仮名日記

ネタと雑感

窓の外には疫病

2005年12月04日 | 生活
 どうも、寄せられるコメントが本文とまるで関係がない、というこじゃれた嫌がらせを受けている者です。「賭け麻雀」という単語に反応しているのでしょうが、この引きこもりブログを一体どうやって嗅ぎつけたものでしょうか。コンピューターにもネットの世界にもさして詳しくない私には、その手段がどのようなものかまったく見当がつきません。
 まるでgooの回し者のようですが、いまご覧のブログ程度のことをするには、コンピューターに関する高度な知識や技術などは不要です。パソコンで文章が打てればそれで十分なわけで、そんなことはいまや特別な技能でも何でもない。HTMLなどという得体の知れないものが、山のあなたの空遠くに住んでいると人から聞いたことはありますが、あえて訪ねてゆく気にはなりません。
 ほかにやるべきことといえば冒頭に載せるデジタル写真の加工をするぐらいですが、使っているソフトはプリンターのおまけに付いてきたやつと言えば、私の技術レベルを推し量れるでしょう。
 そんなデジタル生態系の最底辺で蠢いているはかない微生物の身には、ウィンドウズのTVコマーシャルで自らのパソコン活用法を語っている人々は、もはや神の化身としか思えないほどに光り輝いて見えます。あのシリーズが何パターンあるのか知りませんが、パソコンで漫画を描いてネットで公開したり、幼児なのに文字を憶えて絵本を書けるようになったり、遙か遠くの天体について調べあげたり、こどもを撮影したビデオを編集してDVDにしたり、サッカーの相手チームの弱点を分析したりと、目も眩むような高みに立っている人々ばかり。
 たいがいのCMに出てくるのは、この商品はこんなに凄いと礼賛するしか能の無い、宣伝している商品に跪いている人々ばかりなのに、かれらは商品を支配し手足の如く使いこなしています。こんなことができる自分は凄いと何の迷いも無く断言できるのも当然です。そのさまを見て不愉快に思ったりするのは、天に唾する愚行というものでしょう。
 かれらのような天上人たちが、われわれ凡愚のともがらに、こんなに素敵な境地があるのだとご託宣を下すあのCMはまさに、迷える人々に救いをもたらす福音そのものです。即ち、ビル・ゲイツ会長は教祖、マイクロソフト社は神殿、ウィンドウズと対応ソフトは教典であり、CMに登場するかれらは尊い教えを広めるために遣わされた使徒たち。かれらの陰りの無い満ち足りた表情は、宗教的熱情・使命によって突き動かされていることの証なのです。マインド・コントロール臭がして気色悪いなどと不届きなことを言う輩は即刻 火炙りの刑。
 この世のすべての人が、かれらのように自分のやっていることを自信たっぷりに語れるようになれたなら、まことに素晴らしいことと言わねばなりません。ウィンドウズ搭載のパソコンを買ってソフトを操る技術に習熟しさえすれば、その表現の中身がどんなに取るに足らないものであっても、目をキラッキラさせながら自慢話ができるほどに安定し充足した自我を手に入れられるのです。「人間性の回復」、何という崇高な響きでありましょうか。
 涙に濡れた民衆の顔を歓喜に輝かすことができるウィンドウズ。その無辺広大にして至高清浄の力によって、誰ひとりとして苦悩に沈むことも悲嘆に暮れることもない、念じるだけで家が建ち車椅子の老人も歩けるようになる究極理想の世界が実現される日も近いでしょう。その暁には、ウィンドウズよりももっと訳の判らない代物を使いこなして自己満足に浸っている特権階級気取りのしゃれのめした異教徒どもは残らず地獄行きになるのです。
 万歳!未来社会を照らす偉大なる太陽、ビル・ゲイツ万歳!複製技術時代における至高の聖典、ウィンドウズ万歳!


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