鏡花水月紀。

日々の言の葉、よしなしごと。

週末は初夏の富山へ。

2008-05-31 | 日々のこと。
先週は所用が重なり、富山の店をお休みした私。
今週末は、ちゃんと行きますよ。
それには色々とお楽しみもありましてね。

まずはおりしも、日枝神社・通称山王さんのお祭りのさなか。
1日には黒の褌姿も凛々しい?男御輿と、お侠な女御輿もでるのだとか。
いつも平日に重なって見ることができなかったので、
今年は初めて目にするチャンス!願わくば雨脚が弱いことを祈って。
界隈には500余りの露店も並び、夜遅くまで開かれて楽しいのですよ。
昨年は青いホタルブクロを買いました。

次にやっぱり、6月1日ということが大事でして。
富山では朔日饅頭(ついたちまんじゅう)といって、
金沢の氷室饅頭(7月1日)に相当する酒麹のお饅頭をいただく日。
オーナーN氏が早起きして買ってきてくれるということなので、
そのお零れに預かる算段です!

それからもう一つ。今週末は第1日曜日だから、
富山の護国神社では青空蚤の市も開かれます。
旧知の骨董屋さんもいらっしゃることだし、
久しぶりにちょっと覗いてこようかなと。

また、空模様と時間しだいですが、
先日お会いした荘川の茅葺き師Sさんが仕事をされている
魚津の現場も伺えたら。

なんだ、また遊んでばっかり…、そんな声がどこかから漏れ聞こえも。
一度しかない今生。そういう貴方も、初夏の富山へいらっしゃいね!


印。

2008-05-30 | 日々のこと。
21世紀美術館が建てられたとき、
街路樹として沿道に植えられていたプラタナスの並木が
ある日根こそぎ無くなりました。
代わりに大きなケヤキが1本植えられましたが、
このケヤキ、土地の祖霊から
プラタナスの哀しみの声を聴いたことでしょう。

そして今、通勤時に通る石川県立美術館前でも
同じことが起きているのでした。
21世紀美術館ができたことで集客が落ちこんだのを立て直すためか、
現在、美術館はバリアフリー化と称してリニューアル工事中。
ついで道路から建物がよく見えるようにするためなのでしょう、
あれよあれよと正面に植えてあった木々が無くなっています。
青いペンキで印をつけられた直径60㌢あまりのこのケヤキも、
まもなく伐られてしまう運命です。
木にとってこの青いペンキは、死刑宣告の印なのでした。

そよそよと風わたる梢の音がどこか寂しく聴こえるのは、
気のせいだけでしょうか。


黄昏放談の「つづく」。

2008-05-28 | 日々のこと。
愛読するHPやブログのなかに、
糸井重里さんとこの『ほぼ日』があり、これをほぼ毎日読みに行ってしまう。

今載っているコンテンツに、
糸井さんと旧知のイラストレーター南伸坊さんとが鎌倉を歩きながら
のびきったゴムのようなゆるゆるな、
どうでもいいような大事なような微妙な話をする「黄昏放談」があり、
それをクスリと笑いながら読んでいる。

4月の末からかれこれ1ヶ月続いて5月26日付で第22回目。
最近その対談よりも気になってしまうのが、
対談の終わりに書かれる「つづく」なのである。
なにが気になるのかといわれると、つづくの変化。
最初はまあ、こんなふうな出だしだったのだ。


  のんびりとつづきます

あたりさわりなく、直球が4回繰りかえされたあとは、


  まだまだ、つづきます

まあこれも普通に3回続いたところで、
さあ、編集さんになぜかしら、エンジンがブルッとかかったもよう~。


  のたり、のたりとつづきます
 
  どんどん、つづきます

ほう、それで。


  そして、つづきます
 
  つづくに決まってます
 
  とか言いつつ続きます
 

ふむ。そして、二人の対談に呆れたのか、


  いつまでつづくのかな

  つづくんですよ

そうか、そうか、続くのか。


  当然、つづきます

そうだよね、続くんだよね。


  つづくと、思ったでしょう

はい、思いました。


  つづきはつづきをつづけていく

やけになった?


  つづく。どこまでも

そうなの?線路かい!


 つづけばいいんじゃないですか

まあ、そうね。


  つづくべきです

そうか、な?


  続かざるをえませんね

あなたも大人になったのね!


  続くがいい

あれ、突き放した?そうきたか。


  俄然、続きます

えらいぞ、態勢、立て直した。


と、こんなふうでね。
つづくの変化球いろいろに突っ込む私がいて。
次はどんな続くがくるのか、
私のお楽しみも続くってわけです。



 



未来を語り紡ぐ人。

2008-05-27 | サワサワ茅葺き
自分の仕事に誇りや愛着をもって未来を語ることができる人って、
この世のなかに今どれだけいるのだろうか。
先週末、仕事で来県されている美山の茅葺き職人・屋根屋さんと
荘川のSさんにお会いして、そんなことを考えてしまった。

10時半にKo市にある屋根屋さんの現場を訪ねたあと、
門前まで茅の引き取りに行くのに同行させていただいた約10時間。
四六時中茅のことを考えている?ということはないだろうけど、
いや考えているのか、お二人は。
Sさんなぞ葺いていると「俺が茅か、茅が俺か」の境地になるらしいのだから。
熱心さに加えてお二人が素晴らしいのは、
先人の仕事やお年寄に自然と敬意をはらえることである。

こんな素晴らしい方々もいらっしゃるかと思えば、
Ha市にある茅葺きを請け負うとある建築業者は、
その村に伝わる葺き方とは違うやり方でおこなうは、
材料費をうかせるために黙って古茅を多く使うは、
その古茅を屋根の一番表に葺いてみたりするというから驚きである。
そのため葺き替えて一年足らずで雨漏りが発生という、
信じられない事が起こっている。
全てはその業者の金沢弁でいう「欲たましい」せいである。

茅は育つ環境ごとその性格が異なるし、
同じ茅場でも穂先の細いのやらたっぷりしたのやら、
丈がすらりとしていたり、短かったりと一様ではない。
そんな数多のことを経験値で見抜いて計りながら、
屋根屋さんたちは茅を葺いていっている。
それなのに屋根屋さんの葺き替え現場のあるKo市のお役人殿は、
何を思ったか瓦職人を行かせるので、
茅葺きを教えてくれとのたまったそうだ。
まったく想像力のないことを(苦笑)。
茅を知らない人、経験値の積み重ねがない人に、
いったいどんな茅葺き屋根を葺かせようというのだろう。
どうか、そのナンセンスさに早く気付いてほしいものである。

今、密かに思うのは、屋根屋さんやSさんのような方々の力をお借りして、
おかしな業者とは一線を引いた次元で、
Ha市のとある村で「茅葺きルネッサンス」をである。
茅場を育て、代々の先祖が営んできた暮しに根付いた茅葺きの現在を紡ぐのである。

日曜日、本当は自分の七夕セミナーについての打ち合わせだったのだが、
もう一つ大切な話がと切り出したら、
こちらのほうが多いに盛りあがってしまった。

私も未来を語り紡ぐ人に、少しは近づけるだろうか。

もう少し、伴走を。

2008-05-23 | 日々のこと。
ボロにもほどがあると思いながらも、
city fit乗り続けてかれこれ8年。
買った当初、走行距離は3万8千キロ。
今はとうとう10万キロを超えてしまいました。

だんだんとあちこちに不具合が出始め、
4月にはパワステのオイル漏れがあり、
そして1週間前の土曜にはラジエーターの冷却水漏れがおこりました。

それは富山の店に向かうために旧市内を迂回する形で走る山側環状線にのり、
家から2キロほど走ったあたりのことでした。
ふと目にした水温計の針にギョッとしました。
針がなんと右、Hに振り切れているのです!!

単に水温計が壊れたのか、それともラジエーターが壊れたのか。
騙し騙し家に引き返し、自分の駐車スペースをみて、愕然。
明らかにパワステのオイル漏れとちがう位置に、
緑がかった大きな染みがありました。

PCで色々と調べたあと、
いつもお世話になっている近所のGSで見てもらったところ、
ラジエーター本体から水がじゃーじゃー漏れてしまう状態だといわれ、
週末には遠出する約束もあり、直してもらうことにしました。

そうして昨日。ようやく直ってきました。
エンジンへの影響もなく良かった。
しかしながら中古のラジエーターでも高いのですねぇ、
予想の倍近い出費になりました。

今度また何か不具合がおきたら、
乗り換えを真剣に考えなくちゃいけない時だと思うのですが、
この車とは一人になってから苦楽を共にしてきたまさに相棒だけに、
なかなか、乗り換える踏ん切りがつかないのです。
たぶん私が手放したら、廃車になってしまう運命。
でも安全に代わるものはない。

お願い、もう少し元気で、
まだ一緒に私と共に走っておくれよね。





あなたは源氏物語の誰?

2008-05-17 | かたかごの会。
文献で源氏物語を確認できるのが西暦1008年だそうで、
今年はそれで源氏物語千年紀だとか。

京都ではさまざまな催しや便乗商品が企画されているようで、
金沢でも6月21日(土)15時から「げいのう万華鏡ー源氏物語千年紀」という
邦楽の催しが行われます。

かたかごの会でも、参加者を募ってこの催しを楽しもうと思っています。
せっかくなら源氏物語にちなんだキモノコードを設け、
源氏香、源氏車、あるいは54帖にちなむなど、遊べたらなお面白いかな。

さてそうは言ったものの、どうしようかなとヒント探しにwebを見ていたら、
源氏物語占いなるものを発見。
源氏物語に登場する姫君に仮託して、その恋の本質を占うそうな。

本来の目的を忘れ、さっそくやってみると私は「藤壺」。
藤壺といえば源氏の義理の母でありながら、
子供をなしてしまったのでしたよね、ふ~む。
そうですか。
源氏のプレーボーイ遍歴のきっかけを作ってしまった人ですか、私は。ニマ!

皆さんもやってみて、誰になったかご報告くださいね。

え~でも。恥かしながら…。
実は源氏物語をきちんと読んだことがありません。
千年も読みつがれてきたラヴストーリ。
今年はこの機会にぜひ読んでみよう。





日本伝統工芸染織展へ。

2008-05-16 | 日々のこと。
仕事帰り「日本伝統工芸染織展」の巡回展へ寄ってきました。
今年も、やっぱりよかったです!

重要無形文化財保持者の平良敏子さんの芭蕉布、
玉那覇有公さんの紅型をはじめ、
八重山上布、越後上布、読谷村花織、しじら織、久留米絣、江戸小紋・…。
全国各地で日々創作されている染め織りを堪能してきました。

「一枚の布には山河がしまいこまれている」

これは立松和平著『きもの紀行』の帯にあったコピーです。
山河には人があり暮しがある。
この染織展ではそれぞれの風土とそこに生きる人、
作り手一人一人の精神の豊かさを感じとることができるから、
たぶん、私は毎年行ってしまうのです。

北陸からは石川の二塚長生さん、毎田健治さんらの加賀友禅、
そして木場紀子さんの紬、東和子さんの組紐があり、
木場さんは奨励賞を受賞されていました。
また富山の山下郁子さんの紬も。
個人的に気にいったのは愛知の永田敏美さんの紬「朧」。

絹紙布という織物がありどういう織なのか、
ちょうど会場にいらしゃった二塚さんにお話を伺うこともできました。

作品は販売もしているそうで、
お聞きしたところでは平良さんの着尺が二百万円ということ。
(ご本人にはきっとそこまで頂いてはおりません)
芭蕉の皮をはぎ繊維を取りだし績んで紡いで織る・…。
気の遠くなるこれらの作業をどういう思いでなさるのか。
崇高な魂が宿っているように思います。

特に沖縄の布たちは、澤地久枝さんの「琉球布紀行」を読んで以来、
かつての作り手が辿ってきた苛烈な生に思いが馳せられ、
いっそう愛おしく感じます。

お近くの方、ぜひご覧ください。
今月20日(火)まで香林坊大和8階にて開催しています。

見まわりの楽しみ。

2008-05-12 | 日々のこと。
店の前庭、裏庭はオーナーN氏の丹誠のおかげで花盛り。
たまに私も草むしりをしたりしていますが、
関心はもっぱら実のなる木♪

苺、マルベリー、スグリは順調に花が咲き、
白無花果もそのうち実が出てくるはず。
葡萄も既に小さな房をつけだしたので、
やがてこれも花を咲かせたのち、実を結んでくれるはず。

嬉々として実のなる木々を順番に見ていると
「まったく、無花果を狙うウソ鳥と変わらんなぁ」とぼやくN氏。

ふふふ、今ごろ気がつきましたか?
花より団子な人ってことに。




旧暦の七夕に。

2008-05-08 | 月と旧暦と。
端午の節句がおわったばかりなのに、
もう七夕? なんていわないでね。

白山セミナーハウス望岳苑にて、
石川自然学校の1コマとして行わせて頂いている室礼セミナー。
これまでに3回、月をテーマに行ってきましたが、
今年は七夕をテーマに、旧暦の七夕8月7・8日に行う運びなのです。

今年の1月には既に決まっていたことなのですが、
まだまだ先とのんびり構えておりました。
住まい近くにある竹藪の筍が、
焦げ茶の皮を青い肌にまとわり残しながら、
すくすくと竹に育っていくのをみて、
いくらなんでも、もう、考えないと・…と。

私のセミナーに『 七夕に遊ぶ 棚機姫と織りの里 』と
素敵なタイトルをつけてくださった望岳苑のSさん。
きっとやきもきしていらっしゃったことでしょう。
性根をいれて進めていきますから、どうぞ安心してください。

白山麓では牛首紬という紬が織られていますので、
機織などの技芸上達を祈る七夕の室礼が、この土地にぴったりです。
一日目はレクチャーのあと各自のお部屋をそれぞれ室礼。
七夕に因んだ夕食のあとは星空観察。
満天の星に浮かぶ天の川と織姫とひこ星を仰ぎます。
そして、翌日は白峰散策と牛首紬の工房で機織体験などなど。
楽しいセミナーになると思います。

参加申込みは、実施の一ヶ月前から望岳苑にて受付ます。
お時間のある方、旧暦の七夕をご一緒しましょう。