優美で滑らかな曲線を描くヘンリー・バーガソンさんの「Time Fly」という作品をご紹介します。 飛翔を思わせるスタイルは自由な発想から生まれた万華鏡の形でしょうか。 ヘンリー・バーガソンさんの作品は、単なる筒にとどまらない木工のデザインに、その万華鏡の魅力があります。
この作品は豊かな色合いのブビンガ材をメインに、メープル材を組み合わせて、モダンなデザインに仕上げています。 高さのある大きめの万華鏡ですが、後ろ側から見ると3点でバランスを取っているのがよくわかります。
覗き口のあるアイピースは、人間工学に基づいた自然なカーブになっていって、覗きやすくなっています。ボディのカーブ、スタンド部分のカーブ、そしてアイピースのカーブと、美しい流れを創りだす木工ならではの作品です。
この作品のもう一つの特徴は、とても大きなオブジェクトセルです。 直径4cm 長さ22cmもある大きなガラスのシリンダーの中に、色鮮やかでさまざまなオブジェクトが、びっしり入ったオイルセルです。
このセルは動きもよく、回転させても、左右にスライドさせても映像の変化を楽しめます。
そしてこのセルは取り外しも簡単にできます。 白っぽいメープル材で抑えてあるのですが、そこを水平方向に回すとオブジェクトの抑えが外れます。 はめ込んだ状態のときは、抑えの部分のマグネットが効いているので、外れることはありません。
バーガソンさんは、万華鏡作家になる前はエンジニアだったので、以前から取り外したり、交換したりする部分や、内部照明などのスマートな仕組みを考えるのが得意で、マグネットを利用した着脱やばねを使った着脱など、機能的にも優れた作品を創ってきました。
万華鏡としてスマートなデザイン、覗きやすさと機能美を備えた作品に注目です。
そして、この万華鏡、映像がとてもきれいで迫力があります。
細い角度の二等辺三角形に組んだミラーシステムからは大きな曼荼羅とそれを囲む小さな曼荼羅模様が視野いっぱい広がります。 オブジェクトは大きめのビーズも多いですが、細かく分断されて、繊細な模様を生み出しています。
大きなオブジェくトセルだけに、模様の変化も大きく、多彩です。
自由な発想と考えつくされた機能性、素晴らしい融合ですね。
コンベンションに出品されていたさらに大きな作品、「Honey Jar」です。 オブジェクトセルがはちみつの瓶のように大きく、映像も見ごたえがあります。
そしてヘンリー・バーガソンさんはこちらの方です。 コロラドの山に工房があるそうです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます