鏡花水月紀。

日々の言の葉、よしなしごと。

たまには美味しいお話。

2012-03-21 | 日々のこと。
隣町に素敵なカフェができたと噂にきいて、はや半年。

先日、ようやく行けました。







犀川が海にとけこむあたり、その流れを眺めながらゆったりできるそんなお店。

毎月1回、クラシックのコンサートも開かれているのだとか。

オ―ナ―もあたたかな笑顔が素敵な女性でした。

今度またゆっくりと訪ねたいです。

愛しげな・・・。

2012-03-11 | 日々のこと。
あの日から1年だという。


1年たったから一区切り、と言える人もいれば、言えない人もいる。

そう言える人の心のなかにも固い芯はのこっている。


それぞれが、それぞれの場所で、

あの日から続く、今日という続く時の汀を歩んでいる。


こちらの方言では哀惜を込めて「愛しげな・・・」という言葉ある。


今日という一日は「愛げな・・・」と心の手をすっと伸ばして、

あの日旅立った方々の頬をそっとなぜ、

そして今を生きている方々の背(せな)をなぜ、

そうして過ごしていたいと思うんだ。




金沢和傘伝承研究会 作品発表会

2012-03-10 | 日々のこと。
3月10日、しいのき迎賓館で行われていた

金沢和傘伝承研究会の作品発表会へ出かけました。

うちのお客様でもあり、水引の講師もされている山田ひろみさんが研究会7名のうちのお一人。

研究会の方々は表具師等別にお仕事をもつなかで、

この2年間、和傘の制作に勤しんでこられました。

金沢には唯一和傘を作っていらっしゃる松田さんという職人さんがいらっしゃいますが、

自らが御高齢だったことと「食べていけないものを教えても・・・」と弟子をとらずにおりましたが、

前市長の推進もあり金沢の和傘を伝えようと会が発足したのだそうです。


しいのき迎賓館に入るとさっそく実演風景が眼に入り、しばし背後でじっと観察。







傘は端と中心の和紙を貼って骨と骨とのピッチを決めていくのですね・・・。なるほど。

こちらは糊。原料はタピオカです。





つい長居してしまうも、見られていると緊張もされるだろうから会場へ。

山田さんの水引教室の生徒さんTさんがちょうど着物姿でいらっしゃったので、

さりげなく入っていただいて。

やはり着物に和傘はよく似あいますね。




研究会の方々は和傘が今も多く作られている岐阜に技術研修に出かけたり、

骨の竹を分けてもらったりしています。

それでも傘にもその土地らしさ、お国ぶりというものがあるので、

松田さんのお店で教えを請うたり、古い傘を見たり分解したりして伝承に努めていらっしゃいます。


金沢の和傘の大きな特徴は、中の糸かがりの色にあると山田さんに教えてもらいました。

それぞれ意味があり、桔梗、撫子、松、カスミ(カスミ網)だったかな。。。

それは傘を広げてさす自分だけが知る楽しみなんだとか。

岐阜の傘も色糸を使ってかがることもあるそうですが、

それは赤1色など単色を用いるそうです。


研究会の方々は、本来分業であった幾つもの工程全てを一人一人が身につけようと

技術研鑽に余念がありません。

これから益々技術を磨いていただくことで、

もっと素晴らしい作品、そして商品がこの世に生まれてくることでしょう。

何ともきれいな傘をみていたら、一本誂えたくなりました。

いつか実現したいです。