ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

世界遺産トンガリロ国立公園へ

2018年04月29日 | 俳句

 ニュージーランドの旅三日目で~す。

 6時45分~ホテルにて朝食(バイキング)、7時45分バスで出発。今日も朝から雨で寒い…でもひどい大振りではありませんでしたが。

 今日は世界遺産の一つ「トンガリロ国立公園」への観光です。その前にまずロトルアにあるマオリ族の生活文化、風習などを伝えるマオリ村とキーウィハウス、温泉や間欠泉の見学。

 国鳥のキーウィは撮影禁止で、ハウスに入ると完全に真っ暗闇…まるで善光寺の戒壇廻りのようでした。やっと目が慣れてボヤッとしたところに…何か動くもの、ウズラぐらいの大きさで嘴の長い鳥でした。飛べませんのでチョロチョロと走り回ってとても素早い!

 マオリ族の集会場や工芸品、次に間欠泉…アッ、別府の坊主地獄のような泥の温泉もありましたよ。

 途中タウポ湖でトイレ休憩。火山活動で出来た湖で国内最大のワイカト川が流れ、フィッシングやクルーズなども楽しめるリゾート地です。日本でいうマガモ(ニュージーランドでは?)がたくさんいましたね。

 フカ滝はタウポ湖から続く水が毎秒22万リットルもの量で流れ落ちていく滝です。見る前に添乗員さんが〝エエッ!こんなもの…〟とビックリしないで下さいねと何度も言うので、期待しないで行きましたが、それは大したものでしたよ。日本で滝と言えば落差が問題ですが、この滝はわずかな落差しかないんです。しかし、その水量のすごさと色の美しさは見たことがありませんでした。

 

 いよいよトンガリロ国立公園へ。着いてすぐそこにあるベイビュー・シャトートンガリロホテルのレストランで昼食、やっぱりバイキングでした。庭にはススキが…もうすっかり秋です。遠くの山々は雪で真っ白!このところの寒さで山は雪なんですって。

 

 

 

  食後は1時間ほどのウォーキング。真正面に雪のトンガリロが見えましたが、ここはルアペフ、ナウルホエ、トンガリロの3つの活火山からなっているのだそうです。この時は雨が止んでくれて、ヤッターと思ったのですが、山からの風はなんとも冷たい!

 また2時間30分バスに揺られてロトルアへ。途中タウポ湖でトイレ休憩。もう鴨たちはいませんでした。行きは雨で寄らなかったレッドウッド・フォレストにて森林浴体験です。もう5時に近かったのですが、いい具合に雨も止んで、森の中を30分ほど歩きました。なんとも神秘的な森で、真っ直ぐに伸びたカリフォルニア・レッドウッドの見事さはなかなかいいものです。日本で見るメタセコイアに似ているねと言ったら〝セコイア杉〟と言うんですって!そう言えば杉林をもっと大きくしたみたいでした。

 ホテルに6時過ぎ到着。夕食はホテルのそばの「マオリハンギディナー」で、蒸し料理のバイキング。もちろんマオリ族のショータイムもあり。最後は客たちも舞台に上がってダンスを習い踊りました。とても愉快な踊ですよ。再現できないのがザンネン!

 ホテルに戻ったらさあ明日の準備です。行程で一番厳しい日、朝4時過ぎ出発なんですから。なぜかというとそれはオークランドまで戻り10時発の飛行機で南島のクライストチャーチへ移動するからなんです。だからもうオヤスミナサイ!ああ、今夜は暖房が利いて快適。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

別府と姉妹都市のロトルアへ

2018年04月28日 | 俳句

 ニュージーランドの旅二日目で~す。

 オークランドに昼前着いたのになんとも寒いこと!日本の異常気象と同じで、現地の人もビックリしていました。こちらは南半球なので、日本と季節が逆、4月は日本の9月末から10月頃の秋の気候。ニュージーランドは北島と南島に分かれていて面積は日本の約4分の3。今オークランドは20度前後と聞いていたので…この寒さには参りました。だからこの雨は南島の方では雪になっているだろうと言っていましたね。

 空港で昼食のサンドイッチ(デカイ!)と水を貰いバスへ。これから一路今日の宿泊地ロトルアまで約250㎞、3時間30分の長~い移動です。見渡す限りの牧草地をただひたすら走る…時々羊の群や牛の群を眺め…信号ナシ、標識・看板ナシ、人家はもちろんナシ…なんですよ。

 途中でトイレ休憩、日本のノカンゾウに似た花が咲いていました。どこかの湖かな?黒鳥がいて手を振ると寄ってきました。スーパーマーケットにも行って買物をしたり、時間は短いけど現地体験です。雨は一日中パラパラと降っていましたので、余計寒かったですね。

  ロトルアに着いてガバメント・ガーデン(博物館)や花壇(ベゴニアが綺麗でした)を眺めて、ホテルへ。ここには天然温泉があって〝別府〟と姉妹都市なんですって。懐かしい地名を聞いて俄然親しみが湧きました。

 

 

 

 夕食はゴンドラに乗ってスカイライン展望レストランでバイキング。まあ定番のサラダから…と持ってくると、他の人のお皿を見て、エエッ、お寿司があるの?とビックリしました。〝スシ〟はもうどこででも食べられる国際食になっているんですね。

 添乗員のTさんから夜は零度になるかもと言われたけれど、ホテルなんだからと安心していたら、暖房の温度をいくら上げても暖かくなりません。ノボテルロトルアレイクサイドというスーペリアルホテルだというのに~これはないでしょ!それでとにかく早々に入浴してベッドに潜り込みました。

 ここは連泊です。が、明日の朝は7時に出発ですので、すぐに寝ようと思ってもなかなか寝つけませんでした。ではまた、明日ね!

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニュージーランドの旅①

2018年04月27日 | 俳句

 やっといろいろなことが一段落つきました。あとは自分の句を作るだけなのですが、これが一番厄介かも…

 この二,三日昼間は暑いぐらいでしたが、夜になるとやはり何か羽織らないと背中がぞくぞくしてきます。例年こんな感じだったのかしら?なんだかもうこの異常気象に振り回されていつもの年のことが思い出せません。

 まあ、俳句では夏に入ってからも「若葉寒」や「梅雨寒」などという季語がありますし、今はまだ春ですもの。別に寒い時があってもおかしくはないでしょう。

  リストラの噂に呑まれ若葉冷え   大竹多可志

  とびからす病者に啼いて梅雨寒し  石橋秀野

 今日の午後は久し振りにフラダンス教室へ行って踊ってきました。その後は病院で定期的な診察を受けて、買物をして帰りました。

 そろそろニュージーランドの話をしないと忘れてしまいそうですので、今日からボチボチ書きましょうね。

 9日、17時過ぎの山口宇部空港発羽田空港行へ…いよいよ出発です。羽田に19時前到着。羽田空港国際線ターミナルへはバスで移動です。今までの海外旅行はほとんど福岡発で、関西空港と名古屋空港がそれぞれ1度。羽田からは初めてでした。バスで行くのでちょっとビックリしましたが、なんとか阪急交通社の受付カウンターにたどり着いて添乗員のTさんに会い、搭乗手続きを済ます。22時05分発ニュージーランド航空・直行便にてオークランドへ。ツアー参加者は添乗員を入れて28名。多すぎでも少なすぎでもなく、これぐらいがちょうどいい人数ですね。

 出発まで少し時間がありましたので、何か食べようかと考えたんですが、もしかしたら機内食が出るかも…添乗員さんに聞くと乗って1時間半後ぐらいに出るという。やっぱり…ということでコーヒーとケーキぐらいにしました。

 税関での出国審査も無事何事もなく通過、いよいよ搭乗ですが、私と主人の席は真ん中3人用の席で、一つは空席でした。飛びたって早速、空気枕とクッション、膝掛けで寝る準備です。一日中バタバタとして落ち着かずとても疲れていましたから、しばらくするとウトウトと…。すると予定通り機内食です。でももう11時半すぎですよ。それもしっかりとした夕食でした。食べれるはずありませんよ。でも食べました。(笑)和食と洋食の選択なので、主人は洋食、私は和食。日本から作って持ち込んだものなので結構美味しかったですよ。でもなんせ量の多いこと!これは外人さんを基準にしているんでしょうか。

 オークランドまでの所要時間は10時間35分。日本との時差が3時間ですので、到着は現地時間で11時40分の予定でした。日本の時間でいえば8時40分ですから、その前に朝食ですよね。だからまた食べました。(笑)夜中に食べたのであまりお腹は減っていませんでしたけど…。まあ、軽~く、ヨーグルトとフルーツぐらい。そして……今日はもう疲れましたので続きはまたにしますね。バ~イ!

 オークランドは雨でしたので写真をとっていません。ゴメンナサ~イ!

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の兼題は〝葉桜〟

2018年04月25日 | 俳句

 昨日は一日中かなり雨が降りました。今日も朝からどんよりとして、まだ地面は濡れていましたし、天気予報では曇のち晴れと出ていましたのに、時々小雨のぱらつく天気でした。

 昨日も句会で、兼題は〝葉桜〟。初夏の季語ですが、今年は桜が早く、それもアッという間に散ってしまいましたので、葉桜になるのも早かったですね。

  葉桜のひと木淋しや堂の前  炭太祇

  葉桜の中の無数の空さわぐ  篠原梵

 「葉桜」について、上の二句を取り上げ長谷川櫂氏が、前句はもはや葉桜になってしまったと花を惜しむ思い、後句は葉桜のすがすがしさを愛でる思いが込められていると、歳時記に解説しています。果たしてそんな思いを詠むことが出来たでしょうか。

 〈葉桜や木漏れ日揺るる宴跡〉という句がありました。確かに葉桜の頃は木漏れ日が揺れて気持ちいいですよね。篠原梵の「無数の空さわぐ」という情景と同じです。同じなんですが、「木漏れ日」という葉桜中心のありきたりな表現で満足しないで、空を中心に据えて、まるで生き物であるかのように葉桜の中で「さわぐ」と詠んだところに並大抵でない非凡さを見ることが出来ます。ひいてはそれは作者の夏へ向っての躍動感でもあるのでしょう。まあそれで有名な句なんですから、初心者の句をそれと比べてはいけませんね。

 上掲の句の一番の欠点はというと、「宴跡」なんです。作者にどういう意味で言ったの?と聞きますと、「桜の頃は花見客が多かったのに、葉桜になったらその時のおもかげが無くなっていたから…」と。すると「花を惜しむ」気持ちもあるんですね。

 しかし、俳句は〝今〟を詠むものです。今葉桜で、その木漏れ日が揺れているところに作者は来ている…とすれば宴のあとは当然みえないでしょうし、それを想像して詠むのならばいつでも良いと言うことになるでしょう。一瞬のうちに葉桜になるわけでもないので、過去のことを持ち出せばきりがありません。〝今〟に焦点を絞りましょう。その今を通して過去のことは連想してもらえばいいのです。例えば〈葉桜やいま木漏れ日の揺るるのみ〉とでもすれば、読む人は桜の満開の頃を想像してくれるでしょうから、それに委せるということですね。

 写真は〝オオデマリ〟の花です。最初の頃の緑色を撮り損ねましたが(緑がかっているのは四日前のもの)、このように日差しを浴びてだんだんと真っ白になります。〝コデマリ〟という花もありますが、それは全く違う科の花ですよ。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の兼題は〝浅蜊〟

2018年04月23日 | 俳句

 朝から一日中曇、気温も20度以上になりそうです。でも夜になるとやっぱり一枚羽織らないと…

 今日の兼題は〝浅蜊〟、春の季語です。今が一番身が太っていて美味しい時期の、二枚貝です。北海道から九州へかけて広く分布し、昔から潮干狩りといえば、この貝を採りに行くことを私たちは言っていました。

 結婚して宇部に来た頃は、毎年一度や二度は貝掘りに行き、バケツ一杯採ってきては近所に配って回っていました。それが何時の頃からかプッツンと採れなくなり、掘っても掘っても数えるほどになって…とうとう行かなくなってしまいました。海が綺麗になりすぎたからとか、エイが稚貝を食べてしまうからとか言われていましたが…。最近では嘗ての海を再生しょうといういろいろな試みがなされているようです。この頃は稚貝を撒いて養殖するという方法で…すると採るのにも高い料金を払ってということになり、やっぱり行きませんね。まだ小さい子や孫などがいれば、一度は経験させてやりたいとも思いますが。

 ところで、あさり汁と言えばなんてったってここでしょう。以前ブログで紹介しましたドライブイン〝みちしお〟。山口の人なら誰でも知っていますよ。ああやっぱり句も出ましたね。〈行楽の帰路は名物浅蜊汁〉まさにこれはこの〝みちしお〟の貝汁…と、作者の名乗りを聞けば、なんとわが旦那様の句でした。そういえば先日の蕨狩りの帰りにもこの貝汁を食べて帰りましたものね~。

 〈潮時か厨の浅蜊噴き始め〉という句がありましたが、これにはいろいろな意見が出ました。果たして浅蜊は潮時を知っているのか?と。

 そう言えば、貝を塩水に浸けて砂を吐かそうとしても、全然吹かない時がありましたから、あれはまだ潮時ではなかったと言うことなのでしょうか。だからみなこの句にも納得していました。〈水吹き合ひ浅蜊夜更けの議論かな〉もありました。この句どうせなら〈水掛け合ひ…〉の方が水掛け論になったりして面白いのでは…と言うと、これもみななるほどと納得!

 貝掘りの句はやはり少なく、〈掘り進みようやく一つ浅蜊かな〉でした。まさに実感ですね。

 これは「アマドコロ」。甘野老と書き、夏の季語です。ナルコユリとよく似ていますが、茎で見分けが付きます。丸いのがナルコユリ、角ばっているのがアマドコロで、花期もアマドコロが早く、終る頃にナルコユリが咲き出します。山野草ですので場所によっては多少違うかも…。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

苧環(おだまき)

2018年04月22日 | 俳句

 今日は朝からすっきりしません…頭の上に何かが乗っかって、除けよう除けようとするのにどうしてもダメ…

 要するに頭が重いということ。やっと一つ片付いたと思ったら、それ以上に次が出て来るので軽くなる暇がないんです。毎月20日頃からはいつものことなんですが、今月は特にそうなんです。

 お天気まで今朝はどんよりしていましたので、〝雨かしら?〟というと、〝霞がかかっているからだよ〟と。昼からは日が差してきて暑いぐらい…旅行から帰ってやっと主人もその気になったらしく庭の手入れを始めました。

 だってあの寒い寒いニュージランドから帰ってみると、日本はまさに初夏ですもの。わが家の柿がもうすっかり若葉、びっくりしました。だから庭も草がぼうぼう…というわけで私も草取りをしたりして手伝いです。そうするとあっという間に時間が過ぎて…

 今日は何を片付けたかしら…と考えても、しなきゃいけないことの方が多くて、気が重いのです。

 明日も俳句ですので…ニュージランドはしばらくオアズケ、一段落したら書きますね。

 昨日の句会に〈一年生名前を鉢にチューリップ〉という句がありました。可愛らしい句なのですがまさに季重ねですね。「一年生」、「チューリップ」ともに春の季語。

 この句の場合どちらにもウエイトがかかって感動の焦点がボケますから、ここはやはり「一年生」を生かすべきでしょう。また、このままではまるでチューリップの鉢みたい…この時期もう咲いていますからきっと情景として詠んだものでしょう。だから一年生の名前を鉢に付けるとすれば、これから咲くものを植えて観察する…例えば朝顔とか向日葵とかではないかしら。

 「一年生」という季語は「入学」の傍題です。この句は入学式の場面ではないので、一年生を使ったのでしょうが、ただ気を付けたいことがあります。一年生と呼ぶのは一年間ですからしっかり入学の頃を連想させるように詠まなくてはいけません。そこで〈名前書き鉢を並ぶる一年生〉とでもすれば、入学して間もない頃の情景が浮かぶでしょうか。

 「入学」という季語も小学校に限ったことではないので、それも気を付けたいですね。次の前の句は中学か高校、後の句は小学校。

  学帽を耳に支へて入学す     上野泰

  入学のどれも良き名のよき返事  松倉ゆずる

 写真は「苧環(おだまき)」で、晩春の季語。私は高山に自生するミヤマオダマキが好きなのですが…こんなに華やかなのは初めてです。きっと西洋オダマキなのでしょう。昨日の句会場に咲いていました。

 

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

恋の奴隷

2018年04月21日 | 俳句

 夜になるとやっぱりゾクッとしますね。昼間の服装に一枚…それもちょっと厚手の物を羽織って書いています。

 なかなかニュージランドの報告が出来ません。帰ってきた途端に何もかもがどっと押し寄せて、あれもしなくちゃ~これも片付けなくっちゃ~とてんてこ舞いです。とうとう今日は大失敗をしてしまいました。午後からの句会が頭にあって、午前中のフォーユーの開講式を忘れていました。気が付いた時はもう手遅れ…始まっていましたので申し訳ないけど欠席にして貰いました。ちゃんとカレンダーにも書いていましたのに…ね。

 昨日今日と句会で、来週の月曜も火曜も句会。おまけに原稿は溜まっているのに締切が近い…ああ、自分の句も投句しなくてはと、ホントに手抜きのできないことが目白押しですから。ちょっとでも気を抜くといけません。やっぱりボケているんですかね。トホホ…

 昨日の兼題は「蛙」、春の季語です。とても面白い句があったんですよ。〈大方は恋の奴隷となる蛙〉です。

 皆さんこの句を読んで何かピンときませんか? そうですよ!あの奥村チヨの〝恋の奴隷〟という歌です。みんな頷いていました。だってほとんどが同世代ですものねえ~笑えるでしょう。でもこの句ホントでしょうかね~。

 奥村チヨの歌の文句は、

 あなたと逢ったその日から恋の奴隷になりました…

  ……あなた好みのあなた好みの女になりたい

 ということは、女が男の奴隷になるんです。でもこの蛙はどっちなんでしょうか?蜂や蟻の世界では女王蜂や女王蟻などといって、当然オスが奴隷ですよね。大体メスの方が強いんでしょう。蛙だってメスの方が体大きいし…。

 恐らくこれは求愛の蛙…だとすればオスがメスを奪い合って鳴く、これを俳句では〝蛙合戦〟といいますが、その声を聞いた作者が、〝あなた好みになるから〟とオスが奴隷宣言をしているのかもと考えたとすると面白いですね。そこで少し直して〈大方は恋の奴隷や鳴く蛙〉と。

 写真は〝姫踊子草〟で、いま路傍や畦道などどこででも見かけられます。〝踊子草〟は初夏の季語ですので同じに扱ってもいいと思いますが、とにかく今はもう牡丹やあやめなどの夏の花もあちらこちらで咲いていて、歳時記で確かめないと一瞬春か夏かと迷います。黄色の花は金鳳花で、これは春の季語なんですよ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ぐうちょきぱあの木

2018年04月19日 | 俳句

 昨日、今日とよいお天気でしたので、やっと旅行中の洗濯物が片付き、一段落しました。

 旅行に行くのはいいのですが、どうもペースが狂ってしまい、元に戻すのには時間が掛かります。二,三日の国内旅行でもそうなんですから、まして海外ではもっと、もっと大変!…これも年とともにひどくなるようで…困ったもんです。

 特に俳句やブログから解放されていたので、完全にネジが緩んでしまってなかなか俳句モードやブログモードにはなってくれません。

 先日の吟行会で面白い話が出ましたよ。「先生!〝ぐうちょきぱあの木〟知ってますか~?」「えっ、知らないわ。どんな木?」「1本の木なのに葉がぐうやちょきやぱあになっているんですって!〝かくれみ〟というんですが…。」「ああ、それだったら知っているし、結構どこにでもあるから見つかると思うけど…でもそれを〝ぐうちょきぱあの木〟というのは知らなかったわ!」

 ということで、キョロキョロ見ながら行ったんですが、見つかりませんでした。ところが、同じ道なのに帰る時に見つかり、一つ見つかると、ああ、これも…あれもよ…と次々に。面白いもんです。往きは必死に探しながら行ったし…帰りはもう諦めて戻ったのに…見る目が違っていたからでしょうか。こんなことってよくありません?目を皿のようにして探すときには見つからなくて、諦めた途端に見つかるということ。

 そこで面白い句が出ました。〈囀やぐうちょきぱあの木を見つけ〉でもこれでは季語が今一つ効いていないと思いますが…私だったら〈山笑ふぐうちょきぱあの木を探し〉ぐらいにしますね。

 帰宅して、なぜそんなにいろんな葉があるのかをちょっと調べてみました。

 〝かくれみの〟は、ウコギ科の常緑小高木で山地に自生。葉は枝先に集まって互生し、革質で光沢があり、主脈は3本、老木の葉は卵形で切れ込みがないが、若木では深く3~5裂する。夏、小枝の先に淡黄緑花を散形につけ、果実は晩秋に果熟、庭木にもする。

 確かに手を広げたようなぱあの葉が、少ないけれどありました。やはり多いのはぐうですね。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ひょうたんぼく

2018年04月17日 | 俳句

 今日の天気は午前中は曇、午後から傘マークでした。

 実はニュージランド旅行のため、一週間後に変更した俳句教室の吟行会が今日だったんです。私の勝手で変更してもらったんですから文句などは到底言えません。でも吟行場所を一番近い常盤公園にしていましたし、朝10時集合ということでゆっくり出掛けられました。

 常盤公園には年中来ていますから、さてさて何か目新しい句が詠めるでしょうか? でもこの教室、今まででも一番少ない人数だったのに、それが先月急に2人辞めてとうとう5人になってしまったんです。だから私を入れて6人の吟行会でした。

 でも大丈夫ですよ。6人もいれば十分句会は出来ますもの。たっぷり時間を掛けてできるという利点もありますしね。

 とにかく雨の降らない午前中に…と思って出発しましたが、時々パラパラと。でも大したことはなさそうと行くと、早速白い小花の密生した木が目につき、これはね「水木の花」ですよ~と説明。すると、エエッ!花水木ですか?と。

 イエ、イエ、皆さん「水木の花」と「花水木」とは全く違いますから、気を付けましょう。「水木の花」は日本の山野に自生する落葉高木。「花水木」は北アメリカ原産で、ヤマボウシの花に似るのでアメリカヤマボウシとも言います。また、歳時記では「水木の花」は初夏、「花水木」は晩春と扱いが違っていますからね。

 そんな話をしながら、薬草園まで来ると今度は観察…どこにあるの?と、草だらけなのでしっかり探さないとなかなか見つけられません。大して珍しいものもないなあ~と、でも一つ発見。白い花の咲いている木…何だろう?スイカズラの花に似ているけれど、でも?と思ってよく見ると下の方に名札がありました。「ヒョウタンボク」ですって。聞いたことはあったけど花を見たのは初めて!帰って調べてみると、やはりスイカズラ科でした。だから花が似てるんですね。秋に赤い実が2個ずつ接して出来るので、それがヒョウタンに似ていてこの名があると。でもこの実劇毒ですってよ。コワ~イ!スイカズラの花は夏の季語ですが、これは載っていませんでした。

 でも、今年の気候は特に異常で、春の季語だけでなくもう夏の季語も見つかったりして、さあ大変ですよ!さて、さてどんな句が出てくることやら。

 お昼を近くのカフェで食べて、借りていた会場で13時から16時まで句会でした。

 写真は上から、ひょうたんぼく・どうだんつつじ・かりんの花。 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニュージランドへ行って来ました!

2018年04月16日 | 日記

 お久しぶりで~す!

 この8日間に、〝ちわきの俳句の部屋〟を訪問して下さった方々、本当にごめんなさ~い!

 ちょっと(笑)ニュージランドへ旅行に出掛けていました。帰国する早々心配して電話してきた弟に叱られました。一言ブログにでも書いて行けばいいのに~と。

 実は私もそれは考えたんですよ!でも、主人に〝バカ!そんなこと宣言して行くもんじゃあないよ。〟と言われて、なるほどそれもそうかなあ~と思って、それと例の如く整理していくことが山とあってバタバタと出発したので、こういう結果になりました。訪問して下さり、もし心配して下さった方々がいらっしゃれば本当に有り難うございます。感謝です!

 海外旅行は4年前のカンボジアからで久し振りなんです。どうしてもアンコールワットが見たくって、行ったのはいいのですが、暑さと石段の上り下りで完全にバテてしまい、足を引きずりながら帰ってきました。それでまたリハビリのため整形へ通院なんですもの。やっと何とか無理をしなければ…ということと、更に今回は金婚旅行の記念だったんです。

 行く前、二人でどこにしようかとあれこれ考えて…候補地が4つ、スペイン、イタリア、カナダ、ニュージランドだったんですが、ヨーロッパは今は危ないから止めようとすぐに合意。後の二つ、私はカナダがいいと言ったんですが、あそこは今寒いからイヤだ、暖かいところがいいと言う主人の意見が通って、オーストラリアには昔行きましたから、結局ニュージランドだけがいいと決まったんです。

 ところがですよ…、9日の夜10時過ぎ羽田を出発して、約10時間後、10日の朝11時40分(現地時間、日本との時差は3時間です)ニュージランドのオークランドに到着。ナント、ナント雨は降っているし、それ以上に寒くって寒くって…。主人はこんなはずじゃあなかったと、先制パンチを食らった感じでした。でもこれは今日だけなんだろうと…高をくくっていたら南に行くに従ってもっとひどくなり、ほんとに予想外でした。南に行くに従って…なんてというと変な感じでしょう?そうですよ。ここは南半球なんですから全部反対で、さしずめ日本の九州から北海道へ行くようなもんなんです。まあこの旅行の顛末はまたおいおいと報告しましょうね。お楽しみに。

 今日は、朝6時頃(日本時間)羽田に着いて、乗り継ぎの山口宇部便が10時30分でしたので、昼過ぎに帰りました。途中お昼を食べて帰ろうと…何食べたい?と聞くと、やはりうどんか蕎麦かラーメンだなということになり、結局ラーメンを食べて帰りました。さすが日本のラーメン、美味しかったあ~!

 この写真は、先日蕨狩に行ったお宅の玄関に咲いていた〝石楠花〟、初夏の季語ですが、こんなに綺麗に咲いていましたよ。季節感狂いますね。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

〝蕨〟と〝筍〟

2018年04月07日 | 俳句

 今日は知人の誘いで、〝蕨狩〟と〝筍掘〟に行きました。昨日が雨なので、今日は回復するという天気予報を信じて計画したものです。

 朝主人に起こされて「オイ!何時から行くのか?外はスゴイ風やで~…」と。見ると今にも雨が降りそう…いやとうとう降り出しました。7時前のことです。テレビのデータを見ると、今日行くあたりもここと同じ、午前中曇、午後晴れのマークでした。降雨確率0%。

 大丈夫やね~、何も言ってこないし…と用意、9時集合して車二台、6人で出発です。

 知人の山の仲間という、そのお宅へまず到着。「始めまして…」と紹介されるより早く、主人が「エエッ!〇さんお久しぶりですね!」と。ナント何度もゴルフでプレーをしていた仲間だったんですって!世の中って狭~い、びっくりです。

 ご夫婦を加えて総勢8人、一台は〇さんの車に乗り換え、〇さんちの山へ案内してもらいました。雨は時々パラパラと…

 下関市の〝東行庵〟を通り過ぎ、どんどんと棚田を抜けて行きます…どこまで行くのかしら?かなり奥地へ…。すると金網の柵が張り巡らされている入口を開けて、まだ奥へ入っていきます。どうもここが〇さんちの山のようです。さらに奥まで車で入りました。でもまだ〝蕨〟なんてどこに?という感じ。やっと車を停めて、〝ここから少し歩かんといけんよ〟と言われ、どこまで行くんだろうと。初めてのところというのは全く予想が付かないので不安ばかりです。だって初めては私たち三人(私と主人と娘)だけ、後は何度も来ているんですよ。長靴を…と言われていましたが、ホントによかったです。山は昨日の雨でぬかるんでいますし、またパラパラと…。もう天気予報はあてになりません。

 わあ~あるよ!あるよ!それも立派な蕨ばかりです。でも誰かが採った後のようでしたが、まだまだたくさんあって、大満足でした。もう雨のことはさっぱり忘れていました。もう1個所別のところへ…。そこはまだ手つかずのところで、それはそれはたくさんありました。それも見事なものが。(写真をどうぞ。これの三倍は採ったんですよ) 〇さんが〝まだあるけど…どうですか?〟〝イヤ、イヤもう十分です〟と。今度は筍掘りです。

  眼を先へ先へ送りて蕨採る   右城墓石

 

 車で行く途中、また雨が…〝春時雨〟やね~と言いながら到着。すると娘があれは〝霙〟(みぞれ)だったわよ~と。だから寒いと思ったわ!

 筍は〇さんちの隣りの竹林から生えてきたものを頂戴するという。行ってみると、きれいに植林された檜林です。そこに隣から根を伸ばしてくる筍、それを掘らないと檜林がダメになるのでこれは当然ですね。でもどこ見回しても筍なんてありません。〝すぐ分かるようなのは大きくなりすぎて美味しくないよ!〟と。筍の穂先だけが覗いているのを見つけるんですって。ない!ない!といいながら、やっと見つけました。すると今度は白いものがパラパラッと…〝霰〟(あられ)です。まあ、今日の天気は途中でお日様にも出会ったし、なんでもありでしたね。俳句にはもってこいですが…。

 筍はしめて15,6本ぐらいかしら…それをみんなで分けて、帰途に。〝これで今年の蕨採りも筍掘りも無事済んだね~〟と言いながら。

 帰りは6人、以前ブログで紹介したドライブインの〝みちしお〟で昼食、もちろん〝貝汁〟を食べて。今は旬なのでぷりっぷりの浅蜊でしたよ。寒かったので余計美味しかったなあ~。ごちそうさま!

 家に帰って、蕨と筍をおばあちゃんやお隣さんに配って、後すぐに筍を茹で煮付けて食べました。ナントも柔らかくえぐみもないし…これ食べつけたら買ってきた筍なんて食べる気がしませんよ。だから毎年、一回はどこかに筍掘りに行ったり、蕨採りに行って食べています。それが恒例になりました。いいでしょ!

  筍を掘りたる穴へ土返す    藤松遊子

  筍や雨粒ひとつふたつ百    藤田湘子

 

   

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

〝カエル〟か〝カワズ〟か?

2018年04月06日 | 俳句

 今日は天気予報どおり朝から雨。風も結構強くて、雨は夕方には止んだんですが、それでも何となく肌寒い一日で、また一枚羽織ったりしました。

 午後からは厚南会館で平成30年度の開講式がありましたので出掛けました。ここではいつも1時間ほどの〝人権学習会〟が同時に開かれます。今年は山口地方法務局宇部支局総務課長の廣江民江さんの「改めて同和問題について考えてみませんか」という演題でした。

 それが済んでから講師紹介です。閉会の後にはそれぞれクラブ毎の話し合いがあり、終ったのは午後4時でした。ああ~疲れました!

 ここの俳句教室は昨年のまま移動もなく、また10人でスタート。句会でも吟行でもちょうどよい人数です。二年目に入りますので、今より一歩前進を目指して頑張りましょうね…と兼題を「蛙」と決めて解散しました。

 その時、「先生、カエルですか、カワズですか?」という質問が出ました。「カワズ」はもともとは「河鹿蛙」をさしたのですが、平安初期頃から一般の蛙(カエル)にも混同して使用されるようになったのです。あの有名な芭蕉の〈古池や蛙飛びこむ水の音〉の句は、「カワズ」と読みますからね。しかし、一茶の句〈痩蛙まけるな一茶是に有り〉は、やっぱり「カエル」でしょう。歳時記の例句は全部漢字で書いてありますので、読む人がどちらに読んでもいいということになりますが、「…蛙かな」などは「カワズかな」と読む方が圧倒的に多いような気がします。

 するとまた、誰かが「蛙の目借り時でもいいんですか?」と。「それはいけませんよ!」なぜなら「蛙」は動物、「蛙の目借り時」は時候の季語ですからね。

 今日の写真は「ハナニラ」です。野菜の「韮の花」とは違います。葉が似ているし匂いもニラやネギのような匂いですが、花は全く違います。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

兼題は〝春塵〟

2018年04月05日 | 俳句

 今日はどんよりした天気。明日は雨の予報ですから仕方がないですが、でもなんと晴天の日が続いたこと。有り難いことです。

 先日の句会の兼題は「春塵」でした。春は風の強い日が多く、とかく埃や塵が立ちやすい。ひどいときは砂嵐にもなるし、特にローム層の関東地方は冬に雨が少なく、春先は地表が乾ききっているので、春塵が立ちやすいようです。

  春塵や観世音寺の観世音   高野素十

 観世音寺といえば、…次はWikipediaの解説です。

 観世音寺(かんぜおんじ)は、福岡県太宰府市観世音寺五丁目にある天台宗寺院山号は清水山。本尊は聖観音[1](しょうかんのん)。開基は天智天皇である。九州西国三十三箇所第三十三番札所。

 九州を代表する古寺で、造営開始は7世紀後半にさかのぼる。奈良の東大寺・栃木の下野薬師寺とともに「天下三戒壇」の1つに数えられる。平安時代以降は徐々に衰退したが、仏像をはじめとする文化財を豊富に有する。

 私も吟行で一度だけ行ったことがありますが、ここの観音様の印象は…と聞かれても何も憶えていません。いや、拝観しなかったのかも知れませんね。この寺の創建は奈良時代ですが、度重なる火災や風害で往時の栄えた頃のものはほとんど現存せず、ただ〝梵鐘〟が日本最古のものの一つとして、現在国宝となっています。これは外にありましたので、確かに見たという記憶は残っていますが…。

 こちらでは〝黄塵〟の方が実感がありますが、それは「霾(つちふる)」や「黄沙降る」とかの季語を使います。関東は〝春塵〟なんでしょうね。でも、〝黄塵〟とも言っていますから、それはどうなんでしょうか?やはり西日本と東日本とでは違うのかも知れませんが。

 句会では、〝塵〟ですから定番の「拭く」を使った句が多く、そうなれば当然「眼鏡」も出て来ますね。投句の眼鏡の字を「眼鐘」と書いたものがあり、アレ!と思ったのですが、仕方なくそのまま書き…するとまた「眼鐘」が出て来たんです。自分を疑いましたよ。こういう熟語があるのかもと。すると、皆は〝先生、字を間違えてるよね~〟と…、思っていたんだそうです。〝この作者、罰金ですよ!〟とつい言ってしまいました。(大笑)

 今回は〈春塵や地蔵の笑みの変らずに〉が最高点句でしたが、こういう中七以下のフレーズは五万とあるでしょうから、もっと斬新な発想が欲しいところです。次点の〈黄塵や眼鏡拭きをる測量士〉などもありきたりの「眼鏡拭く」ですが、「測量士」で救われましたね。〈吹き曝しの駅のホームに春埃〉という句がありましたが、これではあまりにも当り前。例えば「地下鉄」とかにすると都会的になるし、「駅」も省略できます。さらにここは「…ホームに…」と続けないで「や」でしっかりと切りたいものです。例えば〈地下鉄の狭きホームや春埃〉とかにでもすると少しはましかも…

 花は〝白山吹〟で、春の季語です。気がつかないうちに咲いていました。花びらが4枚ですよ。よく見て下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花は咲くことのみ思ひ

2018年04月04日 | 俳句

 今年の桜はあっという間でした。三月末に満開だと喜んでいると、晴天続きで一週間も持ちませんでしたね。今度の8日に〝桜まつり〟をするようなところもまだあるとか…。私は今年も桜を堪能しました

 こればかりは人間の力でどうにかできるものではありませんし、…だから毎年人は桜を楽しみに待つのかも知れません。これが決まった日に咲いて、さらにいつまでも長く咲いているとしたら、と考えるとわかるでしょう。

  青空や花は咲くことのみ思ひ   桂 信子

 平成8年の作、第9句集『花影』所収。宇多喜代子さんの『この世佳しー桂信子の百句』に次のような解説がありましたので、ご紹介しますね。

 大きな青空一面に咲く桜。一年に一度、かならず咲く桜。今年は咲くのを控えようなど、花はこれっぽっちも思わない。咲かない春があるとすれば、天候だとか虫害だとかの外因のせいで、桜が「咲くこと」を怠ることはないのである。

 こう書いているとふと思いました。「咲かない春…」って…、考えても私の人生には今まで一度もなかったような…。しかし、先日行った広島の平和公園は? ここはかつての原爆投下の中心地ですから、当然昭和21年の桜は見られなかったと思うのです。今は桜の名所平和公園になっていますが、それらはきっと戦後の復興とともに植えられてきたものでしょう。今でも公園の中に被爆樹として残っている木が何本かありましたが、その中に桜はなかったですね。ああ、そういえば以前主人の実家があった市内の江波気象台近くに〝江波桜〟といって、被爆樹として保存されている桜が1本ありましたね。それだって戦後すぐに咲いたかどうか…。

 前掲の句、「花は…」と詠んでいますが、私は〝桜〟ばかりではないと思うんです。どんな木でも草でも…人間だって…〝咲くこと〟を願うから生きているのでしょう。ただどのように咲くかが違うということだけで。

 今日の帰り道、もうほとんど散って蘂ばかりになった桜を見ていると…なぜかあの〝同期の桜〟の文句がふいと…「…咲いた花なら散るのは覚悟みごと散りましょ国のため…」なんて!バカな…私には戦争のことをとやかく言う資格はありませんが、どう考えても〝命〟をもって国に尽くすという世の中は間違っていたでしょう?日本には昔から〝犠牲〟を美徳とする考えが強いですよね。だから利己主義を嫌い〝人のために〟生きることは素晴らしいと…もちろんそれに異論はありませんが、しかしそれらは全て生きていてこそ出来ることではありませんか。桂信子は、〝青空や花は散ることのみ思ひ〟とは絶対に詠まなかったでしょう。だって戦争を知っている人ですもの。

 日曜日に義母を連れて〝桜堤〟へ行きました。ほんとに最高の桜でした。〝おばあちゃん、記念撮影よ〟と言って今年も撮りました。

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

木瓜の花

2018年04月03日 | 俳句

 昨日4月2日は、「光太郎忌」でした。詩人、彫刻家の高村光太郎の忌日で、「連翹忌」とも言います。明治16年(1883年)東京に生まれ、アメリカやヨーロッパに留学、特にロダンに親灸。帰国後は北原白秋らの「パンの会」に参加し、大正3年(1914年)に口語詩の成果ともいうべき第一詩集『道程』を出版。また、精神を病んで没した妻への思いをうたった詩集『智恵子抄』は近代日本の屈指の愛の詩集。昭和31年(1956年)没、73歳でした。

  千万の雨滴さざめく連翹忌  飯田龍太

 アトリエの庭に咲いていた連翹を特に好んでいたという光太郎、だから「連翹忌」なんでしょうが、しかし、この頃は桜から木蓮、雪柳にチューリップと、色もいろいろあって、まさに百花繚乱の時ですね。この句は「千万」に追悼の想いを込めたものでしょう。

     道程

  僕の前に道はない
  僕の後ろに道は出来る
  ああ、自然よ
  父よ
  僕を一人立ちにさせた広大な父よ
  常に父の気魄を僕に充たせよ
  この遠い道程のため
  この遠い道程のため

 これはあまりにも有名な詩なので、皆様ご存じのことでしょう。

 この詩は、大正3年(1914)2月9日に作られ、「美の廃墟」に発表。その時は102行の詩だったそうですよ。それを上記の9行の詩にして、同年10月に句集『道程』を刊行。更に同年の12月に長沼智恵子と結婚するんです。改めて最初の長詩を読んでみると、自分の今まで歩んできた人生がいかに自堕落でやくざな道だったか…これは光太郎自身の詩の言葉ですが、もっともっといろんな言葉で言っています…、そんな人生の中に〝生命〟(いのち)の意味を見せてくれたのが父なる大自然だと…。そういう過去と決別して、智恵子と新しい人生の道を歩んでいこうという光太郎の決意の詩だったんですね。

 このところブログが一日遅れです…ゴメンナサイ!本当は今日句会でしたので、その報告をと思ったのですが、またにします。

 写真は〝木瓜の花〟で、晩春の季語。バラ科ですから刺がありますが、好きな花です。名前がいけませんね~、綺麗な花なのにボケなんて!

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする