鏡花水月紀。

日々の言の葉、よしなしごと。

金沢でも茅刈り@金沢湯涌茅場。

2010-11-28 | サワサワ茅葺き
茅刈りシーズン、到来!
葉が枯れ茎がすっくとなる初冬から春までが
茅刈りシーズンです。
北陸は雪が降る前までが勝負なのです。

きたる12月5日(日)、
ふるさと文化財の森「金沢湯涌茅場」で茅刈りが行われます(小雨決行)。
午前8時半に湯涌みどりの里前に集合。

防寒具、飲食を各自ご用意して参集のこと。
鎌もあればお持ちください。

ここで刈った茅は、
金沢湯涌江戸村の美しい茅葺き民家の屋根にも役立ちます。

茅刈りで良い汗かいたあと、
湯涌の総湯でひと風呂浴びるのもお楽しみ。

皆さんのご参加お待ちしています。

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ふるさと文化財の森
「金沢湯涌茅場」の茅刈り

日 時 12月5日(日)午前8時半 
集 合 湯涌みどりの里前に集合
    小雨決行
持 物 防寒具、飲食、鎌、軍手など
主 催 NPO法人石川県茅葺き文化研究会

湯涌みどりの里はこちら。


珈琲タイム。

2010-11-24 | 日々のこと。
11月20日、21日は世界遺産の合掌集落がある
南砺市菅沼でおこなわれた「茅葺き体験ワークショップ」へ行ってきました。
全国各地から参加した方々と知りあえ、
ひとつまた視野が広がる良い時間を過ごさせていただきました。

今夜はもう遅いので、
ワークショップの帰り道に寄った
樫の珈琲とチョコレートケーキをご覧頂くだけに。

ではではまたレポートは後ほど。


KOBE MEETS KAYABUKI 番外編。

2010-11-23 | サワサワ茅葺き
箱木家へ行く途中、ちょうど7日の午前に竣工したばかりという神戸市北区山田のH邸に
shiozawaさんが寄り道してくださいました。

この夏の猛暑の中進められお仕事で、
皆さん、さぞかし大変だったことと思います。

その御苦労もあって、美しいですね~。
神戸の屋根は破風の上に飾りをつけることが多いそうで、
このお宅にも竹節を埋め込んで飾ってあります。



ところでこのお宅のすぐ近くには古い神社があり、
気になって調べると室町くらいに遡れる創建。
木彫りの狛犬ももっと良く見てくれば良かったとあとで反省。

神社の隣に建つ薬師堂の前には蓮座のある古い型の宝筺印塔があって、
そばで畑仕事をしていた方にあれこれお尋ねするもよくわからず終い。



そのうち、持っていくか~とムラサキイモを頂きました。
いいお人だ。
六甲を超えた田園、ここも確かに神戸です。


KOBE MEETS KAYABUKI.

2010-11-20 | サワサワ茅葺き
11月、神戸市北区は「茅葺き屋根にふれあう月間」として毎週末催しを行っています。
神戸に茅葺き?と驚かれるかもしれませんが、北区には田園に茅葺屋根という景観が広がっています。もう半月前にもなってしまいましたが、さる11月7日(土)に、そのオープニングを飾る「箱木千年家ライブコンサート 千の時、千の響」が行われ行ってきました。



ところでこの箱木家があるのは、新神戸トンネルを抜けた六甲山の北側。行こうと決めたまではよかったけれども、土地勘がない私はさてどうやってたどり着こうかと地図を眺めること数十分。ついついtwitterで呟いてしまったところ、ありがたいことに茅葺屋のshiozawaさんが救いの手を差しのべてくださり、古民家族の可愛い学生さんとともに箱木家へ行くことができました。その節は大変お世話になりました。


箱木家は室町時代に建てられた、日本最古の茅葺き民家(国の重文指定)。
千年家とは古い昔のというような意味で、昭和57年にダム建設のために数十メートル高い場所へ解体移築され、その時の調査で建築された時代が判明したそうです。江戸時代の文献にも千年家として既にのっており、神戸の茅葺き民家の象徴ともいえます。
この家の最大の特徴は大壁造りにあるとshiozawaさんに教わりました。軒も深く頭を下げて入ると包み込まれるような感覚。柱や床板は手斧(ちょうな)ではつられていて、プリミティブな空気を感じました。


今回、北区とともにここで開かれるライブコンサートを主催したのが、shiozawaさんの弟子でもあり、淡河かやぶき屋根保存会くさかんむり代表でもあるsagaraさんでした。
sagaraさんと初めてお会いしたのは三年半ほど前で、飛騨かやぶきさんのお仕事で親方のshiozawaさんと小松市に仕事で来ていらっしゃったときになるでしょうか。
茅文研のSさんと現場へお邪魔した際、かわむらの甘納豆の詰めあわせを手土産にもっていったところ、中に一つだけ入っていた丹波栗の甘納豆を親方とうばいあっていたことを、微笑ましく思いだします。ふふ。


「日本中で一番この家を好きなのは僕です」というくらい、sagaraさんは箱木家のもつ密度、空間が好きなのだとか。それはまだ茅のかの字も知らない、そして将来、茅葺職人になるとはツユとも思ってもいない十年以上も前からのことで、友人とよく訪れていたそうです。そのなかでこの家を訪れるたびに感じていたのが、哀しさだったと言い、もう民家として人が暮らすことがない箱木家を、いつか囲炉裏の火にかわるあたたかな温もりで満たすことができたら・・・・という思いを抱き続けてきたのでした。
そんな十年ごしの箱木家への熱い思いが叶った日が、実は茅葺き屋根にふれあう月間の幕開け、このライブコンサートの日でもあったのです。
だとしたら、これはもういかなきゃでしょ?


コンサートが始まる前、現在もこの家の管理をされていらっしゃる箱木家52代ご当主からのご挨拶があり、箱木さんもとても喜んでいらっしゃるご様子が伝わってきました。
やがて黄昏どきの淡い光に包まれるころ、西アフリカの民族音楽をベースにしたバチコンドーの歌と踊りでライブ第1部の幕があきました。



それは千年家の哀しみを霧散させ、歓喜の産声をあげさせるに相応しい明るく晴れやかなもので、会場も交えたダンスパフォーマンスには、山城茅葺の山田さん、sagaraさんとチャイ屋のアサやんさんも舞台に誘われ(無理矢理?)、会場をわかせてくれました。



会場が一つになったその後は、slow caféの皆さんの歌声が暮れなずむ夕空とともに聴衆を柔かく包みこんでくれ、そうかと思うと一転、ドラム集団イ―リャ・ダスタルーカスが再び強烈なリズムを轟かす。その響きは千年家の目覚めあたりに知らしめるようでもありました。


すっかり日も暮れ、空には一番星もまたたいての幕間。
可愛くもあり逞しくもある古民家族さんたちのお給仕で、美味しいおにぎりとお味噌汁をいただきながら、地区にお住まいの方々と言葉を交わしていると「箱木家があるのは知っていたけど、こんなに古く由緒あるものとは思わなかった」「若い茅葺き職人さんが活躍されて嬉しいね」。そんなお声も聴きました。



厚い茅葺き屋根と土壁に覆われた箱木家のなかはとても静かです。
居間の床板は手斧ではつられた跡がゆるやかに波うつ湖面のように、ひとつひとつに光がやどっていました。その波間にたゆたうようにはらりと敷かれた異国の布。シンガーむぎさんが座り、ライブ第2部が千年家の居間で始まりました。
ほんの二ケ月前に母となったむぎさんの歌声は、胎内のなかで聴いた子守唄の調べ。人も家も魂の奥底にしみいる母の声に癒されているようでもありました。



むぎさんの歌声の余韻がのこるなか、ライブのフィナーレを飾ったのは、ほかでもないsagaraさん。
かつて家族がかこんだ囲炉裏に火をくべるように、音をくべたいとハン(円盤型のスイスの楽器)を手に、祈るように、確かめるように、対話するように、想いをこめて、静かにそれでいて力強く奏でられていきました。捧げられた音の花束は、一輪、一輪、聞く人の心の中にも舞いおり、そして確かにその音にこめられた思いを、箱木千年家は聴き届けていました。




この日のライブには150人くらいの人々が集いました。
これをきっかけに、茅や茅葺きに関心をもっていただき、
茅を巡る文化、環境、景観、
ハッピーでピースな草のリズムがもっともっと広がっていきますようにと、
夜空にこだまする音とともに願ったのでした。


sagaraさんのブログ〔くさかんむり〕


「街でも茅葺き、誰でも茅葺き」見学会+体験会@神戸 のご案内。

2010-11-19 | サワサワ茅葺き
日ごろ茅葺のことを学ばせていただいている茅葺屋shiozawaさんのワークショップ
『街でも茅葺き 誰でも茅葺き』が12月5日(日)に行われます。
また前日の4日(土)には神戸市北区の茅葺き屋根とふれあう月間内の催し、
「茅刈り@花山中尾台-住宅地の道路法面で、茅に触れてみる(無料)」も行われます。
4日に茅刈り、5日に茅葺きと流れをもって茅にふれることができる絶好の機会。
お近くの方、ご参加しませんか。

詳細はこちら 茅葺職人のブログ2


茅葺きというと昔話の世界、あるいは文化遺産のように思われるかもしれません。
私が茅に惹かれたきっかけは、
約4年前の石川県茅葺文化研究会の悉皆調査に関わったことにはじまります。
その調査のなかで茅葺き屋根に美しさを感じたこと、
茅葺き屋根にはその家に暮らした家族の物語が脈々と息づいていたこと、
そして茅や茅葺きに関わる方々の熱心な思いにふれたことで、
ますます今も心ひかれています。

茅(ススキやヨシなど)は屋根材として加工されるときも、
化学物質をだしません。
屋根材として葺かれその寿命が尽きたあとも、
茅は田畑の肥料になり建築廃材にはなりません。
自然環境としての茅もあれば、建築材としての茅もあり、
その間口は広く、そして奥深い。

先日、関西のラジオ番組で茅葺屋さんがお話しされていたなかに
「みんなの茅葺き」という言葉がありました。
毎年、人が屋根に使う茅を刈ることで、茅場には日があたり植物が増え、
そこに暮らす虫や生き物の命もはぐくみ、地域の自然を守ることにもなる。
茅を刈るのに人が集まり、屋根を葺くのにもまた人が集まり、
交流も生まれる。

みんなの茅葺きのみんなとは人でもあり、生き物であり、植物でもあり、
そういう意味で誰かの屋根ではなく、それは『みんなの』茅葺き屋根なのです。

茅葺屋根は生命をはらみ、包みこむエナ。
茅をめぐる人の和、環境の輪、大きな環を皆さんで結んで大きく――ー。

茅がソヨソヨ、皆さんを誘っています。



「聖夜のためのテーブルコーディネート」のお知らせ

2010-11-17 | イベント、お知らせ。
今春から開校したフェリシモしあわせの学校金沢分校の
年内さいごのワークショップをお知らせします。

私をふくめ金沢分校の講師が
明治時代の赤レンガも美しい石川四高記念文化交流館で、
クリスマスにむけた楽しいワークショップを行います。

○チーズで楽しむクリスマス(村中美恵)
○北欧クリスマスの美しい手仕事(みわとしこ)
○ホワイトクリスマスのための珠洲焼きスノウマン(山田睦美×高森絢子)

そして私が行うのは「聖夜のためのテーブルコーディネート」。
実はターシャ・テューダーさんの暮らしが憧れ。
ターシャおばあちゃんの「楽しみはつくりだせるもの」を合言葉に、
ご自宅でのクリスマスをより素敵にお過ごしいただければと思っています。

お誘いあわせ、皆さまのご参加お待ちしています。

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聖夜のためのテーブルコーディネート
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ターシャ・テューダーほかの本をご紹介しながら、
ナプキンの変わり折やミニフラワーアレンジで
家族で過ごす聖夜をよりセンスアップ。
ワークショップのあとはコーディネートしたテーブルで、
クリスマスにちなんだ焼き菓子でささやかなティータイムを楽しみます。

★と き 12/5(日)
午前の部 10:00~11:30 
午後の部 13:00~14:30
★ところ  石川四高記念文化交流館1階多目的利用室
★定 員  各8名(午前の部・午後の部)
★受講料  1,000円 材料費1800円

お申し込み、詳細は、フェリシモしあわせの学校HPからお願いいたします。
フェリシモしあわせの学校HP

クリスマス・ピックヨウル フェリシモしあわせの学校文化祭 in金沢

2010-11-10 | イベント、お知らせ。
新月とともに冬へと季節がきっぱり変わった金沢。
けれども寒さと共にやってくる楽しみも沢山あります!

そのひとつが早速11月14日日曜日に。
かなざわものづくり会館にてクリスマス・ピックヨウルが行われます。
ピックヨウルとはフィンランドで行われるクリスマス前のパーティのこと。
フェリシモしあわせの学校文化祭として、行われます。
フィンランドといえば、そう、みわとしこさんのTONTTUも大活躍です。
私はボランティアスタッフとして、会場で売り子になっています。

ぜひ、日曜日はかなざわものづくり会館へお出かけくださいね!
クリスマスに関連するワークショップ、限定商品の販売のほか、
スタウファー伯爵夫人のクリスマスコレクション特別展示や
育脳メソッドで知られる林成之さんのDVD上映も行われます。

詳しくはこちらへ。
クリスマス・ピックヨウル
土曜日のHK新聞朝刊折り込みにも案内が入るようですから、
チェックをお忘れなく。

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明日から土曜日まで3日間、
表稼業で四国松山へ行ってきます。
ごきげんよう。

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先週末は神戸六甲の北「箱木千年家」で心踊る体験をしたり、
妄想本のお付き合いを茅葺屋さんにしていただいたり、
濃い時間を過ごさせていただきました。
大変お世話になりました。多謝。
後日それらはゆっくり、ご報告します。
むぎさんのCDを聴きながら。


佐野さん。ありがとう・・・。

2010-11-06 | 日々のこと。
大好きで大切な絵本を書いてくれていた佐野洋子さん。
昨日、訃報を知りました。

私がもっている「100万回生きたねこ」は、
10代の終わりか20代の初めに買ったもの。、
金沢→名古屋→浜松→金沢市有松→金沢市山科→金沢市伏見新→金沢市大野と
引越を重ねてきた間もずっと一緒で、
たぶんこれからもずっと一緒で。

大切なことを教えてくださった佐野さん、
ありがとう。

お醤油の元。

2010-11-05 | 台所と酵母くん。
10月17日におこなった「マイ醤油づくり」のその後。
茹でた大豆、炒った小麦に塩水、そして麹菌が入ってぶくぶく。

まだ大きな変化はありませんけれども、
暖かい日には蓋がほんの少し持ち上がっていて、
この中で麹菌が生きて働いていることを実感します。
約10ヶ月後、来年の9月の終わりごろには全てが溶け合い、
もろみに変身しているはず。
そうしたら一晩かけてフィルターで濾して、
マイ醤油がようやく完成です。

まだまだ道のりは先ですが、参加された皆さんで集まって、
聞き醤油もまた楽しいかなと考えています。


KIYATAワークショップ@こうさく舎くりくほ

2010-11-05 | 日々のこと。
3日の夕方、今月14日まで「KIYATA」の個展が開かれている
こうさく舎くりくほさんへ出かけてきました。
お目当てはKIYATAの若野(もしの)さんと奥様YUKAさんによる、
最初で最後になるやもしれないワークショップ。
参加した回には先日のマイ醤油作りにご参加いただいた
風花舎さんの風花さん、そのお友達のTさん、
同じくお茶時間にご参加いただいたのぅもりぃさんともご一緒になりました。

ワークショップはあらかじめ若野さんが荒彫してくださった、
小鳥、お月さま、栗鼠のなかかから好きなものを選んでネックレスにします。
私は栗鼠を選びました。最初はこんな感じ。
このままでも良いと思いましたが彩色するとムラになり、
仕上がりが美しくないそうで、若野さんの指導のもと磨く。

サンドペーパーの粗目でまずは磨きはじめ、
徐々に細かい砂目のものにかえ③段階でツルツルに仕上げていきます。

若野さんに時折チェック頂きながら磨きのOKサインがでたら、
パーツ選んで彩色。
パーツ選びにも色選びにも、嬉しく迷い、時間がかかってしまう。

そしてあとは革ひもに通し、出来上がり。

同じ栗鼠でもパーツが違うと雰囲気も全く変わって面白い。
それぞれにいい味でしょ。

ワークショップのあとはKIYATAさんを囲んで、
お待ちかねのお鍋大会。
くりくほさんで取り扱っている陶芸家たちのお皿のオンパレードで、
うつわ好きにはたまらない夕餉になりました。
集まった方々のなかに長らくぶりに会う知己の姿を見つけたり、
一度お会いしたかった方にもお会いでき、
佳い時間を過ごすことができました。

KIYATAさん、そしてくりくほさん、ご一緒していただいた皆様、
ありがとうございました。