先日のこと。
お世話もあってこそなのだが、
カンカン照りのなかでも作物はよく育つのか、
今年もくろひょうさんが父上の家庭菜園で実った野菜を
どっさり届けてくださった。
トマト、プチトマト、ピーマン、ナス、キュウリ、ジャガイモ、玉ねぎ。
予想を遥かに超える量に、さて何を作ろうかと目まぐるしく頭をめぐらす。
まずはプチトマトをドライトマトにしようと思い立ち、
時々プチトマトをポイポイ口に放り込みながらプチトマトを半分に切り、
笊に並べて軽く塩をふり前庭にだす。
さて、それでは次にラタトゥイユをと思い、
ナス、玉ねぎ、ピーマン、トマトを刻み鍋いっぱいに詰め、
クローブとローズマリーを香りづけにいれてあとは蒸し煮。
キュウリの酢漬けも作っておくか・・・。
これは高田郁さんの『みをつくし料理帖』に出てくる「忍び瓜」のつくり方に倣って。
けれどもまだまだ、そんな軟なことでは全く減りそうにもなく、
きむ姐にお裾分けをと思い立つ。
電話をかけ夜に届けにいきたい旨を話すと、
「今日は花火大会、うちのベランダから遠花火を見ませんか」と
思いがけないお誘いいただいた。
「遠花火」。
その美しい響きにつられて野菜を届けるだけのつもりが、
心づくしのご馳走をいただきながら、すっかり長居してしまった。
花火に見入っていたのは最初のうちだけで、
その後は花火のドンッとあがる音を遠くに聴きながら、
いやそれよりテノールで朗々と歌っている謎の声を聴きながら、
最近本作りに思いがいくことがあり、
二人であれこれとお喋り、楽しかった。
野菜を作ってくださったくろひょうさんちのお父さん、
届けてくださったくろひょうさん、
もらってくださったきむ姐さん、
どうもどうも、ありがとう。
今宵はまたラタトゥイユ第2弾を作ります。