鏡花水月紀。

日々の言の葉、よしなしごと。

フェルメール~畳世~トネリコ~宇吉堂行脚。

2008-04-29 | 日々のこと。
年が明けてから、土日の殆どを富山の店で過ごしていました。
その反動で日曜も、また金沢の繁華街へ出かけてしまいました。


まずは池田町のギャラリートネリコで開催されていた、
色鉛筆画家カメリア-ノ・ミツルさんの個展を目指しました。
が・・・・、日曜日は12時半からオープンでいきなり出鼻をくじかれます…。

気をとり直してすぐ近くの新竪町へ向かいました。

ヨーロッパのアンティークを扱うフェルメール。
年に数回異国へ仕入れにも出かけられて、面白いものがあるお店です。
今日は入らないでいこうと思っていたのだけど、
オーナーS氏に見つかってしまい、しばし店内へ(苦笑)。
思えばもう10年、S氏もこの街でよく頑張ってます!
欲しいものがあったけど今日は我慢です。
すみませ~ん、また来ますと言って、
3月中頃に開店したばかりの茶室カフェ「畳世」さんへ向かいました。

開店時間を15分ばかり過ぎているのですが、暖簾がでていません。
おそるおそる戸をあけ声をかけると、
白い割烹着、真っ黒い指先の女性がどうぞ~と。女将のKさんでした。
聞けばお一人でやっているとのこと!
指を真っ黒にしていたのは黒胡麻ワラビ餅を作っている最中だったのだとか。
開店が遅れて…と恐縮されていらっしゃいましたが、なんの。
私なんかお店でお昼寝しているところを、お客様にみられたことも……!
女将の作った抹茶プリンと梅の香りがするほうじ茶を頂きながら、
楽しくお話させていただきました。
また近々伺いたいなと思いました。

畳世のあと一等最初の目的地、トネリコへ再び向かいました。
芳名帳にサインをしていると、ちょうどカメリア-ノさんがやってきました!
「やあ、お久しぶり~」とご挨拶。昨年の腹痛騒動以来です。
金沢の風光を描いた風景画は、いつも見なれた町の景色が
全く別物になって迫ってきて新鮮。
衝動画と題した肖像画でどれもみな笑顔、
絵のもつ明るい色彩とパワーが会場じゅうに弾けとんでいました。
携帯プラネタリウムのヒゲキタさんなど来客が増えてきましたので、
カメリアーノさんのパートナー宇企子さんが営む
絵本とせっけんの店・宇吉堂へ向かいました。

こちらは寺町の奥まった小路にある古いお宅がお店です。
こんにちは~と声をかけると簾ごしに「あらKさ~ん」と宇企子さんの声。
宇吉堂には看板犬fefeがいましたが、3月に19年の命をまっとうしました。
奥の部屋の奥の間ギャラリーに、fefeの在りし日の絵や写真があり、
その中にfefeの最期、まるで子犬のような顔をして天に召された写真をみて、
落涙してしまいました。
fefeの子犬時代の写真をみせてもらったり、
宇企子さんに海に入れられてから海が嫌いになった話など、
fefeとの思い出を少しわけてもらい、心にしまって帰りました。


この二日よく遊び、よく人にお会いした二日間でした。
大満足。出会った皆さま、ありがとう。





ル・マルス!

2008-04-29 | 日々のこと。
乙女(だったこともあった)二人の、大聖寺まったり旅。
余韻にひたりながら金沢に戻ったところへ、
うちのオーナーN氏が合流…。
文緒さんが美味しいとお勧めのお店を目指して、
夜の香林坊へ向かいました。

目指すお店は開店までまだ時間があったので、
大聖寺で漆芸作家のK氏が「今、いい物件があるんだよ」と教えてくれた、
味わいある元小料理屋の建物探し。

あった、あった。
いいです、とっても。
外壁に弁柄なんて。なんて、なんて、粋な家。
文緒さんと二人、誇大妄想に囚われ、
買えもしないその家を写真にもおさめて、にんまりとしてしまいました。
もし借家なら!う~ん、借りれるなら借りたいものです。
そうして、あんなこと、こんなことを。

さて妄想している間にお勧めの店「ル・マルス」が開店。
フランス、ハンガリーなどの料理がベースになっている欧風食堂。
これが久々の大ヒットでした。
先週は二日続けて宴席が続いていましたが、
一軒はなんちゃって料理でもう絶対行かないでしょう…、
二軒は美味しく安心して食べられるけど、驚きがない。
そしてこのマルスは・・・、ああ、また行きたい!

そう思わせたのは既に予約で満席のところ、
フリーの私たちを心よく迎えいれてくれた接客、
そしてお料理の味と仕事ぶりに魅せられました!

単品で頼んだオーダーは、以下の通り。
他の二人がお腹いっぱいというので、頼んだものはやや少なめです。

 前菜(豚の頬肉のテリーヌ、イベリコ豚チョリソー、自家製ハム、ピクルス他など)
 チーズとドライフルーツ盛合
 ガーリックトースト
 トマトのサラダ
 桜鯛とハマグリの蒸し物
 デザート盛合(ガトーバスク、木苺シャーベット、ガト-ショコラ、クリームブリュレ)

ああ、美味しかった。プロの確かな味と接客に大満足。
それで、お値段も上の単品にドリンク3種を加えても1万円を切っていましたから、
この味でそのお値段でよいの?と驚きました。

「ル・マルス」
日本銀行裏の細い路地にあります。
金沢の人には、ジャズバーYORKの隣といえばわかりいいでしょうか。
今度はきちんと予約して行きたいお店です。

「やもり市」へ出かけてきました。

2008-04-29 | 日々のこと。
四高茶房のはずれが当たりましたので(苦笑)、
土曜日26日に加賀市大聖寺で開かれていた「やもり市」へ、
文緒さんと出かけてきました。

指定の駐車場から歩いて7分ほどの住宅街に、
やもり市の会場「旧中木家」がありました。
家守クラブのマスコットやもりもんが描かれた白いのれんに誘われ玄関に入ると、
玄関には50足以上の靴が並び、会場は入れ替わり立ち替わりの大賑わい。
会場には加賀の観光文化を発信する情報誌「加賀日和」を
出版していらっしゃるTさんもおいでてご挨拶。
お元気にご活躍でよかったと安心しました。



染織の小物、木製品、東京あたりで流行ったシャビー系の古道具の展示をみたあと、
(正確には買物もしたあと)、
へしこ入りのお握りとお惣菜を買って奥のお座敷へ行きました。
座敷の先には新緑と苔の緑が鮮やかな庭。
風と光の戯れる庭を眺めながら
ごはんやお菓子を食べ思い思いに過ごしているのだけど、
この古い家に流れる時が皆に一体感を授けてくれて、
心地よい波動で充たされていました。

漆芸作家のkさんや建築家のKご夫妻にも会場でお会いでき、
気がつけば2時間あまりも、やもり家でまったり。
ほんとのやもりもんになりかけましたので、
大聖寺の街中をぶらぶら散歩に出かけました。

小さくとも、錆びれていても、旧のご城下。
お屋敷街と町家に区画された町は歩いていてもあきません。
街のそこここに風情のある建物が未だ点在し、
現役のお店もあればギャラリーとして再生され、町の新たな顔にもなっています。
旧大聖寺川近くのアトリエ理も大正時代に建てられた町屋を再生したもので、
庭園を眺めながらアンティーク着物を手にとることができます。
写真は前庭での文緒さん。牡丹のお花と競演?



やもり市の楽しい様子はTさんの「加賀日和」HPでお楽しみ頂けます。
やもり市は次回もあるそうですから、とても楽しみ。
今回行けなかった方は、次はぜひお出かけください。

あなたが・・・・。

2008-04-23 | 日々のこと。
26日土曜日、明治時代の面影を残す赤煉瓦の建物・石川近代文学館が、
石川四高記念文化交流館としてリニューアルオープンします。
四高とはナンバースクールと呼ばれた旧制高等中学校で、
金沢には第四高等学校が設けられ、鈴木大拙、西田幾多郎(中退)、
杉森久英、井上靖、高橋治などがこの学び舎で学問を修めました。

さてそのリニューアルオープンイベント「四高茶房」に応募した、友人の文緒さん。
応募者多数の場合は抽選になるということで、今か今かとその返信を待っていました。
かくいう私も同伴する予定だったので、心待ちにしていました。

そうしてやっと文緒さんに届いた返信葉書にあった文面は、
『---厳正なる抽選の結果、あなたが落選しました。』

「あなたがって何?」と、受取った文緒さんは、いたく憤慨したそうで、
知らされた私も、そう思いました。
が、ある意味、主催がHK新聞ということで妙に納得も……。
この文面はおそらく《当選》のところを《落選》にただ訂正して送っただけの、
仕事ならぬ死事の産物なのでしょう。

「厳正なる抽選の結果、残念ながらあなたさまは落選しました」なら、
残念ながらというクッション言葉も入って、
受取った人も、あら、はずれたのねという残念感だけですんだはず。

手間隙惜しんでの心ないシゴトでは、錚錚たる四高の卒業生たちも泣きます。
やっぱりどこかイタ~イ、HK新聞です。




第一回 やもり市。

2008-04-19 | 日々のこと。
来週末、4月26・27日に加賀市大聖寺の旧中木家(登録有形文化財)で、
「第一回 やもり市」が開かれます。

やもり=家守で、家守クラブさんが中心になって、
この町家をベースに人の和が生まれる活動をしており、
晴れて来週末にやもり市の開催になったそうです。

二日間とも、緑草文庫(福井市にある珈琲がいただける図書館!)の飲み物、
工人のフランス菓子を味わえるカフェや、
南加賀で活躍する作家さんの品が並ぶやもりショップ、
みつろうで作る蝋燭、そして町家でなぜだかフラダンスなどの
ワークショップもあったりで、
心地よい時間が流れていそうです。

で・・・・。
来週末は店を休んで、遊びにいくことにしました。
やもり市のあとは九谷焼美術館へ、
それで縞の着物でも着て出かけようかな~と思い巡らしています。


ただ今、春の増量中。

2008-04-18 | 日々のこと。
なにかのキャンペーンのようでありますが、
ちがいます。

わたくしめの体重でございます……。
いつもは冬に太るのに、今年はなぜか春。

そういえば三月の終わりから退職する人の送別会にはじまり、
歓迎会、花見と外食が続きました。
来週もまた事務所の方々と会食、
そして75歳の誕生日を迎えることができた母の誕生会、
石川近代文学館のリニューアルオープン記念の四高茶屋にも行く予定。

これから薄着の季節というのに、まだまだ増量しそうな予感なのでした。

またまた、やっぱり、花より団子。

2008-04-13 | かたかごの会。
「かたかごの会」で久しぶりにぶらり着物散歩をしてきました。

富山市中心街を流れる松川では遊覧船にのってお花見。
富山在住の方々でも遊覧船に乗るのは初めてという方が殆どでしたので、
楽しんで頂けたようす。
良かった~。

お昼は、やはり、花より団子になりました。
男性陣の呆れ顔を尻目に、女性陣はデザートをお代わりして
きっちり頂いてしまいました♪

皆さんの着物姿は[かたかご屋通信]にアップ。
身長150㌢前半の小柄な方ばかりのなか、
163㌢ある私が並んで写ると、草履の高さもプラスされ、
抜きんでて・・・・・・。
こんな時、もうちょっと小柄だと良かったなと
小柄な人に憧れます。

次回のかたかごの会、何にしましょうかね。
またのお楽しみを考える楽しみ。



春宵。

2008-04-11 | 日々のこと。
週末、東山界隈を中心に「浅の川園遊会」が開かれます。
花冷えのおかげで花はなんとかもち応えそうです。

土曜日の宵祭りには、今年で4年くらいになるのでしょうか、
越中おわら保存会の皆さんによる町流しも披露され、
艶やかな花街にいっそうの風情が醸されます。

春宵。
いい時分になりました。




誰のうえにも。

2008-04-07 | 日々のこと。
あと何回、春を迎えて花を仰ぐことができるのかなぁなんて思う。

去年はくだんの腹痛でこれが最後の見納めかと思いこみ、
道ですれ違うお年寄の長生きすらを妬み、
死を前にした人の苦い気持ちを味わっていました。
まだやりたいことが沢山あったのに、なんて時間の無駄をしてきたのだ、
そんなことも思ったりしましたっけ。

昨日はあまりに暖かな日和で、
それが永久に続くかのように、思い違いしそうになりました。
案外、生もそれに似ているかもしれません。

白い可憐な花は花わさび。
数年前の春、茎と花をかき揚げにして食べたあと、
残った根を植えておいたら根ついたもの。
イノチ連綿、花を咲かせました。