鏡花水月紀。

日々の言の葉、よしなしごと。

モリセンさんのこと。

2007-05-07 | 日々のこと。


GWの連休前半、4月28~30日は金沢に腰を落ちつけ、
家の掃除、洗濯、冬物の片付け、そうしてやっと、タイヤ交換(^^;
気になっていたことを全て片付けられ、気分すっきり。

そして久しぶりにゆっくり休日に家にいたので、
実家の母にどこか行きたいところは?と尋ねたら、
お彼岸に行けなかったから、
祖父の祥月命日である30日にお墓参りに行きたいという。

約束の日、市内を見下ろす卯辰山の墓苑へお参りに行ったあと、
母お勧めの「割烹森泉」で昼食を頂いた。
店は東の廓より1キロほど離れたところにあり、
浅野川の流れに面した町家を改装したお店だ。
母から「お昼は森泉にしよう」と言われたとき、
どこかで聞いたような名前だなと思ったのだが、
それは店内にある調度や雰囲気で、確信に変わった。

以前、骨董業者の市に「モリセン」と呼ばれる人が出入りしていた。
それがこの「森泉」のご主人だったのだ。
過去形で書くのは、モリセンさんはこの浅野川沿いの店をだす矢先に、
不慮の事故で儚くなられてしまったからだ。
まだ業界の右も左も分らなかった私に、
市で顔を合わせると気さくに声をかけてくれた人だった。

お亡くなりになったのはもう7、8年にも前になるのだが、
心のどこかでずっと気にかかっていた。
それが祖父のお墓参りのお蔭で、胸がすっとした。
抹香くさい話でなんだけど、
こういうのをお導きというのだろうか。

「なんだ、お前、今ごろ来たのかい」。
店の奥からモリセンさんが笑いながら出てきてくれそうだった。






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