉重信太郎氏が和楽器販売を営んだのが 始まりです。

 当時の山口県山陽道に位置する楠村(現宇部市)は宿場町として栄え、三味線・琴・琵琶・太鼓など日本古来の和楽器の需要が多くあり、琴の製造は、三代目の美博氏が研鑽を重ねて開始。琴製造への新規参入は厳しい道のりとなりましたが、長い精進が報われ、人間国宝の宮城喜代子師に自作を演奏してもらう縁をいただいて、高く評価されました。その後に明治神宮から依頼を受け、身を清めて専心して奉納させていただいたということも。

 現在は四代目となる彰彦氏が三代目の技を受け継ぎ、日々、琴制作に励んでおられ、伝統技術の結晶といえるたましげの琴は各流派の先生方にご愛用いただいているということです。

 工房にはいろんな琴板が立て並べてあり、細かな道具のあれこれを説明して頂きましたが、全てが手作業なので〝熟練の職人が織りなす雅な音色〟というキャッチコピーの通りだと思いました。

 また、お土産などにと、観賞用のミニ琴「琴太郎君」(約62㎝)と演奏用のミニ琴「琴音ちゃん」(約80㎝)…とても可愛かった!

 この日は四代目がおられず、奥様とまだ琴司見習いの五代目・智基さんが説明と琴の演奏をして下さいました。その曲が、昔ながらのものではなく、「風のセレナーデ」という難しそうな、でも美しいい曲で、それにみなうっとりと聞き惚れていました。

 それもそのはず、智基さんは 小学六年生より筑紫会小林歌翠氏に師事して、同年「熊本箏曲ジュニアコンクール 金賞 一位」を受賞。 その他、様々なコンクールに出場を果たし、数々の賞を受賞。 国内だけにとどまらず、文化交流団の一員として海外でも演奏と、今若手の演奏家としてご活躍中の人なんですから。琴の制作はまだ見習いですが…と謙遜。20代の前途有望な好青年でした。独身ですってよ!(笑)

 丁寧にお礼を告げて、帰ろうとするとき、奥様から〝琴でいい俳句を作って下さいね〟と言われ、〝はい、ガンバリマス〟とは答えたものの、これを詠むのは至難の業ですよ。以前も…禄な句は詠めてませんもの。

 最後は、「岡崎八幡宮」。

 この神社は船木地域の産土神で、古くから鎮守として尊敬されてきました。応永3年(1396)大内義弘が再興し、神田を寄進。陶春賢の防長大乱の時、兵火のため、炎上し歴代神宝が焼失したため、天正4年(1576)杉重良により再建され、続いて毛利家もたびたび修復したのだとか。

 社前の楠の大樹は、樹齢推定700~800年といわれ、この木に生息しているシーボルト・コギセルという巻貝が、潮の干満に合わせて上下する習性を持つことから航海の安全のお守りとされています。

 それで、みんなで目を皿のようにして探したんですが、どこにも…アッ、いました!一つだけ見つけましたが、分かりますか?拡大してボケてしまいました。ゴメンナサイ!昔は結構いたらしいんですが、みんなが珍しがって採って帰ったのかしら?

 境内の桜が少し紅葉し始めていました。

 また、当宮は、御神酒清酒醸造免許認可神社で、酒醸免許認可を明治32年10月5日に受けています。全国で酒醸免許を認可されている神社は、伊勢神宮、出雲大社、千葉県莫越山神社と、この岡崎八幡宮の4社だけだそうです。

 この日は幸運なことに、御神酒酒造殿で出来た酒を神棚に供えるための準備で、酒器などを洗っておられた宮司さんにいろいろとお話を聞くことが出来ました。ラッキー!

  御神酒の造り始めは、神功皇后がこの中国地方にて米の作り方を習われ大阪に帰られる時、この 地にお手植えになられた米で御神酒を作り、神様にお供えしたのが始めと言われていると。
 大阪の住吉大社に「皇后、米の作り方を習い帰らる」の故事があるその米を早米(そうまい)といい、稲穂 の背丈が170cmにもなるそうですが、それが蔵の横に提げてありました。毎年のお田植祭により、種子は継承されているそうですが、最近はここの神田では作らずに他所で作って貰っているそうで、今年はとっても出来が悪いとか。

 出来た御神酒は、10月の第3日曜日の岡崎八幡宮の秋祭、11月の第3週位の土・日・月の新嘗祭、正月3ケ日、2月の 節分の日に、お参りすれば頂けるんだそうですが、今年は殆どが中止で、お正月だったら参拝すれば飲めるかも?ということでした。

 やがて、12時になりましたので、句会場になっているお食事処へ。昼食を食べた後、この部屋を無料で16時までは使わせて貰えると。コロナで唯一助かっているのは、お店が空いているので、意外と容易く個室を貸してもらえるということかしら。これもヘンな話ですよね。コロナのお陰だなんて…アハハッ…

 でも、なかなかいい部屋でしたし、お昼のランチも美味しかった!これに天ぷらと茶碗蒸し、お吸い物が付いて、おまけにデザート・コーヒー付きで、しめて1,500円。安いと思いませんか?

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吟行―船木宿を歩こう―その1

2020年10月23日 | 俳句

 昨日は、午後から俳画教室でした。行ってみると、今までコロナで不自由な教室でやっていたのが元に戻されていました。これは、コロナの感染者が宇部市では先月の27日以後一人も出ていないということからの規制緩和のようです。何にしても嬉しいこと!

 ところが、昨日一日中は雨で…、特に宇部市には強い雨22㎜/hの豪雨予報が13時10分に出されていたんですよ。俳画から帰るときの土砂降りにはビックリ。

 しかし、何だか…本当にコワくなりました!一昨日は、あれほど晴れていましたのに。この変わりよう!吟行会へ出かけるときのことは前日書きましたが、…実際こうやって降ってみると、自分でも本当に〝晴れ女〟なんだわと…これでいいのかしらと、却って不安になりましたよ。

 でも、このようなことがしょっちゅうなんです。この月1回の吟行会も今回で13回目。今年の3月から5月はコロナで中止しましたが、後は欠かさずに実行しています。それが一度も降られたことがないのですから。その前後ではどんなに天候が崩れていてもその日だけは…不思議でしょう。

 この吟行会に限ったことではなく、他の教室の吟行会などでもそうなんです。また、俳句だけでなく、ワンゲルの山行きや何かの集まりなどでも、晴れた方がいいと思えるときは殆ど晴れるんですよ。この反対で間の悪い人もいるでしょう?実は主人などは確実な〝雨男〟なんです。ですから二人で出かけるときは…まあ私が勝って、8対2ぐらいになるかしら?でも、最近晴れ男になりつつあります。私の影響…かな。いつも金曜日はゴルフで、以前は殆ど雨だったんですが、最近は…今日も行きましたが、良いお天気ですよ。アハハハ…

 でも、こうやって実証?されるたびに…何だかコワくなります…ああ、いけん、いけん!慎まなくっちゃ…と思うんですが。

 さて、さて、前置きはこれぐらいにして、本題の吟行会の話へいきましょうか。

 今回の吟行地は〝船木宿(ふなきじゅく)〟です。ここは宇部から近いので、私はもう何度も吟行していて飽きるほどなんですが、やっぱり初めてという人がいたんですよ。ということで、出発!

 そもそも船木宿は、平成の大合併で宇部市になりましたが、以前は厚狭郡楠町船木でした。この宿は、江戸時代においては旧山陽道の本宿で、交通の要衝のみならず、この地域の政治・経済の中心でしたから、人々の往来を助けた船木本宿の荷付場には、宿馬が15頭、人足10数人がいて、目代役人が世話をしていたということです。町並みは、道の左右だけでなく幾つかの筋を持っており、長州藩の船木宰判として代官所及び勘場を置き、本往還の宿駅として栄え、のちに船木村役場も建てられました。

 しかし、山陽本線が南の宇部・小野田を通るようになってからは、この宿場は次第に寂れてしまいました。その名残があちらこちらに残っていて、〝船木宿を歩こう〟というイベントなどもよく開催されています。

 またここは、かつて薩摩藩の篤姫が13代将軍徳川家定に輿入れするときに、この宿に立ち寄って休憩したという御茶屋跡などの記録が残されていますが、それらはまた後にでも述べることにして、先ずは最初に行った「瑞松庵(ずいしょうあん)」について…

 この寺院は、応永18年(1411年)に、当時名僧の誉れ高い師、石屋眞梁禅師を開山とした曹洞宗(開祖道元)の禅寺です。この寺の開山の石屋禅師や、2世、4世が薩摩の人で、特に4世の守邦和尚が7代島津元久の嫡子でしたので、寺門には島津の家紋の㊉が付いています。以来、大内氏、毛利氏の手厚い保護を受けながら今日まで往時のたたずまいを残しているので、四季を通じての参詣の人々が絶えません。

 山門を入ると、山峡の自然を利用した見事な庭園やお山88ヵ所霊場などもあります。池で手を叩くと鯉が寄ってきたりして…。ちょうどこの10月21日は、秋季法要が11時から行われる日でした。その準備で本堂などが開放されていて、ご住職がおられたので、いろいろと寺や仏像のことなどを詳しく説明して下さいました。

 この観音像は、「番匠(ばんしょう)観音」といって、宇部市指定文化財。船木番匠にあった吉祥院の本尊で、現在瑞松庵に安置されています。桧材の寄木造りで、藤原中期の作と推定。瑞松庵に移されるまでは25年に一度公開される秘仏でした。今では申し出ればいつでも見せて下さったかしら?楠町では最古の木造仏で、 像高168.7cmほどの容姿端麗な聖観音。 神功皇后の造船に因む番匠の伝承縁起からこの名で信仰されてきたということです。 航海安全に霊験あらたかとされて観音尊影が版行され海上安全の御守札を受ける人々が多かったんですって。いいお顔でしょ!

 また、毎月21日はお大師講が開かれるということで、そのお接待のお菓子も頂きましたよ。ラッキー!

 山門の向こうは新幹線が通り、前には菊畑が広がっています。紅葉がここは台風の潮風から免れたのか、とてもキレイな青楓で…でもほんのりと色づいてる。〝こういうのを季語では薄紅葉というのよ〟とか、〝今年初めて見た紅葉なら初紅葉と詠んでもいいわよ〟などと説明しながら…。

 山門の中には、あら、もう石蕗(つわ)の花が…。〝先生、これは初冬の季語ですが、今詠んでもいいですか?〟〝咲いてるんだからいいわよ〟と。躑躅(つつじ)もチラホラ…これは返り花です。奥の方にキレイな桃色の花が目について…何だろうと近づくと薔薇(ばら)でした。これは〝秋薔薇(あきそうび)〟と詠んでね…など、句材の宝庫です。

 さて、ここを後にして、次に向かったのは琴の製作所なんですが、また長くなりましたので、続きは明日にでも。お楽しみに…

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エールの〝鐘の鳴る丘〟

2020年10月21日 | 俳句

 今日は午前中は晴れですが、午後からは崩れて雨の予報でした、…しかし、予報は外れて、夕方までしっかりいいお天気でしたよ。

 実は今日は朝から定例の吟行会。娘が言うには、〝前日の天気予報では朝から雨だったのに…この吟行会の時はいっつも晴れてるわよね~。やっぱり晴れ女なんじゃあね~〟と。でしょう。ウフフッ…

 吟行地へ行く途中の車の中で、私が主人に〝今朝のアレ、黄色いだったわよ〟と言ったので、主人が〝ああ、鐘の鳴る丘か?〟と。すると、娘がすぐに話に入ってきて〝あのエールの歌のこと?なら歌ってみて?〟というので、二人で歌いました。

 そもそも今朝の話のことなんです。朝ドラが始まって〝ねえ、池田二郎というのは菊田一夫のことなのよね。名前が余り似てなかったので、ワカランかったわ。古関裕而は古山祐一だから何となく似てるのに…〟

〝……ふうん、そうか…〟〝あの鐘の鳴る丘、歌は知ってるけど、ラジオドラマは聞いたことないわ〟〝おれは聞いたことあるぞ…(歌い出す)…〟私も一緒に…。〝緑の丘の 赤い屋根 とんがり帽子の 時計台 鐘が鳴ります キンコンカン……その後なんだったっけ?〟すると主人が〝メイメイ子山羊も 鳴いてます 風がそよそよ 丘の家…う~ん、次は?…ああ、大きなお窓は おいらの家よ…だったかな?〟〝それ違うんじゃない。大きなは絶対おかしいわよ。もしかしたら、白い小窓は…じゃないの?孤児たちの家なんだから大きいじゃなくて小窓だと思う…〟と。結論は出ないまま主人は体操へ。

 その後ドラマで、子どもたちの歌う場面となって聞いていると、「黄色いお窓は…」が正解でした。私がここに色を感じたというのは、あながち…でしょう。色違いですが…。でも白もいいと思いません?アハッ…

 今考えて見れば、緑と赤と黄色と、この歌のなんとカラフルなこと!敗戦後の暗い時代にしては全く見かけられないような洒落た洋風の建物が見えてきますし、そこには子山羊がメイメイと…とてものどかで平和な世界が広がっています。この「鐘の鳴る丘」の歌詞にもメロディーにもどこにも戦争孤児たちの悲惨さや暗さは感じられません。だからこのドラマや歌が当時の日本のあらゆる人々を元気にし、明るい未来への希望をもたらしてくれたんですね。

 戦争で亡くなったり、大変な苦労をしてガンバってこられた、こういう人々のお陰で、今日のような平和な日本になれたのですから、私たちはこれを大事に守っていかなくては罰が当たりますよね。

 これからこのドラマは、日本の復興の証である東京オリンピックへ向かっていくのでしょう。今年の2020年の東京オリンピックは延期になりましたが、来年は?…今のコロナの様子では何とも言えませんね。もう今年も残すところ2ヶ月余りになってしまいました。わあっ、どうしょう。時の経つのがオソロシイ!

 今日の吟行会の話は、また長くなりましたので、次の日にでも。では、オヤスミナサイ!

 写真は、八重の木槿(むくげ)です。我が家のは〝底紅〟で、これもそのようですが、ご近所の花。どっちも初秋の季語ですが、秋の終り頃まで長く咲いています。花言葉は、「信念」と「新しい美」。ムクゲの古い学名は「Althaea frutex(低いタチアオイ)」ということから、タチアオイと同じ「信念」という花言葉が付いています。これは、十字軍のシリア遠征の際にタチアオイが持参されたことに由来します。「新しい美」は、次々と新しい花を咲かせることにちなんで付けられました。

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初体験の〝コインランドリー〟

2020年10月20日 | 俳句

 今日も雲一つない快晴でした。でも気温は低く、最高でも22度、最低が14度です。昼間は太陽が燦々と注いで、縁側にでもいるとポカポカと気持ちが良くていつの間にかうつらうつらと…

 と、いうわりには、今日はなんだか落ち着かない1日でした。なぜかって? そうなんです。〝初体験〟をしたからなんです。でもなんと大袈裟なテーマを付けたりして…一体何事が起ったかと思うでしょうね。しかし、私の人生では本当に初めてだったんですもの。

 そもそも洗濯というものは自宅でするものだし、家で出来ないものは全てクリーニングに出すのが普通だと、私はそう思って今まで暮らしてきましたから。それにしても4、5年ぐらい…イヤもっと前かも知れませんが、やたらにコインランドリーなる看板が目に付きだして、とうとう我が家の近くにも2、3軒は出来ています。

 〝あんなの作っても誰が使うのかしら?大学生とかなの…〟と、いつも主人と話していました。通りすがりに見ても人影は全く見えないし、いつもガランとしていました。だからきっとすぐつぶれてしまうわよねなどと話していましが、つぶれるどころか益々増えていくんですね。不思議…

 以前ブロ友のミルクさんがコインランドリーは便利でいいですよ~と教えてくれたのですが、なかなかその気にならなくて…。

 ところが、このところ急に寒くなって、もうすぐ炬燵布団がいるようになるわと思ったら、やっとコインランドリーへ行く気になりました。今までは炬燵布団はクリーニングに出していましたが、段々古くなって端がすり切れたり零した汚れが残っていたりして、出すのも気になっていたのです。買い換えようと探してみたのですが、なかなか気に入った色や柄がなくて…というより、我が家の炬燵は掘炬燵になっていて、大きさが超大型なので合うサイズのものがなかなかないのです。それで去年は気に入った色と柄のカバーだけを買って、それで我慢しました。

 今年はクリーニングに出すのもどうしようと思って、そのままにしていた矢先に、このコインランドリーで布団や毛布などが洗濯出来ると聞いて、それならと初めて挑戦したのです。わあ、ちょっと大袈裟!かな…

 とにかく行って覗いてみました。誰~もいません。でも、いくつか大きなドラムが廻っていますので、誰かが使っているのでしょう。使い方は?…と聞こうにも店員さんはいません。無人なんですね。

 とにかく説明を読んで、持ってきた布団と毛布を空いているドラムに入れました。さて…料金は?と、見るとどうも1回が900円と。時間は標準コースで31分。小さいドラムもあって、それは700円でした。ではと財布を見ると、エエッ、100円硬貨がちょっとしかない!…どうしよう?辺りを見渡すと両替機がありました。でも、それは1,000円と500円だけ……私の財布には5,000円札しかはいってなかったのでした。どうしよう…困った!

 しばらく待ってると、お店の掃除の人が来たので、聞いてみました。やっぱり1,000円と500円の両替しかないんですって。じゃあ家に戻ろうか、いや、どこかで買い物でもしてこようか…

 こんなことならちゃんと調べて来るんだったなあと後悔…二度手間にならないためにも…ネッ!

 やっぱり何でも高をくくってすると失敗しますね。ここはコインがないとダメなんだわ…ああ、それで〝コインランドリー〟というの?…ナルホド…アハハハハ…。やっと今ごろ気がつくなんて…(笑)

 知らない事というのはやっぱりこんなものですね。いくらエラそうなこと言ったって、経験者にはかないませんよ。1回目で失敗したから2回目からはコインを一杯貯めて行かなくっちゃ…と、少し賢くなりました。

 この洗濯が終わった頃、取り出しに来て今度は乾燥機へ。これにも大小があって、小は10分が100円、大は7分で100円でした。洗濯の30分の間に郵便局へ行ってきて、今度は乾燥の1時間で買い物をしてきて…、乾いた炬燵布団や毛布などを取り出しに行きました。最近はゆったりとした時間の流れにいますので、こんな短い時間を行ったり来たりして、とても気ぜわしい感じがしました。そのせいでしょうか、何だかいつになく疲れてしまいました。

 私が終わって帰るときには、ほらお客さんが増えて…何台か車が停まっているでしょう。殆ど混雑することはないようですが、洗濯機は普通の家庭用のを除けば大小2台ですので、空いていなければ時間をつぶして出直しているようす。乾燥機は大が2台で、小が8台ありますから、混むということはないようです。どうも家庭で洗濯したものを持ってきて、乾燥機だけ使う人が結構いるようでしたね。

 ハイ、体験しての感想は、なかなかの優れものでした。だって羽毛布団などは諦めていたのに、キレイになってフッカフカ…とっても気持ちがいいんですよ。ヘンによれたりとか、おかしくなるのではと心配したのですが…。こんなことならもっと早くに体験すればよかった。未経験の方や子どもさんがいらっしゃる方にはオススメで~す。クリーニングよりズッと安いですし…。そのきっかけを作ってくださったミルクさん、本当に有難うございました。また一つ…私成長しましたよ!(笑)

 では、これでオシマイ!

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第6回目の〝きらら俳句教室〟

2020年10月18日 | 俳句

 昨日は前夜からの久し振りの雨で…朝天気予報は?と見てみると、9時から12時まで傘マーク、それ以後曇り時々晴れだと…。ウウン、どうしよう?午前中のきらら俳句教室は…

 いつも前半の1時間は公園内を歩いての吟行ですから、雨の中傘をさして歩くのはどうかなあ…。イヤイヤ俳句は〝雨もまたよし〟ですもの。心配ないわ。雨の句を詠めばいいんだし…と、傘を持って9時にきらら浜自然観察公園へ出かけました。

 駐車場に着いて、降りようと…見ればもう傘をささなくてもいいほどのわずかな雨粒。一応傘は持って行きましたが教室に着く頃はもう要らないくらい。これなら帰りに傘を忘れないようにしなくっちゃ!そう、私よく忘れるんです。ここでは取りに来るのも遠いので1ヶ月の間…困る!

 今回はYさんとHさんがお休み…それで今月の参加者は12名でした。

 先ず出かける前に久し振りの雨についての話など…

 雨は年中降りますので、俳句に詠むときは、これは「秋の雨」ですね。でも、雨でもいろいろな言い方があります。「秋雨」と書けば〝あきさめ〟。降り続く長雨なら、「秋霖(しゅうりん)」や「秋黴入(あきついり)」と。また、〝今日のようにパラパラッと降る小雨は時雨(しぐれ)と言いますが、時雨は初冬の季語なんです。だから「秋時雨」と詠みましょう〟などと、解説したらなんとこの日の投句の6句がその雨の句でした。

 外に出て吟行するときはもうすっかり晴れて青空だったんですよ。ついでに私が〝晴れ女〟だということも宣伝したりして…アハッ

 でも、納得して頭にすっと入った季語はきっと忘れないでしょうから、これから句を詠む時はそれが生きてきます。だから初心者が俳句を詠むときは、できれば季語を実感し、その実感した季語を用いるようにすると、きっといい句が詠めるようになると思いますよ。ガンバって!

 池には前月よりかなりの鳥の姿が見えました。オオバンにヒドリガモ、ホシハジロなど…あとは双眼鏡がないのでちょっと…。この写真じゃ分かりませんよね。ゴメンナサイ!

 でも、先月私が詠んだ俳句…〈福相の初鴨とらへ遠めがね〉などの話をしながら、ぶらぶら…

 その内いつものコースで、カニがゾロゾロと…よく見ると赤手蟹(あかてがに)です。久し振りに雨が降ったので出てきたのでしょうが、誰かが〝湧いて来るみたいね〟と。そこですかさず〝蟹は夏の季語なのよ。でも食べるマツバ蟹やズワイ蟹は冬。宇部の名物のワタリ蟹は「ガザミ」といって、これは夏なんです〟と、説明する私。勉強する機会はどこにでもあります。

 写真の、蟹の下は苗代茱萸(なわしろぐみ)の返り花。春の季語なんですが、この前の台風でビックリしたようです。次は背高泡立草、これは秋。最後の実のようなのは何か分かりますか?私も知らなかったのですが、屁糞葛(へくそかずら)の実で、これをリースに飾ったりするんですって。ヘエッ、やっぱり勉強になりますね。今月の収穫!

 しかし、今回のイチオシはナント言っても団栗(どんぐり)でした。ここでも勉強です。

 俳句では〝木の実〟というのがこの団栗などを指しますが、秋の季語です。でも、木の実は、柿や栗などの果実を除いたもので、食べられるものも食べられないものもいっさいを含めた樹木になる実の総称なんです。団栗の方は…と言おうとすると、レンジャーのNさんが、〝ブナ科の櫟(くぬぎ)、楢(なら)、樫(かし)などの落葉樹の果実を総称して、団栗と言うんですよ〟と、詳しく説明してくれました。

 そこで見つけた団栗を見比べて…先月目を付けていた〝椎の実〟を早速みんなで拾って試食です。最初恐れていた人も〝みんなで食べればコワクナイ!〟と…。みんなそこから離れようとせずに、もう拾いまくって…、(笑)

 その結果が、〈椎の実を沢山拾ひ迷ひけり〉(どうやって食べようかとかで…)や〈椎の実を一人拾へばみな続き〉、〈団栗や愛でる掌(て)のあり喰ふ手あり〉などと、成果が表われました。

 ちなみに、椎の実にも二種類あって、拾ったのは、卵形で先の尖った〝スダ椎〟の実。もう一つは、小粒で丸みのある〝ツブラ椎〟の実ですが、これはありませんでした。どちらも生で食べられますが、煎って食べるととても香ばしくて、きっと子供の頃が懐かしくなりますよ。

 ところで、レンジャーのNさんに、〝本当はここの植物などは採集してはいけないんですが…僕が認めたということに…〟と言われ、〝いや、これは体験学習ですから…〟と、みんなで大笑い。

 今月の最高点句は、〈雨あとを滴ってをり萩の花〉でした。ホントに今日の萩の花は一番の見頃のようで、雨が上がったばかりの雫を付けてたわわに咲いていましたね。また、秋時雨や団栗でなく、萩の花を詠んだ人が少なかったのも正解でした。Kさん、オメデトウ!

 終わって帰るときは、もう快晴!傘、傘…と忘れませんでしたよ。でも、先に帰った人が戻って来るのが見えて、〝もしかして傘?〟と聞くと、〝ハ~イ!〟ですって。

 それでは、みなさま来月にまたお会いしましょう。お疲れ様でした。

 写真は、ビジターセンター、ほら快晴でしょう。帰る道にも赤手蟹さんが…。駐車場の出入口にも看板がありました。〝自然のマナーを守りましょう〟と、…ハ~イ!

 

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〝聞くは一時の恥…〟ですよ!

2020年10月16日 | 俳句

 昨日はとても良いお天気でしたが、朝夕はちょっと冷えて、最低気温は14度だったと。今日も…と思ったのですが、天気予報をみると、1日中曇りで最高気温も22度なんですって。この調子ならあっと言う間に炬燵が欲しくなりそう…今年は冬が早いのかも知れませんね。

 前回、〝思い込み〟はコワイ!ということを書きましたが、似たような言葉で〝思い違い〟というのもありますよね。思い込んだり思い違いをしたまま年を取ってしまって、今にして知ることもよくあります。

 そういえば私には忘れられないことがあるんです。長年国語教師を勤めてきたという自負は一応持っていましたが、俳句に関しては全くの素人。〝国語の先生なら俳句もおてのものでしょう。いいですね~〟なんて、よく言われましたが、俳句はそんな生易しいものではありませんでした。

 馬酔木に入門して1年足らずの頃、若手勉強会へ参加したときのことが、今でも私は忘れられません。だってあのときの〝恥〟が今の私を作ったといってもいい過ぎではないんですから。

 それまでは本格的な句会らしいものに出たことがなく、吟行も初めてという…、なのにそんな勇気がどこにあったのかと今でも思います。そんな自分が全国から集まってきた人たちに混じって、なんとか無事に終わろうとした矢先の最後の句会でした。今までは発言を求められたことが一度もなかったのに、この時は突然〝あなたはこの句をどうして採らなかったのですか?〟と聞かれたんです。もうビックリ!

 採った句については内容が分かった上で採っていますから、答えようもあります。この時参加した若手は30人以上はいたでしょうか。そうすれば投句3句でも100句にはなるでしょうし、それが句稿というものではなくて、見たこともない清規用紙というものが次々と廻ってくるのですから…。

 地域の句会では、既にプリントした句稿を見て選句していましたので、このような句稿のない句会はしたことがなかったんです。ついていくのがやっと。それで解らない句は飛ばして解る句だけを選句していましたから、そりゃあもう慌てましたよ。そして、口走った言葉が…

 〝今日は天気がよくて、雨は降りませんでしたので採りませんでした〟と。みんなが唖然と…したかどうかは覚えていませんが、直ぐにある方から〝木の実時雨というのは、雨ではなくて木の実が時雨のように落ちてくることなのよ〟と。聞いた瞬間顔から火が出るようでした。

 そうなんです。〝木の実〟も〝時雨〟も知っていましたが、それが一つになった〝木の実時雨〟という季語を知らなかったんです。今なら笑い話でしょうが、それぐらい何も知らずに参加したんですよ。〝初心者大歓迎〟の言葉につられて…。とんでもないことで、若いといってもみなそうそうたるベテランばかりだったんです。

 まだ初心者なんだから…など慰めにもなりませんでした。まるでカルチャーショックです!ここは私のような者が踏み込む世界ではないんだと、その時は本気で思い、もう俳句はきっぱりと辞めようと心に誓って帰りました。ちょっと大げさですか?でも、私もまだ若かったんですからね。それが、今こうしてどっぷりと俳句に浸かって、朝から晩まで俳句三昧ですもの。実は今日も俳句教室で、明日は午前中がきらら教室、午後からは馬酔木句会なんですよ。先のことなんか分からないもんでしょ!アハハ…

 今NHKの朝ドラ「エール」の放送で、〝若鷲の歌〟というのがあったでしょう。それを聞いていてフッと想い出したことがありました。

 随分前ですが、広島の江田島の見学に行き、そこで句会をしたときのことです。投句の中にその〝若鷲の歌〟を詠んだ句が出ていました。結構点が入っていたような…。それで先生が、採らなかったYさんにどうしてかと聞かれたんです。その答えが、〝若い鷲なんてどこにもいなかったし、見たこともないから採りませんでした〟と。すぐに大笑いになったんですが、当の本人はきょとんとして、なぜ???と。

 当時の先輩方は、この歌を唄ったりして、あこがれたんだとか。でも、若い人なら知らないのが当然でしょ。ちなみに今の俳句界では50代でも若いといわれます。当時は40歳までが若手でしたが、今では若い人がいなくなって、私が若手といわれる人たちの選をしている「あしかび抄」は、50歳までなんですよ。最近はそれも1年1年少なくなっていって…これからどうなることやら。頭のいたいことですが…

 このように知らないということで、恥をかくことって多々あるでしょう。その時の彼女も、私と同じように笑われた分だけきっと心に深く残り、それからの精進の糧となったに違いありません。だから、今はもう立派な馬酔木同人になっていますものね。

 〝聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥〟とよくいいますから、どうせ恥をかくなら早い方がいいですよ。若いときなら尚更…。そういう恥をかいたり失敗を繰り返して、人は成長していくものではないでしょうか。

 俳句は、ある程度の年齢になってから始めますので、その〝恥をかく〟ことがイヤ、興味があるけどと…尻込みされる方が多いようです。最初から何でも知っていれば、それはもう初心者じゃないでしょう。何も知らないから初心者…なら恥をかくのも当り前!年齢だけでみるから恥ずかしいのであって、俳句年齢でみれば〝あなたはまだ小学生にもなっていないのよ〟と、私は教えます。だから、小学生が手習いをするように俳句のことは何でも聞いて早く上達して下さいと。

 そういう話をして、みなさん納得されると見違えるように上手くなっていきます。ある意味〝学ぶ〟ということは〝恥をかきに来る〟と思ったらいいのかも。

 私も未だに恥をかいています。さあ、みなさんも一緒にもっともっと恥をかきましょう。そう考えると、俳句に限らずなんにもコワイものはありませんからね。じゃあ、ガンバリマっしょ!

 写真は、夕方の〝酔芙蓉〟。初秋の季語なんですが、まだこんなに咲いています。まるで先日の台風で目が覚めて若返ったように次々と…。

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〝思い込み〟とはオソロシイ!

2020年10月14日 | 俳句

 こちらは今日も快晴でした。土曜日ぐらいにやっと傘のマークが出ていましたが、それでも午前中だけのようで…概ね晴か曇りの週間予報です。テレビのニュースなどを見ると、東京方面は雨が毎日のように降ってる様子で、秋晴れの気持ちのよい日が少ないような…、もしそうならお気の毒。

 また、コロナの感染者数も、東京では12日に100人を割っていましたが、それも一時的なものだったようで、今日は177人とか。日大の運動部のクラスターも今や60人以上に増えてきて、まだこれから増えるかも知れませんし…、当分安心出来る状態は来そうにありませんね。

 でも山口県では、9日に周南市の1人が出て以後、感染者は一人も出ていませんので、このままでいってくれたらと願っております。しかし、やっぱり関東や関西圏がしっかり落ち着いてくれないことにはね…平常に戻るのはいつのことでしょうか。

 ところで今日は、ブログを読んで下さっている皆さまにお詫びがあります。ワタクシとんでもない〝思い込み〟をしていました。ナント言うこと!我ながら…エエッと、脳天を割られるような思いでした。

 でも、まあ私にはよくあることで…〝また、やっちゃった!〟と…、自己反省しております。ゴメンナサイ!

 昔お猿さん劇場で、〝反省〟と声を掛けると、首をうなだれて…反省のポーズを取っていたのが観客に大受けで…覚えていませんか?ついそれを想い出してしまいました。

 実は、昨日のブログ「兼題は〝新酒〟です!」を読んで下さった方からのコメントを先ほど読んだんです。それには…

こんな感想を言っては失礼かと思いつつ、いかがなものかと質問させていただきます。
「とっくん」は、とっくりから注がれる最初の音ではないでしょうか?
口元からまず「とっくん」と注がれ、続いて「とくとく」と注がれる、そんな感じに私はとりました。
酒好きの感想です。

 なるほど、なるほど、納得です。 ああ、全く思いつきませんでした。最初にこの句を読んだとき、〈とつくん〉って何?と思ったら、直ぐに私の頭の中に「特訓」の文字が浮かんだんです。でもどうして平仮名にしたのかしらと…。ちなみに俳句では、促音や拗音などを平仮名で書くときは文語の習いとして大きく書くのが普通なんです。それで、〈とつくん〉は「とっくん」と、そこまでは考えての判断でしたが、まさかこれも擬音語だったとは、…甘かった!作者の鷹羽狩行氏にも心からお詫び申し上げます。〝思い込み〟とはやはり怖いですね。広く見渡して考える目を奪ってしまうんですもの。

 しかし、つまるところ私は〝飲んべえ〟ではなかったということなんですかね。いくら格好付けてもボロが出ちゃった!という感じかな。

 そういえば、徳利でお酒飲んだことあったけ?居酒屋にでも行けば日本酒は徳利で出てくるんでしょうがねえ~。燗酒も俳句には詠んでも、実際はコップに入れてチンと温めて…なんて…アハハ…

 昔は義父が日本酒が好きでよく飲んでいましたので、婚家へ行くといつも義母が徳利で注いでいましたっけ。なのに主人は日本酒が大嫌い。殆どビールか洋酒でしたので、我が家には徳利もなかったんですよ。ところが、今では二人で…。でも、チビリチビリですからねえ~~

 なんだかどうでもいい弁解ばかりしていますね。(笑) 申し訳ございません。いつもブログ書くときは、いい加減なことは書かないと重々気をつけているつもりでしたが、…心から訂正してお詫び致します。

 また、これからもおかしいのではとか注意したいことがありましたら、どうぞ遠慮無く教えて下さいませ。今回教えて下さいましたけいこ様、本当にありがとうございました。

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兼題は〝新酒〟です!

2020年10月13日 | 俳句教室・兼題・句会
 今日もこちらは降水確率0%の青空。午後の俳句教室に行こうと車に乗ると、久し振りに車内温度は28度まで上がっていました。でも朝夕の冷え込みで却って気持ちがいいぐらい…まだまだお天気は続きそうです。
 今回の兼題は〝新酒〟。晩秋の季語で、今年とれた新米で造った酒のこと。昔は農家などで自家用として新米の収穫後すぐ醸造したので、新酒は秋のものでした。ところが、現在は寒造りが盛んになり、新酒が出廻るのは二月頃なので、秋の感じは薄れつつあります。しかし、材料は新米ですし、醸造の始まる頃はまだ秋の気配が残っていたりしますので、新酒はそのまま秋季に収められているというわけです。
  とつくんのあととくとくと今年酒      鷹羽狩行
 ウウ~ン、飲み助さんにはきっとこの音がたまらないでしょうね。〈とつくん〉とは恐らく何かの特訓…能力向上のための短期間集中訓練のことでしょうが、俳句の特訓?そんなのあるかしら…なんにしろそれが終わってからの慰労会でしょうか。この句は計算しつくされた〈とくとく〉という擬音語の働きが全てを語ってくれているようです。あえて平仮名で書くことも、5回の「と」と「く」の繰返しを目立たせていますし、それはとっくりの酒を注ぐ音。そして、それを受ける側の「おっとっと」を連想させるというまるでマジックのような技巧的な句ですね。さすがは、知的写生やユーモア、ウィットを持つ句風で知られた鷹羽狩行氏ならばこその作品です。
 ちなみに、「新酒」には、「今年酒」「新走(あらばしり)」「利酒(ききざけ)」などの傍題もありますからね。
 教室の句で最高点を取ったのは、〈下戸なれど新酒ならばと出すお猪口〉でした。よく解るいい句です。飲めもしないのに新酒と聞いて、それなら少し…と。〝お猪口(ちょこ)は家に仕舞っていたものを出したの?〟と聞くと、〝エエッ、違いますよ。宴会の時にあった猪口で…〟〝そこ、そこ。この句の曖昧なところは…〟と。どういうことか分かりますか?
 そこで、それをハッキリさせるために、〈勧められ新酒ならばと承くる猪〉と直しました。原句では〈…なれど〉と〈ならば〉がダブっていますので、理屈っぽく煩わしく感じます。また、言わなくても〈新酒ならば〉と条件を付けているので、作者が酒飲みではないということも分かりますもの。更に〈勧められ〉とすることによって、この場が酒席であるということ。もし上司(先輩?)から頂くのだとすれば〈出す〉では失礼になるでしょう…だから、〈承(う)くる〉とすればいい。おまけに〈お猪口〉と、尊敬の「お」は不要…と。いかがですか?できればこういう所まで考えた上で詠んでほしいものですね。では、またガンバって!
 写真は、先日の義母のお祝の時、主人も誕生祝いだったので、娘夫婦が贈ってくれたお酒とぐい飲み。
 お酒は山口県周南市・男自慢酒造株式会社の純米大吟醸「龍の尾」(たつのお)。〝穏やかな吟醸香 磨きぬいた洗練 天空に昇り雲間に消えゆく「龍」のイメージを繊細な余韻に凝縮しました〟と。全量山田錦4割磨 日本酒度+4 アルコール分16度
 ぐい飲みは伝統工芸の江戸切子、硝子工房彩鳳の一つ一つ丁寧に仕上げた、葡萄文様の上品な紫の酒杯です。
 早速2人で頂きました。江戸切子はなかなかいいですね。萩焼や主人の焼いた手びねりのぐい飲みもいいですが、それとは違った…おしゃれでとてもキレイ、底が厚いので安定感もあって…これはいいね!アリガトウさん。
 酒の方は新酒じゃなかったんですが、一口飲むと…フルーティーでこれは甘口かな?でも深みもあるし…ちょっと獺祭と似ていて飲みやすいお酒でしたよ…なんて何だかツウみたい…でしょ!アハッ…
 
 
 
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兼題は〝爽やか〟で~す!

2020年10月11日 | 俳句教室・兼題・句会

 関東方面では台風14号の影響で雨が降り続いていたようですが、こちらでは、昨日はまさに〝天高く馬肥ゆる秋〟を実感させる、雲一つ無い青空が広がっていました。午後になると少し雲がでてきましたが、それもかえって心を和ませてくれるようなもの。これぞ〝爽やか〟な秋日和といっていいでしょう。

 第2土曜日でしたので、恒例の午後の俳句教室と夜の句会の連チャンでした。午後の部に新会員さんが入られましたので、その分少し時間が延びて、夜の部の人たちの待っている部屋まで話し声が聞こえたようす、部屋を移動すると、〝先生、お疲れさまです〟と、労われてしまいました。

 入会されたのはまだ若いSさん。テレビのプレバトを見て興味を持ったということと、歳を取っても俳句だったらできそうだし、頭のトレーニングにもなるからとは、自己紹介で。やはりテレビの影響は大きいですね。

 さて、その午後の部の兼題が「爽やか」だったんです。〝みなさ~ん、今日のような日を爽やかというんですよ。そんな句を詠んできましたか?〟〝ハ~イ!〟〝それは楽しみなこと〟と、順調に開始。

 この〝爽やか〟というのは、さっぱりとして気分のよいさま、気持よくすがすがしいさま、はっきりしているさまという語意から、秋の澄んだ大気の特色を表す時候の季語です。だから、遠くの山々などもくっきり見えるし、「さわ」は「さわさわ」や「さばさば」という語としても用いられますので、肌の感触などもさらさらとして心地がよいのです。

  爽やかや朝の刻打つ時計台           水原春郎

  爽やかやひと日を父の忌に集ひ         德田千鶴子

 どちらも、わが結社「馬酔木」の主宰の句です。水原春郎先生は前主宰で、これは平成13年(2001)11月号に掲載された句、札幌にて詠まれたもの。後句は現主宰の句で、平成29年(2017年)10月号に掲載されました。

 春郎先生が札幌に行かれたのはきっと10月頃だったのでしょう。あの有名な札幌の時計台を詠まれたのです。朝起きてホテルの窓を開けると、北海道のちょっと冷やっとする空気が時を打つ鐘の音とともにサアッと入ってきた。それを胸一杯に吸って、ああ〝爽やか〟な朝だことよと満足げな…春郎先生の顔が浮かびます。時計台の白さがもう紅葉しはじめた木々の色に美しく映えて…。

 春郎先生は、平成28年(2016)9月25日に、94歳でお亡くなりになりました。その1周忌(水原家は神道ですのできっと式年祭だと思いますが…)を修するためにご親族が集まられたとき、千鶴子先生が詠まれた句。こういう何のてらいも無い句というのは、いいとか悪いとかいう詮議をするものではないと、私は思っています。この忌日が爽やかだったのはもちろんのこと、ここに集まった人たちも爽やか。それはひいては亡くなった人、春郎先生が〝爽やかな〟人だったということでもあるのです。要するに春郎先生が亡くなられたことは悲しいことですが、全身全霊で「馬酔木」を守って、生を全うされた姿、それはみんな分かっていますので…。素直に死を受け入れられたのです。

 まして、春郎先生はめそめそしたりすることが嫌いで、何時も人を笑わせては喜んでおられたのを想い出します。更に〝名前の通り私は晴れ男なんだよ〟といつも仰っていましたもの。だから、私も…

  晴れ男といふが黄泉路(よみじ)の秋時雨

という句を、〝水原春郎先生を悼み〟の前書きを付けて、句集『甘雨』に収めました。春郎先生が出席される新年会や吟行会などはいつも晴れていましたのに、葬儀の日にはどうしたことか秋の時雨が来て…、これはきっとみんなの悲しみが呼んだのに違いないわと思いました。

 今回の教室の高点句は〈爽やかや鼓笛の音の遠くより〉でした。季語がちょっと付き過ぎで、類そうも多いかなとは思いましたが、初心者ならばこれで上等です。ハイ、〝才能あり〟、ガンバってね!(笑)

 夜の部の句会の話は、またにしますね。写真は、先日の台風で葉が枯れてしまって、もうダメかもと思っていた「ニワウメ」に、葉だけでなく花まで咲いていました。もうビックリ!生命力があるんですね。よかった!ついでに「ヒュウガミズキ」と「ボケ」の台風による狂い咲きもどうぞ。

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湯田温泉の〝女将劇場〟知ってる?

2020年10月08日 | 俳句

 昨日は前夜から朝にかけて、ぐっと冷え込みましたね。まだ10月初旬だというのに…例年こんなに寒かったかしらと調べてみると、記録的には平年並みなんです。体がまだ異常な暑さを記憶しているから、ちょっとした寒さにもひどく反応してしまうのかも。

 火曜日が俳句教室で行けなかったので、昨日は義母と一緒に1ヶ月の定期通院へ。薬がこの日で切れてしまいますから、何が何でも行かなくっちゃ。10時に着くと、ナント人の多いこと。これではまさに3密、待合室からあふれるほどでした。こんなことは今まで一度もなかったよねと、おばあちゃんも。何事かしらと思いながら待っていると、半分はインフルエンザの予防注射の人たちでした。特に今年は新型コロナウイルスのワクチンが来年早々には出来るとか…だからインフルエンザの注射はその前にしとかないとということで、こんなに早くから押しかけているのでしょうか。

 やっと診察の順番になって、私たちも予防注射をした方がいいかどうかを先生に聞くと〝今日して帰りなさい。早くした方がいい。ワクチンが足りなくなるかも知れないから…〟ですって。

 ということで、二人とも注射を受けて帰りました。それで終わったのが12時過ぎ…。いつもは30分から長くても1時間しかかからないのに。やっぱりこれも世の噂に扇動されているのでしょうかねえ~。

 午後はまたリハビリで病院のはしごです。

 さて、先日の4日に泊った湯田温泉のホテルの話でもしましょうか。

 湯田温泉には、その昔、けがをした白狐が傷をいやしていたという「白狐伝説」が伝わっており、1日に2000トンのお湯がこんこんと湧いています。アルカリ性単純温泉で、肌にやわらかい美肌効果のあるお湯。そんな豊かな温泉が街中にあるのが湯田温泉の特徴です。公共の宿から観光旅館、リーズナブルなビジネスホテルまでいろいろなタイプの宿が約30軒あり、各旅館やホテルも温泉を楽しめるところが多く、泊まらなくても温泉だけ利用できる立ち寄り湯も。もっと気軽な足湯もおすすめです。

 そして何よりうれしいのがJR山陽新幹線新山口駅から車で約20分、山口宇部空港からは車で約40分という交通アクセスのよさ。また県内の主要観光地、だいたいどこへでも車で1時間から1時間半あれば行けますので、湯田温泉をベースにするとプランニングしやすいんですよ。また、ここには維新の志士や詩人・中原中也にまつわるスポットが点在していますので、散策するのにもいいかも。

 その湯田温泉が今回のコロナの打撃を受けて、次々と老舗旅館が経営不振に陥って倒産の危機に瀕しているとか…いや、確かもう倒産したホテルがあったような…。そういう意味でも今回は、この「GoToトラベル」の利用を湯田温泉に還元できたらと思ってのことでした。

 そこで選んだのが、旅館「西の雅常盤(にしのみやびときわ)」で、毎日夜に開かれる「女将(おかみ)劇場」が目的でした。コロナの自粛でこの半年以上どこへも行かれなくて、面白くないという義母を、少しでも喜ばせてあげたかったんです。

 この「女将劇場」は、今年で55年目を迎えたんだそうです。この旅館の女将・宮川高美さんは20歳のころから「出産以外は休んだことがない」と大みそかと元日を除いて舞台に立ち続けてこられたんですって。テレビのバラエティー番組にも何度となく取り上げられ、私も観たことがありますし、以前ここでの結婚披露宴に出席したときのアトラクションでも拝見しました。

 女将さんがマジックやコスプレなどで体を張る手作り感満載のショーに、県内外から訪れるファンはみんな「元気をもらう」と…。 レオタードから映画「スター・ウォーズ」のダース・ベイダーまで衣装を次々と替え、ステージを縦横無尽に走り回り、水芸では舞台に仕掛けた装置の放水を浴びてびしょぬれに。太鼓に合わせた創作ダンスや「人体切断」などのマジックも織り交ぜ、約1時間のショーでは観客から笑いが絶えません。マジックの途中でタネが見えたり、太鼓が台から落ちそうになったりする多少のハプニングはご愛嬌(あいきょう)。特に人気曲「U.S.A.」に乗せ、菅義偉首相とトランプ米大統領の人形を引き連れて登場し、手拍子に合わせて腰を振ると一斉に人形も踊るという姿には大爆笑。

 「映画やテレビ番組から着想する」という芸は全部で100種類に及ぶのではと思うほどで、随時演目を入れ替え、リピーターも飽きさせないようにしているのだとか。私も以前に観たものもありましたが、半分は観たことがないもので、特に最後のカツラを取ってしまって、地毛に墨を付けて書いたのには驚嘆するばかり。まあ、観てる方も疲れましたが、そんな女将さんの〝命がけの演技〟には、大喝采でした。

 夕食でお酒が入ったおばあちゃんは、もう眠たいから観なくていいというのを起こして、連れていきましたが、始まった途端にビックリ。女将さんのエネルギーに圧倒されてしまい、もう眠るどころではなかったと。みんなも〝とっても面白かった!〟と言ってくれて、私も満足!お世話をした甲斐がありました。

 女将さんの最後の挨拶で、〝私は今76歳ですが、90歳まではやるつもりですので、どうか応援をよろしく…〟と。恐れ入りました!出口で見送られる女将さんと100歳のおばあちゃん、どっちも負けてはいませんよ!と、みんなで記念写真を撮って貰いました。ハイ、チーズ!アリガトウございました。

 写真は、お酒が入っていたので良い気分で…どれもボケボケ。こんなのを…といわないで、許して下さい。せめて雰囲気だけでも…ネッ!

 

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〝GoToトラベルキャンペーン地域共通クーポン券〟知ってますか?

2020年10月06日 | 俳句

 今日はもう6日、これ書いているのは午前4時過ぎ、ちょっと寒いけど…気温何度でしょうか。見ると13度…肌寒いと出ています。晴時々曇り、最高気温25度…〝今日はすっきりとして心地良い秋晴れに。金木犀の香りにまた一歩、秋が深まったことを感じられそうです。朝晩は肌寒く、昼間はちょうど良い体感になります。〟と、予報士のコメント…。便利になったものですね。これは携帯のウェザーニュースをインストールして見たもの。

 昨日携帯の見直しにdocomoショップへ行って、分らないところや契約設定の見直しなどをしてきました。いろいろと不具合が出て…私はこういうことにはさっぱりなもので、トラブルになると全くのお手上げなんです。

 だからお店に行こうと思うんですが、予約をしないと見てくれないし、行ったら行ったで時間はかかるし…と、本当は余り行きたくはないのです。でも、仕方なく行ってまず言われたのが、私の携帯はもう型が古いからなんですって。最新モデルからするとその前の、その前の、その前?何?〝これ買って、24ヶ月払いの機種代金がやっと終わったところなんですよ~〟と訴えても…ビックリです。こういうものは日々進歩して、あっと言う間に古くなっていくんですね。もう、ついていけません。

 まあ、今回は…何か分らないけど、いらないアプリや迷惑メールなどを処理して貰い、しばらく様子を見ることに。それで、もし機種変更で買い換えるとしたらと聞いてみると、〝また連絡して予約の上、ご来店下さい。その時にはこれこれしかじかの書類などを持って…時間が結構かかりますので…〟と!

 これだから面倒くさくてついつい行くのを渋ってしまうんですね。まあ、お姉さんがあれこれ説明してくれるんですが…やっぱりこのレベルの話には、悲しいかな、私の脳はついていけないようです。トホホ…

 今朝湯田温泉から戻って、やっと取れた12時の予約で来たんですが、終わったときはとうに2時は過ぎていました。新機種の契約となると半日はかかるのかしら?とにかくここに来るととても疲れてしまいます。きっと訳の分らないことに頭を使うからなんでしょう。本当にやれ、やれです。

 その後はリハビリへ。というわけで、夕食後は今日の教室の準備で資料などを作っていましたらもう睡くて…結局しばらく寝てから夜中に起きてやっていたんです。俳句の締め切りもあるし…ウウン、困る!

 ところで、湯田温泉の話…いろいろあるのですが、今日は〝GoToトラベル〟のことだけにしますね。みなさん、これはお得ですよ。やっぱりこういうものは利用したものが勝ち!

 さて、さて、宿についてチェックインすると、1,000円のクーポン券を何枚か貰いました。数えてみると…13枚。アレッ、1枚足りないわと、フロントに確かめに行くと、〝これは宿泊料金の15%ですから…〟ですって。はあ、私はてっきり7人で行ったので、一人当り2,000円くれたのかと思ってしまったのです。ということは、GoToトラベルと地域共通クーポンとで50%引きということになるんですかね。だとすれば、日頃の半額で宿泊ができるんですから、この行楽シーズンの旅行者がどっと繰り出したのも当然のことでしょう。ただし、この地域共通クーポン券は、政府の観光支援策の一環で、観光地での買い物や飲食費などには使えるのですが、宿泊費などには使えませんからね。

 我が家は、9月30日の主人の誕生日前後には、そのお祝でいつも県内のどこかへ一泊していましたし、今回は義母の百寿のお祝も兼ねての宿泊なんです。だから、このキャンペーンがなくてもどこかへは行ったと思います。そう考えれば、とっても得をした気分なんですよ。良いでしょう!

 更にスゴイのが、山口県の「プレミアム宿泊券」を利用して支払ったということ。分りますか?GoToトラベルとクーポンで半額近くなった宿泊料を更に半額で買ったプレミアム宿泊券で支払ったということです。ということは…計算してみて下さい!ほら、使わなくてはソンでしょ!

 このプレミアム宿泊券は、山口県内の主なホテル・旅館でしか使えませんが、7月の売り出しの時コンビニに2回も並んで購入したんですよ。今回はコロナによる自粛が叫ばれているころでしたので、以前の「プレミアム宿泊券」を買ったときより、随分簡単に買えました。その時は不謹慎かなとは思いながらも、義母のお祝やお正月の旅行では必ずどこかへ泊るんだし…、まあ、いいかあ~と。以前ブログに書いたこと覚えていませんか?私の足の骨折で保険金が出て、それで鰻をみんなにご馳走して、もう一ついいことがあるんですよと。それがこの「プレミアム宿泊券」だったんです。

 利用できるのはGoToトラベルと同じ来年の1月末までですので、今回使った残りの券を使い切るためにもう年末の予約をしておきました。こんなことは二度とないのではと思いますし、もし今回のコロナ騒ぎのような状況がまた起ったとしても、もうそのときまでは私は生きていないと思いますからね。だから、今のうちの〝命の洗濯〟なんですよ。(笑)

 写真は、黄色の曼珠沙華、〝ショウキズイセン〟ともいいます。何年か前に球根を一つ貰ったものがいつの間にかこんなにたくさん咲くようになりました。今年は白が真っ先に次が赤、最後は黄色でした。

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第5回目の〝きらら俳句教室〟

2020年10月03日 | 俳句

 今日はどんよりとして一日中曇り。最高気温25度、最低気温20度と…でも、ちょっと蒸し暑くて、秋らしい爽やかさはありませんでした。どうも明日も似たような天気予報ですね。

 山口県の新型コロナ感染者も、8月末168名だったのが、9月11日までに一気に26名増えて194名。それ以後の感染者は、出るとしてもたまに1人か2人と落ち着いてきて、10月3日現在202名です。

 全国的に見ると、10月2日の新たな感染者数は542名。うち東京196名、神奈川66名、大阪50名…と、関東・関西地区で8割近くを占めていますが、全国の半数近くの県は0という状況になっています。

 しかし、東京都は、今日3日に確認した新型コロナウイルスの感染者が207人で、再び200人を上回っていますので、都市圏では決して終息に近づいているとはまだ言えないようですね。

 9月のSW連休や「Go Toトラベル」に東京都が追加されてからの初めての週末を迎えた3日は、各地でにぎわいが見られている様子がテレビなどで報道されています。また、10月から開始された「Go To Eat(ゴーツーイート)」キャンペーンも加わって、全国の観光地や飲食店街などが徐々に活性化してきているのはとてもいいことでしょうが、一方ではコロナにその影響がどう出るかということが心配されます。

 実は、我が家もせっかく政府が応援してくれるという「Go Toトラベル」を、もったいないので利用させて貰い、更には山口県の「プレミアム宿泊券」も利用して、明日から一泊で家族揃って湯田温泉へ行く予定なんですよ。

 このプレミアム宿泊券は、山口県内の主なホテル・旅館でしか使えませんし、コロナのことがありますので、今回は宇部から一番近いところにしたんです。これについてはまた帰ってから報告しますから、お楽しみ!アハッ…

 それでは、9月19日(土)の〝きらら俳句教室〟第5回目の写真を撮っていますので、今日はそれをご紹介しましょうか。その当時は確か帯状疱疹になったりしてバタバタと落ち着かず、ブログ書くのも間遠になっていて脱けてしまったんです。

 今回の参加者は12名で、暑いくらいの秋日和でした。ここ〝きらら浜自然観察公園〟での、今回の季語探し…早速沼に何か鳥が2羽います。〝きっと鴨よね〟〝だったら今年来たばかりだから、「初鴨」と言わなくっちゃ!鴨だけでは冬の季語よ。秋は「鴨来る」でもいいわ。〟などと言いながら、双眼鏡で覗いてみますと、「キンクロハジロ」でした。すると、向こうの方からも2羽、これは「オオバン」。まあ、これからだんだん増えていくのでしょうが、今はまだ静かな広い沼を伸び伸びと自由を満喫しているよう…。そのうちこの沼もすぐに過密になるでしょうから、ソーシャルディスタンスは大丈夫かしら?だって鳥には、「鳥インフルエンザ」があるでしょう。(笑)

 いつもの散策路に出ると、何だかやけに「蜘蛛の巣」が多く、それが青空に太陽の日差しを受けてキラキラと輝き…とてもキレイ!すると、Mさんが、〝あのジョロウグモは雌で、その傍に小さいのがいるでしょう。あれが雄なんですよ〟と。まあ、見れば雌は雄の4倍…いや5倍ぐらいはあります。〝だから雌に食われるんですか?〟と、誰かが…。〝それはカマキリでしょ!〟みんな大笑い。

 写真は、秋空と蜘蛛の巣。でも小さくて…見えますか?ちょっと拡大してみました。大きい蜘蛛の横にかすかに小さいのが雄です。

 この日は残暑が厳しかったので、まだ秋らしい季語が見つからず。それでも、句会に出たのは、夏の季語では〝蜘蛛〟だけ。後は〝ばった〟〝初鴨〟〝木の実〟〝萩の花〟〝秋風〟〝栴檀(せんだん)の実〟〝鴨来る〟〝秋雲〟〝秋の芽〟〝蒲の絮(がまのわた)〟と、全部秋の季語でしたよ。皆さんサスガ!よく教えを守っていますね。

 今回の最高点句は、〝蒲鉾(がまぼこ)のはじけて種の幾千万〟でした。これは、レンジャーのWさんが蒲の穂を採ってきて、それを割ってみせると、中から種をつけた真っ白な絮が出るわ、出るわ…それを飛ばして見たんです。やっぱり体験の賜物ですよ。よかった!よかった!Tさん、オメデトウ!

 そう、そう、今回はもう5回目になったというので、お互いをもっとよく知るために自己紹介をしたんです。そこで〝これも俳句と同じで、印象づけるためには焦点を決めて言うのですよ〟と教えると、とても楽しい自己紹介になりました。だからこれからは、〝手話の○○さん〟とか〝ギターの△△さん〟とか…言いましょうねなんて…。(笑) あっという間の2時間半…お疲れ様でした。

 あっ、あの肝心の蒲の穂を割って絮を飛ばしたところを写真に撮るのを忘れていました。残念!

  ①ナンキンハゼの実。葉は紅葉して、実は冬にはこれが白くなります。 ②トベラの実。これも弾けると朱色の種がキレイです。 ③シャリンバイの実。これは黒くなります。 ④椎の実。まだ小さくて…熟れたら拾って食べようねと…。 ⑤Wさんの背中に飛んできたバッタ。 ⑥イタドリの花。これは夏の季語なんですが、まだ咲いていました。

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中秋の名月と団子汁

2020年10月01日 | 俳句

 今日は10月1日、陰暦では8月15日…そうです、中秋の名月なんですよ。

  月幾世照らせし鴟尾(しび)に今日の月        水原秋櫻子

 この句についての水原秋櫻子先生の述懐が、『秋櫻子俳句365日』にありました。さすがは秋櫻子先生!この名月を見んがため…だけではないようですが、はるばる奈良まで出かけられているんです。その情熱を、読んでどうぞ感じて下さい。先生がもう75歳をとうに過ぎた頃なんですって。見習わなくては…ネッ。

 唐招提寺の仲秋讃仏会にて詠む。

 急に思い立って出掛けてきたのだが、降り続いていた雨が名古屋付近で上がって、青空が覗いた。これなら、月が見えるかもしれない。六時に開門。開かれた金堂の中の諸仏が光り輝くのが見え、そこまでの左右には、紙燭がおかれ、導いてくれるかのようだ。

 裏手の御影堂へ行く。前庭に大きな花瓶があり、月の供華が挿してあり、お抹茶が頂けるようになっている。

 献茶中に、一瞬雲がきれて名月がのぞく、待っていた人々から、歓声があがった。しばらく厨子の前に坐っていた。厚いとばりで、和上の像は見えないけれど、気持ちの良いひとときを過ごした。金堂に戻ってくると、遠雷が俄に近づいて、大粒の雨が降り始めた。諸仏の照り輝いているところへ、白雨が降りそそいで、一層素晴らしい眺めであった。(昭和45年・句集『緑雲』所収)

 先ほど外に出てみましたら、それはそれはキレイなお月様でした。

 そうだ!そうだ!今日はお団子の代わりに〝団子汁〟を作ろうと…思いつきました。この団子汁は、父が大好きで母の自慢の料理の一つ。私も小さい頃から好きで、よく食べていましたから。

 大分では、団子汁が名物郷土料理になっています。しかし、以前大分の食事処などで食べた団子汁は、母のとは大違いなんです。

 〝名月〟は新芋の頃ですので〝芋名月〟とも言われます。だから、昔は里芋を皮付きのまま茹でた〝衣被(きぬかづき)〟を枡に入れて、我が家でも供えていました。

  土砂降の芋名月とこそはなりぬ        石塚友二

 しかし、母の団子汁に入れるのは、里芋ではなくて必ず甘藷(さつまいも)でした。団子は母が小麦粉を直に手で捏ねて、それを手で引き延ばしながらちぎって入れるもの。その団子がモチモチとして…これが美味しいんですよ。この団子の味はどんなにお金を出しても食べられないものなんです。

 大分ではお土産に団子汁を売っていますが、その団子は既成の幅広のうどんのようなもので…、マズいとはいいませんが、それなりのものです。いつか、大分にいた友人が作ってくれた団子汁も…言っちゃなんですが、〝違う!違う!こんなもんじゃないわ〟と、でも、…黙っていました。

 私の団子汁は、幼い頃から体で覚えた母譲りのものですから…誰に食べさせても、今まで美味しくないということばを聞いたことがありません。アハハ…これ、手前味噌ですね。でも、これだけは自信があるんですよ。あの団子のコシは、小麦粉が何ぼで水がいくらだとかいうように、数字的には説明できません。殆どがカンと手の感触だけで作りますので、教えることもできないのです。でも…自分で言うのもナンですが、本当に美味しいんですよ。アハッ、しつこいね!(笑)

 具のタップリ入った団子汁は、栄養価も高く、特に冬場には体が温まっていいものです。では、今日の具を紹介しましょう。豚肉、白菜、人参、椎茸、平天(薩摩揚げ)、甘藷、それらを煮て、味噌で仕立てる。団子は最後に入れて、一煮立ちしたら葱を散らして出来上がり。具は、他に大根や牛蒡など、何でもあるものでいいのですが、イモ類は甘藷だけにします。そうすると、藷の甘みが味噌と混じって絶妙の味になるんですよ。藷嫌いの主人でも、美味しいと言って食べますので、是非一度お試し下さいね。

 

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