鏡花水月紀。

日々の言の葉、よしなしごと。

「楽し麗し手仕事展2012 福島三春人形の魅力 × カンボジアの万能布」展スタート。

2012-04-28 | 東北にエール

三春の高柴デコ屋敷の橋本広司民芸さんと彦治民芸さん、
葉山のクロマニヨンさん、熊本のメトロポールさん、
金沢和傘伝承研究会の山田さんのご協力で、
企画展の準備が無事整い、はじまりました!!

先だって三春へ伺い築200年の茅葺き屋根のもとでのお仕事を拝見。
300年にわたり受け継がれてきた人形(でこ)の木型を補修して使い、
生まれいづる三春のデコ達。
目に見える形だけではないものを感じた、というと可笑しく聴こえるかもしれませんが、
言葉では言い表せられないものが確かに宿っていました。
そんな一端をこの展覧でお感じいただき、
お手元で愛でていただけたらうれしいです。

またカンボジアのクロマーも、
平織だけでなく、シャーリングのかかったようなもの、
模様の切り替え変化も多彩で面白く、一枚で幾通りの表情もみられ楽しめます。
これからの季節、冷房の利いた室内などでも重宝しますよ♪
着映えのする一枚は、プレゼントにもお薦めです。
ぜひ手にとってご覧くださいませ。

それから、熊本のメトロポールさんのマフィンも、
前半はプレーン、ブルーベリー、ピーナッツクランチ、
キャラメル、モカチョコ、オレンジの6種です。
やっぱり、美味しい!!!
後半3日以後は、ラインナップが変わります。
どうぞお楽しみに~。

ご来場心よりお待ちしています。

*************************

楽し麗し手仕事展 
  福島三春人形の魅力 × カンボジアの万能布クロマー


5月6日(日)まで。
*会期中2日(水)はお休みです。
午前10時半~18時半ごろ。
お車は山森商店P⑦~⑨3台になります。










仙台さんぽ。

2012-04-27 | 日々のこと。
福島をあとにして仙台へ向かいました。

お目当てはカメイ美術館です。
折りしも、仙台在住の郷土人形コレクター高橋五郎さんのコレクションの一部が公開された、
「東北の古人形の美」が開催されており、そのなかに古い三春人形もあるとのこと。
これはぜひ、行かねば!!と。



常設の膨大な蝶のコレクションには驚かされ、
また絵画も私のすきなブラマンクもあったりで満足。
茅葺きをテーマに描き続けた向井潤吉もありました。

そして高橋さんのコレクション。
堤人形、花巻人形、そして江戸期の三春人形もしっかり目にできました。
また、新発見の珍しい絵付けのこけしも展示してあり、
大変勉強になりました。

三春人形の復興にも、
コレクターの本保さん(故人・大阪)という方が大変大きな役割を果たしており、
美術館などとはまた違った目線での市井の目というものも、
今回は感じ入ることがありました。

旅の終わりは、5~6年前ブログで知りえたブックカフェ「マゼラン」を突撃訪問。
実はこのお店の店主・高熊さんは富山県出身の方。
お互い顔を知らぬままやりとりをしてきましたが、
「どうも、どうも」と美味しいコーヒーをいただきながら
楽しくお話しさせていただきました。
土地柄、東北の本もたくさんあり、
三春人形のことも載った本を連れて帰りました。



駆け足でめぐった福島~仙台は実りがいっぱいでした。
あとは企画展にむけ前進です。

郡山さんぽ。

2012-04-26 | 日々のこと。
高柴デコ屋敷を訪ねた翌日は郡山市内を少々散策。
前日の雨もあがり気持ちの良い青空が広がりました。

まずは郡山市の表参道にある民芸くらふと和久屋さんへ。
昨年末の企画展のとき、絵付け体験のご協力をいただいており、
御礼もかねご挨拶にうかがいました。
福島の可愛い民芸品がぎゅっと詰まったお店には、
愛らしい和雑貨もそろい、ついつい長居。
居合わせたお客さんも子供の頃に遊んだと懐かしそうに手にとっていました。

 

店主の渡辺さんは「ふくしま福島インドアパーク」という、
子供達が思い切り体を動かして遊べる場所を提供する活動にも取り組まれており、
震災後のお話もお伺いさせていただきました。

和久屋さんの前の道は表参道といい、
まっすぐいくと安積国造神社。
前日、広司民芸の橋本さんから大儒学者・安積艮斎ゆかりですので、
ぜひ行ってくださいといわれており向かいました。
ちょうど春季例祭で式典の最中。
雅楽の音を聴きながらおまいりをさせていただきました。



次に向かったのが駅からバスで10分ほどの郡山市立美術館。
ちょうど「手塚治虫展」を開催中。
原子力の申し子アトムですが、
手塚治虫のメッセージをたくさん受け取りました。
しかしながら建物の入り口でみかけた放射線量測定機。
福島原発から60キロという距離と現実を感じずにはいられませんでした。


高柴デコ屋敷・三春人形のふるさとへ②

2012-04-20 | 東北にエール
今回の企画展にはデコのほか三春で作られている「三春駒」も販売します。
デコ屋敷の集落のなかで、唯一、ホウの木から切り出し、
三春駒を作っているのが彦治民芸さんです。



茅葺き屋根も前半分だけですが健在。
明り取りの窓が三春駒なのがまた良いです。
もともとは子育て木馬という素朴な玩具が由来で、
いつしか現在の立派なものに移り変わっていきました。
黒駒が子供の成長を祝い、
白駒は先代が考案し長寿を願うものとして作られています。
そんな先代の姿をみて育った現当主10代目のの橋本高宜さんは
「努力はするな、工夫をしろ」が信条。
楽しいお話をうかがわせていただきました。



気がつくと時計はお昼をすぎており、
三春の町まで送っていただいた橋本広司民芸の将司さんとお昼をともに。
三春名物の三春そうめんとほうろく焼きをいただきました。
三春そうめんは平麺でこしがあり、
ほうろく焼は木綿豆腐を三角に切って揚げてあり、
甘い味噌だれで頂きました。
ここのお店のはなかにふきのとう味噌も。
美味しくいただきました。



朝からデコ屋敷ほかご案内いただいた将司さんには、
山の上に建つ民俗歴史資料館まで送っていただき大変助かりました。
三春の町は山々の折り重なるなかにあり、
町を見おろすように立派なお寺もありました。
これは三春藩がいざという時に武器や兵糧を蓄える役割もあったそうです。
下のお寺は玄侑宗久さんがご住職を勤める福聚寺。
トタンの下は茅葺き?



三春の町は滝桜だけでなく、どこにも本当にたくさん桜の木が植えてあり、
花の季節を迎えた今はさぞやは見事なことでしょう。



川沿いにも古い土蔵があったり、蔵をいかした三春人形展示館も寄って。
あいのくの雨でしたが、静かな三春もまた趣きがありました。


高柴デコ屋敷・三春人形のふるさとへ①

2012-04-20 | 東北にエール
先週末、企画展の打ち合わせもかねて、
福島から仙台まで駆け足でめぐってきました。

お訪ねした橋本広司民芸はデコ屋敷の家々からもまた少し離れており、
不動桜という滝桜の子孫の桜の木に見守られるようにありました。
トタンこそかぶっておりますが、なんて立派な茅葺き屋根!
築200年とお聞きしました。
*写真はクリックすると拡大されます。



お邪魔するとオクドさん、そしてだるまがぎょろり。
「お前は何者ぞ」と問われます。

 

現17代当主のお母様・橋本アサさん。
家の前に数本あるソメイヨシノはアサさんが嫁いだときに植えたもの。
今頃、蕾がふくらみ、花が咲き始めたころでしょうか。
アサさんは今年91歳を迎えられたといいますが、
ご覧の通りお年を感じさせません。
先祖伝来の木型に和紙を丁寧にはっていきます。
この笑顔にお会いできただけでも、はるばる伺った甲斐がありました。

 

三春人形は和紙を4~5枚重ねて湿らす、
木型に貼り乾燥させ小麦粉の糊を塗る、
型を外して膠で継ぐ、胡粉を塗る、絵付けをする
5つの仕事をそれぞれ分担して、作られていきます。
お孫さんの将司さんに教えていただきました。

絵付けは将司さんのお父さんで当主の橋本広司さん。
三春人形の復興に力を注いだ先代の「無になれ、体全体でつくる」
その言葉がわかるまで、ずいぶん悩んだ時期もあったそうですが、
「無になる、空になると、自然と何か先祖といえばいいのか、
仕事が仕事を教えてくれるというか」
そうして今にいたるとお話くださりました。

三春には七福神踊りという踊りがあるそうですが、
そこからさらに広司さん考案の「ひょっとこ踊り」も生まれました。
ちょうどお伺いした時に、
お嬢さんの結婚式で踊ってほしいと依頼にこられたご夫婦があり、
広司さんはひょいと積んであったひょっとこ面をつけると、
デコ職人の橋本広司さんの存在は消えてしまい、
そこには人のもつ哀しみを面の奥底に秘めて、
ただひたすら笑われてある「ひょっとこ」の姿。
「おじちゃん、馬鹿やなあ、そういって子供に笑われたら最高ですわ」

三春人形は明治になって顔料の制限などもあって廃れ、
だるまだけが細々作られていました。
それが昭和の中ごろ、様々な方の尽力で復興し現在に繋がります。
橋本広司民芸さんには、代々の木型、文書も保管され、
見ごたえがありました。
ゴールデンウィークの企画展には、
貴重な木型も特別にお借りし展示の予定です。

高柴デコ屋敷のデコたちに、ぜひ会いにきてください。


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

楽し麗し手仕事展2012 
 福島・三春人形の魅力 ×
 カンボジアの手織万能布クロマー 

4月28日(土)~5月6日(日)*2日(水)はお休み
10時30分~18時30分
金沢大野湊かたかご庵

○三春人形、三春駒の数々
○絵付け体験
○カンボジアの万能布 クロマー
○メトロポールのマフィンDEなごみカフェ               

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

三春へいってきま~す。

2012-04-13 | 日々のこと。
今週は職場主催の新入社員研修があったり、
再来月のフライヤー作ったり、
年度末の集計があったり(これは経理のカヨちゃんの仕事だが)、
よく働いた~(はず)。

今から夜行バスにのって仙台~郡山~三春と向かいます。

目的はGWにおこなう企画展の打ち合わせ。
三春の人形(でこ)が生まれた町をこの目でみてきます。
私の好きな玄侑宗久さんのお寺もありますしね。
そして、福島にお住まいの方々の今の声にも耳を傾けてきます。

最近また地震が続いて、
おまけに4号機も油断ならない状況ですが・・・。
ともかく行ってきます。


楽し麗し手仕事展2012

2012-04-03 | イベント、お知らせ。
春の訪れがゆっくりしていますが、
タネツケソウの白い小さな花、ツバメの訪れ、
満開の梅、膨らみ始めた桜のつぼみに、
少しずつ季節の巡りを感じます。

暖かくなり、かたかご庵も動き出します。
今年のゴールデンウィークは、
「楽し麗し手仕事展2012」として、
かねてより好きだった福島の三春人形、
そしてカンボジアの万能布の2本立てで企画展を行います。

詳細は「骨董の器で、頂きま~す」のブログで、
順々にご案内していきます。

どうぞ宜しくお願いいたします。