鏡花水月紀。

日々の言の葉、よしなしごと。

GWは東北のこけしさんたちをお迎え。

2011-03-31 | 東北にエール
バランスが崩れまくった弥生三月も今日で終わり。
起こったさまざまなことをしっかり胸に刻みました。
ふと気ががつけば、桜の蕾もふくらんで、
生きる姿をみせてくれています。
自然にならって生きなくっちゃと、
敬愛するプリオシン海岸の電信技師さんも言っていました。
うん。


ささやかですが、5月のゴールデンウィークのあいだ、
東北を応援させていただく催しを開きます。
それはこんなイメージから始まりました―――。

 東北に数多く伝わる伝統工芸の紹介
 手仕事を通じて、作られた風土や人に思いをはせる
 その土地に旅をしよう

そんなイメージに共感していただいて、
金沢福梅こけしを手がけるクラフト作家TOKOさん、
東北の伝統こけしコレクターのanagさん、
絵本とせっけんの店・宇吉堂のうきこさん、
絵本・童話のごちそう案内人で賢治大好きの中野由貴さんらに、
お力添えいただいて、企画を進めています。

会場は金沢市大野町の「ギャラリーもろみ蔵」、
5/1に新しくオープンする「千鳥」
そして「かたかご庵」の3ヶ所です。

東北の可愛いこけしさん達が、大野町のあちこちをジャック。
うちにはanagさんのコレクションや
岩手県のこけしさんをお迎えする予定です。


まだ日時と内容は流動的な部分もありますが、
かたかご庵での催しは、ざっとこんな感じです。

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◇かたかご庵 「東北の楽(たの)し麗(うるわ)し 手仕事展 」
4月29日~5月8日 10時~19時予定

・東北の風土が育んだ手仕事。
  現代作家さんのお品の販売
  東北の骨董・古民具の販売
・東北こけしコレクション展 5/1日~8日(協力anagさん)
・こけ談!anag×TOKO こけしに魅せられた2人のほっととーく 5月1日
・東北由来の絵本や童話の販売(協力:宇吉堂さん・中野さん)
・「みちのくおやつカフェ」東北のおやつと飲みもの
・東北地方の観光パンフレットの設置

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こけ談!と絵本の朗読会のときは、
中野さんお手製の東北のおやつ「がんづき」を頂きながら。

それから、東北の現代作家さんの品々の販売ですが、
本当のことをいえば、今このタイミングでは、
作家さんのお品をお預かりすること自体が難しいと予想しています。
現に無理ですといったお声も頂いてますが、
もし、今回の地震で被災され、
作品販売にお困りの作家さんがいらっしゃいましたら、
作品をお預かりし、販売のお手伝いをいたします。
売り上げは100%作家さんへお渡しします。
お問合せ下さい(antiquegallery_katakago★live.jp)


近隣の皆さまにぜひともお越しいただき、
東北、北関東の皆さんに心を寄せお力添えをお願いします。
詳細はあらためてご案内します。
どうぞ宜しくお願いいたします。



絶望を希望に変える 田中優さん緊急講演会

2011-03-29 | イベント、お知らせ。
地震、津波、そして東京電力の原発事故。
昨夜、ユーストリームでの東京電力の会見をみていて、
本当に心のなかが真っ暗になるような思いにとらわれ、
涙があふれ出て、朝おきたら眼も真っ赤。
いけない、いけない。
私の頭も冷やさなくては。


さて、菅さんが新エネルギーと口にされたとか。
二言は無いでしょうね。

4月7日、早くから脱原発を唱えてきた田中優さんが講演に来られます。
この機会に勉強したいと思います。
お子さんをお持ちのお父さん、お母さん、
今回の事故で思うところのある方、
聞きにいきませんか。


□■ 絶望を希望に変える 田中優さん緊急講演会! ■□
「福島原発の現状とこれからの自然エネルギーの可能性」

原発震災の正しい情報、被ばくの実態や日本の新しい
エネルギーについて。被災地支援・復興の過程で、
私たちはこれからどんな世界をつくっていけるのか。

「希望を見つけた!」と全国で大反響の2時間講演。

未来に向けて今できることを、わかりやすくお話いただ
きます。ぜひ、お見逃しなく!


◆◇ 昼の部 ◆◇
4月7日(木)13:30~
Kapo(カポ) 兼六駐車場近く山越ビル2F
http://www.kapolog.com/
定 員:70名(先着順)
参加費:1000円

■□ 夜の部 ■□
4月7日(木)18:30開場・19:00開始
野々市文化会館フォルテ 小ホール
定 員:300名
参加費:1000円

主 催:田中優さん講演会実行委員会
連絡先:076-240-0413 happykoara3@ybb.ne.jp(小原)
076-246-0617(コミュニティトレード al)

※昼・夜とも、託児ご相談ください(お早めに)
(託児問合せ 076-246-0617 アル )

※参加費の一部は、東北関東大震災の義援金にさせて
いただきます。

東京で「フランスの旅 スケッチ展」始まりました。 

2011-03-17 | イベント、お知らせ。
叙情豊かなパステル画を描かれるvasenoirさんこと、
村田旭さんの個展が東京で始まりました。
☆村田さんのブログ 夢舎のつぶやきⅡ

郡山にある村田さんの創作活動の拠点、アトリエvasenoirには、
バレエスタジオ、カフェ、ギャラリーもあり、
町の文化を豊かなものにされてきました。

今回の地震で、アトリエも残念ながら被災されましたが、
村田さんは4月から東京で絵画教室を始める予定で、
ご案内がてら本日3/17(木)~22日(火)まで、
スケッチ展を開催。

被災で用意した油絵の搬入は適わなかったとのことですが、
昨年6月、10月に渡仏され南西フランス、イルドフランスを廻ったときの、
陽光あふれるスケッチが並びます。

東京の皆さん、
ぜひ会場へお運びください。

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村田 旭 「フランスの旅 スケッチ展」

3月17日(木)~22日(火)
アトリエかしわ
(JR山手線 大塚駅南口 東京柏屋2階)


金沢市も救援物資の受付はじまりました。

2011-03-15 | 東北にエール
金沢市でも救援物資の受け付けはじまりました。
といっても、いろいろ何種類も詰め込んだ物ではなく、
箱単位で、仕分けの手間を省けるよう、留意。
お勤めの会社にも、ぜひ働きかけてみましょう。


★3月19日からは受付場所が、
金沢高校向かいの元北陸農政局へ変わります!!



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金沢市公式ホームページ いいねっとより

東北地方太平洋沖地震の救援物資の受け付け


東北地方太平洋沖地震の救援物資を受け付けます。
被害を受けられた地域に対して必要な支援を行うため、
市民の皆さまからの救援物資を受け付けます。
皆さまの暖かいご支援をお願いします。

必要な救援物資必要な救援物資は次のものです。
ただし、使用済みのもの、使用期限が1ヶ月以内のもの、生ものは、ご遠慮ください。

(1)保存食(カップ麺、インスタント麺、乾パン、レトルト食品)
(2)水(ペットボトル、500ml、2リットル)
(3)その他飲料(ペットボトル、500ml、2リットル)
(4)粉ミルク
(5)紙おむつ
(6)女性衛生用品
(7)トイレットペーパー、ティッシュ
(8)タオル
(9)毛布(新品のみ 布団は不可)

※ (1)~(8)については、被災地での取り扱いを容易にするため、
箱単位でお持ちいただければ大変助かります。

◎受付場所および時間

第一次 3月16日(水)~3月18日(金) 
西部クリーンセンター 管理棟
(金沢市東力町ハ284番地) 


第二次 3月19日(土)~3月21日(月)
受付場所 元北陸農政局 金沢政府倉庫 
(金沢市泉本町5丁目79番地:金沢高校向かい) 




受付時間 9時30分~17時00分




新しい週がはじまるなかで。

2011-03-13 | 東北にエール
明日から月曜日。
新しい週がはじまる。

仙台在住のかたかご庵のお客様たち、
福島のvasenoirさん、茨城のvinoさん、
旧職場の後輩、現職場の東北各支部のかたがたらとも、
まだ連絡がつかない。
が、非被災地に住む者としてできること。

今はボランティアで彼の地までは行けないが
謙虚に働いてお金を得て、
些少ではあるけれど募金をし、
東北産のものを買うことくらいはできる。

今日TVで流れていた被災地映像のなか、
旅館の3階から救助された80歳を超えたおじいさんが
「私はチリ沖地震も経験。また再建したらいい。再建しましょ」
そういってニコッと笑われた。

心を強く持って、
明日からの新しい週を向かえたい。




悪い夢、と思いたい。

2011-03-11 | 東北にエール

ご存知のように大地震。


またたく間に押し寄せる津波の映像に、

ただただ言葉を失くしました。


そして、

福島第一原発も避難指示がでたという(21時半現在)。


悪い夢、と思いたい。


そんななか、玉石混淆ではあるものの、

twitter上に善意の避難情報があふれて、

命の打電とも呼べようか。

東京に暮らす姉の家族も帰宅難民になり、

私もその情報を頼りに甥っ子に避難所をメールした。


ただ一番甚大な被害をうけた東北では、

停電になり、

それらの情報さえ得られずに不安な夜を迎えていらっしゃる。


どうか。

少しでも被害が少なく、

助かる命の多いことを心より強く祈っています。

   



胡蝶の夢。

2011-03-10 | 日々のこと。


実際の季節はまだ春には遠いけれども、
立ちよった和菓子屋の店先はすっかり春の野。

香りよい蓬がはいった餡を、
ふんわりと求肥で包んだ「胡蝶」。

眺めた刹那、私の胸のなかに広がったのは
一面に咲き誇る菜の花と浅黄色の空。
そして目の前の花の上では、
ビロウドのような翅を安息させる一羽の蝶。

蝶が私か私が蝶だったのか・・・とは荘子だったが、
夢から覚めた凡夫は、
財布の紐が緩んでしまっていた。

雛がたりの茶会。

2011-03-04 | 日々のこと。
さ、まずは泉鏡花の随筆「雛がたり」の冒頭、
どうぞ声に出してお読みくださいませ。



雛(ひな)――女夫雛(めおとびな)は言うもさらなり。桜雛(さくらびな)、柳雛(やなぎびな)、花菜(はなな)の雛、桃の花雛(はなびな)、白と緋(ひ)と、紫(ゆかり)の色の菫雛(すみれびな)。鄙(ひな)には、つくし、鼓草(たんぽぽ)の雛。相合傘(あいあいがさ)の春雨雛(はるさめびな)。小波(ささなみ)軽く袖(そで)で漕(こ)ぐ浅妻船(あさづまぶね)の調(しらべ)の雛。五人囃子(ごにんばやし)、官女(かんじょ)たち。ただあの狆(ちん)ひきというのだけは形も品(しな)もなくもがな。紙雛(かみひいな)、島(しま)の雛、豆雛(まめひいな)、いちもん雛(びな)と数うるさえ、しおらしく可懐(なつかし)い。
 黒棚(くろだな)、御廚子(みずし)、三棚(みつだな)の堆(うずたか)きは、われら町家(ちょうか)の雛壇(ひなだん)には些(ち)と打上(うちあが)り過ぎるであろう。箪笥(たんす)、長持(ながもち)、挟箱(はさみばこ)、金高蒔絵(きんたかまきえ)、銀金具(ぎんかなぐ)。小指ぐらいな抽斗(ひきだし)を開けると、中が紅(あか)いのも美しい。一双(いっそう)の屏風(びょうぶ)の絵は、むら消えの雪の小松に丹頂(たんちょう)の鶴、雛鶴(ひなづる)。一つは曲水(きょくすい)の群青(ぐんじょう)に桃の盃(さかずき)、絵雪洞(えぼんぼり)、桃のような灯(ひ)を点(とも)す。……ちょっと風情(ふぜい)に舞扇(まいおおぎ)。
 白酒(しろざけ)入れたは、ぎやまんに、柳さくらの透模様(すきもよう)。さて、お肴(さかな)には何よけん、あわび、さだえか、かせよけん、と栄螺(さざえ)蛤(はまぐり)が唄になり、皿の縁に浮いて出る。白魚(しらうお)よし、小鯛(こだい)よし、緋(ひ)の毛氈(もうせん)に肖(に)つかわしいのは柳鰈(やなぎがれい)というのがある。業平蜆(なりひらしじみ)、小町蝦(こまちえび)、飯鮹(いいだこ)も憎からず。どれも小さなほど愛らしく、器(うつわ)もいずれ可愛(かわい)いのほど風情(ふぜい)があって、その鯛(たい)、鰈(かれい)の並んだ処(ところ)は、雛壇の奥さながら、竜宮を視(み)るおもい。



いかがでしたでしょう。

鏡花文学はその世界観と文体の独特のリズム、艶やかな色彩感覚が読む者をひきつけます。

3日の夜、そんな鏡花世界を主題にした彗星倶楽部・中森さんの「雛がたりのお茶会」に、
茶道歴30年近い友のkyokoさんを誘って参加させていただきました。

鏡花は酉年生まれ。
七つ向こうの干支のものを集めると良いという伝えから、
鏡花は卯にまつわる物を手元によせていました。
これに因んで卯年の今年、鏡花ゆかりのお茶会を開きたいと
中森さんはおもわれたのだそうです。

漆黒の闇に小雪が吸い込まれては降りつみ、
私たちがいる松涛庵は、まさにほんわり灯る雛の雪洞のよう。
立礼茶室の床の間にはゆかしい女雛、男雛が並び、
精工に拵えられたちいさな雛道具、縮緬細工の羽子板、子供の成長を願う戌箱など、
愛らしい小物たちが行儀よく並べられ、桃の節句を寿いでいました。

鏡花「雛がたり」の世界が映しこまれたしつらい、書(池多亜沙子さん)、
花、器(増田守世さんほか)、料理(哲)、菓子(水本)への、
微に入り細に入りの肌理細かな采配。
数々、学ばせていただきました。

この雛がたりの水先案内人は、鏡花研究者の金沢学院大学教授が務められ、
鏡花のいきた時代や鏡花その人をお話くださりました。
そして随筆「雛がたり」の朗読は北陸放送の川瀬さん。

朗読を聞きながら、ご用意いただいたお弁当を開けば、
またここにも「雛がたり」の世界。
鮭の押し寿司にノドグロ、胡麻と胡桃をまぶしたさわらのお刺身、若竹の含め煮、
車海老の焼き物、センナなどなど、実に口福。

まだまだ、心地いい鏡花の言葉の世界に浸っていたいと思わせる朗読のあと、
座を奥の和室へと移して、お茶になりました。
こちらにも床の間にはお雛さま、そして○○先生がお持ちの鏡花遺愛の兎の置物、
鏡花の復刻本などのしつらえ。

大寄席でしたのでさほどの緊張もなく、
水本さんの軟落雁(中森さんが鏡花の紋を描いた)を味わいながら、
無作法者の私も、美味しくお茶をいただきました。

茶会の終わっても、立ち去り難く、
皆さんと一期一会の時を過ごしました。

忘れがたい桃の節句、大変ありがとうございました。




*写真は花菜の雛。立礼式茶室の、一人一人の席に飾ってありました。
また桃の描かれた貝合わせは、中森さんお手製で箸置きにと。

あかねさんのこと。

2011-03-03 | 日々のこと。
今日3月3日は上巳の節句。
金沢は雪に見舞われています。
旧暦1月29日なら仕方なしというところです。

今夜は彗星倶楽部の中森あかねさん主催の「ひな語りの茶会」へ行ってきます。
中森さんとの初めての出会いは、美術の教育実習先の中学校。
まだ私が19歳、中森さんは20歳でした。
中森さんは金沢美術工芸大学で油画を専攻する学生。
美大からは中森さんのほかミドリさん、イケダさん、
あと名前が思い出せない男子学生ら4人。
一つ違いでもなんだかみんなが大人びて見え、
一人で心細く実習先へきていた私には、
とても頼もしくみえたものでした。

それぞれ社会人になってからは、
お会いする機会もなく、個展の記事を新聞でみたり、
中森さんのがんばりを遠くでみていました。

それでも狭い金沢のことです。
とある料亭の骨董の売り立て会をしているときに、
お客さまとしてきた彼女と顔をあわせたり、
数年に一度ふっと出会うのでした。

中森さんは昨年まで「彗星倶楽部」というお店を営なまれていましたが、
年末にこれを閉じ、しばらくは宇宙を遊泳し、時折、地球に帰還すると。
その帰還第一弾が、この「ひな語りのお茶会」になるのでした。
会場にはきっとこの帰還を待ちわびた方々の姿もあることでしょう。
私も少なからず。

今回この催しを開くにあたり、
お菓子を手作りされたり、鏡花の本をしつらえたり、
色々と楽しい心づくしで我々を向かえてくださるようす。
楽しんできます。