★しろうと作家のオリジナル小説★

三文作家を夢見る田舎者です。
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裏葬儀屋(6)

2009年10月07日 | 短編小説「裏葬儀屋」
 山田社長は、一言も発せず2本の薬ビンを見つめている。
「ただし、人間の体には限界がありまして、若干の個人差もありますが、だいたい三時間を越えてもこの中和剤を打てないと、そのまま本当にあの世行きとなってしまいます。つまり仮死からいわば本死になってしまう訳ですので、そこのところを十分ご注意願います。」
「で、この薬を使ってどういうふうに保険金をせしめるんだい?」
「はい、そこはお任せください。まあ、企業秘密と申しましょうか、いずれ私の指示通りに行動していただければ2億円を手に入れることができます。あ、正確には1億9千万円となります。かなり危ない橋を渡りますので、私どもの手数料といたしまして一千万円いただくこととなりますが、よろしいでしょうか。」
 山田社長にしてみれば、今さら良いも悪いも無い。1億9千万円手に入るのであれば何も文句は無い。


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