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今日ご紹介するのは、スティーブ&ペギー・キテルソン夫妻の作品、「夕暮れの光景」 Reflections Before Nightfall です。
外観から着物がデザインされているのがわかりますか? ダイクロイックガラスを重ねて微妙な色模様を演出しています。
木製の支えは、着物がかけられている衣桁を思わせます。日本のコンベンションでの発表に至るまで、この万華鏡が生み出されるまでのストーリーがあります。
1990年代後半ペギー・キテルソンさんとシェリー・モザーさん(万華鏡作家)がコージー・ベーカーさんを訪問した際、自然史博物館で開催されていた久保田一竹の着物の展覧会に誘われました。何の予備知識もなく訪れたその展覧会で、ふたりは「風景を描いた着物の連作」に衝撃をうけ、言葉では言い尽くせないほどの感動を覚えたそうです。そしていつか日本を訪れて、久保田一竹美術館を訪ねたいと私たちにも語っていました。
(コージー・ベーカーさんはブリュースター・カレイドスコープソサエティの創立者であり、作家を育て、現代万華鏡のアートを広めることに多大な貢献をなさった方です)
その久保田一竹へのオマージュとなる万華鏡を、ガラスを素材として作りたいと考えたのです。 「風景を描いた着物の連作」の最初のシリーズは「夕暮れの光景」と題しました。 限定版でいくつかずつ制作していく予定です。 ダイクロイックガラスを使い、着物の絹の光沢や質感の違いを表現して風景を演出しています。
7ポイント2ミラーの映像の周囲にオーラのごとく輝くのは、ミラーの第3面にダイクロイックガラスを貼っているからです。オブジェクトセルの横から入る光とオブジェクトの色を映して、輝きながら、色鮮やかに変化します。
オブジェクトセルは交換して楽しめます。 マグネットで着脱が簡単です。ひとつひとつがガラス造形のようなオブジェクトで美しいです。ペギーさんの技術とセンスを凝縮したセルは、そのまま見ても本当にきれいですが、ミラーシステムを通して見る映像はまた新たなアートを生み出します。
このコンベンションの後、ペギーさんたちは念願の久保田一竹美術館に行くことができたと聞いています。次の作品にその印象が表現されることでしょう。
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