KAMATA CYCLE

子供の時から自転車に乗り続けて現在でもMTBを中心に活動しています。

8月4日 モジキ谷沢登り

2012年09月02日 08時50分30秒 | OUTDOOR

 8月4日、こっしーと名峰稲村ヶ岳に直接突き上げるモジキ谷の遡行に挑戦した。

5:30 こっしーを迎えに行きモジキ谷出合で準備を終えて7:40に入渓した。

 前回の地獄谷の沢は寒くて大変だったので、今回はパンツはロングにした。

入渓には巡視道を取水口のある場所まで歩き入渓する。

その道への入口には真新しい看板に「熊出没注意」と書かれていた。

小雨降る中を入渓すると早速、登れない滝が現れ右を巻いた。

地獄谷は滝が中々無かったがモジキは最初から滝がバンバン現れる楽しい沢だ。

美しいナメ滝や5M程の滝が多く、沢登りの入門コースらしい沢登りを期待していた。

 

 進むにつれ、傾斜もきつくなり段々とこっしーに遅れをとるようになった。

入渓してまだ1時間を過ぎたところなのに身体が虚脱感にとらわれるようになった。

多分、昨夜のロンドンオリンピックが気になって就寝したのが深夜2時頃になり睡眠時間が2時間程しか無かったのと

厚着したので暑さに体力を削がれたのが原因と思われる。

パンツはどうしようも無いので上着だけ1枚脱いで少しは回復することが出来た。

しかし、マイナスに働いた精神をプラスに持って行くのは容易ではなく・・・これからの登りが不安だった。

 そんな時に二俣というバリゴヤ谷がモジキ谷に合流する地点に到着した。

赤ペンキで記された道標を見ると少しは登る気になった。

何故ならモジキ谷のコース図によると6割は歩いている事になっていたからだ。

 

 気を取り直し遡行を始めると沢は伏流となった。

地図の通りだと伏流の終わりで右に曲がる事になっている。

登っていると中州みたいな感じになっている箇所が現れ、私たちは歩き易い左側にルートを取った。

しかし、これが行けなかった・・・本来曲がる沢を中州に視界を遮られてしまう結果になってしまった・・・

 

 遡行している谷が違うということに気が付いた時には既に引き戻す事は困難な状況となっていた。

 相談した結果とりあえずは沢を遡行し尾根に出る事にした。

しかし、谷はもろい岩盤の小滝の連続で容易に足場が崩れる危険な谷だった。

尾根は意外と近くにあり尾根に乗り上げて現在地の確認をおこなった。

ミオス尾の標高1250M前後の稜線に居ることが判り地図でこれからの行動を相談した。

稜線にトレイルが無かったので登山には不向きな何かが何所かにあると考えられる。

私は稲村ヶ岳の岩壁のような気もしたが1か所とは限らない・・・

下山の方向は稜線も続いていて降りれそうだが最後に急斜面があり降りれない可能性がある。

山頂の方向は頂上直下の岩壁と急峻な登りが問題で特に岩壁が大きかったら行動不能に陥る可能性があった。

しかし、こういう場合は山頂を目指すのが正解の行動であり、下山したい気持ちを抑え稲村ヶ岳を目指す事となった。

稜線は険しいが私達はバリエーション登山で慣れているというメリットがあった。

 もうお昼やなぁ。少し食べようかとザックを降ろし弁当を出そうとしたら「ガリッ!ガリッ!」と音がし獣の気配が・・・

入口にあった熊注意の看板が頭をよぎり、こっしーを見るとこっしーも同じく思っているらしく、「わっ!こらっ!」とか奇声を発した。

とにかく早く離れなければ・・・弁当をザックにしまい慌てて歩き出した、奇声を発しながらね・・・

今日はやはり体調不良のようだ・・・足が痙攣するようになり、こっしーに着いて行く事が出来なくなってしまった。

もはや、どのルートでこっしーが歩いたのか・・・疲れた・・・とうとう足をあげた状態で止まってしまった。

  気を取り直し歩き出し稜線に出てから約2時間と少しでもやの中に薄らと見える頂上直下の岩壁が見えた。

とりあえず、岩壁基部まで到着したが・・・絶望感ってこんな時に感じるんやなぁと思った。

上部も左右も岩壁の端が見えない・・・頂上まで地図では80Mも無いが標高は100Mもある・・・上に登るのは無理か

しかし左右の岩壁も見える範囲続いている・・・どうしようか・・・

私達の選択は本来歩く予定のモジキ谷まで岩壁基部をトラバースすることだった。

幸い携帯の圏内なのでトラバースが無理なら電話して救助してもらうことにした。

先ずは一つ目の谷を渡る、そして疲れ切った私を置いてこっしーが様子を見に単独で行った。

こっしー・・・やさしいなぁ。私はこの場で休憩しこっしーを待った。

すると遠くから「まだ行けるから行こう」と声がする・・・あれ?戻って来ないんや。

ん?このザイルはどうすんの?まさか私?疲れて動きが悪くなった私に・・・

懸垂下降で谷に降りザイルを回収して尾根に登ろうとしたがどうして良いのか・・・

こっしーはどうやったんやろうと聞いてなんとか尾根に出る事が出来た。

これを三度繰り返しようやく沢の音が聞こえて来た!

こんな高度まで水のある沢はモジキ谷しかあるまい希望と期待を胸に尾根に登るとモジキ谷らしき箇所に出る事が出来た。

そして谷を登り詰めて登山道のある稜線に出た。

岩壁基部で絶望感に襲われてから1時間半も経っていた。

稜線でこっしーと固い握手を交わし稲村ヶ岳山頂の展望台を目指して歩いた。

 歩き始めて6時間程で山頂に立った。

クライミングとかで高度に慣れていたから良かったがクライミングを始める前なら基部のトラバースなんて恐ろしくて行けなかっただろう。

クライミングしてなかったら沢登り自体してなかったと思うけど・・・

さて、まだ終わりじゃないぞと気を抜かないようにしていたが、やはり登山道に出たという安心感から急にお腹が減って来たよ。

そういえば満足に食べてないもんな。食べ物なんてお腹に入らなかった・・・

これも後半の活動停止になった原因か反省やね。

山頂から2時間半で母公堂に下山し近くの川で汚れを落としバス停まで歩いていたが

少し歩いた所で「もう歩かれへん、ここまでタクシーに来てもらおうよ。」とこっしーに行ってタクシーに来てもらいモジキ谷入口まで送ってもらった。

今回の疲れは木曜日まで続き、この山行の厳しさが良くわかった。

 


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お疲れ様でした (こし)
2012-09-04 20:24:59
全文読んで、8/4の事を思い出したよ。
良い経験とスキルアップできました。
また行こう。
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