★しろうと作家のオリジナル小説★

三文作家を夢見る田舎者です。
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裏葬儀屋(18)

2009年10月20日 | 短編小説「裏葬儀屋」
 3人は旅館の部屋でひと休みしていた。
 温泉街には旅館は3軒しかないので間違えようがなく、浦河がすでに予約していたことから、なんのトラブルもなくチェックインできた。3軒の旅館のうち、一番大きな建物で、純和風のつくりになっている。一番大きいとはいえ、部屋数は20位でこじんまりとした昭和の旅館という感じの建物である。
 三人がくつろいでいると、部屋の扉をノックする音と「失礼します」という声が聞こえ、和服の女性とはっぴ姿の男性が部屋に入ってきた。
「ようこそいらっしゃいました。私、当『若返温泉旅館』のおかみでございます」
と言いながら、おかみと連れの男性は畳に手をついて深々とお辞儀をした。
「こちらは、この度お客様のお世話係りをさせていただきます、当館の担当者でございます」
 どうやらこの旅館では、宿泊客にひとりづつ担当者を決めて接客するシステムをとっているらしい。


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