仮名日記

ネタと雑感

やすいはなし(赤い風船)

2006年07月23日 | 社会
 昭和天皇が、靖国神社のA級戦犯合祀に不快感を示す発言をしていたという内容の、当時の宮内庁長官のメモが残されていたとのこと。8月15日を目前にしたこの時期にそれが出てくるのが何やらキナ臭いけれど、靖国神社の存在を根本から批判する立場にとっては、何の意味も価値も無いニュース。例えてみれば、死海文書の発見についてキリスト教徒がショックを受けるようなもので、縁無き衆生の我が身にはその大変さが実感できない。ついでに言えば、靖国にA級戦犯が合祀されていようが、東京裁判が戦勝国による不当な政治的制裁であろうが、中国や韓国の政治家が首相の参拝を非難しようが、これまたどーでもいいことです。
 とはいえ、靖国を肯定する人たちの一部が、大きなハシゴを外されてしまった不安感からか、このニュースに慌てふためいているさまを見るのはやはり面白い。昭和天皇の(ものとされる)発言をできるかぎり限定的に解釈しようとしたり、ほとんど捏造・歪曲と言わんばかりに非難したり(その可能性もあるけれど)、あるいは、それが事実だとしても昭和天皇の誤解に基づくものだというほとんど「不敬」モノの弁解に至ったり。「天皇発言の政治的利用は許されない」というそれ自体としては正しい意見も出ているが、「おまえが言うな、おまえが」というところ。
 こんなことでつまずかなければいけないとは、信仰を持つというのは難儀なことだ、とつくづく思います。