仮名日記

ネタと雑感

木綿100パーセント(その1)

2006年04月10日 | 文化
 4月のこの時期、進学や就職などのために故郷を離れひとり暮らしを始めたという人も多いと思います。
 なかには俺のように、イタチが生ゴミをあさっているようなド田舎から、意気揚々と首都圏に出てきたと思ったら、アパートの前をナナフシがうろついていたり、道ばたでタヌキが死んでいたり、原っぱからキジが飛び立ったりするような、劣るとも勝らない現代の秘境だったことが判明し、意気消沈している人もいることでしょう。
 引っ越しともなれば人との別れはつきもので、ことに若い恋人たちにとって離ればなれになることは大きな試練となる。携帯電話のような便利な物が存在せず、交通機関も今ほど整備されていなかった頃は、そうした事態は今日より遙かに深刻に受け止められていたと思われます。
 そのあたりの情景を歌って、1975年にヒットしたのが、太田裕美の
『木綿のハンカチーフ』(音注意)という曲(リンク先で歌詞とメロディーを確認できるので、曲を知らない人はそちらを見てから戻ってきてください。お待ちしています)。

 都会に旅立った男性と、郷里に残された女性の気持ちが次第に離れていき、ついに破局に至ってしまう。この曲が世に出された当時ほどではないでしょうが、今でも多くの人の共感を呼ぶシチュエーションでしょう。
 軽快でどこか哀愁を帯びたメロディーに乗る、太田裕美の甘くさわやかな歌声が、何とも言えない切なさを呼び起こします。俺もこの曲を聴く度に、胸にある想いが湧きあがるのを抑えられません。
 それは・・・








死んでしまえ!
このクソ女がァッ!!


 もうね、今までやらなかった改行とかフォントサイズいじりを使わずにはいられないぐらいに腹が立つわけですよ。
 何が一番むかつくって、この女が自分では何もせず文句ばかり言い続けているだけなのに、被害者ぶって自分に酔っているところです。おまえみたいなもんが許された時代はとうに終わっとるんじゃボケェ。発売当時はこんなアホでも良かったのかも知れないが、俺には救い難いろくでなしにしか見えん。
 まったく何なんだ、このでくのぼうは。愚にも付かない過去にいつまでもしがみついて、出てくる言葉といえば愚痴ばかりとはどういう了見だ。こんなダメ人間の歌を延々聴かされるこっちの身にもなってみろ。
 こいつみたいなバカ女は、田嶋陽子センセイに頭から丸かじりにしてもらいたい。さもなければ妖怪寝肥り女になって一生忌み嫌われて過ごすがいいさ。

 確かに男の方もつまらない奴だけどね。ちょっと都会に出たからって調子に乗って臆面もなくはしゃいで見せたり、周囲にすぐに流されたりする薄っぺらい野郎だよ。それでも慣れない場所でたいした稼ぎもないのに日々がんばっとるわけさ。
 そんななかで手紙を送ったり贈り物をしたりと、アホはアホなりの誠実さを見せているのに、それをこの女はことごとく踏みにじってみせる。贈り物をすればそんなものは欲しくないだの、写真を送れば昔の方が良かっただの、そんなことしか言えないのか、この唐変木。
 世の中ってものはなあ、テメエが思っているほどぬるいもんじゃねえんだ。草むらに寝っ転がって銭が稼げるか。それで明日 飯が食えるかってえんだよ。バカも休み休み言え、出来損ないのウジ虫めが。
 「働いたら負けかなと思っている」としか見えない役立たずぶりに加えて、さらにタチが悪いのは、自分の希望を相手に押し付けているだけなのに、己の身勝手さにはまるで気が付かないこの女の独善性。あくまで相手のことを思いやっていると、自分自身で信じきっているから始末に負えない。おまけに内心ではどうやら、相手を浅薄な男と小ばかにしているような、いやらしささえ感じさせる。
 男の方は、これほど陰湿で酷たらい仕打ちを受けながらしばらくは堪えていた。しかし、当たり前なんだけれど、結局はうんざりしてしまい、お前みたいな辛気くさい女には付き合っていられないと別れを告げる。そしたら言うに事欠いて、涙を拭くからハンカチをよこせときたもんだ。


死ね!今すぐ死んでしまえ!!
お前に必要なのはハンカチじゃなくて
首を吊る麻縄じゃボケェ!!!。


 いったいどこをどうすれば、こういういやみったらしい言葉が出てくるのか。これはもはや、深刻な人格的欠陥を疑うべきだろう。何しろこの女は、最後の最後まで自分の非には気付きもせず、相手の男に回りくどい言い方で責任を押し付けているのだから。人間はここまで、自己の悪性に無自覚なままに、劣悪なふるまいを続けることができるものなのだろうか。彼女の魂の奥底に潜む底知れない暗闇が垣間見え、寒気すら覚える。

 こんな倫理観の歪みきった女の立場に与した曲がヒットしたなんて、世の中が病んでいたとしか思えない。「病んでるのはお前の方だ」という良識的な意見には聞く耳持ちません。
(続く)