KAMATA CYCLE

子供の時から自転車に乗り続けて現在でもMTBを中心に活動しています。

熊野古道・中辺路編 紀伊田辺駅~滝尻王子 後編

2010年10月20日 21時45分49秒 | OUTDOOR
 鮎川王子跡を出て橋を渡って対岸の道へ入る。
国道は対岸なので車の騒音も届き難く車の往来も少ないので滝尻王子を前に熊野について改めて考えてみた。
 私は今回の熊野古道を歩くきっかけとなったのは本厄となる今年に厄除祈願を熊野本宮大社で祈祷して欲しかったからだ。
しかし、情報が得られず延期している間に本厄に突入したこともあって厄除祈願は250TRのツーリングの時に祈祷してもらった。
でも折角なので近露から本宮まで歩こうかと、とある人に相談したら距離が短いと言われた。
それならばと滝尻王子からと思ったが滝尻からだと二日は厳しく三日間は必要だろう。
となると荷物も増えるし体力も必要だ。
となって近場をハイキングして体力をつけようとしていたら梅雨に入り決行出来ない、歩けないので体力落ちる。
となりもう一度体力作りも兼ねて堺市から歩くことにした。
とこれが私の経緯だった。


 ※のごし橋を過ぎて古道は川沿いの細い道になる。蜘蛛の巣が至るところにあって落枝を拾って振りながら進む。

 熊野詣は12世紀がもっとも盛んだったといわれ、京都から熊野に至る熊野街道は参詣者であふれていて「蟻の熊野詣」と揶揄されるほどの賑わいだったそうだ。
これは、堺から歩いていても茶屋跡や旅籠跡の多さが当時の参詣者の多さを物語っている。
 当時の人は熊野詣の旅に出ると幾月もの長い期間を費やすことになってしまうが、それでも熊野に来ようとするほどの魅力はなんだったのだろう。
幾千、幾万の人が熊野を目指す。目指すには目的があるはずで当時の人は死者の国熊野で擬似の死を体験し来世の良く生きることを願う旅だったとか。
だから大斎原は熊野川の中洲に鎮座しており、山腹からみると川筋は女性が寝ている姿、中洲は女性器を現しているんだそうだ。


 ※対岸の国道には道の駅が見える。そして休憩所に道の駅ではお食事や休憩が出来ます。と書いている看板が建っている・・・どうやって向こう岸に渡るんや。

 高野山は真言宗の聖地、吉野山は修行道者の聖地、それぞれ弘法大師空海が高野山をひらき、役小角が吉野山をひらいた。
では熊野は
 私が北山川をカヌーしている時にそう感じただけかも知れませんが熊野に居るだけで癒されて精神が安定したのを感じた。
今風にいえばパワースポットと呼ばれる場所なんだろう。


 ※蕨尾橋の下を潜ったら、リスを発見。近づくとサッサと木の上へ逃げていった。そして直ぐにあった笹のトンネル。

 昔の人も他の場所とは違うと感じていたのでしょう。まず地元の人が熊野は聖地と知った、次に周辺の人が聖地と知った。
これらを繰り返して遠方まで熊野が聖地だと広まったのでは無いだろうか。


 ※富田川は大うなぎ生息の北限の川だそうだ。初めて知った。勉強になるなぁ。

 私は高野山や吉野山といった聖地は訪れた巡礼者に荘厳性、神秘性等を見せ付けて自らの権威を押し付けるような感じを受ける。
それは、巨大な仏像や建物といった建造物が物語っているように思う。
でも熊野は来る者は拒まず、全てを受け入れ癒して帰そう。という風に感じる。
これは辺境の熊野まで苦労して来た参詣者は老若男女のみならず、農民だろうと貴族だろうと罪深き者であろうと分け隔てなく受け入れてくれるだろう。
私が熊野に惹かれる根本はここにあると思う。


 ※北郡トンネルの上の古道を歩いていると二体の庚申さんが祀られていて、その横に日本ミツバチ巣があって周りをスズメバチ4匹程が巣を狙っていた。
しかし、日本ミツバチの防御は固く持久戦の様相を呈していた。

 私は別に気にしていないが、熊野の神は仏か新道か良くわからないときがある。
熊野本宮大社は昔は「熊野坐神社」といわれていて熊野権現が熊野の神だった。
熊野の神は大和朝廷系の神とは系統が違い別々の神話があったらしい。
その後、ん百年か後に熊野本宮の神にも大和朝廷系の神々の名が与えられた。
 修験道や仏教も熊野を重要視したため熊野三山にも変化をもたらし
一部では熊野権現は大日如来のもう一つの姿といわれているそうだ。


 ※北郡の集落を抜け国道を横断して、つり橋を渡る。(高くて怖いよ。)
川沿いの道を歩く事15分ほどで清姫の墓に到着。
直ぐ横にある清姫茶屋で二つ目のスタンプを押した。

 長々と熊野に関する本の助けも借りて書いてしまったが簡潔に、熊野は私の精神を癒してくれる大事な場所。
熊野に行けば川原でも山の中でも熊野権現は直ぐ側に感じるので熊野三山にわざわざ参拝する必要も無い。
とは言え、お礼も兼ねて参拝はするなぁ。


 あっ、色んな事を考えながら歩いていたらコース外れた・・・
国道をそのまま歩いたので滝尻王子までの所要時間がグッと縮まったぞ。
田辺行きのバスが15時41分に出るまで後20分しかないが急いで参拝し熊野地麦酒を購入。
なんやお店に麦酒売ってたんやったら、ここで野営でも良かったかな?


 時間ぴったりにバスが来た。
そして車内でブシュッ
清涼飲料水とは明らかに違う開けたときの音
運転手さんが鏡越しにチラッ
しかし、歩いた後の麦酒は格別に美味い。
止めれませんなぁ。これがしたいから車では無く電車なんやから許してね。

 バスの苦手な私・・・田辺に着く前に気を失う・・・
そして起こされる・・・
紀伊田辺駅の一つ手前で下車したかったが文句も言えず・・・
ホテルに向かう途中のどさん子ラーメンの店に入りみそバターラーメンの大盛を注文。
丁度、阪神巨人の野球をしていてテレビに見とれていた。
あれ?まだ出来んのか?と思いみると店主も野球観戦しもってラーメンを作っている。
当然のように麺は死んだ麺でフニャフニャな麺だった。
コンビニでおにぎり二個と麦酒とおつまみを買ってホテルへ入った。
ホテルの部屋で今朝もらったスタンプラリーの詳しい内容を見ていると愕然とした。
中辺路を歩くからスタンプを集めて中辺路コースを完走しようと思っていた。
ところが中辺路って田辺~本宮以外にも赤木越えコースや本宮~新宮~那智k~本宮とまだまだあった・・・

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