今回のBKS万華鏡世界大会で運営委員の一人としてご尽力いただいた中里保子さんの作品をご紹介します。タイトルは「紅花流水紋」です。この作品は参加会員の投票によって選ばれる「ピープルズチョイスアワード」を受賞しました。
流水紋のあるガラスは京都にもゆかりの深い「琳派」の雰囲気を見せています。ただ中里さんの意図は、琳派の芸術をそのままガラスで表現するのではなく、400年も前のアートに見られた斬新な切り口を万華鏡のデザインに取り入れたところにあります。流水と花は古典的なテーマですが、このデザインは確かに現代的ですね。
とても印象的な外観の紅い梅の花と連動するように、内部にも花が咲きます。二つの覗き口の一つからは2ミラーシステム5ポイントの映像です。
そしてもう一つはとても大きな開口部から見える奥行きの広がる映像です。 テイパード4ミラーシステムです。
とても広がりのある映像なので、1枚の写真では取り切れないほどです。これらの映像を生み出すオブジェクトは2つあり、ガラス製のホィールとオイルワンドです。金色も配して琳派のような華麗さも表現しています。
ホィールが本体の下に少し見えていますが、鮮やかな色合いが分かりますね。 本体の色が抑えられている分、この鮮やかさが映像に意外性を感じさせて、思わず見入ってしまいました。
台座は積層ガラスとステンドガラスで構成してあるそうです。全体のデザイン性を高め、ガラスの美しさを見せてくれる演出ですね。ギリギリまで試行錯誤を重ねていることは伺っていましたが、その結果の作品を拝見して、完成度の高さに感銘を受けました。
中里さんのこの作品も含めた、「万華鏡世界大会in京都2017」出品作家展が6月21日~7月9日まで、流山市の万華鏡ギャラリー寺田屋茶舗 見世蔵 で開催されます。 東京近辺の方も世界大会出品作品をお楽しみいただける機会ですので、どうぞお楽しみに。
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