今朝の谷原章介のニュースショー「めざまし8」で、最近多くなっている千葉県房総半島の東方沖での地震が取り上げられた。
この頻発地震の特徴が「スロースリップ現象」ではないかということで注目されているようだ。
スロースリップ現象は陸側プレートの下へ海側プレートが沈み込む現象のうち、陸側の沈み込みが大きくならないうちに小刻みに元に戻る現象で、そのため突発的な戻りがあるよりもより小さな地震が数多く起こるそうである。
先週の木曜日・金曜日・土曜日、と3日連続で震度4を記録する揺れがあり、御宿という海辺の街の人にインタビューしていたが、その家ではもっと大きな地震があったらすぐに避難所に逃げられるように、玄関に防災グッズを準備しているとのことだった。
正月元旦の能登大地震の余韻がまだまだ続いている中、こうして地震が頻発したら誰もが身構えるだろう。
避難しなければならないような大地震が来ないことを祈るしかないが、千葉県では東方沖地震の最大値を想定して次のような被害を見積もっている。
マグニチュード8.2の地震が起き、30分余りで高さ8.8mの津波が押し寄せ、死者の最大値は5600人になるという。能登半島地震の死者が300人足らずだったのに比べると約20倍である。
今日ゲスト出演していた東大の地震専門家は――東方沖では5~6年間隔でスロースリップ現象が何度も起きており、陸側プレートの元への戻り方がゆっくりなので、巨大地震になることは考えられない――という見解だった。
しかしスロースリップでもこう頻発すると、30年くらいのスパンで見たら巨大地震の前触れに相当するのではないかという危惧は捨てきれない。
またこの現象が他の地域の地震を誘発することは無いのだろうか。
一番に心配なのが、首都直下型地震への影響だ。
南海トラフ地震、東南海トラフ地震、そして首都直下型地震がこれから30年の内に起きるであろう巨大地震の三本の指だが、このうちで千葉県東方沖の活発化しているプレートの動きに最も近いのが首都直下の地盤だ。
首都防災の観点からすれば最大の良策は「首都分散」なのだが、そんな悠長なことは言っていられない(国策にはない)とならば、個人個人がバカ高いタワーマンションの賃貸や購入に見切りをつけて、自ら安全な地方へ「疎開」するしかないだろう。
(※かつて交通渋滞による排気ガス被害、光化学スモッグ被害など公害が社会問題だったころに、首都から茨城県つくば市へいくつかの国立の機関が「疎開」したが、大規模な首都分散の機運は立ち消えになった。日本はブラジルの首都移転やインドネシアやタイが取り組んでいる過密対策を逆輸入したほうが良い。)