俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

4月17日(日)

2011-04-16 07:37:17 | Weblog
★雉啼くや子二人育てつつ暮らす  正子
私の家の近所で最近よく雉が鳴いています。雉が雛を育てる時期ですね。「育てつつ暮らす」に現在の生活の充実が反映されて印象深い句になっています。 (多田有花)

○今日の俳句
時はいまゆっくり流れ蝶の昼/多田有花
蝶の飛ぶ真昼。蝶の飛ぶ辺りは蝶の空間と時間となって、ゆっくりと時が過ぎている。春昼の気だるく長閑な時間が詠まれている。(高橋正子)

○花冠六月号(330号)後記
★三月十一日二時四十六分、東日本大震災は、
平凡に暮らすわれわれには、突如として起き、
地震で家屋が倒壊し人も死に、昔話に語られ
る大津波が起き、町や村を壊し、人をさらっ
て行きました。その上困ったことに原子力発
電所の未曾有の事故に、怒りの気持ちに口を
固く結ぶ日々です。原爆投下といい、原子力
発電所の事故といい、誰がこのようなことを
したのかということになります。これから、
いろいろの問題が提起され、世の中が新しく
変わってゆくことでしょう。
★今月号は、寒中に催されました、慶大日吉
キャンパス吟行句会のご報告です。同じ吟行
句会の、宏さん、信之先生、そして私の報告
記です。同じように思い、また違うように思
う。いかがでしたでしょうか。
★今年に入って、毎月あたらしく花冠に入会
いただいています。花冠の行き方に、自ら賛
同されて、選んで入会いただいたことなので
大変うれしく思います。俳句は伝統文化です
が、伝統と守りながらも、旧態依然ではつま
りません。あたらしい人たちの入会によって、
刺激され、みんなが活気づくことが期待でき
ます。大震災のあとだけに、気持ちはいっそ
う清新でありたいと思います。
★大震災のあとも毎日のように余震が起こる
なかも桜がきれい満開となり、そしてもう散
り初め、早いところは葉桜になっています。
こうなれば、夏近しの陽気ですが、正子の俳
句日記に載せる桜の写真をいやというほど撮
りました。ご覧いただいてありがとうござい
ます。近所の古刹金蔵寺の桜は、今年は見事
でした。蕾にようやく色が着き始めた頃から、
毎日のように訪れて、信之先生が、ここから
がいい、あの屋根を入れればいい、この間が
いいと、いい場所を指示してくれて、こうな
れば、撮る方は対象を狙ってはおれなく、た
だ、ピンボケしないようにシャッターを押す
だけ(よく言えば無心に)でした。カメラを
通せば、小さい花の表情がよくわかり、驚く
こともあります。
★わが家のベランダにも、チューリップやデ
ージー、ラベンダーなどがとりどりに咲いて
くれました。数日前には、ガーデンレタスの
苗を花苗と混ぜて三ポット植えましたが、食
用になるほど育つかどうか。アメリカの小説
で読んだ話に老未亡人がレタスをきれいに洗
い、丁寧にちぎって、食卓を用意する場面が
ありましたが、レタスは老未亡人のこぎれい
な生活にぴったりと思いました。花に劣らず
色あいも姿も、かわいい植物です。
★花冠同人の山中啓輔さんが、四月十三日に
癌で亡くなられました。六十七歳でした。謹
んでご冥福をお祈りいたします。 (正子)

◇生活する花たち「薔薇・チューリップ・デージー」(横浜日吉本町3丁目)



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1 コメント

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お礼とコメント (多田有花)
2011-04-14 18:29:45
正子先生、
「時はいまゆっくり流れ蝶の昼」を今日の俳句に
お取り上げいただきありがとうございます。
蝶が飛ぶのは晴天の暖かい昼間です。その動きを
見ているとのんびりとのどかな気持ちになります。

★雉啼くや子二人育てつつ暮らす  正子
私の家の近所で最近よく雉が鳴いています。雉が雛を育てる
時期ですね。「育てつつ暮らす」に現在の生活の充実が反映されて
印象深い句になっています。
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