![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/0f/4a088109b6bb960ec4f058166b281840.jpg)
昨日に続いて「魅惑の大万華鏡展」から、新進作家さんの万華鏡をご紹介します。
沼尻のんさんの作品で、先の広がった円錐形の筒に麻ひもを巻いて現代的なデザインセンスあふれる万華鏡シリーズです。二つ並んでいるとお人形さんのようにも見えるこの万華鏡には「スザンヌ」という名前がついているそうです。
沼尻さんは昨年の国際万華鏡協会展公募部門で最優秀賞を受賞なさいました。その受賞作はこのブログでもご紹介しましたが、季節をテーマに6個の万華鏡からなる「万華鏡暦」という作品でした(2009年8月25日、26日)。 これも3色の麻ひもでデザインした同型の万華鏡でしたが、そのスタイルにこだわって、その後さらにその表現の幅を広げてきました。
ミラーシステムはテイパードと呼ばれる先の広がった組み方です。細かいオブジェクトの綾まで映し出すミラーシステムで、このように繊細できれいな映像が見えています。
写真には映っていませんが、オブジェクトセルの背景にあたる部分には筒の色に合わせた美しいステンドガラスをはめ込んでいますので、光を通しながら柔らかくその色味も反映されています。
また、大きくて薄めのオブジェクトセルなので、オブジェクトの動きによる変化も大きく、ミラーシステムからの距離が同じように近いだけに、どのオブジェクトもその存在を主張するかのように映り込む面白さがあります。覗いていると美しい色の世界に浸ってしまってその映像展開からに目が離せなくなってしまいます。
スタイリストとして活躍なさった沼尻さんらしく、センスの良さが光る万華鏡ですね。そして、こだわりのミラーシステム、オブジェクト構成に独自のスタイルを展開しつつ、挑戦を続ける作家さんです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます